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ウルトラマンZ 第20話「想い、その先に」感想

作られたものたちへの”想い”

激動の中間管理職と化したジャグラーに笑いと悲哀を感じざるを得ない

ウルトラマン ウルトラ怪獣シリーズ 132 M1号

ウルトラマン ウルトラ怪獣シリーズ 132 M1号

  • 発売日: 2020/11/14
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 父として、戦士として

 今回のZはSTORAGEの頼れるおやっさんのバコさんが主役の回でした。娘がいるというまさかの事実に加え、娘の「ルリ」は「人工生命 M1号浜田言うなを造り出した天才というまさかまさかの事実に仰天しました。親子揃って優秀な人物です。普段は厳しくも人情溢れる人物であるバコさんが娘の前では照れくさそうに挙動不審になるなど人間臭い一面を覗かせてくれるのが微笑ましかったですね。

 一方で娘のために奮闘するバコさんも魅力的でカッコよかったです。人工生命の細胞を狙う組織の襲撃により図らずも巨大化&暴走してしまったM1号を止めるため、ルリが開発した細胞分裂促逆進剤(すごいネーミングだな)をバズーカで打ち込むシーンには度肝を抜かされたと同時に感激しました。事件が一件落着した後に「俺も命を守るためにあいつらを作ったんだ」と誇らしげにキングジョーとウインダムを見るシーンにさらに感動を覚えます。”戦うための兵器”ではなく”守るための戦士”としての特空機を作り出し、それを誇りとしてくれているバコさん。今回はそんなバコさんの父親としての面と整備士としての面の2つをバランスよく見せてくれる良回だったと言えますね。

 

 

  • 珍展開のオンパレード

 また今回は巨大化したM1号を足止めするための作戦がユニークかつカオスだったのが印象的でしたね。細胞分裂逆進剤が完成するまで市街地を襲わせないようありとあらゆる手で時間を稼ぐ様子がとてもシュールでした。

 バナナの匂いでM1号をおびき寄せ、落とし穴に落とす「バナナだよ!捕獲作戦」やウインダムとキングジョー2体のラグビータックルで押し返す「ラグビーダブルタックル!作戦」、ワイヤーで引っ張って動きを止める「負けるな!綱引き捕獲作戦」、しまいには整備班の男衆がドラムを叩きつつ踊って注意を引く「叩いて!踊って!ドン作戦」(モブの男たちが半裸ふんどしで体張る展開、最近シグルリでも見たなぁ)なんてものまでやり出しました。特に最後の作戦はノリノリになって踊りを真似しはじめたM1号の両隣で一緒に踊るウインダムとキングジョーという絵面には爆笑してしまいました。『タロウ』でZATがやるような数々の珍作戦は前半の展開からシリアスになるかと思っていただけにちょっとした不意打ちになっていて中々に楽しかったです。

 そしてM1号の処分を求める上層部の電話に必死に対応する中間管理職ヘビクラ隊長が面白かったですね。頑張っている部下のためにひたすら引き延ばそうと努力しているのですが、だんだん電話の応答が雑になっていくのが何とも腹筋に悪いです。他にも冒頭のバコさんの家族について説明するシーンで盆栽を嗜むなど、今までで一番人間社会に染まっている隊長を見た気がします。かつて『オーブ』にて様々な暗躍を繰り広げてきたジャグラーがこんな形で人間臭くなっていくとは・・・・・・これまでの彼のことを考えると笑いと涙が同時に出てきます。

 

 

 というわけで今回は前半シリアスになるかと思いきや後半のギャグに笑い、バコさんやヘビクラ隊長ら大人たちのカッコよさに惚れ、作られた武器やロボットを正しい方法で使っていくことの尊さに感動する内容に仕上がっていました。強いメッセージ性を残しながらバラエティ豊かな物語を展開していく、実に”ウルトラマンらしい”エピソードだったと言えます。前述の内容の他にも久々にプロレス要素全開の格闘シーンを披露してくれたベータスマッシュや、最初はM1号を斬り倒す気満々だったのにハルキに動きを止めるようお願いされたら渋々従ってくれたベリアロクなど見どころが満載でしたね。非常に楽しめる内容でした。それはそれとしてM1号の細胞を狙っていた連中はどうなったの?

 

 

 さて次回は地球防衛軍により開発された新兵器「D4」を巡る物語になる模様。R1号をはじめとしたこの手の人類側の兵器は様々な悲劇の引き金になるのがウルトラシリーズの常ですが、果たしてどのようなことになってしまうのか非常に気になります。混乱が予想される展開に加え、ケルビムの『オーブ』以来の登場もまた興味深いです。予告映像を見る限り宇宙での激しい戦闘シーンもあるようですし一体どうなってしまうのでしょうか・・・・・・

 

 

 ではまた、次の機会に。