新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

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仮面ライダーガッチャード 第31話「暗闇のふたり、互いを信じて。」感想

我が相棒に乾杯!!

(宝太郎×りんねを見ながら)もう付き合っちゃえよ!!!

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  • 仲間との信頼こそが彼女の力

 アトロポスの精神攻撃によって追い詰められていたりんねの様子から始まった今回のガッチャード。ここからさらにりんねが可哀想な目に遭うと覚悟しながら見ていた中、ミナト先生の助太刀&激励によって一気に立ち直ってみせたのでちょっと面食らいました。とはいえ「支えてくれる仲間がいるから」と奮起するりんねの姿は素直に素敵でしたね。りんねはスペックこそ高いものの自分のことになると自信を失くしがちですが、逆に誰かとの繋がりには確固たる思いを以て行動出来るのだとつくづく感じます。(ジュリエットの代役をこなす際のシーンは特に彼女の実力が出ていますね)

 そんなりんねの強さを感じたのは後半の「クラーケンマルガム」戦。敵味方の認識を逆転させる幻覚を操る敵に対し、敢えて自らガッチャードの必殺技を喰らうことでやれらたように見せかけ騙す展開には大いに驚かされました。『ロミオとジュリエット』の終盤、ジュリエットがロレンス神父から貰った仮死状態を作り出す毒で死んだように見せかけるシーンから発想を得たというのがまた面白いです。(ネミネムーンで死んだように見せかける理屈にはあまりピンときませんが)原典では悲劇だった出来事を、逆転の一手に変換するシチュエーションが素晴らしいと個人的には思いますね。

 さらに今回の戦闘でガッチャードとマジェードの抜群のコンビネーションが発揮されていた点も見逃せません。上述の作戦に加え、エクスガッチャリバーを共有・交換しながら戦う場面にはテンションが爆上がりしました。仲間がいるからこそ自分を信じて戦える……そんな九堂りんねという人物の本領がよく表れていたと言えます。ロミオとジュリエットのすれ違いからくるバッドエンドを、このようにポジティブな信頼へと解釈した描写も含めて非常に心地よい展開でしたね。

 

 

  • 少女のほろ苦なアオハル

 前回から宝太郎の前でグイグイくる静奈のエピソードも今回の注目すべきポイント。助け出されてからりんねに対して敵意剥き出しだった彼女に最初こそ唖然としましたが、静奈の立場から見るとこうなるのも無理はないかなぁとも思います。「仮面ライダーWEB*1でも言及されていますが、宝太郎との再会に喜んでいたら知らない女子が隣で不機嫌オーラを出しているわ謎の幼女に襲われて死にかけるわと静奈もかなり散々であることがわかります。加えてアトロポスの嘘もあるので信じられないのは当然と言えるでしょう。

 さらに宝太郎とのやり取りで、静奈の抱える感情や背景などがそれとなく読み取れました。「家の中がゴチャゴチャして居場所がなくて」というセリフでボカされていたものの、幼い頃の彼女の家庭環境が悲惨だったことが容易に想像出来ます。(転校を繰り返している理由についても色々邪推してしまいますね……)そんな状況で明るく夢を語る宝太郎に励まされた話もあって、彼に惚れるのも納得といったところ。この短いシーンだけで九十九静奈という人物の多くを知れた気分です。

 それだけに宝太郎の仲裁のおかげで仲違いを解決出来て一安心。りんねに嫉妬したことをはっきり口にして謝れるのは中々に偉いことだと思いますね。その後も上述の宝太郎とりんねの息の合いようを見て、2人の仲を認める姿は寂しさと清々しさが内包されていて実に素敵です。最初こそ恋愛の雰囲気にちょっとギスギスしたものを感じましたが、こうした過ちを含めて青春として昇華する内容に満足させられました。それはそれとして無自覚なまま周囲にファンを作りまくる宝太郎は爆発しろ!

 

 

  • 弟子の心、師匠知らず

 今回の残りの見どころといえばやはり不遇なスパナでしょうか。まず前半ではクラーケンマルガム戦にて参戦したものの、幻覚戦術を前にあえなく倒されるシーンが可哀想でした。とはいえ見せられた幻覚が鏡花さんということもあり、やられたのも当然だとも思います。むしろ「頭ではわかっているのに……!」と鏡花さんの幻覚を攻撃出来ない姿が何とも可愛らしいと感じましたね。お前のそういう「冷静・冷徹を振る舞っているけど身内にはめちゃくちゃ甘いところ」が結構好きだよ僕は……!

