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仮面ライダーセイバー 第13話「俺は、俺の、思いを貫く。」感想

消えない思い潰えぬ炎に

その約束は決して忘れない

仮面ライダーセイバー DXドラゴニックナイトワンダーライドブック

仮面ライダーセイバー DXドラゴニックナイトワンダーライドブック

  • 発売日: 2020/12/05
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 己を省みぬ者たち

 OPが今月公開の劇場版仕様になったものの、OP曲はセイバーのままなのに映像はゼロワンのものばかり流れるというややこしい始まりになった今回のセイバー。前回賢人が倒れるという衝撃展開で呆気に取られましたが、意識が戻らないだけで済んだのでちょっとホッとしました。(本来はしてはいけないんだけど)さらに記憶を取り戻した飛羽真が敵の目論見を予想して仲間たちに伝え、それを止めるために大秦寺を除く全員で動き出すスピーディーな展開を見せました。計画の内容やら賢人や倫太郎の容態やら相変わらず情報の濁流に呑みこまれそうになりますが、彼らのドタバタぶりから如何に状況が切羽詰まっているかが伝わってくるのでこれはこれでいい演出だと思います。

 さらに暗黒剣月闇の力で賢人の命が闇に浸食されかけているそうで、カリバーから月闇を奪わなきゃならないというより過酷な状況の中、仲間たちがそれぞれ無理をして互いを庇い合う様子が印象に残りました。特にまだ病み上がりなのに戦う倫太郎を同じく重傷の賢人が庇った時は前々回の借りを返しているかのように感じます。それ自体は中々に良かったものの、それがかえって闇の浸食を早めているように感じて「頼むからゆっくり休んでくれ・・・・・・!」と思わずにはいられませんでしたね。本作の登場人物はその多くが他人を助けるために一生懸命な一方で、自分の身を省みない無茶な行動ばかりするので見るたびにハラハラしてしまいます。彼らにはもっと自分を大事にしてほしいところです。

 

 

  • 熱い獄炎を纏いし紅蓮の騎士竜王

 

ドラゴニックナイト!

でかい竜を派手に乗りこなす、級の騎士のラマチックバトル・・・・・・

 

烈火抜刀!

Don't miss it!

The knight appears . When you side,

メタリックアーマー!

you have no grief and the flame is bright

ハデニックブースター!

ride on the dragon, fight.

ハクリョックライダー!

Dragonic knight!!

ドラゴニックナイト!!

 

『すなわち、ド強い!!

 

 アヴァロンにいた謎の青年から託された「題名のないライドブック」が変化した「ドラゴニックナイト」ワンダーライドブックで変身したセイバーの新たな強化形態「ドラゴニックナイト」。ジャオウドラゴンに匹敵するサイズながらあちらよりも正方形寄りの形状をしたライドブックで、クリアな絵柄のページが3枚重なった状態が変身時にスライドされるという独特のギミックが施されています。(モチーフは恐らく「シャドーボックス*1かと思われます)

 そうして変身した姿はこれまでの赤を基調としていた形態から一転、白銀をベースに赤をグラデーションしたデザインになりました。甲冑を纏った騎士から炎が噴き出しているようなイメージで以前よりも重厚感が増していて中々にカッコいいです。さらに左腕にはブレイブドラゴンの頭部を模した手甲型武器「ドラゴニックブースター」を装備しており同じ赤い竜モチーフのライダーを彷彿とさせます。憎しみを映し出す鏡なんて壊すほど~♪変身音はこれまでと違いドドドドうるさいネタ的な内容ですが、バックで流れる音楽とコーラスが荘厳なので不思議と気分が高鳴ります。

 戦闘能力はカリバーの攻撃を物ともしない圧倒的な防御力とカリバーの攻撃を吸収する力すら効かない圧倒的な攻撃力の両方を有しており純粋な強化形態であるということがよくわかります。特に変身して間もない中攻撃にビクともせずにゆっくりと歩きだすシーンはかなり印象的です。さらに前述のドラゴニックブースターでライドブックを読み込むことで攻撃をすることが可能。今回はブレイブドラゴンで炎を出しましたが、他のライドブックだとどんな効果を発揮するのか気になるところ。

 他にもこれまで変身時のみ姿を現していた神獣ブレイブドラゴンを召喚する能力まで披露してきて驚きました。竜の背に乗って空を自在に飛び回す姿はまさに「ドラゴンライダーと言えます。ブレイブドラゴン系列とは異なるベクトルのフォームで非常に興味深いと思いますが、一方でブレイブドラゴンやクリムゾンドラゴンのデザインもまた気に入っているのでそちらの出番も残してほしいと思ってしまいますね。

 

 

  • 雷鳴は二度死ぬ

 ドラゴニックナイトの活躍によってカリバーを撃破し、さらに街を覆う巨大な本も封印し一件落着・・・・・・・・・・・・かと思いきや月闇が見つからず結果賢人が消滅するラストに前回に続いてまたもや呆気に取られました。今回の冒頭で賢人の無事を確認した視聴者をホッとさせておいてから結局退場させる展開はあまりにも予想外でした。というか退場させるなら前回の時点でも良かったのにわざわざ生き残させておくのは少々悪趣味だなぁとまで感じてしまいます。しかもただの退場では終わらず月闇の中に囚われているような描写までしてきて賢人の受難はまだまだ続きそうで正直不安で仕方ないです。

 とはいえ賢人が仲間たちのことを1人1人名指しで言及するシーンや、飛羽真に世界とルナのことを託すシーンは感動的でした。特に仲間たちのことに毒舌交じりに話す賢人から彼らに対する信頼を感じられて嬉しかったです。飛羽真もルナのことを含めた過去を全て思い出したことでようやく一歩進めたかのように思えます。飛羽真には賢人の意志を受け継いでこれから頑張ってほしいですね。まぁそれはそれとしていい加減15年前の全容を視聴者に説明してほしいんですが。

 

 

 今回はセイバーの新フォームがお披露目されついにカリバーも撃破するという記念すべき内容だったのですが、賢人の退場が衝撃的すぎて素直に喜べない展開でもありました。個人的に複雑な感情が入れ混じっているかのような感覚です。賢人がいなくなったことに対してここまでショックを受けている辺り「僕って結構賢人のことが好きだったんだなぁ」と改めて思いました。今のところ再登場のフラグが建っているので闇堕ちでも何でもいいのでまた彼の元気な姿を見たいですね。(というわけで劇場版が早く観たいです

 

 そして次回は賢人がいなくなった後の彼らの戦いがどうなっていくのか気になるところ。セイバーに続いてブレイズの新フォームも出てくるようなのでその辺りも楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:平面的な絵を重ねて立体的に見せるアート手法のこと。