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2021年アニメ映画簡易感想

 

 

 東京の映画館が営業再開してからはや数か月。多くの人が映画館に足を運んだことでしょう。かくいう僕も見たかった映画がたくさんあったので、この数か月の間何度も映画館に行きました。待っていた映画や気になる映画、色々ありますがどれもキチンと楽しめましたね。

 そういうこともあって今回は最近観に行ったアニメ映画の感想を書いていきたいと思います。それぞれ微妙に長いのですが、読んでいただけたら幸いです。

 

※ここから先は映画の内容に触れているのでネタバレ注意!!

 

 

 というわけで以下、今回の映画感想です。

 

 

 

 

 

 

 

劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 後編 Paladin; Agateram

 FGO1部6章であるキャメロットの映画後編。前編の方も映画館で観て、後編がどうなるのかと待ちわびていたのでようやく見れて嬉しかったです。

 そんな本作ですがまずバトルシーンの激しさに惹かれました。序盤のランスロット戦でキャプテン・アメリカよろしく盾をブンブン投げまくるマシュに驚いたのは序の口、後半になるにつれて戦闘シーンがとんでもない作画と動きで描かれるので終始圧倒されました。オジマンディアスの宝具解放シーンの作画に痺れたり、直立不動で走りながら壁を突き破るガウェインのシュールさに思わず吹き出してしまうなど様々な感情を抱きながら見られたのでとても楽しかったです。

 作画だけでなく原作ゲームでは描かれなかった要素も魅力的でした。中でもランスロットVSアクラヴェインのバトルは原作ではどうなったのか不明瞭なままだったので、詳細がしっかりと見れたのはとても嬉しかったです。ランスロットの円卓最強の実力をはっきりと確認出来ましたし、それに対抗するアクラヴェインの能力にも納得がいきました。

 またモードレッドの相手を三蔵ちゃんが務める本作オリジナルのマッチアップには感心しましたね。自分の存在と罪を戦いの中の死で払おうとするモードレッドを、人に寄り添う三蔵のスタイルが優しく包み込む形で決着をつける采配は非常に上手いです。「罰はその人を救うためにある」という三蔵の言葉はある意味でモードレッドだけでなく円卓の騎士たち全員に必要なものだった、とも取れるシーンでした。

 そして前編も含めた感想になりますが、この映画はベディヴィエールの心情を中心として再構成されていた点が面白かったです。ベディの視点で物語が進むため、藤丸たちとの出会いをきっかけに少しずつ自身と向き合っていく彼の変化と成長を見事に感じ取ることが出来ました。死ぬことに対する恐怖を拭いきれないままでも王の笑顔のために進むシーンは涙なしでは見られませんでした。罪の重さに押し潰されそうになる中、前に進み続ける者たちを見て覚悟を決めていく騎士の生涯を綴った6章の映画としてはわかりやすく仕上がっていたと思います。

 あとはマシュの前ではしおらしくなるランスロットや悲痛な想いで自らの目を潰すトリスタンといったシーンがどれも印象的。中でもベディから聖剣を返還してもらった獅子王がその聖剣を構えるシーンは本作屈指のここすきポイントでした。Fateの顔であるセイバーといえばこれ!と言えるポーズを獅子王がやってくれたというだけで感無量です。そういった点も込めて中々に楽しめた映画でしたね。

 

 

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

 冨野氏がかつて執筆した小説を原作としたガンダム作品の映画化。僕は原作の小説の方は未読のまま観ることになりましたが、逆襲のシャア』の後の話ということもあって割とすんなり見ることが出来ました。

 物語としてはブライトさんの息子・ハサウェイが地球連邦の腐敗を正そうとするテロリスト集団のリーダーとして現体制に立ち向かう・・・・・・という『OO(ダブルオー)』を彷彿とさせる部分がありますが、ハサウェイの苦悩や世界の悲惨な現実を押し出しているのもあって割と苦々しい雰囲気の残る内容でした。

 そんな作品でハサウェイをはじめとして様々な人物が登場しますが、その多くが二極に分かれているように見えました。「レーン・エイム」のような自身の感情に忠実に動く者、「ケネス・スレッグ」のような自身の感情を抑えながら動ける者といった風に分けられます。(仮に前者を「子ども」、後者を「大人」と例えておきます)

 その中で二極に分けきれない存在なのがハサウェイとヒロインの「ギギ・アンダルシア」の2人。ギギは全てを見透かす妖艶な美女のように振る舞っていたかと思えば、年相応の少女のようにはしゃいだり泣き叫んだりする様子が見られました。2つの顔を見事に使い分ける彼女の底知れなさが実に印象的でしたね。(MS戦に巻き込まれ取り乱したと思ったら、保護された直後にスンと大人しくなるので中々に強かです)

