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スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021 感想

キラメくソウルで全力全開!!

ありがとうキラメイジャー&リュウソウジャー!

これからよろしくゼンカイジャー!

機界戦隊ゼンカイジャー チェンジヒーローズ ゼンカイザー

機界戦隊ゼンカイジャー チェンジヒーローズ ゼンカイザー

  • 発売日: 2021/03/06
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先日公開されたばかりの『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』。キラメイジャーにリュウソウジャー、そして最新作であるゼンカイジャーの3作品の映画をまとめた豪華な映画と言うことで早速観にいきました。映画を見終わった直後、各作品に対して色々と込み上げてきたものがあるので今回、それを書いていきたいと思います。

 

※ここから先は映画の内容に触れているのでネタバレ注意!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビーバップ・ドリーム

 今回のメインであろうキラメイジャー劇場版。本来『仮面ライダーゼロワン』と同時上映される予定だったであろう映画で、今回無事公開となりました。(ヨドンナやハコブー、グレイトフルフェニックスなどが登場しなかったことからも本作が本来夏に公開予定であったことが読み取れます)また後述のミンジョの設定からし魔進ザビューンは本来この映画に登場する予定だったんだろうな、とか思ったり。

 内容は夢の世界に囚われた充溜たちが壇蜜演じる悪役「ミンジョ」相手に戦いを繰り広げる、といったものでしたが、シリアスなシーンもコミカルなシーンもあり、何よりそれぞれのバランスが絶妙な「安心のクオリティ」をテレビシリーズだけでなく映画でも発揮してくれました。特にギャグに関しては時雨を苦しめた万力を彷彿とさせるかき氷機や夢の世界のオラディン王とラグビー邪面のコント、そしてみんなを起こすために博多南が歌ったあの歌・・・・・・などとにかく豊富で楽しかったです。アクションも気合が入っており、3作で唯一あったロボ戦も実に見事。まさに「いつものキラメイジャー」とも言うべき感覚で見ることが出来ました。

 

 夢をテーマにしたストーリーを展開する中で充溜が「夢の中だからこそ出来ること」に注目し、そんな彼に合った解決策が用意される点も素晴らしかったです。悪夢を描いた後に閃きを以て夢そのもののポテンシャルを見せる展開は本作ならではです。(個人的に「赤いショベローでテンションが上がりましたね)“どんな悪夢であっても夢そのものは決して悪いものではない”という答えは他者の個性を認める「多様性」を描いたキラメイジャーらしいと言えます。

 他にも印象的だったのがガルザ関連のシーンですね。今回まさかの夢の持ち主として登場しましたが、夢の世界で描かれるクリスタリアの美しい情景のままだったことに正直驚きました。テレビ本編でのガルザが兄を憎むようになった理由を思うと、心の奥ではクリスタリアでの日々を忘れてなどいなかったのだろう、とつい考えてしまいます。中でも幼いマブシーナが登場して「あの頃は楽しかったですわね」と語りかけるシーンを見た時はガルザ自身の本音だったのでは・・・・・・と妄想を広げてつい涙が出てしまいました。それでも最後のEDダンスで見せた踊らないと意地を張ってるものの足だけノリノリなガルザのおかげで最後に少しだけ笑えましたが。そういった点も含めて、非常に楽しめた映画でした。

 

 

騎士竜戦隊リュウソウジャー 特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ

 個人的に1番楽しみにしていたリュウソウジャー特別編はあの人気キャラ、ナダのエピソード。後日談というわけではなくテレビシリーズ本編にてナダが仲間になった32話と彼が衝撃的な最期を迎えた33話の間にあったサイドストーリーという珍しい方式で彼の隠された物語を描くということで以前から期待していました。

 まず何と言っても「かつてのリュウソウジャー」のノリをそのまま持ってきてくれた作風にやられました。冒頭ワイズルーとクレオンのコミカルなやり取りから始まり、ちょっと久しぶりなディメボルケーノの問いかけ、何より今回のゲストキャラの「マイコ」に一目惚れしてすかさずナンパするカナロなど当時幾度となく見てきた光景が見事に復活していて見ている間はずっとあの頃のリュウソウジャーだ・・・・・・と懐かしさが込み上げてきていましたね。(あとラストでういの名前が出ただけで泣いてしまいました・・・・・・)

 

 そして内容はナダとバンバのパートとコウたちのパートで分けていたのが印象的。特にナダとバンバのやり取りはナダ自身が抱える後ろめたさ、そのうえでの決意などが見ていてはっきりと伝わってきました。いつもの関西弁のおどけた口調ながら自身の未熟さを痛感していることがよくわかります。だからこそ自分を鍛え直して今度こそやり直そうという覚悟を見せた時は感激しましたし、そして33話ラストの“あのビデオレター”に繋がると思うと涙が溢れてきます。己の心の弱さと向き合い、再び立ち上がるために戦う「不屈の騎士」の物語がここにありました。

