共に作り出す物語
突如として現れた謎の女性に困惑するほかない
- みんなと書きたい”物語”
今回からOPとEDの映像が一部差し替えられたセイバー第9話。(OPはノーザンベースで集結する剣士たち、EDはかみやまでワチャワチャ仲良くする飛羽真たちが印象的)本編では飛羽真が「どんな物語を書きたいのか」という悩みに衝突している場面から始まったのが意外でした。飛羽真は催促されれば毎回スラスラと原稿を書き上げるイメージが強かったので、こうして作家らしく苦悩する様子が描かれるのは新鮮ですね。(そもそも普段どんな内容の作品を書いているのかが非常に気になっていますが)
その悩みも「アヒルメギド」軍団とカリバーとの戦いの末、「共に戦う仲間たちとの物語」を書いてみたいと答えを出してあっという間に解決。相変わらず展開が早くて少し困惑してしまいます。しかし仲間たちとの物語を書こうとする点は面白かったですね。この発言から”『仮面ライダーセイバー』と言う作品自体が「飛羽真が実体験と共に書き上げた作品」で、毎回出てくるタッセルはそれを読者(視聴者)に読み聞かせしているのではないか?”という考えがここにきて浮かび上がってきました。『ビルド』最終話のような前例もあるので*1そういったオチだったら中々に面白いと感じましたね。
- 甘美なる音楽を奏でる桃色の指揮者
ヘンゼルナッツとグレーテル!
『とある森に迷い込んだ小さな兄妹の、おかしな冒険のお話・・・・・・』
ヘンゼルナッツとグレーテル!!
銃剣撃弾!
銃でGO!GO!
否!剣でいくぞ!
音銃剣錫音!!
『錫音楽章!
甘い魅惑の銃剣が、おかしなリズムでビートを斬り刻む!!』
大秦寺が小型の聖剣「音銃剣錫音(オンジュウケンスズネ)」に「ヘンゼルナッツとグレーテル」のワンダーライドブックを差し込んで変身した「仮面ライダースラッシュ ヘンゼルナッツとグレーテル」。当初刀鍛冶として登場した大秦寺が剣士の1人であったことはソフィアが彼のことを「スラッシュ」の名で呼んでいたことからある程度察しがついていたのですが、いざ実際にそうだとわかるとやはり驚いてしまいます。男性ライダーながらベースカラーがピンクで、モチーフは「音楽」と「お菓子」の2つ。前者は過去作で何人か前例があるのですが*2、後者に関しては恐らく初めての例となります。(厳密にはエグゼイドはお菓子モチーフと言えますが)それとは別に何かが弾けたようなギザギザのマスクが特徴的でその奇抜さからかなりのインパクトを誇ります。
戦闘では錫音を駆使した剣戟が基本の模様。その見た目とは裏腹に剣士としてスタンダードな戦闘スタイルは少々意外でしたが、堅実そうな大秦寺のキャラクターを考えると至極当然とも思えますね。そう、ここまでは・・・・・・・・・・・・
ブレーメンのロックバンド!
『とある戦いを強いられた動物たちが奏でる、勝利の四重奏・・・・・・』
ブレーメンのロックバンド!!
銃剣撃弾!
剣でいくぜ!NO!NO!
銃でGO!GO!BANG!BANG!
音銃剣錫音!!
「ブレーメンのロックバンド」のワンダーライドブックを使って変身したスラッシュの派生形態「ヘンゼルブレーメン」。この形態では左腕に「ブレーメンの音楽隊」モチーフの意匠が入る他、錫音を銃モードに変形して使う点が基本形態と異なっています。(銃モードの錫音は開いた剣先がイコライザ風の模様になるのが面白いですね)何気に剣を武器にしている本作のライダーでは初の射撃武器となっており戦闘スタイルも基本形態から一転してエネルギーの銃弾を撃ちまくるどこか懐かしいものになっています。
そして何よりも衝撃的だったのがこの状態での大秦寺の性格ですね。普段のダウナーな態度から一変してハイテンションかつ言動も過激になり出した時は本当に驚きました。(何かをきっかけにキャラクターが変わるのは創作ではよく見られますが)しかし唐突にテンションが上がり周りをドン引きさせる辺りは別方向でコミュ障らしく、ある意味で大秦寺なんだなぁと納得出来ますね。
- 西方への旅路の果てに得た軌跡
西遊ジャーニー!
