新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

デュエル・マスターズ キング 第16話「強敵ングを探せ!?めざせ、ポツンとある一軒家ぁ!」感想

森の秘密とおしゃぶり

「若本ボイスの赤ちゃん」のインパクトは今なお健在である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 番組パロディ大全

 もう16話目に突入した今回のデュエマキングはいつの間にか夏休みが始まっていたところからスタート。キング・オブ・デュエマッチの予選も佳境に入ってきている中、ジョーたちは夏休みを遊んで満喫したいというごく普通の欲望に駆られていてほっこりします。そこで河越の地図で見つけた「ポツンと一軒家」を探すという展開は予告の時点でわかっていたので普通に受け入れていましたが、途中から「ダーツの旅」「充電させてもらえませんか?」「池の水ぜんぶ抜く」「YOUは何しに日本へ?」と有名番組を次々と意識したセリフが飛び出してきた時はさすがに予想外。(池の水は2年前にやったでしょ!)さらに今回のラストに「家、ついて行ってイイですか?」までやってのけるので笑いが止まりませんでした。こういった雑なパロディは妙に癖になりますね。

 また一軒家について聞き込みをしても周辺住民は「知らない」の一点張り、さらに長老みたいな老人が警告をしてくる流れは個人的に印象に残りました。こういった「曰く付きのものを主人公たちに警告する村人」は謎の建物を捜索するミステリーなどで良く見られる展開ですが、それをポツンと一軒家のバラエティテイストの中に唐突にぶち込んでくるのは中々に面白い組み合わせだと感じましたね。

 

 

  • さすらいのダンディ赤ちゃん参上

 そして今回の目玉は何と言っても伝説のデュエリストジョージ釜本」の登場に尽きます。(「釜本」という名字を考案したのは「キクチ師範代」こと菊池 修氏らしいですね*1)赤ちゃんでありながらサングラスをかけカッコよくキメている強烈なビジュアル、そして若本規夫のドスのきいたボイスのインパクトは時代が過ぎても色褪せることはありません。というか勝舞が主人公だった頃には既にこれほどのキャラクターがいたという事実に改めて衝撃を受けますね。

 謎の一軒家で伝説のカードを守っていたジョージ相手にジョーは流れでデュエマをすることになったわけですが、ジョージの≪森夢のイザナイ メイ様を起点に次々とドリームメイトとフィールドを踏み倒してロック状態を完成させる戦術はさすがの一言。当初は一軒家捜索でデュエマのことを忘れていたジョーも相手の実力の高さにワクワクする様子が微笑ましいです。

 何よりもロック状態を打破するためにジョーが≪飴の女王 スイート≫による運任せの除去を使うシーンが良かったですね。漫画発のセリフ「オレほど運の強いヤツをオレは知らねえ*2の通り自分の運の強さに絶対の自信を持つジョージにあえて運試しで挑み、そして勝ってみせるという構図がとても素晴らしいです。奇抜なカードであるジョーカーズを使うジョーだからこそ出来る戦法で、伝説のデュエリストに対抗する展開に思わず感動してしまいました。

 

 

  • ”護りの森”の名を受け継ぐ夢想の龍

森夢龍(しんむりゅう) フィオナ・フォレスト 自然文明 (7)
クリーチャー:ドリームメイト・ドラゴン
パワー7000
▪️W・ブレイカ
▪️このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、フィールドを1枚、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
▪️相手が自分のクリーチャーを選ぶ時、自分の他のドリームメイトは選ばれない。

 ジョージが繰り出してきた切り札で、種族は彼が『クロス』以降でメインで使用してきたドリームメイトがドラゴンと化した「ドリームメイト・ドラゴン」。背景ストーリーにおいて非常に有名な自然文明の本拠地「フィオナの森」を名前に持っているのが興味深いですね。(≪護りの角フィオナ≫との関係性が気になるところです)

 スペックはコスト7のパワー7000、Wブレイカーと平均的なもの。しかしこのカードの真価はcipでマナからフィールドを場に出す能力と自分以外のドリームメイトをアンタッチャブルにする能力にあります。

 前者は登場時にマナからフィールドを踏み倒すという点で≪族長の魂友 ワチャゴナ≫などのD2フィールドのサポートカードと酷似していますが、あちらがD2フィールド限定の中こちらはそれ以外のフィールドも出せるという違いがあります。またそれらのカードと同じように≪古代楽園 モアイランド≫のフィールド展開ロックもすり抜けられるので*3安心してフィールドを踏み倒せるのが強みです。

 後者の能力はドリームメイトの種族デッキにとって非常に嬉しいもの。ウィニーを揃え数で攻めるドリームメイトにある程度の除去性能を付与するのは強力です。後述のコンボとも相性がいいのも見逃せません。とはいえ全体除去は防げず、全体的にパワーやコストが低いドリームメイトにはよく刺さるので注意が必要です。またこのカード自身にはアンタッチャブルが付かないという弱点もありますが、この点に関してはフィオナ・フォレストをもう1体出しておけば互いにアンタッチャブルを付与しあって解決するのでさほど問題ではないですね。

  同じパックに収録されているD2フィールド≪Dの森域 フィオナ・ザ・ハート≫とはデザイナーズコンボになっていて、フィオナ・フォレストのcipでマナゾーンにあるこのカードを出し、相手ターンにDスイッチを発動して攻撃を封じるロック戦術が主な使い方になるでしょう。

 しかしどうせなら別のフィールドを使った活用法なども編み出してみたいところです。他に相性のいいフィールドと言うと真っ先に思い浮かぶのは≪Dの花道 ズンドコ晴れ舞台≫。こちらのDスイッチで≪蛇手の親分ゴエモンキー!≫をマナゾーンに出し、ウィニーをどんどん展開して≪お目覚めメイ様≫のエクストラウィンを達成するコンボが考えられます。(ゴエモンキー!もメイ様もドリームメイトなのでアンタッチャブルの恩恵を受けられるのがポイントです)フィオナ・ザ・ハート共々、ドリームメイトたちに足りなかったものを補ってくれる名サポートであり、同時に他のフィールドを駆使したデッキでの活躍が見込める良カードと言えましょう。

 

 

 さて今回は往年のレジェンドキャラクターとジョーがデュエマを繰り広げるという客演回でしたが、レジェンドの圧倒的な格を遺憾なく見せると同時に、それに対抗して主人公が勝利する展開を見事に描写してみせたので感激しました。何より双方の株を下手に上げ下げすることなく気持ちよく決着させたバランス感覚には感心してしまいます。何故ジョージが未だに赤ちゃんなのかという疑問に関して全く説明がされなかった点には不満を覚えましたが、総じて良い客演回だったと言えるでしょう。

 

 そして次回はいよいよキング・オブ・デュエマッチの予選も終盤に突入。しかしジョーは何故か魂ポイントが2ポイントしか残っていないとのことで、果たしてどうやって予選を突破するのか非常に気になります。またそれとは別に、今回の話で既に夏休みに入っていたのに次回にはもう終わっているという展開に現実でも見られる夏休み期間短縮問題を思い起こさずにはいられませんでした。それ以上に今年の夏休みは本当に短いらしいので今の子どもたちにはつい同情してしまいます・・・・・・

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:菊池氏本人のTwitterにてそういった旨の発言がありました。

*2:デュエル・マスターズFE(ファイティングエッジ)』第12巻参照

*3:モアイランドのテキストに「フィールドを”展開”できない」と書いてあるのに対してフィオナ・フォレストのテキストには「フィールドを”出す”」と書いてあるため。