 対するハサウェイは高すぎる理想と同時にそれを止める理性も働く不安定な若者として描かれていたのが興味深いです。地球の保全という目的を掲げているものの否定してくる世界に憤りながらも迷う様子が特徴的で、青臭さと律する精神が同居しているように思えます。タクシーの運転手との会話で少々ショックを受けたようなシーンからもそれが読み取れます。敵対者に対して容赦なく振る舞い切れていませんし、「子ども」と「大人」の間で揺れ動くハサウェイの心境を綴っているように感じました。本作はある意味でハサウェイを中心としたジュブナイル作品だと思いますね。

 目玉であるMS(モビルスーツ)戦は市街地での被害が印象的。巨大な兵器が街中で戦闘を行うことで起きる被害の大きさをハサウェイ視点でまじまじと体感出来ました。逃げ惑う民衆が動かなくなるシーンが生々しく凄惨で、戦争の恐ろしさを感じさせてくれます。ハサウェイの眼前に広がる火花が戦争であっけなく消えていく人の命を示しているようにも思えます。

 それでいてMS同士のバトルは激しくて見応えがありました。特に終盤繰り広げられたΞ(クスィー)ガンダムVSペーネロペー異形のガンダム対決は重力下であるにも関わらずビュンビュン自在に飛び回るので大興奮しましたね。惜しむらくは画面が暗いせいで全体的に見にくかったことでしょうか。全編通して夜の暗闇の中で戦うので、何が起きているのかわからないシーンがいくつかありました。演出上仕方のない点ではあったのはわかりますが、出来る限り光を増やして見やすくしてほしかったと思ってしまいます。

 3部作の1作ということで実質物語全体の触れ込みが基本でしたが、それでも十分に楽しめる内容でした。ヤングアダルトなハサウェイを中心としたキャラの魅力にすっかりハマってしまいましたね。次回はいつ公開されるのか未だ明らかになってはいませんが、楽しみに待っていたいと思います。

 

 

映画大好きポンポさん

 公開前からテレビで流れていたCMを見て、以前から気になっていた作品。聞けば本来は深夜アニメとしての企画だったものの頓挫、作者がpixivなどで漫画としてアップした結果話題になりアニメ映画化にまでこぎつけたとのこと。一度倒れた作品が不死鳥のように復活する、創作のような出来事が現実で起きたという事実に震えます。

 肝心の内容はわかりやすく面白いの一言。一癖も二癖もあるクリエイターたちが努力を重ねて作品を作っていき、待ち受ける困難も乗り越えていく正統派のストーリーが展開されていったので純粋に楽しめました。主人公の「ジー」が上司である「ポンポさん」の後押しや周囲の人たちの協力を得て“誰のため”に映画を撮るのか、の問いを示していく内容には感動しましたね。

 ポンポさんが語る映画、ひいては創作の心得のような独自の考えも面白かったです。「現実から逃げた人間が作る自分の中の世界こそが創造の潜在能力」などといった興味深い持論が展開されるためオタクな人ほど惹かれるものがあったように思えます。その考えが最終的にジーンの作る世界を形作り、それを表現した映画がポンポさんの心を響かせるラストには見入りました。(あくまで映画をビジネスとして捉えているポンポさんがジーンの映画を「大好き」と言ってタイトル回収する流れは見事)互いに影響を与えあう関係が心地良かったですね。

 そして本作は何と言っても後半の編集パートが最大の見どころでした。ジーンが撮った映像を編集していく中で、何が必要で逆に何が必要ないのかを考え追加撮影を望む流れは非常に印象的です。その後の編集に関しても同様で、妥協なきクリエイターの信念とそれを支える者たちの物語がしっかりと描かれていました。

 またこの後半の展開で“切り捨て”“選択”を取り上げたのが大きなポイント。映画製作のうえで必要のない映像を切り捨てる中、何が見えてくるかが本作では描かれていました。さらにその取捨選択がジーンたちの現実の選択と重なりあっていくシーンは見に詰まる思いになりながらも、物語の巧さに驚かされましたね。一見ネガティブな表現と捉えられがちな“切り捨てる”という行為の必要性、それがもたらす功罪、そして選ばれなかったものがあるからこそ、選ばれたものの重要性が価値を得ていくことをきちんと魅せてくれたことに度肝を抜かれました。さらに選択の結果生まれた映画が評価されたことに加え、ポンポさんが語る「現代の娯楽として短くまとめるべき映画」として90分に収まったラストには思わず唸りました。本作の上映時間も約90分という点もあり最高のオチだったと言えます。