『とあるお猿さんの冒険記、摩訶不思議なその旅の行方は・・・・・・』
烈火抜刀!
語り継がれし神獣のその名は!
クリムゾンドラゴン!!
『烈火三冊!
真紅の剣が悪を貫き、全てを燃やす!!』
カリバーとの戦いで奪い取った「西遊ジャーニー」のワンダーライドブックをブレイブドラゴンとストームイーグルの2冊と組み合わせて変身したセイバーの発展形態「クリムゾンドラゴン」。ブレイズのファンタスティックライオンに当たるセイバーの強化フォームである「ワンダーコンボ」であり、統一感のある赤系のまとまったカラーリングが非常にカッコいいです。ブレイブドラゴンの時は右側にしかなかったマントが両側に付いている点も一目で強くなったことがわかりますし、何よりもゴージャスです。
戦闘ではブレイブドラゴンの力をそのまま増大させたような炎の力でカリバーを終始圧倒していたのが印象的。カリバーがメギドをガードベントしていなければそのまま倒せていたのではないかと思われます。しかし戦闘後はそのまま飛羽真が疲労困憊になっていた辺りやはりこの手のフォームは最初使っている内は負担が大きいのでしょう。(リベラシオンでの特訓でワンダーコンボを普通に使いこなしている倫太郎に励まされるシーンが地味なここすきポイント)そのカッコよさと活躍から本作の主役の中間フォームとして早くもお気に入りになりましたね。
- 闇の剣士の正体は?
また一方で気になったのがカリバーについて。今回戦いを挑むセイバーや単身何者か問いただしに来たソフィアに対して意味深ながらイマイチ話がかみ合わない発言を繰り返したカリバー(たぶん最初から他人と会話するつもりがないんだと思います)。そんな彼がセイバーと剣をぶつけ合った時に見せた謎の「共鳴」、そこから発生した先代炎の剣士との戦いのフラッシュバック、何かに気づくソフィアと意味深な描写が非常に多く気になりました。賢人の父親ではない可能性が高い中、これらは誰が変身しているのかのヒントなのだろうと思われます。
また今回飛羽真が幼少期に「謎の少女と少年と3人で遊んでいた記憶」を取り戻すシーンも興味深かったです。少女の方は以前から存在が示唆されていた一方でまだ1人謎の少年がいたこと(描写からして恐らく賢人ではないかと思われます)には衝撃を受けました。これもまた何かの布石なのではないかとつい考えてしまいますね。
以上の情報からカリバーの正体の個人的な予想として①先代炎の剣士説と②謎の少年説を提唱したいです。特に①が有力だと考えていて、セイバーのワンダーコンボであるストームイーグルと西遊ジャーニーのライドブックがメギド側にあったた理由も彼がカリバーだったならば自分の所持していたライドブックをそのまま持ち逃げしたと説明がつきます。(ならばその先代炎の剣士が戦っていた時のカリバーは誰なのかという問題がありますが)謎の少年説は情報が少なすぎて強くは主張出来ませんが、こちらが正体である場合も捨てきれないので一応推しておきたいです。ともかく、このカリバーの正体が誰なのかという謎が今一番のホットな話題になっているのでそれが明かされる瞬間が楽しみです。
ところで今回は飛羽真たちが戦っている中、ノーザンベースに謎の女性が突然現れたシーンが印象に残りました。あまりにも自然に出てきたうえ彼女に対して何の説明もなかったので視聴中は劇中の芽依みたいに「誰?」と疑問符が浮かびっぱなしでしたね。
そんな彼女「神代玲花(しんだい・れいか)」*3が次回のストーリーの鍵になる模様。倫太郎、飛羽真に続いて賢人のワンダーコンボ習得に関わるようですが、まず彼女が何者なのか是非説明が欲しいところです。さらに次回はカリバーの正体がついに明らかになるとのことですが、前述の僕の予想が当たるのか非常に気になります。次回は間違いなく見逃せないですね。
ではまた、次の機会に。
*1:『仮面ライダービルド』は冒頭のあらすじが最終話で「主人公たちがまとめた記録」であることが判明する。
*2:『ゴースト』からゴースト ベートーベン魂、『エグゼイド』からブレイブ ビートゲーマーレベル3、ポッピーなど。
*3:番組の字幕他、公式ホームページの「キャスト」ページ参照 https://www.tv-asahi.co.jp/saber/cast/