新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

2020年秋アニメ簡易感想 その16

 

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 [DVD]

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 [DVD]

  • 発売日: 2021/02/26
  • メディア: DVD
 

 

 先日11月25日は日本の有名な作家の1人「三島由紀夫(みしま・ゆきお)」氏が亡くなった日。自衛隊の決起を促す演説をした後、割腹自殺を遂げた、いわゆる「三島事件」と呼ばれる騒動を引き起こした張本人として有名な人物です。(※この辺りの事件や当人の思想などに関しては非常にセンシティブな話題なので敢えてこれ以上は触れないことにします

 ただ僕個人としては三島氏の手掛けてきた小説の数々が非常にお気に入りだったりします。綺麗で整った文章ながら決して堅苦しくはないその絶妙な”読みやすさ”と情緒溢れる描写の数々が非常に美しい。仮面の告白』『金閣寺』『潮騒』『憂国』など様々な代表作がありますが、作品ごとのジャンルが異なるそのバラエティ豊かな点もお気に入りです。

 一方で疑問に感じる点やツッコミどころも非常に多いのが興味深いです。例えば『憂国』などは読む度に「何故主人公は友人を説得するという選択肢を最初から言及すらしないのか*1などと考えてしまいます。無論色々な葛藤があったことは察せられるのですが、妻との最期の逢瀬の際の官能描写や迫真の切腹描写などを読んでいると「最早死ぬこととヤることが目的になっていないか?」と言いたくなります。

 憂国以外にも大なり小なりこういったツッコミどころが存在するのが三島作品の面白いところ。その多くに気合の入った性描写と死の描写が入っていることから、個人的に三島氏は”エロス(性的な愛)”と”タナトス(死)”に魅せられたのではないかと常々思うことがあります。ざっくりとした表現になりますがエロいことと死の概念が大好きな中二病こそが三島由紀夫という人間(※個人の感想です)、というのがここ数年で感じた僕の三島評ですね。とはいえそれが悪いということでは決してなく、むしろそんな趣味の要素満載でキチンと面白い作品を数多く手がけたというのはむしろ素晴らしいことだと思っています。そういったこともあって三島氏は本人と著作含めて考察し甲斐があると感じますね。

 

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

ゾイドワイルド戦記

第2回

 早くも復活を遂げたかと思いきや速攻で片づけられる前作ラスボスの扱いに泣いた。尺的に仕方ないところがあるとはいえ、前作であんなにも脅威として描かれていたゼログライジスがやけにあっさり止められたのは正直残念でした。(一時的に動きを止めただけというのが救いか)ゼロファントスも初登場の頃と比べるとその強さが見る影もなくなってしまっていますし、販促期間が終わった商品の扱いの厳しさを思い知ります。

 一方でバーニングライガーとギルラプターLCの戦闘は素晴らしかったですね。激しい高速戦闘を繰り広げ、ゼログライジスが出現したらすかさず共同戦線を張る両者の切り替えの早さに惚れ惚れしました。また新世代の地球外ゾイド相手でも1対1なら遅れを取らないクエイド中佐がカッコいいですね。次回登場するであろう共和国軍の新型にも是非乗ってほしいところ。でも今のLCちゃんが乗り捨てられるのはそれはそれで嫌だなぁ・・・・・・

 

 

ご注文はウサギですか? BLOOM

第7話「今夜は幽霊とだって踊り明かせる Halloween Night!」

 ちょっと季節外れのハロウィン回。日本では実質的なコスプレパーティーと化した行事ながらこの世界のハロウィンはみんな自由な仮装をしながらも楽しくやっているのが微笑ましいですね。

 前半は甘兎庵にて繰り広げられるサバト・・・・・・という名のお手伝い。メコンビが千夜の独特の感性に翻弄されながら段々自分のペースに持っていくのが見ていて楽しかったです。千夜も千夜で負けじとココアとチノ召喚まで偶然やっちゃうのが面白い。

 後半はココアがチノの母親「サキ」の幽霊に出会う不思議体験を描いたもの。本編開始時には既に故人であったため詳細が明かされなかった彼女のやんちゃで、しかし包容力のある姿が見られたのは嬉しかったですね。チノではなくココアの前に現れ、手品を教えたのは彼女に娘のことを託したことの表れなのか、それとも・・・・・・(あと本来のティッピーらしきウサギも一緒に出てきて地味に驚きました。この子の魂は既にあの世に逝ってしまったのか)そして次回予告のコーナーのタカヒロさんにはボロボロ泣かされてしまいました。妻が自分を想う夫の後ろに立つ構図は反則だって・・・・・・(泣)

 

 

戦翼のシグルドリーヴァ

第8話「神話世界探索作戦!」

 大敗からの再起、その始まりが描かれた今回。謎の神話の世界への調査に向かう者と基地の奪還を目指す者とわかれて行動するシーンがとても勇ましいです。そんな中本作の世界には北欧神話が存在しないことが判明したことが地味に衝撃的でした。「ヴァルハラ」をはじめとしたワードやオーディンの意味深な発言の数々に登場人物が頭を傾げていた理由がわかり少し腑に落ちました。そして敵であるピラーが世界樹(ユグドラシル)であるかのような描写がされたことからますますオーディンの怪しさが増してきましたね。