 

 

 というわけでアニメ映画の感想でした。それぞれの作品の感想を単品で上げることは出来ませんでしたが、まとめてでも書き上げることで出来て本当に良かったです。特に以前は書かないまま放置していたFGOの感想がここで書けたのは嬉しいですね。

 そして感想はあるもののしっかりとブログに載せることがどれだけ難しいかを改めて思い知りました。アウトプットの苦しさはありますが、やはり自分の考えを書いていくのは楽しいです。

 とはいえ最近見た映画はまだまだたくさんあります。次回はどの作品の感想を書くべきかと今全力で考えています。(とりあえず『ゴジラVSコング』の感想は書きたいですね)口だけでなくしっかりと書き上げて公開しなければと、自分を戒めていきたいと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。

仮面ライダーセイバー+機界戦隊ゼンカイジャー 映画公開記念合体SP 感想

剣士界賊痛快コラボ

兄妹と女装が乱立する凄まじいスペシャルだったな・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回のセイバーは『機界戦隊ゼンカイジャー』とのコラボレーション。エグゼイドとキュウレンジャー以来となるライダーと戦隊の共演です。明日公開される『スーパーヒーロー戦記』の宣伝も兼ねたコラボでしたが、それぞれ作品単体としても面白くて、かつ前後が繋がっている分1時間スペシャルのような感覚で楽しめました。今回はそんなゼンカイジャーとの内容と共に感想を書いていきたいと思います。

 

 

「界賊来たりて、交わる世界」

 前半であるセイバーのパートはゼンカイジャー側からゾックスが乱入したエピソード。飛羽真たちがやりたい放題のゾックスに手を焼きながらも上手いこと協力していく様子が描かれていて中々に痛快でした。倫太郎や賢人、芽依といった仲間と仲良くしているだけで微笑ましくなりますが、ゾックスの在り方を受け入れる飛羽真の人の良さが現れていたのでより楽しかったですね。基本的に人当たりのいいセイバー勢の特徴がコラボでも存分に活かされていたと言えます。コメディ描写も楽しいものが多く、中でもゾックスのダンスにいちいちツッコむ倫太郎や、「織姫と彦星」の物語の解説で飛羽真がまさかの織姫役として女装したシーン(賢人とのコンビが2人の幼少期の遊びを彷彿とさせていて特に良き)にはクスリときました。

 同時に“大切な物”の存在について言及される内容だった点も興味深かったです。「オリヒメワルド」の能力でライドブックがなくなったと見せかけて実は見えなくなっただけ、と謎解きをしていく展開が見られましたが、今回はそこから「大事なものは見えないだけできちんと近くにある」というメッセージが感じられました。ライドブックを探す騒動を経て、お宝を狙うゾックスにとっての大切な物とは何か?を言及していく流れにも感心します。上記の飛羽真たちの大らかさもあってゾックスも渋々協力的になっていく様子もあって安心感がありましたね。

 戦闘ではやはり終盤のトリプルライダー+ツーカイザーのコンビネーションが魅力でした。毛並みが異なるヒーロー同士でも上手いこと合わさっているのが見事の一言です。またクロスセイバーがトジルギアごとワルドを破壊するという新能力が披露したのも面白かったですね。(もしくは単に技の威力が高かっただけなのかも)登場する度に新しい力を発揮するクロスセイバーですが、コラボでもそれが見られたのがちょっと嬉しかったです。

 

 

「剣士と界賊、兄の誓い」

 続くゼンカイジャーのパートは意外や意外、神代兄妹がゼンカイジャーの世界に関わってくる内容で予告の時点から驚きました。数あるセイバーのライダーの中から堅物の2人をチョイスしてどうなってしまうのかと思いましたが、いざ見てみると結構ゼンカイジャーのノリに馴染んでいたのが面白かったです。介人たちのフリーダムな様子にイライラしながらもきちんと彼らのスタイルを尊重してくれる凌牙にはほっこりしました。中でも文句を言いながらも「ヒコボシワルド」をおびき寄せるための女装に付き合ってくれるシーンには笑いが止まりませんでしたね。(足の毛はそのままだったのが余計笑いを誘います)

 それでいて攫われたマジーヌの身を案じながらも「信じる」介人たちに凌牙が徐々に影響を受けていく様子が今回のポイント。ただ心配するのではなく自分たちに出来ることをして信じる、そんな在り方を受け入れていくシーンは地味ながらも素敵です。同時にワルドの作戦からフリントのことで焦り出すゾックスも印象的でしたね。セイバーパートで飛羽真たちから「大切な物」について学んだことをきっかけに凌牙にライドブックを返す流れには驚きました。この回は2人の兄の在り方について描いていたと言えます。