 また本作はナダの心情以外にもテレビ本編の補完を果たしていた点が魅力的。まず32話で登場したジャックオーランタンマイナソーの憎しみのエネルギーをガイソウルで吸収する中で「ガイソーグの鎧は憎しみのエネルギーを失ってしまった」ことが判明した時は小さな衝撃を受けました。この事実によりガイソーグとしてかなりの強さを見せていたナダがウデンとの戦いでかつてない苦戦を強いられていたこと、何より力尽きたことに説明が尽きます。そのうえでただの鎧でもあそこまで戦い抜いたナダにまたまたホロリときてしまいました。他にも事件終息後、卓球場の無料利用券を貰ったシーンを見てなるほどそれで33話では唐突に卓球をしていたのか、と感心しましたね。

 一方で新規の怪人のスーツもなく、変身してのアクションもほどんとなしだったのは少々残念だったところ。しかしその分生身のアクションがド派手だったのは良かったですね。敵マイナソーの親が「変われない」ことをコンプレックスにしている故に人間の姿のままのマイナソーと、そのマイナソーの前では変身出来ない能力といった「出来ないことの理由付け」がしっかりしていたのも好印象です。他にも上演時間が約15分と短めで他2作と比べてもおまけ程度の扱いになっている点は否めませんでしたが、それでも短いなりにキチンと製作していたことがわかる内容でした。何よりこうしてリュウソウジャーのみんなを再び見ることが出来ただけでもうれしい限り。仲良く腕を組む7人の背中で終わる物語は個人的に3作の中で最も心に残りました。本当にありがとうリュウソウジャー!!

 

 

機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い!オール戦隊大集会!!

 3月から始まるスーパー戦隊最新作『機界戦隊ゼンカイジャー』の活躍が早くも見られた本作。去年の今頃公開された『キラメイジャー エピソードZERO』がテレビシリーズの前日譚だったのに対し本作は既にゼンカイジャーが結成されている時点からのスタートになっており、正直面食らいました。主人公たちが何者なのか、敵である「トジテンド」とは何なのかといった説明が劇中で一切されないので当初は困惑してしまいましたが、何だかんだであっという間に慣れてしまいまいました。この辺りは「謎の侵略者相手に戦隊が戦う」というシチュエーションを何度も見ており、今回もそうなんだろうな、と感じたからですね。

 

 それよりも映画を見ることで登場人物たちの関係性がよくわかったのが本作の面白い点です。主人公の「五色田介人(ごしきだ・かいと)」と仲間のロボットたちの微笑ましいやり取りを見ている中で彼らがどういった仲なのかがよくわかりました。また面倒見のいいジュランや真面目で理屈っぽいブルーンなどそれぞれのキャラクターが短い中でしっかりと描かれていて早くも彼らに愛着が湧いてきます。おかげでロボット人間が人間たちの中に普通に混じっている不思議な光景もすんなりと受け入れることが出来ました。

 アクションに関しても同様で、ゼンカイジャーの主要武器である「ギアトリンガー」を使ったバトルスタイルが見られたのも良かったです。基本が射撃中心の戦闘ながら各メンバーの持つ能力と性格から異なる個性付けがされていたのが特徴的。特に仲間がロボットということもあって等身大でも変形して戦うことがわかったのは大きな収穫でした。今回はブルーンのみ変形しましたが、他のメンバーたちの変形アクションも楽しみです。何よりリズムに合わせてくるっと回る変身プロセスや「○○パワー!」から始まる個人の名乗り、そして「5人揃って!機界戦隊ゼンカイジャー!!」というゴレンジャーリスペクトの名乗りが見られてテンションが上がりましたね。「『ゼンカイジャー』はこういった作品である」という前置きをしてくれるプレ本編とも言うべき内容でしたね。

 そして本作の目玉はやはり歴代レッド総登場と歴代悪役の復活。前者はシリーズ恒例になりつつあるのであまり新鮮味がありませんでしたが、後者はどちらかというと珍しい方ですね。バスコやバングレイ、九衛門が登場した時は興奮しましたし、その中でもザミーゴの出番が他の悪役より多かったのはちょっと嬉しかったです。(脚本が香村さんだったからこその出番の多さですね)寒そうなザミーゴにカイロを渡すガオーンのシーンが個人的なここすきポイントです。またそんな悪役たちがトジテンドから解放されたことでゼンカイジャーにお礼を言う辺りもその悪役が好きな人からしたら堪らないでしょう。アカレンジャーこと海城剛の出演に負けないファンサービスだったと言えます。総じて「ゼンカイジャーたちの紹介」と「歴代キャラ登場」を程よくまとめた良い劇場版でした。

 

 

 というわけでMOVIEレンジャーの感想でした。3つの戦隊の映画をまとめて90分で上映するということでどれかが割を食うことになるのではないか、と不安に思うところはありましたが、蓋を開けてみればそれぞれの作品の持ち味を活かしていた内容でした。特にリュウソウジャーに関しては短いながらもファンが納得する仕上がりだったと思うので個人的には大満足です。そしてキラメイジャーも2月いっぱいには終わり、3月からはゼンカイジャーが始まることに寂しさとワクワクが同時に押し寄せてきます。そういった感情もまたスーパー戦隊を見るうえでの楽しみの1つだと思っているので、この想いを胸にテレビシーズの方も見続けていく所存です。

 現在の情勢でも戦隊の映画を作ってくれることに感謝しつつ、今年度こそはライダーとの同時上映、そしてVシネマのVSシリーズをやってほしいと期待を込めて。ひとまずはここで筆を置かせていただきます。ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 ではまた、次の機会に。