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ウルトラマントリガー 第1話「光を繋ぐもの」感想

新たな時代の引き金を引け

世界中の笑顔と希望を守るため、超古代の伝説が再び蘇る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウルトラマンシリーズの最新作『ウルトラマントリガー』がついに始まりました。あの『ティガ』の系譜を継ぐ作品ということで以前から期待と不安がない交ぜになった気分で待ちわびていましたが、いざ蓋を開けてみれば“謎”に満ちた内容に一気に魅せられました。今回からそんな新ウルトラマンの感想を書いていきたいと思います。

 

 

  • 火星の世界観&ティガとの繋がりと謎

 まず語りたいのが本作の世界観ですね。主人公「マナカ ケンゴ」が暮らしている舞台こそ火星、という序盤からインパクト抜群な世界が明かされるシーンが目に焼き付きました。(火星を描いた物語というと個人的に『スター・レッド*1辺りを思い浮かべますね)地球とは異なる「赤い空」が日常となっている世界が実にSFチックで素敵です。それ以外は地球と特に変わっていないという点も面白かったです。そんな舞台も次回から普通に地球に変わるのがちょっと惜しいと思ってしまうのですが。

 そんな世界で巨人の石像が保存されている遺跡が発見されるのですから一気に引き込まれました。この巨人は地球で眠っていた光の巨人の仲間なのか、何故火星のあるのかなど疑問が湧いて止まりません。人類が火星に移住してきた世界観をティガの巨人の要素を加えることでかなり魅力的に映してきた、という印象です。

 

 そしてこの世界とティガの繋がりについても同時に興味が湧いてきます。この世界は『ティガ』と地続きなのかという疑問を放送前から抱いていましたが、今回の話を見る限りそれとは別の可能性がありそうです。

 特に「シズマ財団」を創設した「シズマ ミツクニ」の言動がそれを確信に変えてくれました。ゴルザとメルバの名前を出したり、ティガのことを(変身者含めて)知っているような口ぶりを見せてきた辺り、この人は恐らくティガを直に見ているのかもしれません。そして彼以外の人間が巨人や怪獣を珍しそうに見ていたことから、ミツクニ以下の世代はティガたちを見たことがないのでしょう。

 ここまで来ると本作はティガ本編から数十年後の物語、と考えてしまいますが、ミツクニの「やはりこの世界にもウルトラマンが・・・・・・」という言葉が引っかかります。ということもあって、この世界は“ティガとは異なる時空の平行宇宙”である可能性が高い、と個人的に考えています。その場合ミツクニはティガの世界からやって来た異世界人ということになりますが、その目的は如何に?と疑問は尽きません。

 

 他にもケンゴが見た夢や彼の前に現れたユザレのような少女(クレジットによると彼女の名前も「ユザレ」である可能性が高いんですよね・・・・・・)などこの先の展開を思わせる要素が慢性でこれまた楽しいです。特にケンゴが育てている花が咲かない植物に「ルルイエ」と名付けているのが非常に不穏です。夢に出てきた闇に包まれたトリガーらしきシルエットといい、本作の主人公に仄暗い何かを感じずにはいられません。果たしてこの世界は何なのか、ティガとの繋がりはどうなっているのか、数々の謎に心奪われる内容だったと言えます。

 

 

  • 未来を照らす希望を繋ぐ、光輝燦然の巨人

 

ULTRAMAN TRIGGER MULTI TYPE!

BOOT UP! ZEPERION!

 

「未来を築く、希望の光!!」

 

ウルトラマントリガー!!」

 

ULTRAMAN TRIGGER!!

MULTI TYPE!!

