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2020年秋アニメ簡易感想 その9

 

 

 

 

 先日、漫画家の高橋留美子(たかはし・るみこ)氏が紫綬褒章を受賞したとのことです。「紫綬褒章(しじゅほうしょう)」とは社会福祉や文化に多大な貢献をもたらした人物に与えられる褒章の1つで、紫綬褒章はその中でも学術や芸術、技術開発やスポーツでの業績を残した人に与えられます。そんな褒章に『うる星やつら』や『めぞん一刻』、『犬夜叉』といった数々のヒット作を手掛けてきたこの方が選ばれたというのは一読者としても大変喜ばしいことです。

 

 ちなみに紫綬褒章を受章した漫画家には他にも水木しげる*1氏や松本零士*2氏、ちばてつや*3氏と錚々たる面子が揃っており、留美子氏がこの方々の仲間入りを果たしたのは本当に素晴らしいことだと思います。また女性漫画家の受賞者としては4人目という点も興味深いです。それ以前は受賞した女性漫画家は長谷川町子*4氏と萩尾望都*5氏、竹宮惠子*6氏と意外にも3人だけだったので、そういった意味でも今回の受賞は歴史的なもののように感じますね。

 長々と語ってしまいましたがめでたいことには変わりないので、改めてお祝いと感謝の一言をば。高橋留美子先生、受賞おめでとうございます!そしていつも楽しい漫画をありがとうございます!

 

 

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

 

ひぐらしのなく頃に

第5話「綿騙し編 其の壱」

 鬼騙し編から仕切り直して始まった今回はやはり「綿流し編」ベースの物語でした。序盤のゲーム大会など綿流し編の本筋をなぞっているもののやはり細部での違いが見られます。(富田くんと岡村くんが旧アニメよりも目立っていたのが個人的には嬉しい)特に圭一が梨花ちゃんの助言もあって自分から景品の人形を魅音に渡すシーンには衝撃を受けましたね。綿流し編目明し編の惨劇の一因にもなったこのイベントをクリアしたことには驚きですが、果たしてこれだけでどうにかなるのでしょうか・・・・・・?

 また魅音の双子の妹の「̪詩音」も登場しましたが、現状どちらか魅音でどちらが詩音かわからない場面が多いので非常に混乱します。(わかるようでわからないように2人の声を使い分けるゆきのさつきさんの演技力も脱帽ものです。)特にネットの方々のおかげで気付けた「EDのテロップに「詩音」の名前がなかった」点も混乱を加速させます。

 一方で日常パートの魅音&詩音の可愛さには存分に癒されましたね。本作の丸っこくて可愛いキャラデザの良さを見事に活用した回だったと言えます。

 

 

 

呪術廻戦

第5話「呪胎戴天-弐-」

 やはり悠仁が死ぬラストになるとは・・・・・・前々回の「死者1名」というテロップに前回の展開から何となく予想はついていたのですが、いざそれを見せられると中々にショッキングです。また彼を助けようとする恵の「少しでも多くの善人が平等に幸せを享受出来るように、不平等に人を助ける」という信念に彼なりの正義と矛盾を感じた点も含め、非常に印象に残る前半でした。

 そしてそんな鬱屈した空気も後半の「パンダ先輩」に全て吹き飛ばされてしまいました。パンダが2足歩行で言葉を離す異質な光景が突然出てきたのにそれに対する説明が一切ないというのがあまりにもシュールで終始呆気に取られました。おかげで他にもいた先輩呪術師たちがあまり印象に残りませんでしたよええ。しかしそんな先輩たちの活躍はこの後の京都の呪術学校との対決で見られるようなので非常に楽しみです。悠仁も如何にして復活するのか気になりますね。

 

 

遊☆戯☆王SEVENS

第22話「封じられた悪魔」

 スポットが当たる度に何かとネタを残すルークの主役回。勝手に勘違いしては勝手に解決する自信過剰ぶりは相変わらずで何かとウザいものの、デュエルに関しては遊我に次いで誠実で自分の実力を信じて疑わないスタイルは見ていて非常に気持ちがいいです。特に今回はドラギアスをはじめとしたこれまでのエースモンスター3体の揃い踏みを披露してきてテンションが上がりました。デュエルに関しては今のところ無敗だけあって本当に強いです。

 またこれまで使用してきたパウリエフェクトの正体が”腕時計”によるものであることが判明。しかもルークが付けた時だけ発動する条件もわかりますます謎が深まりましたが、これを渡した曾祖父が何か秘密を握っているのでしょうか?

