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仮面ライダーセイバー 第6話「疾風の如く、見参。」感想

共に戦う者として

コミュ力に問題のあるキャラともすぐ打ち解ける飛羽真マジコミュ強主人公

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 生意気少年参上

 今回のセイバーは新キャラ「緋道蓮(あかみち・れん)」が大いに引っ掻き回してくれました。冒頭何の脈絡もなくいきなり登場しただけでも驚きなのに初対面の飛羽真を「下っ端」呼ばわりするシーンはかなりショッキングです。他にも飛羽真の言葉に対して即座に「マジないわー」と一蹴したり本を無造作に扱ったりするなど全体的に礼儀を知らない少年として描かれていてこれまたすごい子が来たな、と感じました。

 他にも「強さこそが絶対」という考えがあるようで飛羽真に対して勝負を持ちかけたりするなどかなり自信過剰な一面を持っています。ただ今回あの尾上さんすら苦戦したデザストを難なく撃破するという大金星を挙げたので口だけではない実力者であることが伺えます。(倒した相手に「楽しかったよ」って呟くシーンは実に戦闘狂っぽいです)

 

 こうして書くとかなりウザいキャラですが、個人的にはそこまでイライラすることはありませんでしたね。上記の問題点を除けば明るく朗らかな性格であることもありますが、賢人には大いに懐いていたり後述の大秦寺に対しては敬語を使っていたりと自分が認めた相手には大人しく素直になる一面、飛羽真の言葉に感化され約束をしっかり果たそうとする義理堅さなどもあって決して生意気なだけの若者ではないことがわかったからです。自分の強さや考えに絶対の自信を持っていて、それ以外の考えに耳を傾けようとしない姿は良くも悪くも「子どもっぽい」と思います。才能はあるもののまだまだ発展途上ですが、今後性格が軟化するかのような描写もあったので、この先の成長に期待したいと思います。

 

 

  • コミュ障刀鍛冶とコミュ強小説家

  そして今回スポットが当たった人物としてもう1人、”スラッシュ”こと「大秦寺哲雄(だいれんじ・てつお)」の飛羽真とのやり取りも見どころでした。以前から「聖剣の刀鍛冶」として登場していたもののいまいち本筋に関わらなかったのですが、今回ようやく彼と言う人物についてわかってきました。

 登場時は「コミュ障」かつ「職人気質」といった印象そして中の人がかなりのオーズオタクで登場した剣士ほぼ全員に辛辣な言葉を浴びせる姿は非常にドライでした。しかし物語を司るメギド幹部「ストリウス」の罠により変身不能に陥り、封印を解くために尽力する飛羽真にフォローを入れるなど決して冷たいだけの人物ではないことがわかりました。特に閲覧禁止の本の在り処を図らずも自白してしまうお茶目な面はそのシーンのコミカルさもあって一気に親しみやすくなったと思います。

 また大秦寺と話している内に彼の心を開かせる飛羽真のコミュ力にも目を見張るものがありました。何の接点もない相手とも本を通じてわかりあえるのが彼の魅力なのかもしれません。内容をトレーシングペーパーを重ねてトレスする本への丁寧な扱いも相まって*1「本」を通じた魅力がこの主人公の特徴なのだと再確認しました。

 

 

  • 我が家のために戦う家族の絆

 

こぶた3兄妹!

『とある兄弟が繰り広げる、お家を守る戦いの物語・・・・・・』

 

烈火抜刀!

竜巻ドラゴンイーグル!!

 

 

『増冊!3匹のこぶた!

烈火二冊!

荒ぶる空の翼龍が獄炎を纏い、あらゆるものを焼き尽くす!!

 

 飛羽真が蓮との勝負で(半ば強引に)勝ち取った「こぶた3兄妹」とストームイーグルのワンダーライドブックで変身した派生形態「ドラゴンイーグルぶた3」。既にフォーム名の時点でかなりシュールですが、左肩の子ブタ3匹を合わせたような意匠はこれまでのライダーにはないコミカルさがあります。何気にブタがモチーフのフォームというのは史上初ではないでしょうか。*2

 必殺技をペラペラの子ブタ3匹が敵の周りに藁の家を建て、セイバーが竜巻で敵を家ごと吹き飛ばすという斬新なもの。一見ギャグ調ですが、家を建てた子ブタからしたらあまりにも無慈悲な技に見えるのが面白いです。他のライドブックの形態が真っ当にカッコいい中、こういう変わり種を用意するのは見ている側としてもバラエティ豊かで楽しいです。

 

 

  • 舞い散る風を走らせる翡翠の閃忍

 

猿飛忍者伝!

