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デュエル・マスターズ キング! 第12話「ボルツの大逆襲っ!ガイアール・カイザーを奪還せよ!」感想

己を貫き勝利をつかむ

エスパー・マギたちの待遇に涙を禁じ得ない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 敗北を噛みしめて、一歩先へ

 今回のデュエマキング!はボルツが主役のエピソード。8話でハイドに敗れてガイアールを奪われたことを引きずるボルツと、ヒミコにパシリにされてばかりで落ち込むエスパー・マギによるガイアール争奪戦が描かれました。初対面かつ双方ともに落ち込んでいたということもあって最初は意気投合していたのですが、互いの正体を知るや否やリアルファイトに発展する血気盛んさに少々気圧されてしまいます。

 そんな中でボルツの「勝負への姿勢」が見られたのが今回のポイントでした。卑怯、というよりはセコい手を使って妨害してくるマギに憤慨し、「勝とうが負けようが正々堂々と戦う」精神を発揮してくれたのが印象的でした。「どんなに負けても胸を張って負けた自分を超えていく」という言葉が見に沁みます。(前作の暴走した鬼ボルツが仕込みを行おうとしていたことを考えるとあの時を反省しているようにも思えて感慨深いです

 ガイアール争奪が始まる前のシーンでもマギが落ち込んでばかりだったのに対し、ボルツは敗北を噛みしめたうえで自分から行動している様子が見られます。このことからもいい意味で嫌なことを引きずりすぎないボルツの性格がよく表れていました。マグマの中に飛び込んでガイアールを手に入れ、《“罰怒”ブランド》に助けてもらうシーンなどからも彼の無鉄砲ながら前を進むキャラが出ていましたね。勝利を求めてひたすら進み続けてきたからこそ、勝利の名を冠するガイアールに選ばれてと思うと胸が熱くなります。ひたむきなボルツの熱さが久しぶりに堪能出来て大満足です。

 

 

  • 飢えたその身を起動し続ける殲滅兵器

飢動混成(きどうこんせい) ガリィングマール 光/水/火文明 (5)
クリーチャー:ディスペクター/エンジェル・コマンド/アースイーター
パワー7500
▪️EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
▪️ブロッカー(このクリーチャーをタップして、相手クリーチャーの攻撃先をこのクリーチャーに変更してもよい)
▪️W・ブレイカ
▪️このクリーチャーはタップして出て、自分のターンのはじめにアンタップしない。
▪️自分が呪文を唱えた時、このクリーチャーをアンタップする。

 エスパー・マギが使用したディスペクター。「極神編」にて登場した無限アタッカー《機動聖霊ムゲン・イングマール》と「神化編」初出のコントロール向きクリーチャー《スペンガリィ・クロウラー》が合成されたクリーチャーです。パッと見不釣り合いな組み合わせに対して実際の能力は両者の特徴を上手く組み合わさっている興味深いカードに仕上がっています。

 ディスペクターとしては初のコスト5であり、ブロッカー持ち。当然EXライフもあるので場持ちも良いのですが、タップインして出てくる&アンタップステップでもアンタップされないというデメリットを抱えています。自力でアンタップ出来ないのでブロッカーがほぼ死んでおり、単体では意味を為さないカードと化しています。呪文を唱えることでアンタップする能力があるので、運用する場合は呪文との組み合わせは必死となるでしょう。しかしこのアンタップ能力が後述の戦術の武器となり得ます。

 それこそがアタック・チャンス呪文による連続攻撃。このクリーチャーの攻撃時アタック・チャンス持ち呪文を唱えることでアンタップし、再度攻撃するというもの。手札にアタック・チャンス呪文があればあるほど攻撃回数が増えるので《牙神兵ガンガンマンモス》のような無限攻撃染みた戦法が取れます。

 このクリーチャーに対応するアタック・チャンス呪文は《禁時王秘伝エンドオブランド》といったディスペクターを対象にしたものが4種類、さらにエンジェル・コマンドを指定した《俺流秘伝セイント・フラッシュ》も加えれば5種類と結構な数があります。その多くが除去やブレイク数増加など攻撃の手助けとなるものばかりなので、このカードの連続攻撃をコンセプトにしたデッキを作ると面白いことになるでしょう。

 他にも相手ターンに自分の呪文を唱えてもアンタップされる特徴を活かして呪文が唱えられるたびにブロック可能となるブロッカーとして扱うことも可能です。トリガーだけでは不安という場合はS・バックや革命0持ちの呪文を用意しておくのも良さそうですね。

 EXライフの除去耐性が攻撃と防御それぞれの場面で役立つ点も素晴らしいですが、G・ストライクのような攻撃そのものを止めてくるカードは天敵と言えます。それらを警戒して攻撃する場合はあらかじめ《ダイヤモンド・ソード》を唱えておくといいかもしれません。他のディスペクターと比べると見劣りするものの、光るものがあるのでそれを活かしたデッキで活躍させてみたいですね。

 

 

  • 己を貫き我を通す!マジでビクトリーな龍大

我我我(ガガガ)ガイアール・ブランド 火文明 (8)
スター進化クリーチャー:ビートジョッキー/レッド・コマンド・ドラゴン/レクスターズ
パワー9000
▪️このクリーチャーを、コストを3少なくし、さらに、このターン、自分の他の火のクリーチャーを召喚していれば、追加で3少なくして召喚してもよい。そうしたら、このターンこのクリーチャーは可能なら攻撃し、その攻撃の後でこのクリーチャーを破壊する。
▪️スター進化:レクスターズまたは火のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
▪️W・ブレイカ
▪️このカードが離れた時、自分のクリーチャーをすべてアンタップし、このターンそれらに「スピードアタッカー」を与える。