 さらにラストのラケシスが複製したヴァルバラッシャーを見せつけるシーンでさらにお労しいことに。戦力増強という目的そのものは真っ当なものの、ラケシスを警戒するスパナの気持ちもわかるので反対を聞き入れてもらえない様子は何とも哀れでした。(ミナト先生までラケシスを受け入れているのであの場は完全に四面楚歌でしたね)幻覚の鏡花さんに苦戦を強いられたと思ったら、本物鏡花さんからも不意打ちを喰らってしまった構図でおかしさと同情が同時に湧いてきます。

 鏡花さんって優しいけど割と勝手だよなぁ……などと感じつつ、ラケシスから色々情報を聞き出そうとしているのもあって余計に複雑な気持ちになってしまいます。実際グリオンを連れ去った謎の手が「冥黒の王」なる存在であることが判明しましたし、鏡花さんのやり方も間違ってはいないと思います。ただスパナと意見がすれ違っているのは何とも切ないので、後々ちゃんと師弟で話し合う展開を見せてほしいですね。

 

 

 そして次回はまさかの宝太郎とクロトーがメイン!?特殊な空間に閉じ込められた2人が、即席タッグを組んで脱出を図るようです。ここにきてクロトーにスポットが当たることに当初は驚きましたが、アトロポスがりんね、ラケシスがスパナと絡んでいるなら彼女が宝太郎との組み合わせになるのもなるほど納得ではあります。というわけでクロトーは前回の悲痛な叫びといい最近不憫な目に遭っている分、宝太郎によってある程度救われてほしいですね。同時にガッチャード&ドレッドの呉越同舟コンビネーションにも期待したいところ。

 また宝太郎たちを襲ってきた謎の勢力に関してですが、予告映像で『ジオウ』に出てくるカッシーンが映っている点に衝撃を受けました。しかも仮面ライダーWEBのあらすじによると組織の名前は「ハンドレッド」……『ガッチャードVSレジェンド』でカグヤ/レジェンドが戦っていた異世界の侵略者が、ついに本編に絡んでくる展開に驚きと興奮を隠せません。さらに今回ラケシスが口にした冥黒の王まで参戦するとのことですが、どんなカオスとてんこ盛りが待っているのか非常に気になりますね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

2024年春アニメ簡易感想 その6

 

 

 

 昨年『トランスフォーマー ビースト覚醒』が日本で公開され話題になった実写映画版トランスフォーマーの続編が判明。今度は何と『G.I.ジョー』とのクロスオーバーが行われるというのですから驚きです。GIジョーと言えばハスブロで販売されたアメリカ兵隊のアクションフィギュアが原作の映画シリーズですが、同じくハスブロ玩具のトランスフォーマーとついにコラボすることになったのはある意味で必然と言えるでしょう。(下の方で書きますが、この2つの商品は“奇妙な繋がり”があったりします)ビースト覚醒のラストのファンサービスが、本格的に次回作の布石になった点にもニヤリときますね。

 さて上のリンクから読める記事によると、そのクロスオーバー映画はビースト覚醒のその後を描く模様。しかし前作の監督であるスティーヴン・ケイプル・Jr氏ではなく、スティーブン・スピルバーグ氏が製作総指揮を務める情報にはちょっと首を傾げますね。スピルバーグ氏仕込みのアクションも好きですが、どうせならビースト覚醒の雰囲気のままでクロスオーバーをやってほしいところ。ケイプル・Jr氏を続投させたうえで映画をやってほしいとつい思ってしまいます。

 そんなオタクの面倒くさい願望は置いておいて、個人的に重大な問題としてGIジョーをほとんど知らない状況でこの映画を観ていいのかがあります。流石に最低限の情報を知っておかないといけないとは思うので、機会があるうちに実写映画の方をチェックしておきたいですね。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

夜のクラゲは泳げない

第2話「めいの推しごと」

 匿名アーティスト「JELEE(ジェリー)」として活動することを決意したヨル(まひる)と花音。そこに割って入ったアイドル時代の花音を推す「木村ちゃん」こと「高梨・キム・アヌーク・めい(たかなし・キム・アヌーク・めい)」の強烈なアピールに面食らいました。お布施を躊躇わないスタイルと今の橘ののか(花音)を「解釈違い」と一蹴してくる様子の勢いが凄まじく、前半の内から圧倒されてしまいます。推しが変わってしまったことを嘆く気持ちはわかるものの、花音の拒否に対してもショックを受けるさまなどからはやはり典型的な厄介ファンというイメージがつきまといますね。

 しかし木村ちゃんの回想シーンで彼女の印象がガラッと変わることに。ピアノやクラスの関係などに馴染めずにいた中、グループ内で孤立しても笑顔を絶やさない橘ののかに救われてからの再起パートは胸にくるものがありました。推しから勇気を貰って日々を楽しく生き、彼女のゴシップに絶望する様子などは見ているこちらにも突き刺さります。(前半の「嘘つき」発言も、握手会で交わした約束を知ったことで腑に落ちましたね)そのため見た目は変わっても約束を守り勇気をくれる花音に感涙するラストにはスッキリしました。解釈違いの件を“ののたん箱推し”という力業で解決したことには笑ってしまいますが、今の花音と昔のののたんの違いを受け入れながらも前に進めた点は素敵だと感じます。

 

 

