新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

デュエル・マスターズ キング! 第21話「黒のジョーカーズ誕生っ!?闇に染まった切札ジョー!」感想

仲間のため、悔しささえも糧にして

ジョーに悪事の才能は全くないことがよくわかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 向いていないYAMI堕ち

 今回のデュエマキング!はジェンドルを打倒し、ドキンダムの力を手に入れたジョーが絶好調に活躍!するのかと思いきやそうではなく、何とキャップたちに3連敗するという悲惨なシーンから始まりびっくりしました。ももちゃんにすら負けてしまう光景にはちょっとだけ仰天してしまいます。

 さらに新カードを活躍させられなかった悔しさから闇のジョーカーズ《うしおこまる》(恐らくモチーフとなっているのは「牛若丸」ですね)を作った際にモモキング共々「YAMI堕ち」してしまう展開に。しかし闇の力に呑まれたことで悪事に手を染めようとするものの、中々上手くいかない状況が続いていくのが面白かったですね。今回のジョーのやることなすことのほとんどが結果的にみんなを困らせるどころか喜ばせる辺り、ジョーは根本的に悪いことが出来ないのだということがよくわかります。(悪いことをしようとして人々を助けてしまう・・・・・・ゲルシャークさん*1かな?

 またYAMI堕ち状態のジョーの「頑張って悪ぶっている」ような姿が個人的にはツボでしたね。彼によってYAMI堕ちさせられたキラたちやガットルズの面々と比べても、悪いことに憧れて背伸びしている感じが良く出ています。不良になろうとしてなりきれない子どもの様子にどこかフフッときてしまう、微笑ましい光景だったと言えます。

 

 

  • 誰がための悔しさか

 そんなジョーに対してゼーロJr.が久々にデュエマを挑んできたことも今回のポイントでしたね。本作のジュニアは何かと忠告してくれる親切ぶりが目立っていましたが、とうとう自分からジョーに説教をしに来たということでかなり興奮しました。

 そして案の定、元から闇の申し子であるジュニアが「闇の力の神髄」について語るシーンが印象的でした。彼が劇中で語った「怒りや悲しみ、憎しみさえも力に変え、己の信じるもののために突き進む」という考えは闇のポジティブな部分を凝縮したようなテイストになっているのが興味深いです。怒りなどのネガティブ表現を否定しない姿勢は好感が持てますし、「己の信じるもののため」もたった1人でも戦い続けるという覚悟が伝わってきます。闇であっても悪ではない、ジュニアの孤高のキャラクターが端的に表現された言葉のように感じられますね。

 それに対してジョーの悔しさが「モモキングたちの力を使いこなせなかった」という想いからくる点も面白いですね。力を託してくれたドキンダムの期待を裏切るわけにはいかない、とドキンダムに対して責任を感じているのが実にジョーらしいです。自分のために戦うジュニアに対し、どこまでも仲間のために強くあろうとするジョーの根の優しさが良く表れていると言えます。それを思い出させてくれたジュニアとジョーの奇妙な絆も感じさせるほっこりしたエピソードでしたね。

 

 

  • 不死より目覚めし虚無を纏いし龍

無龍(ヴォイロン) <デッゾ.Star(スター)> 闇文明 (5)
スター進化クリーチャー:マスター・ドラゴンZ/ソニック・コマンド/レクスターズ
パワー8000
▪️G・ストライク
▪️スター進化:レクスターズまたは闇のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
▪️侵略:闇のコスト4以上のレクスターズ(自分の闇のコスト4以上のレクスターズが攻撃する時、自分の手札にあるこのクリーチャーをその上に重ねてもよい)
▪️W・ブレイカ
▪️このクリーチャーが出た時、コストが異なるクリーチャーを好きな数、自分の墓地から手札に戻す。

 ゼーロJr.が新たに繰り出した新レクスターズ《無龍》(名前と見た目からして《零龍》そのものですが、関係性が気になるところ)がスター進化した姿。「革命編」で登場して以来多くのデッキで活躍した《S級不死 デッドゾーン》の力と合体した姿です。デッドゾーンの肩パーツなどが装着されて若干ヒロイックさが増したように思えます。

 カードとしては元ネタと同じように侵略を持っており(ただしあちらと異なり墓地からの侵略は不可能となっています)、早期から踏み倒すことが可能。侵略条件のコスト4以上の闇レクスターズについてですが、現状闇のレクスターズは出したターンに攻撃出来るものがいないため、使用する際は進化クリーチャーに重ねることになるでしょう。阿修羅ムカデ <デスシラズ.Star>》は条件を満たしているほか、アタックトリガーで墓地からさらなる展開を可能にするため侵略元におすすめです。

 能力は登場時に墓地のクリーチャーを回収するというもの。コストが全て異なるものでなければならないという条件付きですが、回収出来る枚数に指定がない辺りは《時の魔術師 ラクルスター》を彷彿とさせます。いくらでも墓地回収が出来るうえ、回収しないという選択も当然出来るので柔軟性はかなり高いです。もちろん墓地をあらかじめ肥やしていればいるほど回収可能な枚数が増えていってお得です。

 闇のレクスターズはリアニメイトを得意としているため、なるべく墓地に置いておきたい戦法とは一見相性が悪そうに見えますが、手札にキープしておきたいクリーチャーのみを回収するなど工夫次第で問題なく共存出来るでしょう。2枚目以降の<デッゾ.Star>他侵略持ちのカードを回収してさらに侵略していく、なんてプレイングなど面白そうです。

 cipを除いたスペックもパワー8000のW・ブレイカーと及第点。フィニッシャーとして使うには物足りないですが、手札を蓄え次の攻撃に繋げる役割としては十分な性能を誇っています。墓地を肥やしながら積極的に攻めていく闇のビートダウンでは間違いなく活躍出来る良カードと言えるでしょう。

