共に未来を変えるため
光（最光）と闇（月闇）が両方そなわり最強に見える
- 空虚な者たちへ贈る言葉
今回のセイバーはいつも通りノーザンベースから始まりました。前回イザクに世界中に向けて戦争をけしかける発言をしましたが、今のところはどこの国も戦争を始めようとはしていないとのことなのでひとまずは安心です。というか前回の感想でも書きましたが、あんな絵面でいきなり戦争しろだなんて言われても普通困惑したまま終わるでしょ･･････
しかしこのままではイザクによって世界がメチャクチャにされるのも時間の問題･･････ということで剣士たちの力を結集させようと各々が動き出すことに。神代兄妹の強力は得られたのであとは賢人、蓮、バハトの3人を説得すればいいだけなのですが、後述の賢人はともかく、残りの2人とのやり取りは中々驚く展開でした。
まずバハトに関してはユーリが説得に向かいましたが、まさかの芽依を連れてきて人間の素晴らしさを推しようとする作戦にはギョッとしました。確かに芽依は本作の一般人代表みたいなところがありますし、ユーリとの絡みも決して少なくなかったことを考えると妥当な人選に思えます。しかしバハト関連はここまで割とシリアス一辺倒だったので、いきなり芽依のギャグ描写を入れられると困惑してしまいますね。
ただこのやり取りを経てバハトの心境に変化が訪れたような描写が見られたのは興味深いです。剣士たちへの“空虚”な憎悪を抱いている彼の何かを変えるきっかけが剣士たちを間近で見てきた芽依、という構図は結構面白いです。今後バハトがどんな行動を取るのか見逃せなくなりそうです。
一方蓮に関しては自分から飛羽真に勝負を挑んて来たのでこれまた驚きました。当人曰くモヤモヤを晴らすための戦いとして飛羽真を倒そうとしている様子ですが、前々回の賢人の件を引きずっているのが丸わかりでどこか微笑ましいです。そんな両者の戦いも飛羽真が強すぎるうえ容赦がなさすぎて（飛羽真はもう少しこう何というか･･････手心というか･･････）あっさり蓮が負けてしまいましたが、そこからの飛羽真の言葉に彼が心動かされるシーンが印象に残りました。師匠から強さのみを求められてそれに応えてきた蓮に対し、その“空虚”な強さを誰のためのものなのか、という根本的な問題に切り込んでくれたのは嬉しかったです。ここから蓮が力の意味に気付いて成長してくれると思うとワクワクします。
ただ蓮が現状吹っ切れてしまうと、デザストとの関係がどうなるのかという心配もあります。モヤモヤしっぱなしの蓮に近づいてきたデザストにとって、今の彼の成長は望まない展開のように思えます。下手をするとデザストがまた場を引っ掻き回しそうで少々怖いです。お前と蓮のコンビは結構好きだけど、今彼にちょっかいをかけるのはやめてあげてね･･････
- 未来を変える言葉
前述の2人だけでなく、今回の本命である賢人の説得はこれまた見どころが多かったです。世界が救われる代わりに飛羽真が犠牲になってしまう未来を変えるため、代わりに自身を身代わりにしようとする賢人を見て胸が痛みました。相変わらず彼の行動は全て「飛羽真たち友人のため」であることに尊さを覚えると同時に、自身の命への無頓着さにため息が出てしまいます。一貫して友のために行動しているものの、それがかえって友を悲しませてしまう矛盾こそが今の賢人の現状なのだと改めて思い知りました。倫太郎の説得も聞き入れず、あろうことかイザクを1人で迎え撃とうと彼を腹パンする辺りに賢人の優しさと自暴自棄ぶりが漂っています。（余談ですがこの腹パンで倫太郎が特に気絶していないのが非常にシュールで笑ってしまいました）
しかし自分ごとイザクを闇に葬ろうとする賢人を止める飛羽真は非常にカッコよかったです。「物語の結末を勝手に決めるな！物語の結末は、俺が決める！！」という啖呵も一見すると傲慢な発言に聞こえますが、友を救う方法がこれしかないと決めつけている賢人に「方法なんていくらでも自分たちで作れる」ことを教えてくれる･･････そういった意味が込められているように感じました。袋小路に嵌った頭でっかちの友の使う言葉としてはかなり的確に思えますね。そんな飛羽真の言葉に衝撃を受けた賢人の前に現れた金色の鳥についても気になるところ。彼が未来の呪縛から解放されるのもそう遠くはなさそうです。
というわけで今回は剣士ライダー集結の布石のための回といった感じでした。自分1人の考えに囚われて立ち止まっている者たちに、他の道があることを示してくれる飛羽真たちが記憶に残る内容でしたね。特に迷走を続けている賢人や蓮たちにはっきりと言ってやるシーンは見ていてスカッとします。
また本筋以外の見どころとしてはやはり最光が光剛剣最光と闇黒剣月闇の二刀流を披露してくれたことですね。ありそうで今までなかった光と闇の聖剣の合わせ技は中二心を存分にくすぐってくれました。そのうえ強敵ソロモンを一時的にとはいえ退けることに成功する大金星もあって別の意味でスカッとしましたね。剣士同士の仲介だけでなく、戦闘でも未だに一線級の活躍をしてくれるユーリは本当に頼もしいです。
そして次回は剣士たちがついに揃い踏みを果たす模様。飛羽真が今度はバハトとの戦いを繰り広げるようですが、彼の憎しみにどう応えるのか見ものです。あと個人的には賢人が今度こそ雷鳴剣を再び手に取ってくれるのかが気になってしようがないです。
さらに次回はついにセイバーの最強フォームが登場！！予告で見せた青い姿にちょっとした衝撃を受けます。果たして本作の最強フォームはどのようにして手に入れるのか？どのような力を持っているのか？など興味が尽きません。あぁ次回が待ちきれない！！
ではまた、次の機会に。
