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ゴジラ S.P<シンギュラ・ポイント> 第5話「はやきことかぜの」感想

 

未来は視えるものなのか

それでいいのかと思う怪獣の命名理由ばかり出てくるなこの作品

ムービーモンスターシリーズ アンギラス-ゴジラS.P-

ムービーモンスターシリーズ アンギラス-ゴジラS.P-

  • 発売日: 2021/04/24
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 未来を視る怪獣

 今回のゴジラSPはラストに現れた怪獣「跳弾怪獣(未来予知怪獣) アンギラス」との遭遇がメインでした。元ネタであるアンキロサウルスのに近い刺々しいフォルムが印象的で、中でも実写特撮のアンギラスよりも四足歩行の生物として自然なデザインに仕上がっているので見れば見るほどその美しいデザインに惚れ惚れします。この辺りは実写とは違い着ぐるみの中に人が入ることを考慮しなくても良い点がプラスに働いた結果と言えますね。

 そんなアンギラスのユンとの初遭遇時、猟友会の人が発砲した弾丸を背中の棘で跳ね返す姿を見た時は少々ビビりました。一度目は喰らってしまったものの、銃弾相手に即座に対応出来る辺り知能は高いようですね。人間の作ったものを理解する点などはラドンとは一線を画しているように思えます。

 さらにユンが「アンギラスは直接未来を視ている」という考察を口にした時は驚きました。その異様な反応速度から考えるにあらかじめ未来を視ていないと説明がつかないというのはわかりますが、かなり突拍子のない話になってきたので正直困惑の方が大きかったです。とはいえこれまで力いっぱい暴れるだけだった怪獣にそのような特殊能力が備わっていると思うとワクワクします。(そんな能力をアンギラスが持っているというのがまた渋い)今回のラストに一回り大きくなって登場し、改修されたジェット・ジャガーと対面しましたが、その未来視能力を戦いでどのように活かすのか見ものですね。とりあえずジェットジャガーはまたボロボロになりそう。

 

 

  • 答えを知る?葦原の謎

 今回怪獣たち以外にも重要だと感じたのが「葦原道幸(あしはら・みちゆき)」という謎の男の存在についてですね。これまで何度も名前が出てきた人物ですが、5話になって本格的に物語に深く関わってきました。銘のアーキタイプのレポート説明の際に李博士が話した「葦原論文」や、インドのシヴァ共同事業体の施設で登場した「ティルダ・ミラー」の「葦原の予言通り」といった発言など、要所要所で名前が出てきて何か重大な事実を握っていることを予感させてくれます。

 中でも記憶に残ったのが佐藤さんの調査で判明した「ミサキオクを創設すると同時にシヴァの原型となる組織を作った」という情報。1話でユンたちが調べていた謎の洋館にあったマークとシヴァのマークが酷似している要素がありましたが、これは洋館の主と設立者が同じ葦原であることを示していたということですね。

 

 問題は葦原は何故その2つの組織を作り出したのかということ。ミサキオクは謎の骨の管理、シヴァはアーキタイプの研究と性質が全く異なっており、これらがどう関係あるのか疑問を抱きます。(一応ラドンから検出された「紅塵(こうじん)」の成分がアーキタイプと酷似している、という話があったので繋がりは示唆されましたが)その上で何を研究していたのでしょうか。

 個人的に鍵になりそうと考えているのが1話の序盤のシーン。例の洋館をハベルと共に調査していたユンが持ち主の性格について「発想が先走ってまとめることの出来ない性格」「すぐ目移りする性格」と推理していましたが、これは複数の分野に着目しなければいけない問題を調べていたかのように思えます。実際ユンが見た洋館の資料は古生物学、形態学、分子生物学、進化発生生物学と多岐に渡るものながら、全て現在の怪獣たちの問題に行き着きそうな分野でした。

 また発想が先走ってまとめることが出来ない、というのは答えを知っているものの家庭がわからない、とも取れます。この辺りから今回もユンと銘の間で繰り広げられたアーキタイプ議論で語られた「すでに答えを知っていた」という仮説に通じているように思えました。もしや葦原はアーキタイプの構造をはじめから知っているものの科学的に説明することが出来ずにいた・・・・・・?その証明を果たすために様々な研究に手を出し、怪獣たちの件もそのために必要なものだった・・・・・・?などと考えてしまいます。流石にここまで突飛な話ではないでしょうが、葦原は作中の人物の中でも他の面々が知らない事実を知っていることはありそうです。見るからに怪しいこの男についてさらなる情報が明かされることが待たされますね。

 

 

  • “猛獣”としての怪獣

 さて今回は他にも怪獣に対する人々の反応が興味深かったです。まずは怪獣の命名について。冒頭漁師の乗る船を襲った謎のウミヘビのような怪獣がマンモス級の蛇、ということから「マンダ」と名付けられたのはまだいいのですが、アンギラスに至っては逃尾市長の孫が名付け親だと明かされた時は肩の力が抜けてしまいました。突如現れた怪獣の名前をそんな風に決めていいのか、とつい思ってしまいます。

 それ以外にもアンギラスをどうにかするために始まった山狩りのシーンも見ていて脱力してしまいました。猟友会が祈祷を行ったり、市長たちが談笑したりと完全に猪とか熊とかを捕まえる時と同じノリです。彼らにとってアンギラスは恐竜や怪獣というよりも猛獣に近い存在であるかのように思えます。

 ラドンの件もそうでしたが、本作の人々は怪獣たちのことを“危険な動物”程度にしか思っていないような節が見られます。今の時点ではそれでも仕方がないとは思えますが、今後の展開からして怪獣が動物では説明のつかない存在になっていくのは明らか。怪獣たちが“猛獣”から“災害”へと変わる時(実際今回はラドンの大群が台風の如く各国に襲いかかりました)、この世界の人々はどのような反応をするのか気になるところです。

 

 

 というわけでアンギラスと葦原が物語の中心となった回でしたが、小さな驚きとしてシヴァのアーキタイプ研究施設に現れた謎の怪獣「サルンガ」についてもあげておきたいです。イグアナと猿をかけあわせたような、或いはバラゴンを人型に近くしたような異質なデザインが特徴的な怪獣。白目で何を考えているかわからない表情のせいでじっと見ているとその姿に恐怖を覚えます。

 何よりこの怪獣が本作オリジナルの怪獣だという点が衝撃的でした。最初バラゴンの亜種かと思い、公式HPを確認した時は開いた口は塞がりませんでした。出してくるだろうとは思っていたオリジナル怪獣をここで投入したというのも驚きです。(名前からして昭和の怪獣映画に出てきそうな怪獣に仕上がっているという点も秀逸)現状はアーキタイプの原料につられて現れただけのようですが、この怪獣もアンギラスのように何かしら能力を持っているのでしょうか。本作オリジナルということもあってただのモブ怪獣で終わるとは思えないので、ここからとんでもない情報が明かされることを期待したいですね。

 

 

ではまた、次の機会に。