 

 ケンゴが「GUTSスパークレンス」をスパークレンスモードに変形させて、「GUTSハイパーキー」を装填させることで変身したウルトラマントリガーの基本形態「マルチタイプ」。銀色のボディに赤と紫の2色を配したカラーリングに胸のプロテクターなど、ティガのマルチタイプを彷彿とさせるデザインが特徴的な姿です。(また赤と紫の配置など、ダイナを意識したような部分も見受けられますね)それでいて腕や側頭部に付けられた金色の装飾など、ティガとは異なる要素も存在します。「パッと見ティガに似ているけれど、ティガそのものではない」という印象を抱かせる姿です。

 戦闘では通常のウルトラマンと同じ徒手空拳を基本としているほか、専用武器である「サークルアームズ」の「マルチソード」モードを使う剣士のようなスタイルが特徴的でした。こちらもティガに似た要素と逆に異なる要素が両方存在しています。中でも必殺技の「ゼペリオン光線」の発射フォームはポーズこそティガそのものである一方、マルチソードを地面に突き刺してから放つので似ている部分と異なる部分が混在しているかのような絵面に仕上がっていました。

 とにかくこのウルトラマンはティガなのか?それともティガではないのか?という謎を視聴者に向けてきます。近年のウルトラマンとしては珍しく、全くと言っていいほど喋らないので余計に神秘的かつ不気味に思えますね。果たしてトリガーは一体何者なのか、気になるばかりです。

 

 

  • 超古代の闇の眷属

 またウルトラマン以外の怪獣・巨人たちに関しても興味が湧いてきます。まず劇中で最初に登場した怪獣「超古代闇怪獣 ゴルバー」はゴルザメルバが合体、というよりはゴルザがメルバの着ぐるみを着ているような姿をしているので見た目のインパクトはかなりのもの。(ゴジハムくんみたいだな・・・・・・)少々不格好に思えるデザインですが、ゴルザらしい力強い動きをしたかと思ったらメルバの如く飛行するなど両怪獣のいいとこどりのような活躍ぶりを見せたので早くも唖然となりました。それでいて地中深く潜って出てくる様子が妙に可愛いのがいいですね。

 一方そんなゴルバーを従える「妖麗戦士 カルミラ」はカーミラそっくりで彼女との関連性について気になるところ。というかトリガーに対する言動や彼を泥んこ遊びでいたぶって楽しむ姿がカーミラそのもので少々驚きを隠せません。仮に彼女がカーミラ本人だとしたらトリガーは何なのか?と考えるほどに頭がこんがらがりそうです。とはいえまだ1話なのでこれから少しずつ謎が明かされていくのでしょう。めんどくさい元カノの如くトリガーに執着する彼女の正体に関しても今後目が離せなくなりそうです。

 

 

というわけでとにかく“謎”だらけの第1話でした。ティガを知っている人ほど見逃せない情報がこれでもかと詰め込まれていて、見ている内にその謎の虜になっていく気分になりましたね。世界観やケンゴの考えが全て説明台詞で語られ、やや駆け足で話が進む点が気になりましたが、この謎のおかげで物語自体は気にせず見ることが出来ました。力技で視聴者に疑問を抱かせ、個々人の想像力で引き込ませてきたように思えます。

 またジオラマのクオリティやアクションに関しては例年通り文句なしの出来。特にトリガーとゴルバーの最初の戦闘シーンは上から覗きこむようなカメラワークが目まぐるしく展開されていく圧巻の内容でした。ウルトラマンの巨大感とスピード性を両立している辺りが流石坂本監督と言ったところです。この質の特撮がまた約半年見れるかと思うとテンションが上がってしまいます。今年のウルトラマンも思う存分楽しめそうで非常に喜ばしいです。

 

 

 さて次回は地球にやって来たケンゴが入ることになる防衛チームの活躍が見られる模様。例のガウォークに変形する機体がどのように動き回るのか気になって仕方ありません。他にも久々登場のギマイラや第2の闇の巨人、そしてトリガーのタイプチェンジと序盤から飛ばしていく様子なので楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:萩尾望都作のSF漫画。火星人であることを隠して地球に暮らす主人公の少女がある事件をきっかけに火星への帰還を目指す物語が展開される。