迷いを断ち切る一閃
主人公の友情とかコミカルなやり取りとかすごいハイペースで話が進むな・・・・・・
- 友としての信頼
今回のセイバーは賢人を中心としたエピソードでした。以前から飛羽真に対して何かを隠している素振りを見せていた彼は一体何を考えているのかと思って見ていたら、メギドたちに協力しているカリバーの正体が彼の父「富加宮隼人(ふかみや・はやと)」だという事実が初っ端から明かされて少々意表を突かれましたね。(隼人を演じているのが唐橋充(からはし・みつる)さん*1であることにも驚きです)賢人はそんな父のことを大いに慕っていたことから、彼の心情の一部が見えてきた気がします。
信じていた父親に裏切られただけでなく「裏切り者の息子」という汚名まで被せられたうえ、飛羽真が記憶を失ったのも父が原因の可能性があるという三重苦。思っていた以上に賢人が重いものを背負っていたことにちょっとした悲壮感を覚えます。飛羽真に対するぎこちない態度も彼を傷つけてしまったことに対する後ろめたさからきているのは明らかです。しかも今回ようやく変身した賢人がカリバーを前にして怒り狂うシーンはそれでも父親のことを信じたい心が残っているように見えて痛々しく感じました。飄々としているように見えて心に大きな傷を秘めているのが賢人という青年なのでしょう。
それだけに今回賢人のことを支える人たちとの関係が描かれたのが良かったですね。尾上さんは序盤から賢人のことを気にしていて冗談めかしたことを言いながらフォローも欠かさず、なおかつ戦闘では我を忘れた賢人を叱咤するなど大人な一面を見せてくれました。登場当初は息子のことで気が気でない態度を見せていた彼がこうして年長者らしい振る舞いを見せてくれるのは見ていて非常に気持ちがいいです。飛羽真を守ろうとしている賢人に対して「あいつは守らなきゃならないほど弱いのかね」と返すシーンも前回の一件で彼のことを認めてくれたことを実感してグッときます。
そして渦中の中心にいるものの状況を把握していない飛羽真の方は”敢えて自分からは聞かない”という対応をしてきて驚きました。さらに助けを求めてくれたら全力で応えることを約束することから、もしかしたら飛羽真は自分の友が何かを抱えていることを直感で理解しているのかもしれません。それでいてあくまで賢人の意思を尊重する辺りに友としての信頼を感じます。賢人も飛羽真が記憶が取り戻したら話すことを約束するなど互いのことを信じているからこその絶妙なやり取りに舌を巻きました。今回は賢人だけでなく飛羽真のことも一気に好きになりましたね。
- 幻想なる雷を轟かせし黄金の貴公子
『とある異国の地に、古から伝わる不思議な力を持つランプがあった・・・・・・』
黄雷抜刀!
『黄雷一冊!
ランプの精と雷鳴剣黄雷が交わる時、稲妻の剣(つるぎ)が光り輝く!!』
賢人がソードライバーと「ランプドアランジーナ」(モチーフとなっているのは恐らく「アラジンと魔法のランプ」ですね)のワンダーライドブックを使って変身した「仮面ライダーエスパーダ ランプドアランジーナ」。円を描く稲妻のようにも月のようにも見える不思議な形状のマスクが目を引くライダーです。セイバーとは対照的に左半身にマントなどの装飾が施されていて、その立ち振る舞いからどこか「優雅」や「高貴」といったイメージを抱かせてくれます。
戦闘スタイルは「雷鳴剣黄雷(ライメイケンイカヅチ)」を駆使したスピーディーな攻撃が特徴的。通常の戦闘でも突きや斬撃を素早く繰り出しているほか、必殺技が高速で敵に近づいて連続で斬り伏せる”居合い”であることから相当の早業であることが伺えます。雷・・・・・・居合い・・・・・霹靂一閃・・・・・・うっ頭が現状本作のどのライダーとも異なるタイプなので今後の活躍が楽しみです。
- 大空を翔る暴風の荒鷲
ストームイーグル!
『この大鷲が現れし時、猛烈な竜巻が起こると言われている・・・・・・』
烈火抜刀!
竜巻ドラゴンイーグル!!
『烈火二冊!
荒ぶる空の翼龍が獄炎を纏い、あらゆるものを焼き尽くす!!』
尾上さんがデザストから奪い返した「ストームイーグル」のワンダーライドブックで変身したセイバーの派生形態「ドラゴンイーグル」。ワシの力が宿った生物のライドブックであり、それとドラゴンというカッコいい神獣×カッコいい生物の組み合わせがたまらなく素敵です。変身音がジャッ君やピーターを使ったものとは異なっていますが、これはドラゴンとイーグルの”相性がいい”ことを示しているのでしょうか?(ライオンファンタジスタといい、色合いが似ているライドブックほど組み合わせの相性がいいのかもしれませんね)
実際戦闘でも炎の威力と範囲をアップさせてくれる風との相性はピカイチであることがわかりやすく描かれていました。必殺技で竜巻の中に突っ込み、炎を放つことで火災旋風を発生させるシーンは迫力満点です。最後はセイバー自身目を回して倒れてしまうという締まらないオチでしたが、他の派生形態と比べても強力そうな印象がありましたね。
- 親切なデザストと怒れるズオス
また今回は飛羽真と賢人が互いの友情を確かめ合った一方で倫太郎と芽依のコミカルな珍道中が描かれていました。商店街などで見られるガラガラを「新井式回転抽選機」*2という正式名称で呼ぶなど相変わらずの倫太郎についついほっこりしてしまいます。
そんな中デザストが2人の前に現れたので戦闘に入るのかと思いきや、意外にも「ワンダーワールドを侵食し乗っ取る」という目的を明かしてくれて驚きました。直後に現れたメギドの幹部の1人「ズオス」が彼の勝手な行動に怒ることからあちら側としても知られたくない情報だった模様。それをデザストがあっさり明かしてしまう辺り、敵も一枚岩というわけではないようです。(というよりもデザストがただの享楽主義者なだけということもありそうですが)それよりも怪人態も見せたズオスを前にして倫太郎が険しい表情をしているラストが印象的でした。倫太郎とズオスにはどのような因縁があるのか非常に気になりますね。
さて次回は本作5人目(敵側のカリバーを加えれば6人目)となるライダーが登場する模様。予告を見る限り力が全てと考えている軽薄そうな若者のようですが、彼が飛羽真たちとどのような会話を繰り広げるのか興味が湧きます。変身するライダーも最近増えてきた「忍者」モチーフのようですしとても楽しみです。
ではまた、次の機会に。