ささやくように恋を唄う

第1話「屋上と、ギターと、先輩と。」

 今季の百合アニメの一角は、新歓ライブでの一目惚れから始まることに────といった感じで始まった本作ですが、いざ見始めた際に判明した主人公2人の「一目惚れ」の意味の違いにズッコケることになりました。新入生の「木野ひまり(きの・ひまり)」が「朝凪依(あさなぎ・より)」先輩に一目惚れしたのはあくまでファンとして、というのは途中までのイメージと大きく異なっていたので困惑が大きかったです。ひまりの小動物のような人懐っこさとグイグイくるキャラクターからも、彼女の憧れからくる残酷さが感じ取れます。それ故勘違いしてしまった依先輩に同情を覚えますね。

 そんなわけで何となくですが、この作品は依先輩が如何にしてひまりに自覚させるかがキモであることを読み取りました。先輩の方はひまりに対して本気で恋をしてしまっているのでかなり滑稽な状況になっているものの、情けない部分とクールぶっている時のギャップのおかげで妙に応援したくなりますね。(バンドメンバーに弄られているシーンも相まって、先輩はひまりとはまた異なる可愛さがあります)“Love”と“Like”のように全く異なる“好き”を振りかざし、同じようで全く異なる景色を見ている両者の行く末が早くも気になってきました。

 

 

夜桜さんちの大作戦

第2話「夜桜の命」

 晴れて幼馴染と夫婦になった太陽に待っていた波乱万丈の初任務が描かれた今回。六美を狙う連中から彼女を守るため主人公が奮闘していましたが、どちらかというと本作のスパイ業界の絶妙な緩さが印象に残りました。敵の爆弾使いは逐一SNSで報告するわ、ちょっと愉快なギャグを交えてスパイの騙し合いバトルが繰り広げられていたのが面白かったです。それでいてSNSが太陽を誘導するためのトリックだと判明するシーンなど油断ならないのが面白いところ。

 そんな状況で六美のために身を投げ出す太陽この主人公自分を犠牲にすることに躊躇がないのが怖いな……を、凶一郎をはじめとした兄弟たちが助けるのが素敵でしたね。ノリそのものは軽いものの、殺伐とした裏の世界で唯一信じられる家族を守るシチュエーションにはグッとくるものがあります。特に凶一郎の「お前を殺したいがこの身に代えても死なせはしない」という言葉で、彼の印象が少々変わった次第です。

 また夜桜家の血統や当主になることを運命づけられた六美の話も注目ポイントですね。超人ばかりの兄弟の中でただ1人能力を持たない常人こそ家の要、といった設定は非常に興味深いです。ただの狂気のシスコンだと思われた凶一郎の前回の行動にも納得がいき、六美を守り切るという本作の目標をはっきり認識することが出来て楽しみ方がわかった気がしますね。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第104話「ザ、ダークメン」

 恐らく遊戯王史上初であろう「トイレの瀬戸際でのデュエル」シチュエーションに動揺が止まらない。突如現れた謎の男「サビュラス」にCPTのシステムを乗っ取られた構図そのものは緊迫感があったものの、トイレに行きたい遊飛とトイレの修理をかけて戦うことになった時は何とも言えない笑いが出てきました。加えてそのサビュラスが悶絶する遊飛を見て喜ぶタイプの変人だとわかりさらに唖然。CV速水奨の中二ポエムやエースのダークマター・エニグマータのカッコよさなどもありますが、上述の要素の方に印象を持っていかれたように感じます。(ただサビュラスが所属する「ダークマター帝国」や、遊飛の宇宙人レーダーが反応しなかった件は気になるところ)

 対する遊飛は上述の通り、終始トイレを我慢しながらデュエルしていたのがおかしかったです。(ラストで紙がないことを嘆いていた辺り“大”の方らしいのがまたシュール)遊歩が残したデッキが混ざったことで妹のカードと組み合わせて戦う……という胸熱なシチュエーションなのに脂汗のせいでイマイチ熱くなれないのは最早笑うしかありません。とはいえ逆境を跳ね除けて勝利した遊飛のタクティクスと、兄妹のエースの合体・ブルーテック・バーストレックスの活躍は普通にエモかったですね。他にも「ユウディアスたちの前でカッコつける必要があるのか?」と悩むなど、思春期の少年らしい見栄の張り方の描写が散見されたのも興味深いです。終始尿意&便意と戦っているイメージが強いものの、終わってみれば遊飛のメンタルの強さが発揮されていたように感じます。

 

 

トランスフォーマー アーススパーク

第28話「はしれ!ブレークダウン」

 バンブルビーとブレークダウンのクールなカーチェイスとその結末のギャップが凄まじい……真っ当にレース勝負が出来るとは思っていなかったものの、楽しそうに逃げ回っていた2人が引き離される展開は見ていてあまりにも辛かったです。何よりブレークダウンの粋な性格に惚れ惚れされた分、ビーのために自らを犠牲にした「カッコつけ」が心に残ります。「勝負に勝った方が敵を引き付ける」発言も、自分の速さの自信からして最初からビーを逃がす気満々だったのが読み取れましたね。(余談ですが今回はスロー演出が多く、ブレークダウンがビーを逃がす瞬間のシーンなどはその演出のおかげで切なさが増大していました