 そしてマジーヌと玲花の絡みが特に鮮烈。意外と話のわかる玲花とマジーヌの即席コンビに癒されていたのも束の間、別れ際に玲花がマジーヌにハグしてくるラストには衝撃を受けました。完全に演者さんのネタを取り入れているとしか思えないシーンだったので最初見た時は開いた口が塞がらなかったです。この手の内輪ネタを公式に持っていく行為は賛否を呼びそうですが、個人的には十分に楽しめたのでOKですね。

 

 

 というわけでセイバーとゼンカイジャーのコラボ回でした。やはりというかなんというか、1時間にわたってゾックスを中心に周囲のキャラがどんちゃん騒ぎを繰り広げていくような内容でしたね。ゼンカイジャー本編でも介人たちを散々翻弄しているだけあって、同じように飛羽真たちも振り回されるのが面白かったです。しかしゾックスの独壇場になってしまうことはなく、飛羽真との出会いが彼に“物語の楽しさ”に興味を持つきっかけになっていくストーリーは見事でした。

 同じようにひたすら堅物だった神代兄妹が介人たちとのやり取りを経て態度が軟化してくのも興味深いです。セイバーも終盤に差し掛かって来た中、彼らの掘り下げをしてくれて本当に嬉しいです。何より久々のライダーと戦隊のコラボということもあって非常に楽しめました。今後もこういったコラボ回を定期的にやってほしいですね。

 

 さて次回のセイバーは本編再開!これまで暗躍し続けてきたストリウスの計画が完全に始まる模様。そのうえついに変身するというのですから既にワクワクが止まりません。黒幕としての存在感を放ってきた分、それがラスボスとして解放される瞬間が楽しみです。それに立ち向かおうとする飛羽真たちにも期待がかかりますが、中でも予告映像で見せた「全剣士が集結して決戦に向かうシーン」には惚れ惚れしてしまいます。物語も佳境、といった感じに盛り上がってきたので早く見たいところです。まぁ来週はゼンカイジャー共々お休み何ですがね・・・・・・

 

 

 ではまた、次の機会に。

2021年夏アニメ簡易感想 その5

 

 

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 ゴーカイジャー10周年記念として作られたVシネクトテン・ゴーカイジャーの特報映像が先日公開されました。されましたが・・・・・・・・・・・・ショッキングな映像が展開されて唖然となりました。

 冒頭から「10年の月日が~~」という不穏なナレーションが流れ、お互いに争い合うゴーカイジャー(ついでにボコられているゴーオンジャーとジャッカーが可哀想)、変わり果てた仲間、そして「この星に守る価値はあるのか?」でシメ、と15秒に気になる内容がこれでもかと詰め込まれていました。僅かな映像で中々の密度ですね。

 個人的に目を引くのが仲間同士で戦うマーベラスたちの様子です。あれだけ仲の良かった海賊たちが何故争っているのか非常に気になります。というか数年おきにやっている気がする“ヒーローの内輪揉め展開”がまたもや発生してしまったのか・・・・・・とちょっと思ってしまいました。どうなっていくのか現時点ではまだよくわかりませんが、ひとまずは見守っていきたいと思います。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

 

ポケットモンスター

第73話「ピカチュウ隊長!進めタイレーツ!!」

 2週間ぶり(夏休みスペシャルを除けば3週間ぶり)となるアニポケはガラル地方のタイレーツが主役の回。仲間をまとめあげる兵長タイレーツの自信を取り戻すために奮闘するゴウの様子が描かれました。ライチュウといった手持ちが後ろについてくれる構図が微笑ましく、頑張る兵長の姿もあって終始ほっこり出来ました。ゴウサイドが兵長と絡んでいる間、サトシサイドでは残りのタイレーツをなだめるといった役割分担が描かれていたのも面白かったです。(ただサブタイにある「ピカチュウ隊長」がいまいち描き切れていなかったように感じたのは残念なポイント)

 他にはコオリッポ異質な存在感を放っていました。本筋とは全く別のところで迷いつつサトシたちの前に姿を現すので唐突感が強かったですね。とはいえ戸惑いながらも流れに身を任せてさまよう様子は非常に緩く、見ていて癒されるので悪い気はしませんでした。このシュールなコオリッポには今後も登場してほしいです。

 

 

