新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

仮面ライダーゼロワン 第32話「ワタシのプライド!夢のランウェイ」感想

亡き自分を手に入れろ

Open your eyes for the next VULCAN!

仮面ライダーゼロワン DXランペイジガトリングプログライズキー

仮面ライダーゼロワン DXランペイジガトリングプログライズキー

  • 発売日: 2020/03/28
  • メディア: ウェア&シューズ
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 誇り高きモデル

 今回のゼロワンはA.I.M.Sを辞めた不破が飛電製作所の警備に転職したことに驚きつつも、依頼者であるファッションモデル型ヒューマギア「デルモ」の行動や発言に驚かされた回でした。既にシンギュラリティに目覚めている彼女はモデルとしての自分だけでなく「ヒューマギアである自分」に誇りを持って行動しており、完全に自己を確立している様子は(演じている方の演技力もあってか)人間と大差ないレベルに到達していてかなり驚愕しました。それでいて自分を誇示することに何のためらいや遠慮がない点は人間のように自我を抑える理性が弱いヒューマギアならではの弱点がかえっていい方向に働いているように感じます。

 そして彼女の自己顕示欲が上手いこと示された例として、序盤の戦闘で操られた不破に「人間の癖に命令がないと何も出来ないの!?」と叫んでその場にいた唯阿までもを動揺させる場面がありました。この場面は人間たちが本来道具であるはずだったヒューマギアに”道具”にされていることを見抜かれるというあまりにも皮肉が効いた構図になっていて何とも言えない気持ちにさせられましたね。

 

 

  今回前述のデルモの話と繋がっていたのが亡の話。29話でチップとして不破の脳内にいることが明らかになった彼(?)ですが、これまで本編で亡自身の発言がほとんどなかったので不破と突然会話しだした時には少し唐突感を覚えてしまいました。しかし垓の操り人形として利用されてきた経験から自身の夢というものを持っていなかった亡が、デルモの啖呵や迅の必死な訴えをきっかけに夢について考えるようになり、不破や或人の言葉から”覚醒”する流れは非常に素晴らしいと感じました。自己を確立しているヒューマギアとの出会いを経て、最後に夢や自分自身を肯定してくれる人間たちと触れ合うことで道具に甘んじることをやめ、「自分自身」を手に入れるストーリーはヒューマギアの成長を描いたこの作品にとって理想的な成長物語でした。

 また不破が亡との会話の中で彼がいることを認めてくれる展開も非常に良かったです。道具ではない自分を見つけた両者のシルエットが重なり合ってランペイジバルカンに変身するシーンはまるで彼らが主人公なのではないかと見紛うほどでテンションが盛り上がりっぱなしでしたね。

 

 

 或人の復活と迅の夢、そして不破と亡の覚醒と主要人物が続々と自身の方向性を手に入れていく中、未だに垓に付き従っている唯阿が今回地味に気になりました。前述のデルモの言葉に反応する様子など徐々に今の自分の状況について揺れ動いていることがわかります。なんて思っていたら次回予告でバルキリーの姿が確認されて次で離反することがほぼ確定したので思わず舞い上がってしまいました。やはりバルキリーに変身する彼女が大好きなので再び活躍する姿を見られることがわかって嬉しいです。

 

 

 ではまた、次の機会に。