 そのうえビーがゴーストに捕捉されたことで、マルト家に戻ってこれなくなってしまった展開も中々にショッキング。無力感に打ちのめされるツウィッチの様子も含め、中々に後味の悪い終わり方になってしまいました。そんな状況で唯一の救いを敢えて上げるとするならばシュローダーでしょうか。一般レーサーの避難を優先したり、マルト夫妻を庇ったりとゴースト所属にありながら自分の正義感を優先してくれる姿は頼もしかったです。要所要所でウザいけど悪い人ではないことは以前からわかっていましたし、シュローダーにはどうにかして味方になってほしいところです。

 

 

 さて上述でも触れたように、トランスフォーマーとGIジョーは密接な関係性があり、GIジョーから間接的にトランスフォーマーが生まれたとのこと。ざっくり説明すると……

 

日本のタカラがハスブロとライセンス契約をしてGIジョーを販売

→日本の子どもに売り込むために素体を流用した「変身サイボーグ」を展開する

→オイルショックで材料費が高騰したのでサイズを縮小した「ミクロマン」を作る

→ミクロマンと「ダイアクロン」、タカラの2大主力商品の変形ロボット玩具をハスブロがライセンス契約で売り込む

→設定を変更してトランスフォーマーが誕生!

 

 といった経緯らしいです。(※間違った情報もあるかもしれないのでご了承ください)GIジョーを日本に持ち込んだことが巡り巡ってトランスフォーマー誕生に繋がっているという話はあまりにもファンタスティックで、事実は小説より奇なりという言葉を思い浮かべてしまいます。

 そこからトランスフォーマーが帰国子女の如く日本に輸入されそちらでも人気になった話も含め、玩具同士の奇妙な繋がりに感嘆せずにはいられません。それだけに今度の映画で共演する2大ヒーローのクロスオーバーにも期待してしまいますね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

ポケットモンスター テラスタルデビュー 第46話「ドキドキ!オレンジアカデミー」感想

一歩前にgo!

今新たに始まる、リコたちの冒険の次なるステージ!!

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 リコたちを主人公としたアニポケ新シリーズの内、第2章である「テラパゴスのかがやき」が先日完結タイトルの割にテラパゴスがあまり目立っていなかった気がするな……そして新年度からの新章「テラスタルデビュー」がついに始まりました。これまでのロードムービーのような作風から一転、学園にジム巡りなど従来のアニポケらしさが戻ってきたような内容となっており、早くも妙な懐かしさを覚えます。急な路線変更のイメージも強いので困惑もありますが、どうせならリコたちのこれから始まるスクールライフ&新たな冒険を楽しんで見ていく所存です。

 

 

  • いざテラスタル研修

 上述の通り今回からリコとロイ、ドットの3人がパルデア地方の「オレンジアカデミー」*1に通うことに。ただし名目が「テラスタル研修」となっているのが興味深いところで、テラスタルとは何なのかを劇中で初めて解説しながら習得のための道筋を懇切丁寧に教えてくれる様子に感心しました。研修のテストであるジムリーダー戦に関しても、リコたちがそれぞれ割り振られたジムリーダーに挑戦する方式になっているのが面白いです。(なるほどこれならそれぞれの成長の場が均等に設けられるというわけですね)学園だけあって生徒に学びと自主性を磨く場を用意しているのがわかります。

 ちなみに今回割り当てられたジムはそれぞれ……

  • リコ:セルクルジムの「カエデ
  • ロイ:ボウルジムの「コルサ
  • ドット:ハッコウジムの「ナンジャモ

 といった感じ。過去のアニポケにおけるジム巡りを彷彿としながらも、細かい部分で新鮮さを感じさせてくれます。この中だと以前のリベンジの機会が訪れたロイと、憧れの相手とのバトルをすることになったドットに注目したいところです。

 またそれらを教えるオレンジアカデミーの先生や生徒、そしてパルデア四天王といった原作ゲーム『スカーレット・バイオレット』のキャラが一気に出演したのが嬉しかったです。ゲームを既にプレイした身としては、彼らがアニメで動いて喋っている姿を見ているだけでもテンションが上がります。「クラベル」校長や「チリ」など、基本どのキャラも今のところイメージ通りの声と演技である点もグッド。ゲームでも非常に個性豊かだった面々が、これからリコたちと様々な会話やバトルを繰り広げるかと思うと高揚感が止まりません。

 

 

  • 子どもたちだけの冒険の不安とワクワク

 さてそうして始まったテラスタル研修ですが、リコたち3人でジムまでの道のりを歩んでいくことに少々寂しさを覚えました。これまではライジングボルテッカーズという頼もしい大人たちとの旅を繰り広げてきただけに、子どもたちだけで大丈夫なのかとつい思ってしまいます。しかしドットを除いてみんな積極的かつウキウキな様子を見せていたので、その不安もある程度紛れました。フリードたちに支えられるだけでなく、彼女らの身の力で乗り越える時が訪れたようにも感じますね。言うなれば子どもの1人立ちを見守っているかのような気分になってくる、そんな一幕かもしれません。

