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仮面ライダーセイバー 第2話「水の剣士、青いライオンとともに。」感想

戦う理由と覚悟

こんなに親切な2号ライダー初めて見たかもしれない

仮面ライダーセイバー RKF 仮面ライダーブレイズ ライオン戦記

仮面ライダーセイバー RKF 仮面ライダーブレイズ ライオン戦記

  • 発売日: 2020/09/19
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 人当たりの良い2号ライダー

 前回のラスト、ライオンに跨って来店するという衝撃の登場シーンを果たした倫太郎。他にも「普通のホモ・サピエンス」など変なイメージがついてきていますが、今回描かれた彼は思っていたよりも真面目で穏やかな性格だったことに驚きました。それ以外にも・・・・・・

 

  • 飛羽真にライドブックをこちらに渡すようお願いする中断られても力づくで奪おうとはしない。
  • 自分たちが何者なのか、何故戦うのかを至極丁寧に教えてくれる。
  • 戦いの危険性を飛羽真に再三警告してくれる。
  • そのうえで覚悟を決めた彼に快く協力もしてくれる。
  • 自分では思いつかなかったライドブックの使い方を見て「すごい!」と驚きつつ称賛してくれる。

 

 と言った感じに親切な言動と行動の数々には度々驚かされました。「初対面の相手、特に主人公に対して当たりがキツい」イメージが強く根付いている仮面ライダーの2号ライダーの中でもトップクラスの人当たりの良さです。それ以外にも世間知らずで「土足は失礼」と本で読んだからライオンに跨るといったズレた行動を取る点に、飛羽真に対して先輩風を吹かそうとして上手くいかなかったり、エクレール・オ・ショコラ(エクレア)を食べたいあまりに剣士の教えを上手いこと曲解しようとするなどあざとく可愛い面もあって序盤から一気に好きになってしまいました。

 何より飛羽真をすぐに打ち解けて協力していく関係になったのがいいですね。上記の通りの倫太郎の温和な態度に誰に対しても肯定的な飛羽真の性格が合わさることでかつてないほど優しい関係性が築かれていました。ライダー2人が初対面からここまで仲良くなれるというのも非常に珍しいので新鮮な気持ちで見られましたね。

 

 

  • 誇り高き水を従えし碧き獣王

 

ライオン戦記!

『この蒼き鬣が新たに記す、気高き王者の戦いの歴史・・・・・・』

 

流水抜刀!

ライオン戦記!!

 

『流水一冊! 

百獣の王と水勢剣流水が交わる時、紺碧の剣(つるぎ)が牙を剥く!!』

 

 倫太郎がソードライバーと「ライオン戦記」のワンダーライドブックを使って変身した「仮面ライダーブレイズ ライオン戦記」。水を押し寄せているかのような鋭角的なデザインのマスクが特徴的な2号ライダーです。右半身だけ重装備だったセイバーに対して両腕に何も纏っていないことから全体的にスマートな印象を受けます。

 「水勢剣流水(スイセイケンナガレ)」を使った戦闘も手慣れており、荒々しいセイバーと比べて幾分か”華麗”なイメージを抱きます。必殺技を軽々と連発し飄々としている様子からもセイバーよりも場数を踏んでいる実力者ということがわかります。倫太郎本人の性格も相まって、まだまだ戦い慣れしていない飛羽真の良き先輩にして良き相棒になってくれそうな安心感がありますね。

 

 

  • 右腕に宿る土豆の力

 今回は他にも敵のメギドを倒した際に手に入れた「ジャッ君と土豆の木」のワンダーライドブックが登場。ブレイズは流水にそのまま認証させることで豆の弾丸を撃ち出していましたが、セイバーはソードライバーに差し込むことで更なる形態になりました。

 

ジャッ君と土豆の木!

『とある少年がふと手に入れたお豆が、巨大な木となる不思議な話・・・・・・』

 

烈火抜刀!

二冊の本を重ねし時、聖なる剣に力が宿る!

ワンダーライダー!!

