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ガンダムビルドダイバーズRe:RISE 第17話「聖獣クアドルン」感想

愛するモノで世界を救え

コレクションシリーズのイージスを見て感動した人たち全員と友達になりたい

HG 1/144 GAT-X303 イージスガンダム (機動戦士ガンダムSEED)

HG 1/144 GAT-X303 イージスガンダム (機動戦士ガンダムSEED)

  • 発売日: 2002/12/26
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • エルドラの真実

 前回の終盤でヒロトたちを助けた聖獣クアドルン。彼(?)の口からエルドラやアルスの真実が次々と明かされて情報量の多さにかなり困惑してしまいましたが、箇条書きにしてまとめると・・・・・・

  • アルスとは古き民(エルドラの先住民)が作り出した星の防衛プログラムのようなもの
  • かつて侵略者相手に戦った先住民は荒廃した星を再生させるために宇宙に旅立ち、アルスは永い眠りについた
  • 膨大な時間をかけて星が再生し、新しき民(原住民)が根付いてしばらくたった頃に目覚めたアルスは彼らを「侵略者」と認識し、攻撃するようになった

 ということ。11話で誰かを待っているかのような言動に加え「エルドラの大地の保全」を語っていたアルスの目的がようやくわかりました。彼は彼なりに星を守るために戦っているだけにこのすれ違いは悲しく思えますね。さらに遺跡の召喚台についてもまとめると・・・・・・

  • 召喚台は元々古き民の一部が自身の肉体を電子化するために作った装置
  • クアドルンが電子化した古き民を追っていた中、偶然GBNと繋がった
  • そこでGBNにログインしていたシドー・マサキと出会い、彼を召喚して協力を願い出た
  • クアドルンと共に戦う中でマサキはアルスに捕らえられ、洗脳されてしまい、今もアルスの尖兵として・・・・・・

 とまぁこんな感じでしょうか。敵がガンプラをベースにした機体を出してくるのも、アルスがエルドラがGBNに繋がったことを利用してそこからガンプラのデータをコピーしたということでしょう。前回のアルスアースリィもエルドラでのダイバーズの戦いに加え、GBN時代のヒロトのデータと合わせて作り上げたのかもしれません。

 また生身の肉体を電送させられる古き民の技術力に驚きましたが、その古き民が電子生命体としてGBNに流れ着いた存在こそがELダイバーなのではないか?という仮説がここにきて浮上してきたことに興奮を覚えました。最初に地球に漂流した古き民こそが前作のヒロインであるサラで、前作で起きたGBNのバグの数々や、エルドラとGBNが偶然繋がった理由も彼女がGBNで肉体を得た結果双方に影響を与えてしまったからだという可能性も考えられます。(まさかGBNの運営も遠い惑星に繋がるとか予測出来んよなぁ・・・・・・)そう考えると、メイやヒロトが探しているイヴが今後の物語の鍵になってきそうですね。

 

 また今回クアドルンのキャラクターに結構惚れ惚れしました。前回の時点では厳格でとっつきづらい性格だと思いましたが、マサキがアルスの手に堕ちたことに負い目を抱いていることからヒロトたちを敢えて突き放そうとしたり、たとえ破壊することになったとしても身を挺してアルスを止めようとする辺り責任感が強いのだということがわかり途端にカッコよく見えましたね。刺し違えてでも使命を果たそうとしているように見える分余計にそう感じました。

 

 

  • 失敗からの再挑戦

  今回の後半、上記の真実を知らされて自分1人で決着を付けようとするクアドルンに対し、ヒロトたちが今ここにいるフレディたちを救いたいと語る場面が非常に熱かったです。その後一旦現実世界に帰り、それぞれが改めて決意を固める流れも相まってとてもテンションが上がりました。

 

 まずはカザミ。彼のシーンは何と言っても1/144コレクションシリーズのイージスガンダムに尽きます。実際の戦いだとわかってからの初のエルドラ突入で何度も死にそうな目に遭ったことに恐怖を覚えるものの、あの地で暮らすマイナたちのこと考え、さらにかつてお祭りの露店でコレクションシリーズのイージスを買ってくれた父のことを思い出して奮い立つのはとても良かったです。他のグレードと比べると安価で造りも簡素なコレクションシリーズですが、クオリティ関係なく最初に手に取ったものが大切な思い出になるというのはガンプラを作ったことのある人なら誰しも理解出来ることだと思います。これまで使っていた機体のベースがジャスティスなのも同じアスランの機体だからなのだろうということも察せられましたし、カザミのガンプラ愛の原点がわかる名回想でした。

 

 続いてパルの方はこれまで断片的に語られてきた彼のトラウマが現実世界での飛行機事故による下半身不随が原因だとわかり、さらに絶望した際に兄から勧められたGBNで歩ける世界を獲得したことが明かされてかなり腑に落ちました。特に彼の兄が予想通りシャフリヤールだということがわかった瞬間、嬉しくて舞い上がってしまいました。マギーさんたちもそうですが、前作のキャラクターがこうして出てくるのはファンとしてはとても喜ばしいサービスだとつくづく思います。そしてパル自身に関してもこれほどのトラウマを抱えながらも今や誰かのために大空を飛べるまでに成長したことに驚きと感動を覚えます。本当に強くなったなぁ・・・・・・

 

 そしてヒロトに関しては彼の父親の激励に泣かされました。かつて大失敗した脚本のリメイクを依頼され、黒歴史としていたその作品に再挑戦してみせようとするヒロト父の姿はまさに再起(リライズ)そのもので、その後ヒロトが封印していたように閉まっていたアーマーを再び取り出すシーンに繋がっていて綺麗な話の流れだと感じました。またヒロト父が残したセリフ、これがまた素晴らしかったです。

 

「所詮は作りごとだ。遊びって言われることもある」

「でも、それが誰かを幸せにして、巡り巡って、誰かを助けることだってあるかもしれない」

 

「だから────ガンプラで世界だって救えると思うぞ」

 

 ”結局のところガンプラバトルは遊びに過ぎない。でも彼らはそのガンプラに真剣に向き合ってきたからこそ自身の心の傷を癒し、誰かを救えるまでに成長することが出来た。遊びではない本当の戦いの場でも、ガンプラがあるからこそ彼らは戦える。”

 ガンプラを通じて彼らの成長と決意を見せてくれるこの作品もまた、立派なビルドシリーズなのだと実感出来ます。

 

 

 今回は戦闘シーンは一切ありませんでしたが、エルドラの抱える過去やそれを知ってなおそこに暮らす者たちを守ろうとするダイバーズの姿など、見どころ満載で非常に満足のいく内容でした。戦闘一切なしでもここまで面白いと感じられるガンプラアニメもそうそうありません。そう思えるのも決意を固めるシーンなどヒロトたちの心情を丁寧に、念入りに描写しているからでしょう。本当にすごい作品だと改めて思いましたね・・・・・・!次回はその分戦闘シーンが多めになりそうですし、非常に楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。