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ウルトラマンZ 第1話「ご唱和ください、我の名を!」感想

Z(ゼロ)の魂を継ぐ者

ウルトラカッコいい新ヒーローの物語が今、始まる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というわけでついに始まりました。ウルトラマンシリーズの最新作『ウルトラマンZ(ゼット)』。「ウルトラマンゼロの弟子」という驚きの肩書きを持って参戦した新ヒーローは果たしてどのような活躍を見せてくれるのかと思いワクワクしながら1話を見ましたが、これまた盛り上がる要素満載の内容になっていて非常に楽しめました。今回はそんな印象的だった要素に1つ1つ触れていきたいと思います。

 

 

  • ウルトラ熱血な新米ヒーロー

 本作の主人公である「ウルトラマンゼット」。PVの時点からどこかお調子者の雰囲気が漂っていた彼がどのようなキャラクターなのか気になっていましたが、いざ本編を見た時はまさに予想の通り、といった印象でした。「ウルトラ○○」といった表現をやたらと使う点や、師匠であるゼロや相棒となるハルキとの会話で見せたどこか抜けているところが非常に可愛かったです。声を担当している畠中祐(はたなか・たすく)の演技が人懐っこさを感じさせる要素と見事にマッチしていてまだ1話ながら一気に愛着が湧いてきました。

 何よりも印象に残ったのが初代のオマージュと言える空間でハルキに話しかけた際に見せた日本語の不自由さですね。タメ口や尊敬語、丁寧語などが混ざりに混ざったおかしな言葉遣いを見せてからの「地球の言葉はウルトラ難しいぜ」と言ったシーンは「日本語に慣れていない外国人」のようなコミカルさがあり、本人のキャラクターも相まってかなり腹筋に悪かったです。(地球に来て間もないからヒーローこそ出来るギャグですね)本作のキャッチコピーでもある「ご唱和ください、我の名を!」の不自然さもゼットがまだ言葉に慣れていない故に出来た言葉と考えると納得です。

 

 戦闘に関してはゼロから「三分の一人前」と評されるなどまだまだ未熟、といったイメージですが、初対面であるセブンガー(ハルキ搭乗)といきなり息の合ったコンビネーションを見せたりするなどとっさの判断には優れているように見えました。単に経験不足なだけかもしれませんし、これからの成長が楽しみですね。

 しかし自身だけの力では強敵相手に苦戦してしまうので、ゼロから貰った「ウルトラゼットライザー」と3枚の「ウルトラメダル」を組み合わせてハルキと共に変身!

 

HARUKI,ACCESS GRANTED.

 

「宇宙拳法、秘伝の神業!」

 

ZERO!

SEVEN!

LEO!

 

「押忍!」

 

「ご唱和ください、我の名を!

ウルトラマンゼット!!」

 

ウルトラマンゼーーット!!」

 

「セアアッ!」            

            「デュワッ!」

「イヤーッ!」            

 

 

ULTRAMAN Z!

ALPHAEDGE!!

 

 というわけで早速登場したゼットの戦闘形態「アルファエッジ」。本編ではシリーズ屈指のぐだぐだ具合を見せた変身シーンでここまでカッコよくはやっていなかったのですがそこはご愛敬。

 ゼットの師匠であるゼロに加え、彼の父であるセブン、師匠のレオの師弟関係にある3人のウルトラマン*1の力を得たゼットの基本形態であり、ゼロやセブンに見られるプロテクターの意匠が見られるゴツさがたまらなくカッコいいです。また頭部にアイスラッガーと見られるトサカがオーブのエメリウムスラッガーを彷彿とさせます。 戦闘ではレオの要素である空手や拳法を駆使した戦い方に、ゼロ・セブン親子のスラッガーを組み合わせた独特のファイトスタイルを見せてくれました。特にスラッガーをビームで繋ぎ合わせてヌンチャクのように扱う様子はあまりにも斬新で目に焼き付いてしまいました。スピーディーな戦いを披露してくれたこの形態が早速気に入ったので今後の活躍が楽しみです。

 

 

  • STORRGEの頼もしい仲間たち

 本作ではウルトラマン以外にも人間の登場人物もかなりの濃い面子が揃っていました。主人公の「ナツカワ ハルキ」は何でも「押忍」と大きな声で返事をしたり目上の人物には礼儀がしっかりしているなど一見して体育会系だとわかる性格ですが、目の前の他者を優先するあまり規律を乱す行動を取りがちという問題児でもあるキャラクターでした。しかし子犬だろうと決して見捨てることなく助け、自分が死んだとゼットに告げられても真っ先に避難所の人たちの心配をするなどド直球の善人として描かれているので見ている側としても気持ちがいいです。ゼットとのコントのようなやり取りもあって今後が楽しみな主人公です。

