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仮面ライダーセイバー 第43話「激突、存在する価値。」感想

俺たちの“意味”はここにある

みんなもラーメンには紅しょうがを入れよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 己の意味を見つけた者たち

 ハイ、今回泣きました。

 前回の時点でデザストの最期はガッチリ描かれるだろうと予想し実際その通りになったわけですが、こちらが想像していた以上に泣ける内容に仕上がっていて驚きました。念願の蓮との死闘を経て、最後の最後に満足して消えていくデザストのシーンは涙なしでは見られませんでした。誰が何と言うと今自分が生きていることを証明してみせるという、存在する意味を求め続けた怪人の物語の終幕としては見事なものだったと思います。

 デザストだけでなく、蓮の物語としてもよく出来ていたのが見事。彼がデザストとの戦闘の前半で倫太郎の技を模倣するという意外な手を使ってきましたが、最終的にいつもの二刀流に戻る流れは自分自身を取り戻したとも取れる演出でグッときました。ここまで自分の強さを求めて迷走を重ねてきた蓮が最後の最後に行き着いたのは自分の技であり、自分自身の力で手に入れてこそ意味があることを示してくれたように思えます。彼もまた大事なものを見つけ出せたようでホッとします。

 そんな2人がそれぞれの存在を示すかの如く、自身の名前を叫ぶシーンは心に響きました。己を探し続けてきた両者の心情が強く伝わってきます。(この辺りは堀内監督のエモい演出が存分に活かされていましたね)決着がつき、消滅するデザストを看取ったに呟いた蓮の言葉が最初に戦った時と同じ「楽しかったよ。ありがとう」であるのも印象的で、あの時とは異なる愁いを秘めた抑揚に涙が出てきます。本作の本筋に大きく関わってくることはないものの、こうして視聴者に強い印象を残してくれた2人の物語、最後に深く感動することが出来ましたね。本当にありがとうデザスト・・・・・・

 

 

  • 時と煙の二重奏&怪物を超えし魔人

 蓮とデザストの物語に心奪われた一方、飛羽真たちとストリウスの戦いも見どころがありました。何と言っても神代兄妹の活躍ぶりが光ります。以前怪我の手当てをしてくれた芽依へのお礼を言いよどむツンデレ凌牙お兄様は見ててフフッと笑ってしまいました。

 しかし戦闘時のセイバーとの共闘では意外なまでに活躍していたのでびっくり。カリュブディスの攻撃を華麗に避けつつ時飛ばしや煙化などの能力だけではない実力を見せつけてくれました。特にデュランダルは素のパワーでカリュブディスを圧倒するだけでなく、最近はあまり成功しなかった時飛ばしで相手の攻撃に見事対応してみせたことに感嘆を覚えます。元マスターロゴスの元を離れてからあまりいいところがなかった兄妹でしたが、こうしてまたその強さを思う存分発揮してくれたのはうれしい限りです。

 

 また本格的に動き出そうとするストリウスとカリュブディスの様子も目に焼き付きました。「始まりの5人の本」を手に入れて舞い上がっている中、これまでの物語の裏で少しずつ貯めてきたであろう本に変えられた人たちをカリュブディスに喰わせる所業を働いた時には驚きました。わざわざ飛羽真の前でやってみせる辺りに彼の悪辣さがよく出ていましたね。カリュブディスの方も生みの親に似て挑発的になってきていたのが興味深いです。特に退場したばかりのデザストの能力を使って視聴者を煽ってくる辺りが実に性格悪いです。

 そんなストリウスが自身をカリュブディスに喰われることで見るからにパワーアップを果たした時は度肝を抜かされました。自分を喰わせる絵面は非常にショッキングです。同時にカリュブディスの喰らったものの能力を得る特性は最終的にストリウス自身が全ての能力を手に入れるためだったとわかり納得しました。ラストにさらっと「私は全てを知った」と意味深な発言をしていましたが、これが何を意味するのか気になるところです。

 

 

 というわけで各キャラの関係も大体整理がついてきて物語が大詰めを迎えている空気を強く感じ取る回でした。ストリウスが何を為そうとしているのか、蓮は戻ってくるのかなど気になる要素が多く次回が待ちきれません。

 などと思っていたら何と次回は『ゼンカイジャー』とコラボする特別編をやるということで唖然となりました。夏の映画の宣伝も兼ねているのでしょうが、いい感じに盛り上がってきた本筋の流れをぶった切ってやるノリはかなり久々(『鎧武』以来でしょうか)で意表を突かれましたね。しかもゼンカイジャー側から出てくるのがツーカイザーこと界賊ゾックスというチョイスのおかげでカオス回になることはまず間違いありません。本筋の方が気になりますが、ひとまずはこの特別編の方を楽しみたいと思います。(感想に関しては書くかどうかまだ悩んでいるので書かない場合もあります。その時はご了承ください

 

 

 ではまた、次の機会に。