ひぐらしのなく頃に

第4話「綿明し編 その壱」

 おかしいな、綿騙し編のアンサーということで魅音の可愛いところを期待していたのに鉄平の顔ばかり浮かんでくるぞ・・・・・・郷壊し編で衝撃の改心を果たした鉄平のその後が描かれましたが、予想以上に丸くなっていて度肝を抜かれました。沙都子以外にはいつも通りであるものの、完全に姪に対して頭が上がらない叔父と化していることに変な笑いが込み上げつつもちょっと感激してしまいました。あの鉄平がこんなにも変われるとは・・・・・・と驚きを隠せません。

 そんな鉄平の変わりように感動しただけに、彼の好意をも平気で利用する沙都子にはまたもやショックを受けましたね。2人の日常シーンが非常に微笑ましかっただけに失望感が半端ないです。如何にして拳銃を手にしたのかが明かされましたが、梨花を屈服させるためなら自分や他人をも使い潰す彼女の恐ろしさを再び垣間見た気分です。

 あとはやはり魅音がこれまで雛見沢症候群を発症しなかったことについて言及されたシーンが興味深かったですね。実際過去のエピソードの全てで発症した例がない魅音ですが、これは大方の事情と真実を知る園崎家次期当主としての立場が上手いこと発症を防いでいたのだと思われます。その分話の主役になることがあまりなく不遇な扱いが多かったのですが疑心暗鬼になりづらい状況と本人のおおらかさが合わさった結果なのだろうなぁと感じました。そんな魅音にH173を打ったらどうなるのか、というのは確かに興味がありますね。とはいえ実際に仲間を発症させる沙都子はさぁ・・・・・・

 

 

ヴァニタスの手記(カルテ)

第3話「Archiviste-血を暴く牙-」

 1話の時以上にヴァニタスがやりたい放題だった回。自分よりはるかに強い相手に人質を取るのは確かに有効な手ではありますが、脅迫の仕方が完全に悪役で笑ってしまいました。その直前に行った事件の犯人をけしかける作戦と合わせて手段を選ばない彼の非情ぶりがよく出ています。かと思いきやジャンヌに求婚してくる辺りで頭に疑問符が浮かびまくりました。基本的に理知的ではあるものの、ノエに負けず劣らず自分の欲望に忠実なのがヴァニタスという人間なのだと感じましたね。

 後半はノエの幼馴染である「ドミニク」がこれまた強烈なキャラクターで驚きました。(3話の時点でかなりの登場人物が出ていますが、みんなキャラが濃いので不思議と印象に残りますね)社交的なようでいて強引で、かつヴァニタスとの腹の探り合いのような描写から得体の知れない雰囲気を出しているのでこれまた惹かれてしまいます。次回から吸血鬼たちの街がついに描かれるようなのでその辺も含めて楽しみです。

 

 

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった・・・X

第3話「囚われの身になってしまった・・・」

 前回誘拐されてしまったカタリナですが、案の定のんきに過ごす様子が描かれて笑ってしまいました。ジオルドたちが心配している中、ここぞとばかりにだらだらと食っちゃ寝を貪る姿には脱力してしまいます。彼女の適応力の高さを改めて思い知った気分です。

 しかしそんなだらしない部分だけでなく、彼女らしいポジティブな要素が押し出されていたのも今回の特徴でした。誘拐した張本人であるセリーナの悩みを親身に聞いて励ましてくれる人の良さがよく出ていましたね。他人の良い点を探すことが得意なカタリナの善性が久々に発揮されたと言えます。

 またアランとメアリの関係についてもスポットが当たったのが印象的でした。互いに互いの好意が異なる方向性に向かいながらも婚約者として上手くやっていけているのはひとえに2人の相性が抜群に良いからだろうと思います。どちらもカタリナを想いながら成立する奇妙な協力関係がどこか癖になってきましたね。

 

 

ドラゴンクエスト ダイの大冒険

第40話「闇の師弟対決」

 戦闘シーンの絵がいつにも増して素晴らしかった回。よく動く作画については言わずもがな、今回は迫力満点のカメラワークが多かったのもあって見応えがありました。ポップにマァム、クロコダインとダイ以外の仲間たちの活躍が存分に描かれていたのもあって前半から見ていて楽しかったですね。中でもお互いに「なんだこいつ」と思いながらもいざそれぞれ活躍してみせたら相手を見直すチウとバダックが個人的なここすきポイントだったり。

 そしてメインであるヒュンケルとミストバーンの師弟対決は中々に鮮烈でした。闇の力を使わなくなったことで弱くなったとミストに指摘され再び闇に手を染めようとするものの、マァムの叱咤を経て光を信じるようになる流れはちょっと胸にきます。力を手放したことで弱くなったのでなく、心を手にしたことで強くなったことを証明しようとするヒュンケルの精神的な成長が見られる感動的な回でした。

 

 