 

 

  • 畏怖の怪物の魂を受け継ぐ封じられし禁断龍

禁断英雄(きんだんヒーロー) モモキングダムX(エックス) 闇/火文明 (2)
スター進化クリーチャー:ジョーカーズ/禁断/レクスターズ
パワー99999
▪️禁断スター進化:このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から進化ではないレクスターズが出るまで表向きにし、それをこのクリーチャーの下に置く。その後、山札をシャッフルする。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
▪️自分の他のレクスターズが出た時、自分の山札の上から1枚目を表向きにしてこのクリーチャーの下に置いてもよい。
▪️このクリーチャーは、カードが6枚以上含まれていなければ、攻撃できず、相手に選ばれない。
▪️このクリーチャーに含まれるカードが6枚になった時、このターン、相手のクリーチャーすべてのパワーを-99999する。
▪️T・ブレイカ

 前回のラストでジョーが新たに手に入れたモモキングの新形態。ドキンダンテの呪縛から解放された《伝説の禁断 ドキンダムX》の力と合体した姿であると同時に、本格的に登場した闇文明のジョーカーズでもあります。(ドキンダムは闇文明ではないのですが、親玉的存在である《終焉の禁断 ドルマゲドンX》が闇文明を持っていたのでそこから経由したのでしょうか?)ドキンダムの槍を装備し、体の至る所に禁断文字を纏わせている姿はこれまでのモモキングとは大きく異なっていることを意識させてくれます。モモキングの禍々しい姿の新鮮さに興奮しますし、何より光ジョーカーズに続いて闇ジョーカーズが現れたことにより、ついに5文明全てにジョーカーズが揃ったことに感銘を受けますね。

 カードとしてまず取り上げたいのがこのカードのみの固有能力「禁断スター進化」について。こちらはスター進化の特性はそのままに、山札をめくって出たクリーチャーを進化元にする特殊な進化方法です。その特徴からかつて登場したデッキ進化を彷彿とさせますが、山札の1番上がクリーチャーでなければ失敗してしまうあちらとは異なり、クリーチャーが出るまでめくれるという凄まじい特性を持っています。そのため山札にクリーチャーがいない限りは確実に成功するので安定感はピカイチと言えますね。

 さらに特徴として目を見張るのは2コストでありながらパワー99999、そしてT・ブレイカーという規格外のサイズを誇っている点です。このままだとぶっ壊れもいいところですが、自身を構成するカードが6枚以上にならなければ攻撃出来ないというデメリットでバランスを取っています。攻撃出来ない間は完全に置物状態ですが、代わりにアンタッチャブルとなるのでパワーの高さと相まって除去されにくく、そのままでも問題なさそうです。

 構成カードが6枚必要とありますが、このカード自身と進化元も含めるので実際は4枚あればよく、さらに低コストが多いレクスターズが出るたびに山札からカードを追加出来るので達成そのものは容易です。さらに本家ドキンダムと同じように侵略との相性は抜群。レクスターズには同弾に侵略持ちのスター進化クリーチャーが登場したので、それを活用してより早い達成が目覚めます。(ドキンダムが封印を解いて力を解放していくのに対して、モモキングダムはカードを増やして力を溜めていくイメージですね)

 そうしてカードが6枚になった瞬間、攻撃制限が解除されると同時に相手クリーチャー全体のパワーを-99999にする驚異のパワー低下能力を発揮します。ドキンダムすらもパワー0にしてしまう恐るべき数値で、様々な耐性を突破して相手を確実に破壊することが可能です。スター進化やEXライフといった最近の耐性すらも敵ではないのは非常に頼もしいです。相手を除去した後はモモキングダム自身だけでなく、カードを溜めるために召喚したレクスターズも攻撃に参加出来るでしょう。相手の場を更地にしたうえで確実に一斉攻撃を決めて一気に勝負をつけられます。

 以上の性能からレクスターズを多く搭載したデッキに入れることになりますが、それ以外でも上手いこと使えるテクニックはいくつか存在します。例えばカードが6枚以下でも《ダイヤモンド・ソード》などで攻撃制限を解除することが可能で、その場合はアンタッチャブルが残ったまま攻撃出来る凶悪なアタッカーと化します。全体除去を喰らってもスター進化の耐性で進化元が残るのであまり気にはならないでしょう。

 またジョーカーズであることを活かし《タイク・タイソンズ》のJチェンジで入れ替えて奇襲を仕掛けるのも面白そうです。3ターン目から3枚ブレイクしつつ、パワー99999が残るため威圧感は十分です。他には除去されにくい進化クリーチャーである点を活かして究極進化の進化元にするなど、使い方次第で意外な活躍が期待出来ます。

 特殊な能力尽くしでまだまだ扱いに関しては難しそうですが、上手いこと力を解放させた時の爆発力は本家ドキンダムに負けません。この強力なカードパワーを活かして是非大暴れさせたいですね。

 

 

 さて次回は着々と力をつけているジョーに対しジェンドルたちも対策に動くようですが、ジョー打倒に乗り出すのが何故かエスパー・マギという点にギョッとしました。未来予知すらまともに成功していない彼に今更ジョーをどうこう出来るのか?とつい疑ってかかりますが、予告を聞く限り彼の底力が見れる模様。そこまで期待するようなものではないとは思いますが、ひとまずはどうなるのか見てみたいところです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:アニメ『トランスフォーマー カーロボット』の登場キャラクター。悪役ながらシリーズ屈指の愛されキャラだったりする。