 それを強く感じた展開として、リコとアンのバトルは見逃せません。同じくテラスタル研修に来ていたアンの再登場に喜びを覚えつつ、彼女のフタチマルとのポケモンバトルが始まった時は大いに興奮させられました。劇中でも語られていましたが、第1話でのリコとニャローテ(ニャオハ)の初めてのバトルの相手との再戦となっているのがエモいです。タイプ相性の対策もしてきたアンに対し果敢に攻めたて、リコたちが勝利を収めた時にはちょっとした感動してしまいました。あの時とは違う結果を出せるくらいには成長を見せつけたリコ、さらにロイやドットも含めて今後が楽しみになってくる回でもあったと言えます。

 そして余談ですが、何といってもオニキスとサンゴがアカデミーの生徒として潜入してきた時はわかっていても吹き出してしまいました。オニギリとサンドイッチという明らかな偽名だけでもおかしいですし、リコたちにすぐ看破されるシーンは余計に面白かったです。サトシを20年以上騙し続けてきたロケット団の変装を見習え一方ライジングボルテッカーズ陣営では、フリードが六英雄のボールとベルトを見つめるラストも気になりますね。リコたちが研修に出ている間、彼のみで残りの六英雄を探すということでしょうか。六英雄の件が放置されるのかと思っていた中、平行して話を進めてくれそうな予感にちょっとホッとさせられました。

 

 

  • 新たな旅立ちへの挑戦を讃えるOP&ED

 新章に入るにあたり、OPとEDが一新されたことも忘れずに触れておきましょう。今回の両曲もこれまでの本作の楽曲と同じように、軽快でポップな要素が目立つ“イマドキ”な曲になっていたと思います。

 まずOPは韓国発のガールズグループ・IVE(アイヴ)さんが歌う「Will(ウィル)」。新しい冒険への挑戦を応援してくれる、気楽さと楽しさを歌っているような歌詞と曲調が印象に残ります。過去のOPである「ドキメキダイアリー」と「ハロ」とも似通った雰囲気がありますが、今回は前2曲よりも明確な目的を見据えたようなイメージを抱きますね。さながら1年目の曲でわからないことだらけだったOPが、リコたちの成長と共に3人旅へとわかりやすくシフトした感じでしょうか。映像に関してもテラスタルが彩るキラキラの旅路を楽し気に映しているのが素敵です。

 続いてEDはYouTubeやTikTokで活動する歌い手の9Lana(クラナ)さんによる「Let me battle(レッツミーバトル)」。カメレオン歌手として知られている方らしく、まるで別人のように声が変わりながら歌っていく曲には聞いていて驚かされます。(僕自身、後で調べるまで複数人で歌っているのかと思いました)OPと同じように新しいことへの挑戦、そして転んでもまた立ち上がれることを語っているのも特徴的です。映像に関してはフィルムのような質感から煌びやかな万華鏡カットへの移行が目に映りましたね。そしてサラッと出てきたコライドンミライドンらしきシルエットにニヤリときたり……

 以上のようにこれまでのOPとEDに似通った部分と大きく様変わりした部分が両方あり、目新しさと懐かしさと同時に覚えます。前曲から切り替わったのは残念ですが(特にEDのラップはもっといろんなバリエーションで聞いてみたかったところ)、作品の展開と同じように、新しい曲も受け入れ楽しんでいきたいですね。

 

 

 さて次回は早くもセルクルジムでのジム戦が開始。(セルクルタウンにあっという間に着く辺り、割とハイペースに話が進みそうです)早速リコがジム戦に挑戦するのですが、予告の時点で彼女が大分気負っているのが心配です。初めてのテラスタルを成功させようと必要以上に力んでいるのが読み取れるので、本編では是非リラックスして決めてほしいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

*1:アカデミーの名前が「オレンジ」であることから本作の世界はどちらかというと『スカーレット』寄りである可能性が伺える。

2024年春アニメ簡易感想 その5

 

 

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 もうすぐ9周年を迎えようとしているFGOこと『Fate/Grand Order』と、アニメ化が控えているまほよこと『魔法使いの夜』のコラボレーションイベントの開催が決定。『Fate/ZERO』のアニメ再放送中のCMで新情報が流れることは事前に聞いていましたが、まほよとのコラボが個人的には予想外でしたね。(というのも2024年を迎えてからいきなり『Fate/SamuraiRemnant』とのコラボイベントを開催していたのもあり、今年のGWのコラボイベはないものかとばかり思っていました)しかもここ最近働きまくっている奈須きのこ氏がコラボのシナリオを執筆するとのことで、余計に衝撃とワクワクが押し寄せてきます。