遊☆戯☆王SEVENS

第57話「第四の刺客どすえ」

 今回は6兄弟の三男「ゴーハ・ユウラン」とガクトの「剣道デュエル」が展開されました。互いのパートナーとの信頼が試されるデュエルとのことでしたが、竹刀を打ち込む役は必要だったのだろうか?と正直首を傾げてしまいます。一方的に仕切る女将の強引さも相まって、ここ最近のデュエルの中でも特に素っ頓狂な印象を受けましたね。

 しかしデュエル内容自体は非常に面白かったです。女将の言いなりと見せかけて、相手を理解したうえで行動する技巧派ユウランの戦術は見てて惚れ惚れしました。ガクトも負けじと対策してくるのがまた素敵で彼が負けたことに関しても格落ちの印象は全くなかったので見ていて気持ちよかったです。(千年の盾がフィニッシャーとなった点にも驚きましたね)互いの手の内を読み合い、一歩上に行った方が勝利するという展開はカードゲームとしては非常に王道を行っていたと思います。

 

 

 

 さて展開に期待不安が入れ混じるテン・ゴーカイジャーですが、本作で登場するという強化フォームに関しても触れておきたいと思います。それがこちら。

 

 

 「クロスアーマーモード」というゴーカイガレオンがアーマーとなった形態のようですが、まさにそのまんま合体したようなビジュアルには少々呆気に取られてしまいます。腕にのみ武器が付いたブルーはともかく、ガレオンがくっついているようなレッドはかなりのインパクトです。(また上半身だけやたらゴツい辺りがパワーレンジャーのバトライザーを彷彿とさせます)若干雑に思えるものの何だかんだで似合っていると感じてしまうのが不思議ですね。

 それにこれまでシルバーしか強化形態がなかったゴーカイジャーようやくレッド専用の強化が貰えたのかと思うと嬉しくなってしまいます。(『スーパー戦隊最強バトル!!』でもゴールドモードの鎧を借りていましたし)せっかく手に入れた強化フォームなので、本編でも是非活躍してほしいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

デュエル・マスターズ キング! 第14話「ガットルズをだませっ!ミラダンテ救出大作戦!」感想

大切なものを救い出せ

回を重ねるごとにガットルズの面子が好きになってくる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 騙し騙されの結末

 前回ジェンドルによって作られた《禁時混成王 ドキンンテXII》に大敗を喫したキラ。今回は如何にしてキラの憧れであるミラダンテを救い出すかという話題からスタートしましたが、前回の予告通りオレオレ詐欺」でマスオ部長をおびき寄せるというとんでもない手段に出ることになったので唖然となりました。しかも罠にかけるという発案をしたのがボルツだという点で衝撃度が高いです。2話前のあの熱い言葉はどこいったんだ。

 ジョーたちがノリノリで罠に嵌めようとする中、唯一乗り気ではなかったキラが特徴的。ほぼほぼマスオ部長の勘違いで進んだとはいえ、流れで作戦に乗ってしまったことを悔いてしまう辺りキラは本当に真面目だなぁ、としみじみ思ってしまいます。

 そんなキラの想いなど露知らず、デュエマ中でも悪い顔を発揮してドキンダンテを手に入れたジョーですが、肝心のドキンダンテはハイドがすり替えた偽物というオチにはやられました。騙し合いにおいては敵側のジェンドルの方が一枚上手だったとわかる展開は中々面白いです。ジョーたちも反省したことですし、今回は「卑怯な手を使ってはいけない」ことを子どもたちに教えてくれる(?)ギャグ回でしたね。

 

 

  • はぐれマッチョと救いのマスオ部長

 今回はジョーたちのトンデモ行動ばかりに目がいきがちですが、ササミ、ソイ、アミノの3人「プロテインズ」についての掘り下げがされる興味深い内容でもありました。ジムの鼻つまみ者として肩身の狭い思いをしてきて彼らにとって、気安く接してくれたマスオ部長が救いの主だったという回想は中々に印象的でした。マスオ部長からすればただの営業に過ぎなかったのでしょうが、彼らにとっては感激に値する出来事であったことがよくわかります。必死に崖を登るシーンなどからも彼らが如何にマスオ部長を慕っているのかが伝わってきました。

 他にもジェンドルの前では笑顔を見せるハイドなど、ガットルズのメンバーの新たな一面が見られて点も面白かったです。前回のウキウキジェンドルといい、ここ最近のガットルズはどんどんキャラが立ってきているので見ていて楽しいです。今後も魅力的な敵キャラとして注目していきたいですね。

 

 