 また今回はまたもや宮古の明るさに救われた回でもありました。謎の解明をクラウとアズズに任せてたった1人(シールド隊もいるけど)で基地奪還に臨む姿には胸を打たれました。どんな状況でも明るさを捨てず、死んでいった人たちの遺志をきちんと引き継いで戦う彼女の心の強さは見ているこちらが励まされそうです。一方で園香は未だに戦う覚悟が出来ていないものの、炊き出しのお姉さんや後輩のワルキューレたちとの触れ合いを経て少しずつ前に進みそうになってきているので次回の復活が楽しみです。

 

 

池袋ウエストゲートパーク

第8話「千川フォールアウト・マザー」

 シングルマザーとそれを取り巻く苦しい状況の一端が明かされた回。たった1人で子供を育てていかなければならない中「自己責任」という言葉を振りかざして相手を中傷する社会や食い物にしようとする汚い奴らといった状況にますます追い詰められていく様子が淡々と描かれており見ていてかなり辛かったです。自分の子を愛していないわけではないのに疲弊していき、次第に子供に苛立ちを募らせていくというのも悲しすぎます。(この辺りを見ていると今年の1月に放送された『義母と娘のブルース』のスペシャルで語られた「親を責めるのではなく、子ども1人をまともに育てられない環境を改善すべき」ことの大切さを思い出しますね)

 それだけにマコトの母親の提案がかなり衝撃的でした。生活をより良くするために一時的に子供と離れることは決して卑しいことではない、現状の打破のためには必要なことであることに気付かされます。他にもマコト母が借金の返済のためにマコトを預けていたという意外な過去まで判明しラスト数分は驚きっぱなしの連続でした。5話に続きマコト母の器の大きさをまざまざと魅せつけられましたが、一方で今回の依頼人であるキョウスケの印象が若干薄くなってしまったのは残念ですね。(ラストのバレエシーンは良かったですが)

 

 

ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN

第8話「ザ・フォッグ

 エイラーニャは最高に尊いなぁ・・・・・・というわけで毎回後半になってからスポットが当たるスオムスコンビでしたが、まさかの仲違いの後いつもの仲良しな2人に戻る流れにはやられました。あのおとなしいサーニャがエイラ相手に声を荒げるほどに必死になったことは意外でしたが、その焦りからくる行動の数々も「誰かのため」である辺りが実に彼女らしいです。エイラもそんなサーニャを守ろうと行動して、その結果衝突してしまうものの最後には仲直りする、そんな2人の絆の深さが垣間見えた回でした。

 一方で今回ミーナやバルクホルンが20歳になる日が近づいているという事実が明かされて少々ショックを受けました。この2人がウィッチでいられる限界が刻一刻と迫ってきた中、彼女たちは果たしてどんな選択を取るのか気になるところです。(余談ですが502所属の”ニパ”こと「ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン」の名前が出てきたのが地味に嬉しかったですね。もっと他の部隊のウィッチたちとのリンクを見せてほしいところです)

 

 

おそ松さん(3期)

第7話「こぼれ話集3」

 おそ松さん恒例のこぼれ話集もついに第3弾に突入。思わずクスッとくるものから何が何だかわからず意味不明なものまで集めた詰め込みっぷりが「おそ松さんを見ているなぁ」といった気分にさせてくれます。ついに明かされた父・松造の仕事や自滅していく妖怪たちのパートには唖然とさせられましたが、一方で「とんちマスターチビ休」には大いに笑わせてもらいました。やはり筋肉・・・・・・!筋肉は全てを解決する・・・・・・!!

 また後半のオムスビ2人のボイス機能を使って不埒な妄想を働く次男と三男はヤバかったですね。倫理的に駄目だとわかってはいるけど情欲には逆らえない2人の業の深さ、というよりはむっつりぶりには呆れかえりながらも楽しく見られました。思春期の男子のやり取りを見ているようで微笑ましいような、気恥ずかしいような気持ちにもさせられましたが・・・・・・

 

 

 三島作品について長々と語ってしまいましたが、作家に限らず俳優として映画に出演していたのも三島氏の愉快な点の1つ。例えば先程語った憂国』は三島氏本人が主演、監督、脚本、その他諸々を手掛けて映画化していたりします。これはもしや、ワスカバジシステム・・・・・・!30分ちょっとの短い作品ですが中々に濃い内容なのでこれを読んでいる皆様にもぜひ見てほしいところですね。ただ性描写と切腹描写は割とガチなのでそういったのが苦手な人は注意してね!

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:「中尉の主人公が反乱軍に入った友人と戦うことに苦悩し、妻と心中を決意する」というのが憂国のあらすじ。