虚無をも撃ち抜く光と闇
息子以外には気軽に力を貸してくれないベリアル陛下好きだよ
- 虚空怪獣の脅威
今回のZは久々の登場となるリクとペガの描写からスタート。前回ハルキたちがブルトンを倒したことにより発生した時空の穴からあの凶悪な存在「虚空怪獣 グリーザ」が出現することに。質量もエネルギーもゼロ、存在しない”無”という概念が無理矢理視覚化された存在であるグリーザは不気味そのもので、序盤からいきなり出てきて脈絡なく街を破壊していく辺りは意思などを持たない”無”そのものであることが伝わってきます。
そんな凶悪な存在相手との戦いも印象的です。ハルキとリクのカッコいい同時変身から始まった戦闘はこちらの攻撃が一切効かず、逆にグリーザの攻撃は全て当たってしまうという理不尽っぷり。『X』の頃と比べると攻撃をすり抜けるような不気味な演出は減ったものの、肉弾戦でもジードを圧倒するなど強敵感が以前よりも増したように感じます。トライキング、ファイブキングに変身したジャグラーの加勢(この時のジャグラーがふざけた態度を一切取らない辺り事態の深刻さが窺い知れます)も空しく、ジードが取り込まれてしまうという結果になったのは中々ショッキングでした。ニュージェネのラスボス最強格に相応しい大暴れを前半からこれでもかと見せてもらいましたね。
- メダル奪取作戦
リクがグリーザに吸収されそうになる大ピンチに焦るハルキ(今更ですけどハルキってこういうピンチの時には何かと焦ってしまう場面が多いですね)。ゼットが対抗手段としてベリアルのメダルの力が必要と言ったことをきっかけにトゲトゲ星人ことジャグラーと協力してセレブロの本拠地に強襲することになった時は驚きました。事態が切迫しているとはいえ敵を脅してメダルを奪うという悪役みたいな手段に出たのはある意味でジャグラー主導だからこそでしょうか。セレブロも何だかんだでベリアルメダルを渡してくれる辺り気前がいいです。
ただ心配なのはハルキの方ですね。ジャグラーの正体もセレブロの事情も知らない彼からしたら「宇宙人が怪しげな一般人を襲う行為に加担している」に等しいことを行っているので、劇中のわけがわからないまま話に付き合わされている感がすごいです。メダルを持っていたセレブロこそが怪獣を呼び出した原因だろうという疑惑を抱き始めたハルキが今後どのようにジャグラーたちと関わっていくのか見ものですね。
- 闇を超えた光の力
ジャグラーの協力もあって手に入れたベリアルメダル。それを以前から持っているゼロメダルとリクから貰ったジードメダルと合わせることでゼロはゼロビヨンドに、ベリアルはベリアルアトロシアスのメダルに変化するという現象が起こりました。(よく見るとジードのメダル含めてふちの色が赤から金色に変化しています)ゼット曰く「ライバル同士のメダルが共鳴してウルトラパワーアップした」とのことですが、このわけのわからなさは少し癖になります。
そうして変化したメダル3枚を使おうとするもののベリアルのメダルのみ闇の力が強すぎて入れられない、という状況になった際は正直納得しかありませんでした。今までジード以外にはまともに使えなかったベリアルの力をゼットたちがすぐさま使うのも無理だという話。それでも2人で何とか力づくでメダルを入れた時は力技だなぁ、と思いつつも熱かったですね。というわけで改めて変身!
「ゼロ師匠!
ジード先輩!
ベリアル!」
ZERO BEYOND!
GEED!
BELIAL ATROCIOUS!
「押忍!」
「ご唱和ください、我の名を!
ウルトラマンゼット!!」
「ウルトラマンゼーーット!!」
「シュアッ!」
「ヴアアッ!」
「ガァァッ!」
ULTRAMAN Z!
DELTARISECLAW!!
苦難の末変身したゼットの最強形態「デルタライズクロー」。ゼロビヨンドのような鋭角的なボディに金色のカラーリングが入ったデザインは一目見ただけで強化形態であることが理解出来るようになっており中々にカッコいいです。ある意味で王道の最終形態デザインです。
戦闘では意外にも徒手空拳を主としたスタイルを披露して驚きました。ビュンビュン動き回るグリーザ相手に同じくビュンビュン動き回り高速のパンチやキックをお見舞いするシーンはドラゴンボール的で迫力満点です。電撃のエフェクトを纏って素手で圧倒する様はフィジカルが非常に強いウルトラマン3人を元にしているからでしょう。前半で手も足も出なかったグリーザに攻撃を当てまくる様子は爽快感に溢れています。
そしてそんなデルタライズクローの武器となるのが「幻界魔剣 ベリアロク」。グリーザの中で生まれた「宇宙の穴を縫う針」の力にジードのベリアル因子が融合して生まれたとされるこの剣は何と言ってもベリアルの顔が付いているデザインが特徴的です。*1しかもこの剣そのものに意思があってベリアルそっくりの人格で喋りまくるのもインパクト抜群です。ベリアルのような尊大な口調でハルキに圧をかけまくりますが、気にしていない彼を気に入ったのか名前を呼んで快く協力してくれる辺り結構ノリのいい性格なのかもしれません。彼(?)とハルキ、そしてゼットの今後のやり取りが楽しみです。
というわけでグリーザ襲来からの最強形態登場ととてつもなくてんこ盛りな内容の15話でした。『ウルトラマンX』の頃から変わらないグリーザの脅威をこれでもかと表現し、なおかつそれに打ち勝つスカッとする展開に終始興奮しっぱなしでした。また今回のクライマックスに前期EDである「Connect the Truth」が流れる演出など、要所要所でXのオマージュと見られる要素があったのも個人的に高ポイントでした。*2ただあまりにも詰め込み過ぎだと感じたのでどうせなら前後編に分けてじっくりやってほしかったかな、と思う部分もあります。ともあれ今回も非常に楽しめる内容で大満足でしたね。
そして次回は何とホロボロスが再登場。『R/B』にて圧倒的な強さを見せたものの、その生態など詳しいことは一切不明だったこの怪獣がここにきて掘り下げられるようで興奮します。さらに久しぶりのユカにスポットが当たるエピソードのようなのでその辺にも期待がかかりますね。
ではまた、次の機会に。