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ガンダムビルドダイバーズRe:RISE 第21話「もういちど飛ぶために」感想

”共に戦う”少女

「幼馴染ヒロインかくあるべし」とも言うべき姿勢を見た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 決戦に向けて

 今回のビルドダイバーズリライズは一旦エルドラからこちらの世界に帰ってきたところからスタート。久しぶりにリアルの姿で集合(ヒナタ曰く「オフラインミーティング」)したヒロトたちが今後の方針について話しあう様子が描かれましたが、次の衛星砲発射までにキチンとした作戦を考えることを提案するカザミにシドー・マサキの救出も果たすためにガンプラのパワーアップを図ろうとするヒロトと、積極的に意見を出し合うメンバーの成長ぶりが印象に残りました。製作中の新機体についてのアイデアヒロトに募るカザミなどこれまでとは考えられないレベルで関係が良くなっていることに感動を覚えます。以前からチームとしての仲が良くなってきている描写がされてきましたが、今回に関しては前回ヒロトが自身の過去が明かしたからこそ互いの結束がより強くなっていることを実感しますね。

 さらにパルの提案によりクアドルンの傷ついた翼の修復をガンプラで果たそうとする展開には驚きました。以前遺跡に置いてきたヴァルキランダーの剣が残っていることを確認する姿が描かれましたが、それも「自分たちが去った後もガンプラのパーツはこの世界に残り続けている」ことを確かめるためだったと判明して腑に落ちました。仮にも生き物の翼に砂から形成されたパーツが装着されて無事に空を飛べるのだろうか・・・・・・?という疑問はありますが、ガンプラを使って解決していく流れはビルドシリーズでしか出来ない”らしい展開”と言えるので非常によろしいと思います。というか本作は今までガンプラ制作要素があんまりなかったからむしろ「やっときたか」という感じではある。

 その翼の修復シーンでハロのダイバールックに変更して作業するヒロトとパルや、伝説の聖獣に会えて舞い上がってしまうマイアなど微笑ましいシーンが多く挿入されたのも良かったです。切羽詰まった状況だからこそ、彼らがこうして笑いあえることに喜びを感じますね。

 

 

  • 彼の道行きを照らす”日なたの少女”

 そして今回もう1つ印象的だったのが後半のヒロトとヒナタのやり取りですね。これまでヒロトたちの戦いの蚊帳の外にいたヒナタですが、16話にて自身の先輩であるシドー・マサキの姉のミズキと出会ったことで互いに同じ問題を目の当たりにしていることを知る予想通りの展開が起こり待ってましたといわんばかりに興奮しました。それだけでなくヒナタを通じてマサキの現状を知ったヒロトがエルドラについてあっさりと彼女に話すシーンには意表を突かれましたが、些細なことでも他人に打ち明けずに1人で抱え込んでいた過去を考えると彼も大切なことをキチンと伝えようとするようになったのだと納得出来ます。

 この一連のシーンの何が良かったというと、ヒナタがすぐにヒロトの話を理解して彼の背中を押してあげた点に尽きます。ヒロトの突拍子のない話を疑うまでもなくすぐに信じる辺りにヒナタの彼への信頼が見て取れますが、その話が本当なのだと認識したからこそヒロトの身を案じる様子に彼女の葛藤が伝わってきます。しかしヒロトがマサキやエルドラに暮らす人々のために戦っているわかるや否や引き留める手を離して彼を激励してくれたのには感動しました。イヴと同じようにヒロトが「誰かのために頑張れる人」であることをわかっているからこそ、その後ろ姿を必要以上に引っ張らない選択を取れる彼女の健気さに涙が出てきてしまいます。それでいてヒロトに必ず帰ってくることを約束させる意志の強さは彼にとっての”日常”であるヒナタだからこそ言えるセリフなのだと思います。

 またヒナタがミズキ先輩の力になろうと決意する場面も素晴らしかったです。ただ帰りを待っているのではなく、自分に何が出来るのかを考え、それを果たそうとする姿に彼女の心の強さが感じ取れます。年上の先輩の不安すら包み込む圧倒的な優しさに見ているこちらも救われます。自分なりにヒロトと共に戦おうとするヒナタに「幼馴染ヒロインのあるべき姿」と言うべきものを見た気分ですね・・・・・・

 

 

 今回は次の戦いのための準備回とも言える内容でしたが、登場人物の心情描写が相変わらず巧みなので退屈せず一気に見ることが出来ました。これまでもそういった回は何度もありましたし、バトルなしでもここまで魅せてくれるのはとてもすごいことだと思います。

 次回は容態が急変し一刻を争うマサキを救うための戦いが始まる模様。今回のラストに登場したカザミの新機体にコアガンダムの新たなアーマー、さらに復活フラグが建っているクアドルンなど味方側に活躍が期待される要素がてんこ盛りでワクワクしてきますが、それでも勝てるのか怪しいと思ってしまう辺りゼルトザームの敵としての格を思い知ります。何よりアルスの強力な洗脳を受けているマサキを無事に助け出すことが出来るのかかなり不安です。次回は間違いなく見逃せない回になりそうです。

 

 

 ではまた、次の機会に。