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仮面ライダーゼロワン 第29話「オレたちの夢は壊れない」感想

夢を見つけるための戦い

不破さんが主人公すぎる

仮面ライダーゼロワン RKF 仮面ライダーランペイジバルカン

仮面ライダーゼロワン RKF 仮面ライダーランペイジバルカン

  • 発売日: 2020/04/25
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 己であるために

 前回自身の脳に人工知能チップが埋め込まれているという衝撃の事実を明かされた不破。さらに今回、不破に埋め込まれているチップが滅亡迅雷.net最後の1人「亡(なき)」であることも判明し、垓の”道具”として操られてしまう様子は見てて非常に辛いものがありました。

 しかしそんな中でも洗脳を打ち払い、自分のルールを以て戦う展開は非常に熱かったです。特に垓に明かされた真実で自身の存在意義が完全に揺らぎ始めていた中、かつて或人が語っていた夢をきっかけに自分を取り戻して今はまだ見つからない「自分の夢」を見つけるために戦うと宣言した瞬間はこれまでの不破のキャラクター性を見事に昇華しきったと感じましたね。これは一方で「自分の意志で会社に従っている」と主張するものの、完全に垓の操り人形と化している唯阿との対比のようにもなっていて、「”自分”というものを貫き通す」ことを表現しているように思えます。これまで周囲の環境に関係なく自分のルールに従って動いてきた不破だからこそ出来る、面白い描写でしたね。

 

 

  • 9体の獣を従えし狼王

 

ランペイジバレット!

オールライズ!

カメーンライダー・・・カメーンライダー・・・

フルショットライズ!

Gathering Round! 

ランペイジガトリング!!

 

Mammoth! Cheetah! Hornet! Tiger! Polarbear! Scorpion! Shark! Kong! Falcon! Wolf!

 

 垓が渡した新型キーを使って変身したバルカンの強化形態、「ランペイジバルカン」。これまでサウザーが奪ってきたプログライズキーの生物の力を併せ持ったいわゆるてんこもりフォームでもあります。(主人公を差し置いててんこもりをするのはかなり珍しいですね)ボディの左半身にモチーフとなっている生物の意匠が連なっているデザインで、エネルギーが迸っているかのような黄色いラインが入っている右半身と合わせて左右非対称ながら歪と感じさせない絶妙なバランス感覚があります。

 戦闘では10種類の生物のパワーを自由自在に操り、変幻自在な戦いが得意な模様。劇中ではシャーク、ゴリラ、マンモスの力を宿したパワー戦法やチーター、ホーネット、ファルコンの力を宿したスピード戦法など、同系統のパワーを同時に使っていました。不破の能力を活かしつつ強引に攻めまくる戦い方に妙にマッチしているようにも思えますし、中々の強さを誇る強化だと言えます。

 

 

  • 無情なる勝負の結末

 不破がカッコいい場面を見せてくれた一方、或人たち飛電側は最後の投票で敗れてしまい、ZAIAに買収されるという無情な結果を迎えていました。

 前回のチェケラの暴走もあってか(まさか敗因であるチェケラが今回一切出てこないで終わるとは思わなんだ・・・・・・)民衆の反応は冷たく、或人がどんなにヒューマギアと人間による夢を語っても届かないシーンは非常に辛かったですね。前回の感想でヒューマギアがその純粋さ故に人間の悪性に敵意を持って排除しようとする危険性について書きましたが、やはり人間のそのものをどうにかしない限り、ヒューマギアと共に生きていける社会というものを作るのは非常に難しいと思います。ヒューマギアを好ましく思わない者やそれを利用しようとする人間がいる以上、或人の考えはかなり受け入れがたいものだと改めて感じました。

 

 

 というわけで長いこと続いたお仕事5番勝負は飛電の敗北で終了するという予想だにしていない結果で終わってしまいました。ここまでの長く苦しい戦いの終わりがこれほど無情なものだったのはかなり意外です。社長職から追いやられ、軍門に下ってしまった会社を後にする或人の姿で終わるラストは非常に悲しかったのですが、社長でなくなってもヒューマギアとの夢を諦めずにいる或人はカッコよく感じました。先代社長の意志をついで会社に残る副社長もカッコよかったですし、飛電側はいいキャラが揃っています。果たして次回は彼らの反撃が見られるのでしょうか?

 

 

 ではまた、次の機会に。