 さてかつて当ブログで言及しましたが、まほよをプレイしたことがない身としては今回のコラボイベをどこまで楽しめるのかは不安なところ。アニメで履修しようとしていたもののそちらの続報が中々来ない中コラボの方が来てしまい複雑な心境ではあります。とはいえ『月姫』でも断片的に活躍していた青子さんがサーヴァントとして実装される可能性が高い点は素直に期待していますね。どうせなら気楽に楽しんでいきたいと思いながら待つ所存です。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

※『ポケットモンスター テラスタルデビュー』第46話の感想は個別感想で書く予定です。ご了承ください。

 

 

 

 

 

 

ダンジョン飯

第15話「ドライアド/コカトリス」

 ドライアド戦で見ているこちらの目と鼻もムズムズしてきた件。架空の魔物ながらまき散らす花粉による被害は、涙と鼻水の異様な作画クオリティもあって妙なリアリティと説得力がありました。またみんながまともに戦えない状態でセンシを導いたチルチャックの指示が今回光っていましたが、その後彼から性教育を受けるシーンでさっきとは異なる笑いを気の毒な感情が湧いてきましたね。センシ本人はマルシルやチルチャックを想っての行動で思いやりに溢れているのはわかりますが、そこそこの中年らしいチルチャックからしたらこの指導は恐怖でしかないので後者の方に同情してしまいます。

 その後はライオスがマルシルから魔術の初歩を教えてもらったり、コカトリスに襲われたりとこれまた大波乱。特にマルシルが石化するかもしれない状況に陥った時はハラハラさせられましたが、彼女の石化時のポーズが何とも言えないものだったのでちょっと落ち着きましたね。その後も石化の体のバランスを保つために、ついでに漬物石代わりにするシーンは爆笑ものでした。これまたマルシルのことを想って解除に尽力しているのはわかるものの、絵面が酷すぎるのでラストマルシルが起こるのも無理はないと感じます。善意のつもりでも相手からしたら正直……というシチュエーションが多いと感じながら、本作の従来のノリが戻ってきたことを実感する回だったと言えます。

 

 

ゆるキャン△ SEASON3

第2話「プチキャンと庭キャン」

 今回の前半はなでしこの幼馴染・綾乃がメイン。彼女たちに影響を受けたのか、1人でちょっとしたキャンプ気分を味わう様子が描かれました。原付でちょっと遠くに行きココアを飲むだけの日帰りだけど、雰囲気は決して悪くありません。安い費用で買ったポケットコンロを使いココアを暖めるシーンも含め、ちょっとした遠出でも十分にキャンプと言える懐の広さがこの作品らしいと感じています。何より2期ではほんの少しの出番で終わっていた綾乃が、その後テントを購入するほどにキャンプにのめり込んでいく過程を見ていくのは中々胸が高鳴るものがありますね。

 そして後半は恵那の家で庭キャンを開始。(この辺りのエピソードは実写ドラマの方で先に描いていましたね)千明の散髪が主な目的なのですが、自家製ソーセージ作りの様子などの方が印象に残りましたね。手作りソーセージの出来は微妙だったものの、作る過程で繰り広げられるおふざけのやり取りなどには大いに癒されました。何より3期に入って初のちくわが相変わらず可愛くて最高の一言。寒い外によりも床暖房を選んだり太郎丸ゾンビ犬になりきったり、落ち込む千明の前にリードを持ってきたりとちくわらしいフリーダムな姿を思う存分味わうことが出来て大満足です。

 

 

WIND BREAKER(ウィンド ブレイカー)

第2話「憧れのヒーロー」

 いよいよ風鈴高校入学という日に新キャラ「楡井秋彦(にれい・あきひこ)」の登場に印象が持っていかれた2話。チャラい見た目と失礼な言動が目立ちますが、実力が無くても困っている人を助ける姿勢に好感が持てました。ボウフウリンの先輩たちのようになれずとも少しでも憧れに近づこうとする……その様子は見ていてグッとくるものがあります。桜がそんな楡井を前に、最初の印象を改める展開もグッド。桜は「弱いのに自分が強いと勘違いしている奴が嫌い」と言っていましたが、逆に楡井のような「自分の弱さを自覚したうえで立ち上がれる根性のある奴」は好きそうですね。

 そして後半の初登校は一転して従来のヤンキー漫画っぽい空気感に。ボウフウリンのことをカッコいいと認めた桜ですが、ケンカでてっぺんを取る目的そのものは決して諦めていなかったのはちょっと意外でした。そのため自身の野望を臆面もなく口にして警戒されたり、「杉下京太郎(すぎした・きょうたろう)」とかいう如何にもなヤバい奴が出たりと見ていてハラハラさせられる場面が多かったです。(あとビクビクしまくっている楡井が可愛い)それすらもケンカのスパイスとして楽しむ桜の肝の据わりようから、彼が筋金入りのケンカ好きな不良であることを再認識した次第です。

 

 