  • 偉大なる王者は生命を操り戦慄をもたらす

砕慄接続(さいりつせつぞく) グレイトフル・ベン 光/闇/自然文明 (8)
クリーチャー:ディスペクター/キング・コマンド・ドラゴン/ガイア・コマンド
パワー13000
▪️EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
▪️ブロッカー
▪️T・ブレイカ
▪️このクリーチャーが出た時、自分の墓地のカードをすべて、タップしてマナゾーンに置いてもよい。
▪️各ターンに一度、クリーチャーを1体、自分のマナゾーンから召喚してもよい。それがディスタスならコストを支払わずに召喚する。

 マスオ部長が今回使用した切り札。「覚醒編」の超次元ギミックを搭載した優れもの《大神砕グレイトフル・ライフ》と「エピソード2」にて登場した希望の双子の片割れが鎧を纏った姿《「戦慄」の頂 ベートーベン》が合成されたディスペクターです。そして今現在高騰中の高額カードとしても有名ですね。

 コスト8のパワー13000、T・ブレイカーと上々のスペックを持つ大型クリーチャーであり、能力も非常に強力なものが揃っています。まず目を引くのが墓地のカードをすべてマナゾーンに置くcip。タップインとはいえ一気にマナを増やせるお得な能力です。ディスタスのササゲールと抜群の相性を誇っており、自壊させたディスタスをそのままマナにして活用することが可能です。

 もう1つは各ターン1度だけ行えるマナ召喚。《無敵剣 カツキングMAX》や《地封龍 ギャイア》などと同じ能力であり、それらの前例と同じように序盤マナにおいた大型クリーチャーを出せる点で非常に有用です。上記のマナ追加と噛み合っているのも嬉しいところですが、それ以上にディスタスのみノーコストで出せるという特徴が非常に強力。墓地からマナに移動したササゲール持ちディスタスを再利用するのはもちろんのこと、《Disノメノン》のような単体で強力なディスタスを出して勝負を決めにかかることも出来るのでディスタスを入れたデッキでの活躍はピカイチです。特にマナゾーンに置かれたカードを回収してくれる《魂晶 リゲル-2》とマナゾーンのトリガーを使える《Disアイ・チョイス》との相性は抜群と言えます。

 強力なディスタスが出てくる度に有用性が上がっていくカードですが、無理にディスタスを絡めなくても十分に強いのがまた魅力的。中でもマナを伸ばして大型クリーチャーに繋げる【5cコントロール】では無類の利便性を発揮してくれます。現実の環境でも様々な組み合わせが考案されており、活用法も人によって千差万別とこのカードの汎用性の高さを物語る活躍を続けています。今後も新たな活躍が期待出来る強力なカードとして注目しておきたいです。

 

 

 さてそんなドタバタ回の次は何とデュエマウスが登場!今回の時点でチラッと姿を見せていましたが、次回から本格的にストーリーに関わってくるというので驚きです。予告を見る限りノリ自体は変わっていないようで安心する一方、かなり落ちぶれてしまっている様子から彼に何があったのか気になるところです。(デュエマもしてくれるようですし九極の新規出てくれないですかね)さらにモンキッドがようやく再登場してくれる点も見逃せません。この調子でモモダチが揃う瞬間が楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

ウルトラマントリガー 第2話「未来への飛翔」感想

選ばれた者として

アキトにダーゴンと個人的に好みなキャラが多くて嬉しい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 選ばれなかった者

 今回のトリガーはケンゴがついに地球に降り立ったシーンからスタート。冒頭ではミツクニ代表に自分がトリガーになったことを知られており、そのことを周囲には隠すよう諭されている様子が目に留まりました。この手の作品で主人公以外の第三者ウルトラマンの正体を序盤から知っているパターンは結構珍しいと感じますね。そのうえで協力的である点も面白いです。ケンゴが所属することになった「GUTS-SELECT」のメンバーも一部を除いてかなり親しげだったので本作はかなり主人公に好意的な状況が作られているのがわかります。(宇宙人である「メトロン星人 マルゥル」を平然と受け入れる辺りケンゴの適応力も中々に高いですね)

 そんな中唯一ケンゴに対して敵意剥き出しだったのが「ヒジリ・アキト」。当初は同年代の男子同士ということで敵愾心を露わにしていると思い視聴していましたが、彼がトリガーになったことを快く思っていたなかったことが判明してちょっと驚きました。GUTSスパークレンスの変形機能を作ったことも明かし、自分がウルトラマンになるはずだったとケンゴに当たるアキトと見て彼の嫉妬からくる激情が感じられました。それも会長の1人娘である「シズマ・ユナ」を守るために頑張ってきたことが伺えるのが妙にいじらしいです。主人公に対する態度は冷たいものの、彼なりの失意や大切な人への想いが伝わってくるのでどこか憎めないキャラクターに仕上がっていると思います。個人的に一気に好きになったキャラなのでここからケンゴと少しずつ仲良くなっていく様子を見ていきたいです。

 

 

  • 勝利を導く鉄腕が唸る、剛力無双の巨人

 

ULTRAMAN TRIGGER PWOER TYPE!

