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仮面ライダーセイバー 第36話「開かれる、全知全能の力。」感想

使命のためか己のためか

凌牙お兄様が意外とチョロ可愛い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 使命を嘲笑う者

 前回ルナを一応助け出したものの、状況は決して好転しているとは言えないノーザンベース陣営。それでも序盤はソフィアが人間ではないことを受け入れるシーンのおかげで絶望感はあまりありませんでした。本作は主人公陣営の仲の良さのおかげで雰囲気が暗くなりすぎないのがいいですね。

 しかしマスターロゴス、もとい「イザク」が本格的に動き出したことで事態は風雲急を告げることに。ここにきてようやくイザクの目的が明かされたのですが、「自身の一族が守ってきた2つの世界を守る使命に飽きた」という理由には思わず唖然となりました。ここまでの所業全てが言わば退屈しのぎに過ぎなかったというのはある意味で驚きです。「力がありながら何もしないのは愚か」はまだわかるのですが、壮絶な過去も信念も無しにただ力を得て暴れたいという動機はあまりにも身勝手極まりないので変な笑いが出てしまいます。ここまで小物らしいとかえって清々しいですね。

 しかも世界中に戦争をけしかけるという方法もまた小物臭い。本を通して自身の姿を投影する絵面の時点でかなりシュールなのに、そこからいきなり世界を滅ぼす発言をしてきても大抵の人は困惑して終わりそうなんですが・・・・・・何と言いますか、どこまでも世界と他人を「自分が楽しむための玩具」としてしか見ておらず舐め腐っている態度が妙に癖になります。これなら遠慮なく倒される様子を楽しめるな、なんて思ってしまいましたね。

 

 

  • 全知全能の力を振るう黄金の覇王

 

オムニフォース!

『伝説の聖剣と選ばれし本が交わる時、偉大な力を解き放つ・・・・・・!』

 

OPEN THE OMNIBUS!

FORCE OF THE GOD!

 

KAMEN RIDER SOLOMON!!

 

『THE FEAR IS COMING SOON!!』

 

 マスターロゴスことイザクが全知全能の書の力の一部から生み出した「オムニフォース」ワンダーライドブックで変身した「仮面ライダーソロモン オムニフォース」。満を持して登場したラスボス候補の敵ライダーです。厳つさとカッコよさが全面に出ているデザインで如何にもラスボス然とした姿に少々見惚れます。一方でゴテゴテとした装飾の多さに穴だらけのマントなど、どこか歪に感じる要所要所はさながら「偽りの王」といったところ。力と地位を自分の欲望のためだけに利用してきたイザクらしい虚飾のイメージに満ちています。

 戦闘では大ボスらしくセイバーたちを複数人相手にして圧倒する強さは流石。大剣「カラドボルグどう見てもキングエクスカリバーのリペイントを片手で易々振るう様子は以前生身で激土を振るっていたこともあって説得力があります。それ以外にもデュランダルの時飛ばしやサーベラの煙化を難なく攻略してしまうのが地味に衝撃的です。これで不完全とのことだから恐ろしいです。(恐らく後々完全な全知全能の書によってパワーアップを果たすと見ました)複数人で立ち向かうこと前提となる、ボスキャラらしい強さですね。

 

 

  • 使命を信じる者

 イザク関連以外で印象的だったのはやはり神代兄妹ですね。これまでマスターの忠実な部下として動いていた2人ですが、今回の彼の行動を以て離反する展開になりちょっとテンションが上がりました。玲花は以前からちょくちょくマスターの命令に疑念を抱いていた描写が挟まれていたためそれほど違和感はありませんでしたが、凌牙の方があっさりと剣を向けてきたのは意外です。

 しかし中盤のイザクとの問答で彼が従っているのはあくまで“マスターロゴス”ということがわかったのでまぁ納得しました。マスターに仕えることを使命とする以上、マスターの役目を放棄したイザクの元から離れるのも当然、と考えると今回の離反も結構自然に思えます。個人的にはここまでマスターの狂信者としてのイメージが強かった凌牙ですが、今回のやり取りを見てからはただの堅物お兄様というイメージが新たに湧いてきましたね。

 あとはやはり飛羽真たちとの共闘シーンには燃えました。最初は断るものの妹の説得を受けてあっさり力を貸してくれるチョロさ意外な物わかりの良さには驚かされます。(割と雑なツンデレっぽいのが良き)妹共々新しい一面が見られてちょっと嬉しいです。

 

 

 というわけでラスボス候補登場&兄妹との共闘とこれまたてんこ盛りな展開でした。個人的には使命を愚弄し弄ぶイザクとあくまでも使命に殉ずる凌牙の対比が今回のポイントかな、と思いました。そういうこともあって本作はテーマの1つとして「与えられた使命の尊さ」があるのかもしれないと考えましたね。

 また今回も「選ばれし者」に関する衝撃の情報がさらっと明かされたのにはびっくりしましたね。曰く飛羽真が選ばれし者としてその内この世界の者ではなくなるというのは地味に重要な情報でした。(要するにタッセルと同じ存在になるということでしょうか)相変わらず色々知っているユーリからその事実を聞かされた賢人の選択は如何に。黄雷「出番マダー?」

 

 

 とか思っていたら次回またもや賢人が自身を犠牲にしそうだとわかり愕然としました。も~こいつはすぐを追い詰めちゃって!もっと自分を大事にしなさい!なんてことをつくづく思ってしまいます。

 他には飛羽真に勝負を挑んでくる蓮も気になります。ここまでの彼の動向を考えるに自分の気持ちに決着をつけるのかと思いますが、デザストとの関係は果たしてどうなるのやら・・・・・・何気に今回生きていたことがわかったバハトの件も含め、どうなるのか予測がつかない点が多いですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。