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ゴジラ S.P<シンギュラ・ポイント> 第11話「りふじんながくふ」感想

滅びの世界へ導かれる・・・・・・

「見た目だけで人を判断してはいけない」ことの大切さをこのアニメは教えてくれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 悪そうな大人たちの奮闘記

 今回のゴジラSPはいつも以上に特異点破局に立ち向かう人々の描写がされましたが、特にこれまで目立った活躍がなかった大人たちにスポットが当たっているように思えました。冒頭ではこれまで散々怪しい動きを見せていた自称ジャーナリストの「海建宏(カイ・タケヒロ)」がミサキオクから例の骨を運び出す中々にショッキングなシーンから始まりました。オークションに出す、なんてジョークを飛ばしてみせるなど何をしてくるのかと思っていたら、インドにいる銘の協力者となっていたことにこれまた驚きました。ユンと銘それぞれに持ち出した「魔法のランプの話」など、他のキャラの中でも一際目的が読めない謎の人物として描かれていますね。彼はユンではなく銘を選んだようですが、果たして信じていいのやら・・・・・・

 またシヴァにてオーソゴナル・ダイアゴナライザーの完成を手伝わされそうになっていた銘をBBとリーナの親子が助けてくれて、さらに同じシヴァの責任者らしい「マイケル・スティーブン」まで協力してくれるという胸熱展開が待っていました。李博士がいなくなった今、銘の味方はペロ2のみ、かと思っていたところにきちんと協力者がいてくれるのは見ている側としてもホッとしてありがたいです。BBなどは李博士の遺言をきちんと守ってくれているのが好感度高いですね。

 まぁここまで書いて何なんですがこの作品、怖そうなしている大人が揃いも揃って主人公たちに協力的なのが面白いですね。BBは最初はマッドサイエンティストの雰囲気を纏っていましたが、いざ銘と絡んでみると意外と話がわかる人でしたし、マイケルなどもティルダを蹴落とすために行動しているとはいえ力を貸してくれていることに少々驚きます。というかみんな公式で揃いも揃って悪い顔をしている*1ので実際の行動のギャップに変な笑いが出てしまいます。

 とはいえ結果的に破局を止めるための力になってくれているのでそこまで悪いことではありません。それぞれ抱えている目的は違っても、1つの目的のために人間は協力出来るものなのだなぁ、なんてことをしみじみ考えてしまう回でしたね。

 

 

 

 今回もう1つ語りたいのがジェット・ジャガーに発生したアップデートですね。例の文書と歌を読み込む中で突然アップデートを始めたかと思ったら、結果幼児退行するジェットジャガーには度肝を抜かされました。釘宮ボイスで赤ちゃん言葉は反則だって!萌え死ぬわ!といったオタクな感想はさておき、自身を「ジェット・ジャガーPP」と名乗ったこと、そして猛スピードで学習していく中で東京のある座標を特定するなど意味深な発言を繰り返す進化(退化?)を遂げていたのでかなり衝撃的です。「前成説」なるもの*2まで話に持ち込まれているので、このジェットジャガーは生まれた時点で完成している、という可能性もありそうで面白いです。

 あの歌にはどんなプログラムが込められていたのか、ジェットジャガーPPの“PP”とは何の略なのか(○○ポイントとか?)といった疑問がどんどん出てきて尽きない中、やはり1番気になるのはジェットジャガーが最終的にどのような進化を遂げるのか、ですね。現状試行錯誤を繰り返しどんどん人間的なロボットへと近づいているジェットジャガーですが、その様子は生物的な進化を続けているゴジラと対照的なように感じます。そんなジェットジャガーの進化こそがゴジラの対抗策になるのではないかと思えてなりません。

 個人的には今回海が持ち去った例の骨をベースにしてメカゴジラになったりして、みたいな妄想をついしてしまいます。骨が出てきたんだから機龍の如くやってほしい!という気持ちが先行していますが、あくまで機械としての進化を続けるジェットジャガーメカゴジラになることで生物の進化の頂点となりつつあるゴジラと対立する構図になったら美しいだろうとは思いますね。

 

 

 というわけで相変わらずかなりの情報量が襲いかかってくる回でした。毎回毎回1度見ただけでは内容を把握しきれないので何度も見る羽目になって大変です。(まぁ見るたびに色んな発見があって楽しいのですが)今回は特に情報の濁流が凄まじかった気がしますね。

 また人間たちの物語が主軸だったからか怪獣たちの出番は少しだけでしたが、その分印象的な活躍もしてくれました。冒頭のゴジラVSマンダなどはその代表格で、陸上でも動き回るマンダとそれを熱線で薙ぎ払うゴジラの対決は初っ端からインパクト抜群でした。それにしてもマンダがここまでゴジラに襲いかかるのは何か意味があるのでしょうか?前回のラドンゴジラに対して攻撃しているように見えましたし、怪獣たちの関係性が気になるところです。

 他にはやはりシン・ゴジラ』に登場した内閣官房巨災対」のメンバーがそのままの姿で登場したことですね。これまでもいくつか過去作品を思わせるファンサービスが見られましたが(3話の女子高生のスマホに映ったモゲラが特に好き)、ここまでストレートなものは初めてのように思えます。彼らが物語の裏側でゴジラ対策に乗り出していると思うとニヤニヤしてきます。おやっさんたちに協力を求めてきましたが、もしユンたちと合流していたらどんな会話を繰り広げていたのかつい想像してしまいますね。おやっさんの言動に矢口以外首を傾げそうだな・・・・・・

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:公式ホームページの「キャラクター」ページ参照 https://godzilla-sp.jp/character/

*2:ぜんせいせつ。生物の生まれる過程において、卵あるいはそれに類する精子の時点で生まれてくる子の構造と情報は既に決定されているという説。宗教上の考えの一致から長く提唱されてきたが、18世紀にほぼ否定された。しかし遺伝子に含まれる情報など広い意味では現代においても重要な考えとされているとのこと。