BOOT UP! DELASIUM!

 

 「勝利を掴む、剛力の光!!」

 

ウルトラマントリガー!!」

 

ULTRAMAN TRIGGER!!

POWER TYPE!!

 

 アキトから受け取ったハイパーキーを装填させることで変身したトリガーの派生形態「パワータイプ」。名前の通りパワー重視の形態です。ボディが赤中心になり、頭部のトサカも少し前に突き出しているなどマルチタイプから少々攻撃的になったような印象を受けます。(タイプチェンジのシーンも立ったまま変わるのがこれまたティガらしくて興味深いです)筋肉も盛り上がっていますが、ここ最近のパワー形態のウルトラマンと比べると少々控えめであり、その分プロテクターの無骨さで力強さを表現しているように感じますね。

 戦闘ではその名に恥じぬ怪力を活かしたバトルスタイルが特徴的。特に今回繰り広げられた水中でのバトルは水の中でも難なく進撃するパワフルな様子が目に焼き付きました。さらにサークルアームズを「パワークロー」モードに変形させてからの戦闘はダーゴンの胴体や首を挟み込んだんだり突き刺したりするなどその力を活かしつつ少々テクニカルに攻めていたのが面白かったです。しかしハサミ型の武器で敵を挟む絵面が中々にエグいなぁ・・・・・・とつい思ってしまいますね。ライダーカッティングよろしくそのまま挟み殺すみたいな技がなかっただけマシですが。ともあれ単純に怪力を見せるだけの形態ではないことがわかって結構良かったです。

 

 

  • 好敵手を狙う者

 今回登場した怪獣は「吸血怪獣 ギマイラ」。テレビシリーズでは『タイガ』以来の登場となりますが、前半トリガーが出てきてからは早々に倒されてしまったので久々の活躍を期待していた身としては残念な扱いでした。(トリガーも馬乗りからのゼペリオン光線と割と容赦ないですね)

 そんな中メインとなったのが「剛力闘士 ダーゴン」。カルミラに起こされて目覚めた闇の巨人の1人で絵に描いたような武人タイプのキャラですね。かつ怪力自慢の戦闘スタイルもあって見ていて結構気持ちがいいです。

 しかしそれ以上にトリガーのことをいちいち「我が好敵手」と呼んでくるのが妙に面白いです。一度トリガーを負かした後に再戦しようとする際はちょっと不機嫌になりながら街を壊し、いざトリガーが現れたらやたら嬉しそうに反応するのでちょっと可愛いと思ってしまいます。またカルミラに解放される前は逆さになって地面に埋まっていたりとギャグみたいな絵面がやたら多いのも面白ポイント。個人的に敵側の萌えキャラとして認識してきたのでこれからもお茶目な面をもっと見せてほしいですね。

 

 

 というわけでトリガー2話でした。今回はつっけんどんなアキトにトリガー大好きダーゴンと見ていて微笑ましくなるキャラが多くて楽しかったです。前者は特に注目しており、誰に対してもスマイルスマイルの精神を崩さないケンゴと如何にして絆を紡いでいくか見ものですね。

 一方で前回から感じていた不穏な面の一部がより大きくなる描写もありました。ミツクニ代表がウルトラマンの正体を隠したりアキトを説得して互いの中を取り持ったりとケンゴに対してやたら親切にフォローしてくれましたが、あまりにも彼に都合のいい扱いには少々疑惑の念を抱いてしまいます。前回ケンゴに発破をかけて送り込んだシーンといい、どうもケンゴをウルトラマンとしたうえで戦わせようとしているように思えてなりません。これは単にウルトラマンの強大な戦力を確保しておきたいからなのか、それとも別の目的が隠されているのか、などとにかく怪しいです。この会長が何を企んでいるのかまだわかりませんが、少なくとも簡単に信用してはいけない人物のようにも思えます。

 

 

 そして次回は謎のトレジャーハンターイグニスが登場。人間側も闇の巨人でもない第3勢力のようですが、彼の狙うお宝が何か気になるところ。というか特撮作品における“お宝を狙うキャラ”というのは大抵ロクでもない奴ばかりなのでこいつもそうなのか気になりますね。あとはやはりガゾートが数十年ぶりに復活するということで楽しみで仕方ありません。あの狂気の怪獣とトリガーの新形態のバトルも見てみたいところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。