 

『ドラゴン!ジャックと豆の木

2つの属性を備えし刃が、研ぎ澄まされる!!』

 

 セイバーの派生形態「ドラゴンジャッ君」。上記のジャッ君と土豆の木のライドブックの力が宿り、右腕にその意匠が入った本作のフォームチェンジです。前回セイバーの右側だけが竜を模っていることを指摘をしましたが、寂しい右腕部分を他のライドブックで装備する手法からその奇妙なデザインに関して腑に落ちました。腕に追加の装備をしていく様がリュウソウジャー』の強竜と似通っていて結構好みです。*1

 戦闘では土豆を土に蒔くことで巨大な木の根を作り、それに登って上空の敵に接近するという中々にトリッキーな戦法が披露されました。それ以外にも飛羽真は敵の「アリメギド」と「キリギリスメギド」の元ネタが「アリとキリギリス」だと見抜いて光るアリを探してくれと打開策を見つける(この一連のシーンのよくわからない理屈とそれに「そうか!」とすぐ納得する様子がまたリュウソウジャーっぽい)など本の知識を活かした戦い方をするのがいいですね。正統派の剣士である倫太郎に対してその知識とその場の閃きで対応する辺りは少年漫画風味でお気に入りです。この2人の違いを出しつつ、両者が互いを補うように戦ってくれる作風を今後もっと前面に押し出してほしいですね。

 

 

  • しっとり爽やかなOP

 さて今回の見所の1つとして前回流れなかったOPのお披露目がありました。本作のEDも担当してくださっている”スカパラ”こと東京スカパラダイスオーケストラさんとロックバンド[Alexandros](アレキサンドロス)に所属する川上洋平(かわかみ・ようへい)さんが手掛けるOPテーマ「ALMIGHTY~仮面の約束 feat.川上洋平」は終始明るい曲調とテンポがしっとりかつ爽やかイメージを抱かせてくれます。歌詞も「密やかな優しさは人知れず咲いて散る」という若干不穏な内容ながら、人の世の影で悪と戦い続ける仮面ライダーのイメージと合致していて面白いです。

 しかし全体的に平坦なテンポなため盛り上がりに欠けており、最初聞いた時はどこかサビか気付かないまま最後まで聴いてしまいました。一見してヒーローソングらしくはありませんがセイバーの世界観的に合っているような気もするので今後の印象の変化を楽しみたいところです。

 

 

 さて今回は2号ライダーブレイズや本作のフォームチェンジ要素、北極のノーザンベースを本拠地とする「ソードオブロゴス」や敵対するメギドの関係性とそれぞれの目的が語られるなど情報量が多めの内容でしたが、それ以外にも飛羽真の覚悟が見られた回でもありました。

 命の危険があると知ったうえで人々を守るために戦うことを決意する飛羽真の覚悟もそうですが、助けられる見込みが薄い戦いに身を投じる彼と本の守護者「ソフィア」とのやり取りも印象的でした。「無謀と勇気は違うのですよ」と戒めるソフィアに対し「覚悟を超えた先に希望はある!」とはっきり言い返すシーンは脚本の福田氏がかつて手掛けた『ゴースト』のタケルと御成の関係を彷彿とさせます。何より飛羽真が助けられる命を放っては置けない熱い一面を見せてくれたのがいいですね。こういった正統派の主人公は大好物です。

 

 

 さて前回はラストに倫太郎がライオンに跨って登場しましたが、今回は何とじゅうたんに乗った青年が突然出てくるというラストになりました。2話連続で変な人物が変なスタイルで店に現れる終わり方を仕掛けてきたことに笑いが止まりません。その口ぶりからして飛羽真と知り合いかと思われる彼の詳細も気になるところです。

 

 そして次回は3人目のライダー「バスター」が登場!幼い息子を連れている父親ライダーという異色の立ち位置が非常に気になる人物で”気は優しそうだが怒ると怖い”みたいなイメージが既についていますが、実際はどんな性格なのか非常に気になります。変身後のゴツい見た目も含めて非常に楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:実際本作のメインプロデューサーを務める高橋一浩氏は『リュウソウジャー』の製作に携わっています。