 彼以外にもキツいところがあるもののハルキを心配してくれる良き先輩「ナカシマ ヨウコ」、怪獣や巨人にトキめく本作のオタク枠「オオタ ユカ」、ハルキをたしなめながらも彼の真っ直ぐなところを評価してくれる隊長ジャグラスジャグラーヘビクラ ショウタ」など、個性豊かなメンバーが揃っていました。これらのメンバーがどういう立ち位置でどういった性格なのかが1話の時点でわかるようになっているのは地味にすごいことだと思います。

 

 そして彼らが所属する地球防衛軍日本支部のロボット部隊「STORAGE(ストレイジ)」についても語りたいところ。シリーズにおいて久しぶりの防衛部隊であるSTORAGEは何とロボットを戦力として投入するというこれまでにない要素を引っ提げてきました。

 そんな部隊が有する機体が「特空機1号 セブンガー」。かつて『ウルトラマンレオ*2に登場したあのマイナーロボット怪獣がまさかの防衛部隊の戦力として登場すると発表された時は本当に驚きました。そして1話で早速出てきたセブンガーの何と可愛いことか。飛び出た半開きの目が戦闘時にはキリッとなるなど、カッコよさ以上に可愛さを全面に押し出した演出がたまらなく素敵です。瓦礫を積み木のように片付けて撤去している姿といい、本作の萌えキャラとしての地位を一気に確立させたかと思います。かつて変身出来ないダン(セブン)のために用意されたロボットが新作で活躍してくれることに感動を覚えます。登場を控えているウインダムも含めて、この先の活躍が楽しみで仕方がありません。

 

 

  • 怪獣災害の表現

 ウルトラマン、地球人とくれば次は怪獣について語りたいと思います。冒頭から20mという可愛らしくも中途半端なサイズで登場したゴメスを皮切りに怪獣たちの脅威が見られましたが、気になったのがその表現方法。後述するゲネガーグが地球に襲来する際に民衆のスマホに「緊急速報メール」として連絡が行き届く場面は個人的にかなりの衝撃でした。緊急地震速報のようなアラート音と共に怪獣や隕石の襲来が伝えられる様子からこの世界における怪獣が地震などの災害と同じ扱いなのだということがよくわかります。近年の作品と比べても避難などがスムーズに行われていることからこの世界の人々にとって怪獣が出てくること自体は割と日常茶飯事なのかもしれません。

 そして今回登場した新怪獣「狂暴宇宙鮫 ゲネガーグ」がまたインパクト満点でした。*3巨大なサメの頭に手足が生えているような斬新なデザインに口から食べた星の欠片や光線などを吐き出してくる戦法はかなり特徴的で面白いです。そのうえ背中からジェット噴射して空を飛ぶ構図が何ともシュールで頭から離れません。どこで食べたのか口から出したブルトンを使ってゼロを異空間に追放したりゼットとセブンガーの2体を相手に圧倒するなど1話の怪獣とは思えないレベルの強敵として描かれており、今後出てくる怪獣がどれだけ強いのかを予感させる辺り印象的でした。ナイスデザインなので再登場してほしいところですね。

 

 

 上記の要素以外にも、年々クオリティを上げていく特撮と映像表現など非常に濃い1話でした。別の宇宙に飛ばされたゼロの行方、トイレと言って席を外すなどどこか怪しいそぶりを見せるヘビクラ隊長、そして今回のラストで謎の寄生生物に憑りつかれてしまった青年など、今後の展開を期待させる要素もてんこ盛りで先が気になって仕方がありません。今年もまたウルトラマンを大いに楽しめそうでとても嬉しいです。

 さて次回は懐かしのネロンガが登場。透明になる相手に未だ未熟なゼットとハルキがどう対処していくのか気になります。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:ゼットはゼロ以外の2人も師匠と呼んでいたのが気になりましたが、「師の師は我が師も同然!」という考え方なんでしょうか?

*2:第34話「ウルトラ兄弟永遠の誓い」参照

*3:『遊☆戯☆王ZEXAL』で主演だった畠中くんが演じるウルトラマンの初戦の相手がサメ(シャーク)という事実にちょっと笑ってしまいます。