アイドルマスター シャイニーカラーズ

第2話「ウタという炎」

真乃の今後が気になる中、今回スポットが当たったユニットは「L'Antica(アンティーカ)」。1話の時点で「月岡恋鐘(つきおか・こがね)」の明るさが印象に残っていましたが、この回でも彼女のポジティブかつ諦めない姿勢がメンバーを引っ張る強さになっていました。ゲリラ豪雨&落雷による停電という二重苦を前にしても妥協したくない、“熱いもの”を残したいとする姿はシンプルながら胸打たれるものがあります。一見クールなようでいて、一瞬一瞬の情熱を注ぎこむことに全力なアンティーカの“色”というものが見えてきたように感じました。

 そんなアンティーカのMV撮影が舞台風になっている点も興味深かったですね。曲の「バベルシティ・グレイス」が持つ物語性を見出したうえで、それぞれの与えられた役をこなす撮影シーンには高揚感が湧いてきました。(中でも「白瀬咲耶(しらせ・さくや)」のカッコいい軍服姿がお気に入り)彼女たちを導いた高宮監督も気遣いや指導がしっかりした素敵な監督で、恋鐘たちの想いに持答えてくれる辺りに好感が持てます。そしてことあるごとに「わかるな?」と聞いてくるキャラにじわじわきたり……

(あと余談ですが、今回の撮影に使われた城がニチアサ特撮御用達の「ロックハート城」まんまだったので笑ってしまいましたね。『仮面ライダーギーツ』や『王様戦隊キングオージャー』で最近よく見たお城だ!シュゴッダムだ!とか思ったり……

 

 

 上でも触れましたが、まほよのアニメ化情報についても気になっています。昨年の大晦日スペシャルでティザーPVが公開されたものの、あまりセリフも明かされていないのでもっと色々と求めてしまいますね。とはいえ制作自体は順調に進んでいるものと思われるので、焦らず気長に待つべきでしょう。(もしかしたらコラボイベ開催のタイミングで新情報が来るかもしれませんし……

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

Vシネクスト 仮面ライダーギーツ ジャマト・アウェイキング 感想

世界を創るのは

神か、人か────

不穏な要素にビクビクしていたけど無事にハッピーエンドを迎えられて何よりだぜ!

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 昨年完結した『仮面ライダーギーツ』から約半年が過ぎ、恒例となったVシネによる後日談が公開されました。今回は『セイバー』の時のようにメインキャラ全員が主役とも言える内容で、同時にジャマトに関わる内容に繋がっていたのが特徴的。予告の時点から未来の行く末や道長の身の危険など不穏な描写も多く、映画館に向かう瞬間まで戦々恐々とする羽目になりましたね。

 しかしいざ鑑賞した結果、予想していたよりもスッキリとした内容に大いに満足させられました。「幸せ」を掴むための在り方を問うラストを含め、ギーツらしさを詰め込んだ本作は中々の面白さだったと言えます。というわけで今回はそんなVシネギーツの感想を書いていきたいと思います。

 

※ここから先は映画の内容に触れているのでネタバレ注意!!

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  • 誰かの幸せを守り抜く物語

 本作ではタイトルにもある通り、ジャマトにスポットを当てたストーリーが最大の特徴となっています。本編では敵である怪人の側面が強く個人のキャラが掘り下げられなかったジャマトが、人間のように考えて人間社会に溶け込み生きようとする姿が描かれました。さらに驚きだったのがクイーンジャマトこと「葉月(はづき)」が普通の人間と結ばれて、彼との間に子どもを設けた話には度肝を抜かれましたね。平成ライダーの怪人たちと同じように、1人の命として生きるジャマトは新鮮かつ鮮烈に映りました。

 そんな彼女らが人間たちから迫害され、愛する人を失う悲しみ・怒りを背負う展開もどこか懐かしさを覚えます。ただ本作に限って明確に陥れようとする存在や、排除する存在によって葉月の日々が脅かされていたのが興味深いです。そんな脅威から彼女の子どもである「春樹(はるき)」を守るために、道長をはじめとした現代の仮面ライダーが立ち上がる構図には胸が高鳴りましたね。最初こそ困惑が大きかった彼らが、守るべき存在を見据えてからは一貫して協力していく様子は見ていて心地よかったです。

 

 そして今回のストーリーで感じたのは「自分たちの幸せのために誰かの幸せを踏みにじっていいのか?」というテーマ。人間を滅ぼすために罠に嵌めたキングジャマト然り、滅びの未来を変えるためにジャマト排除に乗り出した未来のエース然り、自分の目的を果たす手段として葉月や春樹を貶めていたのが目に留まりました。後者に関しては未来を守る大義があるとはいえ、ジャマトを犠牲とする点は同じ。そういった意味ではどちらも犠牲の上に成り立つ幸せを求めていたと言えますね。