 一方で再登場した反則チート野郎の洗井が堂々とチートをしてきたのはよろしくなかったですね。以前の件で改心するどころか開き直ってイカサマを繰り返す光景には本当に呆れかえりました。それだけに今回も正攻法で返り討ちにしてくれたのでスカッとしましたが。

 

 

ドラゴンクエスト ダイの大冒険

第5話「アバンのしるし」

 アバンの衝撃的な最期、そしてそこから奮起し覚醒するダイが描かれた非常に熱い回でした。ダイが額の紋章を浮かび上がらせてからのバトルはこれまでで一番気合が入っており、ハドラーに引導を渡したアバンストラッシュの迫力もあって最後まで大興奮しました。他にも死を覚悟し2人の弟子に後を託すアバン先生のカッコよさや、先生の死に号泣するポップの人間臭さなどアバン一行の心情描写が印象的でしたね。

 一方で敵のハドラーは「アバンが弟子との別れを済ますまで律儀に待ってくれる武人→ダイの猛攻を前に鼻水を流しながら敗れるかませ→生き残ったけどダイの潜在能力の高さに恐怖を感じるビビり」とどんどん情けなくなっていくのが面白かったです。ダイの正体に気付く洞察力の高さを見せながらも(バランの過去を知った今となっては何故あの時ハドラーがあそこまで驚いたのかよくわかります)自分の地位惜しさにそのことをバーンに報告しないみみっちさはどこか愛着が湧いてしまいます。何だかんだで序盤のハドラーも魅力的ですね。

 

 

ポケットモンスター

第43話「ソード&シールドⅡ「ブラックナイト」」

 ソード&シールド編の第2話は主にゴウとソニアの研究がメイン。ガラル地方に伝わる伝説について調べる中でソニアとダンデの関係が明かされた時は驚きました。バトルでどんどん幼馴染においていかれる中、ポケモン博士という別の道で彼の隣になろうとするソニアのいじらしさに胸が高まります。

 ゴウはゴウでソニアとの会話で同じようにポケモン博士としての道を進むフラグが立ちましたが、現状どうなるのか気になるところ。また初めてのダイマックスを経験した点も良かったですね。サトシと合流した時にピカチュウ&ラビフットのWダイマックスを披露してくれそうで楽しみです。

 一方でサトシパートは胡散臭さ抜群のローズ社長との会話が見られました。特に社長と顔を合わせて瞬間ピカチュウだけが険しい顔をする辺り流石と言ったところです。また「キョダイマックスで暴走してしまったポケモンを非難する住民」のシーンが印象的でしたね。当たり前といえば当たり前の反応なのですが、アニポケでこのような生々しい描写は最近では珍しいので地味に驚きです。

 

 

憂国のモリアーティ

第4話「希少な種」

 時系列が本編に戻ってからの初の依頼は領主に息子を見殺しにされた夫婦の復讐劇。苦しむ2人に手を差し伸べ、共に殺人に加担させることで”共犯”という形の絆で崩壊した関係を修復するウィリアムの手腕には改めて驚かされます。グレープフルーツと薬(キニーネ)の組み合わせによる副作用によって事故に見せかける「完全犯罪」はベタながら秀逸で、領主が意識を失うのと同時に色を失っていく背景の演出も相まって最後まで魅せられました。

 また自慢の植物を披露する領主のシーンも興味深かったです。”希少な種の世話を下民にさせることで繋いでいく=下の者あっての貴族”という関係性を表し、それを当然のもののように享受するだけの領主を見せる前半は階級社会に疑問を持たない人間たちの闇を克明に描いているように感じました。そこから生まれる憎悪もしっかり描かれておりかなり濃密な回でしたね。

 

 

 ちなみに紫綬褒章の件で高橋留美子氏以外の受賞者には俳優の中井貴一(なかい・きいち)氏人形瑠璃文楽人形遣い吉田玉男(よしだ・たまお)氏が選ばれたとのこと。前者の中井氏は大河ドラマ平清盛』で清盛の父の忠盛を演じた印象が個人的に強く、受賞するに相応しい人物だと思いますね。お二方も受賞おめでとうございます!

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:1922年3月8日-2015年11月30日(93歳没)。妖怪漫画の第一人者として知られる。代表作は『ゲゲゲの鬼太郎』『悪魔くん』ほか。

*2:1938年1月25日-(82歳)。妻に同じく漫画家として活動している牧美也子(まき・みやこ)氏がいる。代表作は『銀河鉄道999』『宇宙戦艦ヤマト』ほか。

*3:1939年1月11日-(81歳)。漫画雑誌の「ヤングマガジン」と「モーニング」で行われる漫画新人賞「ちばてつや章」の選考者も務めている。代表作は『あしたのジョー』『あした天気になあれ』ほか。

*4:1920年1月30日-1992年5月27日(72歳没)。日本では初となる女性のプロ漫画家にして女性漫画家初の紫綬褒章受賞者。代表作は『サザエさん』『エプロンおばさん』ほか。

*5:1949年5月12日-(71歳)。ちなみに名前の「望都」は本名である。代表作は『ポーの一族』『トーマの心臓』ほか。

*6:1950年2月13日-(70歳)。元は「竹宮恵子」表記だったが1980年ごろに今の表記に改名。代表作は『地球へ・・・』『私を月まで連れてって!』ほか。