『とある影に忍ぶは疾風、あらゆる術でいざ候・・・・・・』

 

猿飛忍者伝!!

 

双刀分断!

壱の手、手裏剣!

弐の手、二刀流!

双剣翠風!!

 

『翠風の巻! 

甲賀風遁の双剣が、神速の忍術で敵を討つ!!』

 

 蓮が「双剣翠風(フウソウケンハヤテ)」に「猿飛忍者伝」のワンダーライドブックを差し込んで変身した「仮面ライダー剣斬(けんざん) 猿飛忍者伝」。近年少しずつですが数を増やしている「忍者ライダー」の新たな一角です。(使っているライドブックのモチーフも真田十勇士」の一員として知られている「猿飛佐助」だと思われます)頭部のデザインは風が走っているかのようで右側に手裏剣、左側に2本の刀の意匠が施されているのが特徴的です。本作のライダーの中でも一際軽装で一目で身軽だとわかるボディをしています。また創作の忍者にありがちな長いマフラーを付けている点が個人的には高ポイントですね。

 戦闘ではその見た目通り素早さを活かした戦いを繰り広げました。主武装である翠風は普段は2本の刀、合体させると巨大な手裏剣に変形する特殊な機構をしており忍者らしい変幻自在な戦法を見せてくれます。特にデザストを葬る際に放った必殺技が巻物の絵がパラパラ漫画のように動いて魅せる演出で表現されていて実にオシャレでした。聖剣のライダーの枠組みに囚われない姿とバトルに早くも魅かれましたね。

 

 

  • 復讐の倫太郎

 また本筋が着々と進む一方で描かれたのが倫太郎と芽依のコンビの戦い。前回遭遇した敵幹部のズオスと対面してからどこか心ここにあらずとなっている倫太郎が早くもズオスとの対決を繰り広げていて驚きました。さらにズオスの口から自分こそが15年前の先代の水の剣士を倒した男だと判明してさらに驚き。倫太郎も師匠でもあった先代の仇が相手であるとわかるやいなや怒り狂う辺り15年前の事件はかなり凄惨であったのかもしれませんね。(ただズオスに執着するわりには彼が仇だと知らなかったのはどういうことなのか気になります)

 結局ズオスに敗北し、ボロボロの姿でノーザンベースに戻る倫太郎には心が痛みました。あれほど仲の良かった飛羽真の言葉も無視するシーンなどは痛々しくて見ていられませんでした。ここにきて倫太郎も敵との因縁や師匠の敵討ちなど仄暗い一面を一気に出してきてキャラに深みが出てきましたが、あまりにも可哀想なので早いところ立ち直ってほしいとも思ってしまいます。

 

 

 というわけで今回は「新キャラ・蓮の紹介」「大秦寺とのコミュニケーション」「倫太郎とズオスの因縁」と3つもの物語が同時に進行するかなり詰め込んだ内容でした。それぞれに見どころがあって面白かったものの、息つく暇もなく場面転換するうえハイペースで進むので物語全体の筋が非常に追いにくいという問題もありました。各パートの区切りが唐突だったのも話のわかりにくさに拍車をかけていたように感じます。物語の順序をしっかりと立ててくれればグッと良くなると思うので今後に期待したいですね。

 

 というわけで次回は飛羽真が烈火の封印を解くために謎の地「アヴァロン」へと向かうようです。敵もアヴァロンにある強大な力を手に入れようとしているらしいので、激戦は必至になることが予想されます。倫太郎の件や新たなフォーム含め見逃せない要素満載になりそうです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:前述したように蓮が本を無造作に扱っていたのもあってかなり好感度が高いです。

*2:ゴースト』に登場するネクロム サンゾウ魂にもお供のブタの意匠がありますが、ブタそのものというのは今までありませんでした。