 これらの行動に対し異を唱えたのがライダーたちですが、中でも道長が誰よりも奮起していたのは納得の一言。徹の件もあって彼が他人を踏みにじるやり方を憎む気持ちは視聴者全員が頷いたことでしょう。そのうえで残された春樹を抱きしめ、彼に「幸せになることを諦めない」姿勢を伝えた終盤にはウルっとくるものがあります。他人を犠牲にすることを良しとせず、なおかつ苦しむ者に手を差し伸べる……まさにヒーローらしい明るさを内包しながら、仄暗い物語をハッピーエンドで締めたのは素晴らしかったです。1人1人の幸せを諦めないギーツのラストを上手いこと踏襲した、見事な後日談だったと思います。

 

 

 本作に関してもう1つ触れておきたいのがアクションパートですね。坂本浩一氏が監督だったのもあって、生身アクションから変身後のアクションまで一貫してド派手なものが描かれていました。中でもトップクラスに印象的だったのがギーツⅨVSドゥームズギーツ。神同士の対決ということで初めから創世の力の全力のぶつかり合いが繰り広げられており、爆発とカメラワークの激しさは他の追随を許さなかったです。初戦時もすさまじかったのですが、それ以上に再戦時の背景でダムを豪快にぶっ壊しては直す光景は圧巻の一言。Vシネはそういった派手なアクションは控えめなイメージがあったのですが、その印象を打ち壊すレベルの大迫力バトルを大スクリーンで見ることが出来て大満足です。

 

 

 では以下、各キャラクターについての所感です。

 

 

吾妻道長/仮面ライダーバッファ

 本作の実質的な主人公。序盤から春樹少年との絡みが多く、彼を気に掛ける“気のいい兄ちゃん”という印象で終盤まで好感度が高かったです。これは道長自身の性格もあるのでしょうが、それ以上にジャマトの因子の存在が春樹に寄り添える要因になっていたのだと思います。自分も半分ジャマトに近いからこそ、人間とジャマトのハーフである子の苦悩を理解し彼のために立ち上がる優しさを発揮していたのでしょう。虐げられる者たちの怒りの代弁者であり、何より弱者を想う道長らしい立ち位置だったと言えます。

 そして道長に関してはバッファの新フォームである「プロージョンレイジ」が非常にカッコよかったですね。(左腕の巨大なツメの指それぞれにチェーンソーが付いているゴツさがたまらないです)ベロバにジャマト因子を暴走させられた姿かと公開前は思っていましたがそんなことはなく、むしろそれを克服しつつ英寿の力を授かったエモい形態だと知り大興奮。ドゥームズギーツとの戦闘は途中で終わったのは残念でしたが、その分キングジャマト戦で思う存分暴れて見ているこちらが前半で溜めていた鬱憤を晴らしてくれました。

 

 

浮世英寿/仮面ライダーギーツ

 テレビシリーズ本編の主人公にして創世の神。今回は出番は少なめで、途中未来の自分に縛られたりと強すぎる故の制限をこれまた喰らっていました。(この主人公、しょっちゅう縛られているような気がしなくもない……)しかし道長たちをサポートしたり自力で脱出してからの獅子奮迅のバトルなど、要所要所でキチンと成果を出しているので不遇ではなかったと感じています。

 むしろ一歩引いた立ち位置で道長や景和、祢音たちを見守っているような様子が印象に残りました。この英寿のスタンスに関しては今を生きる者たちの選択を尊重し、極力彼らの身の力で解決することを望んだからでしょう。人間の力と可能性を信じて未来の自分に説き伏せるシーンもカタルシスがありましたね。時として人の望みを叶えるなどするものの重要な場面は決して過干渉しない、神様らしい存在感を放っていたと言えます。

 

 

1000年後のエース/仮面ライダードゥームズギーツ

 本作の敵ライダー。と言っても一概に敵とは言いづらく、目的も人類滅亡の未来を変えることにあるので理解を寄せることが出来る存在でした。しかし英寿と同一人物とは思えないほど非情な一面が目立っており、最初は偽物ではないかと疑ったものです。目的のためなら景和たちや幼い春樹たちに手を出すことも厭わない強硬的な姿勢も、英寿の成れの果てとしてのショックが大きかったです。その割には行動が全体的にガバガバだったけど。

 上述の英寿とのスタンスの違いも印象深く、何もかもを自分自身の力で決めようとする傲慢さはまた別の意味で神様らしかったと言えます。こうなってしまった理由は最後まで明かされなかったものの、疲れたような態度から「人間を信じることを諦めた」といった背景が読み取れますね。人間を信じて彼らに想いを託す現代の英寿とは対照的に、誰も信じずに未来を導く裁定者になろうとしたのがこの未来のエースと捉えるべきでしょうか。

 

 

 というわけでギーツの物語はこれにて完結。道長の運命などどうなってしまうのかと思いながら公開まで待っていたので、爽やかなラストには大いに救われました。みんなが笑顔でその場を去るEDと倖田來未さんが歌う主題歌「Dangerously」の軽快な音楽と歌詞のおかげで、憂いなく映画館を後にすることが出来ましたね。とはいえこれでギーツが終わりだと思うと少々寂しいので、また何らかの形で彼らの客演による活躍を見てみたいです。

 

 

 ではまた、次の機会に。