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仮面ライダーゼロワン 第38話「ボクは1000%キミの友だち」感想

記憶の底の彼への想い

もう全部あいつ(アイちゃん)1人でいいんじゃないかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 1000%じゃなくてもいてほしい友達

 前回ラストで悪事の証拠を提示され社長の座から引きずりおろされそうになった垓の暴走から始まった今回のゼロワン。いきなり証拠データを消し去る(バックアップをとっておかなかったのか・・・・・・)という物理的な介入を行っておいて、駆けつけた或人相手に変身して襲いかかった結果その行為がパワハラと認識され新たな証拠にされる流れは何とも言えないシュールさを放っていました。その後飛電の社長の椅子にしがみつく垓のみじさも合わせて、彼の凋落ぶりを端的に表しているかのように思えます。

その後社長室でうなだれる垓がアイちゃんに話しかけられたことで自分の過去について語り始めましたが、厳しい父親の教育に精神をすり減らし、「さうざー」と名付けた犬型ロボットも父親に叱られたことがきっかけで手放すことになったという絶妙にリアルな内容で若干驚きました。特に加藤厚成さん*1が演じる父親の「1000点を目指せ」という言葉が後の1000%という口癖のルーツになったという考えが頭をよぎった際、”嫌いだった相手を反面教師にしていたつもりがいつの間にか同じことをしてしまっていた”という悲しい成長というものを感じずにはいられませんでした。そんな過去の経験から結果のみを求めるようになった垓に対してアイちゃんが「心を許せる友達がほしかったのでは」と確信を突き、ゼアが新たなさうざーを製作して垓に渡すシーンは機械ならではの効率的ながらも的確なコンビネーションでちょっと笑ってしまいます。新さうざーを抱きあげて涙を流す垓の姿も結構心にきます。

 

 そこから垓が飛電に対する愛を或人に話してアーク相手に共に戦う啖呵を切ったラストは中々に盛り上がったものの、唐突感が否めませんでした。上記の垓の過去もそうなんですが、今までそういったそぶりが全くなかった中でいきなり明かされてもそれまでとはキャラクター性が全く異なるのでギャップで正直混乱してしまいます。ここまでやるならせめてもう1話挟んでじっくり描写してほしかったですね。ただ「飛電インテリジェンスを愛している」発言に関してはお仕事勝負以降飛電の社長の座にばかりこだわっているかのような様子が見られたので少しだけ納得がいきます。

 

 

  • アイちゃん万能説

 また今回やたら気になったのがアイちゃんの存在感ですね。前々回で不破、前回で唯阿と問題を抱えていた登場人物たちの悩みを聞きながらそれの答えることで解決してきましたが、ついにはボスキャラの1人とも言える垓まで絆してしまうその手腕には驚愕せざるをえません。

 友達型AIとしてヒューマギアとはまた違った存在である彼女が活躍することに面白いと感じる一方で、若干のご都合主義を感じてしまいます。これまで放置されていた人間関係の問題を機械のみで解決していくその光景はデウス・エクス・マキナ染みています。特に垓の味方化展開は或人やヒューマギアが彼に寄り添う形で行われるとばかり思っていたのですが、或人が全く介入せずに終わったことのはさすが肩透かし感がありました。その活躍っぷりは何とも反応しづらいので、ここらで或人にも何らかの活躍がほしいところです。

 

 

 今回は問題に感じた部分を中心に書きましたが、飛電の社長室という非常に珍しい場所でのバトルやゼアが作った新さうざーが空を飛ぶシーンなどアクションに関しては非常に良かったです。特にさうざーのハイスペックぶりには思わず吹き出してしまいましたね。

 

 

 次回はアークによるゼア破壊が行われる模様。ゼロワンとサウザー2人がかりでも倒せるかどうか怪しい中、大ピンチに陥ってしまうのでしょうか。また一方で垓との和解までのやり取りはまだまだかかるようなのでその辺をしっかりやってくれることを期待したいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:ウルトラマンネクサス』の石堀光彦や『メビウス』のヒルカワなど、ウルトラマンシリーズでの出演が有名。