 レクスターズの力を得たボルツの初代相棒《“罰星怒”ブランド》が進化した姿。「エピソード1」にて初登場したビクトリーカード第1号《ガイアール・カイザー》の力と合体したスター進化クリーチャーです。両肩などの至る所にガイアールの意匠を感じさせる鎧を纏っているほか、ブランド愛用のボードがドラゴンのような形状に変化しているのが特徴的。(こちらは《竜王ガイアール・オウドラゴン》を彷彿とさせます)さながらブランドがドラゴンの背に乗って共に疾走しているように思えますね。

 カードとしてはコスト8という最近の進化クリーチャーとしてもかなりの重さになっており、一見すると使いにくく感じます。しかしこのカードは自力でコスト3軽減し、事前に火のクリーチャーを召喚していればさらに3軽くなるという驚異の軽減能力を持っています。このサイズの進化クリーチャーを5マナもしくは2マナで出せるというのはかなり強力。こうなるとコストの重さがかえってメリットとなり、コスト参照の除去などに強気でいられます。

 軽減能力の代償として攻撃強制と攻撃後に自壊するデメリットを抱えていますが、スター進化クリーチャーとしての耐性のおかげで進化元は生き残れるのでそれほど気になりません。それどころか場を離れた瞬間、味方全てにアンタップ&スピードアタッカー付与をもたらす能力によってさらなる追撃を発揮してくれます。単純にそのターン召喚した進化元が攻撃するだけでも一気に3打点以上が稼げるうえ、自軍を並べておけばおくほど打点が上がるのでワンショットキルの適正はピカイチ。軽減能力とも噛み合っている見事な速攻性能と言えます。(場に離れた時に発動する能力なので事前に除去されても問題ありません)

 その性質から【赤単速攻】はもちろんのこと、【赤単ブランド】や【“B-我”ライザ】のようなビートジョッキー中心のデッキでの採用が見込めます。《凶戦士ブレイズクロー》といった1マナ速攻クリーチャーと《一番隊 チュチュリス》のようなコスト軽減と組み合わせれば3ターンキルも決して難しくはありません。G・ストライクといった除去以外での防御札では止まってしまう点、コストとマナゾーンを参照する踏み倒しメタに弱い点など対応しきれない状況も多いですが、スター進化の除去耐性を活かしたビートダウン性能は実に画期的です。速攻デッキの新星として今後大活躍していくことでしょう。(歴代のブランドの要素を引き継いでいる点*1も実にエモいのでそういった意味でも好きなカードですね)

 

 

 今回ボルツが活躍した一方で、マギを含めた一部ガットルズ幹部の不遇ぶりに哀愁を覚えましたね。ヒミコが自分で散らかしたごみを片付けるように指示してきたので渋々引き受け、うっかりガイアールと自分のポイントカードを入れ替えてしまう展開には笑いながらもちょっと不憫に思いました。しかも回想を見る限り原因はほぼマスオ部長にあるのに、マギだけがヒミコからお仕置きを受けるというオチは可哀想すぎて涙が出てきてしまいます。前述でマギはボルツと比べて落ち込んでばかりと書きましたが、この様子を見ているとそれも仕方ないと感じてしまいますね。(そんな中でもラーメン代はしっかり置いていく辺りに好感が持てます。

 また今回の件で以前から薄々感じていたメンバーの序列がはっきりと見えてきたように思えます。恐らくはジェンドルを頂点として次点でハイド&ヒミコ、それ以下のマギたちといったところでしょう。上3人とそれ以下の露骨な待遇の差に少々唖然となります。まぁジェンドルたち以外は確かに目立った功績を上げていないので厳しくされるのもわかるのですが、ヒミコの過激な仕打ちにそこまでしなくてもいいじゃない・・・・・・とつい思ってしまいます。(ジェンドルがよく部下を褒めたり失敗を責めすぎない分、彼女が厳しくすることでバランスを取っているようにも見えますが)

 とはいえ同情を誘う待遇の酷さのおかげで、この手のアニメではよく見られる敵組織ながら愛嬌のあるキャラにマギたちはなってきていると思います。この調子でもっと愛着が湧いてくるようなキャラクターを見せていってくれると嬉しいです。

 

 

 さて次回は何と特別編デッキーたちミニキャラが主役のエピソードになるようです。彼らだけで集まって何をするのか疑問が湧いてきますが、予告映像を見る限りですとジョーたちやガットルズの情報についてをまとめていくようです。ただ果たして総集編になるのか、それともデッキーたちによるギャグ回がひたすら繰り広げられていくのかはいまいちわかりません。どうせなら彼らのコミカルなやり取りを堪能したいので後者であってほしいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:コスト軽減とスピードアタッカー付与は《“罰怒”ブランド》や《“極限駆雷”ブランド》、全体アンタップは《“魔神轟怒”ブランド》、同じ漢字が3つ続くカード名は《“轟轟轟”ブランド》と各ブランドの特徴がほぼ全て揃っている