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仮面ライダーリバイス 第3話「人質トラブル、どうする兄弟!?」感想

家族の絆を守りたい!

一輝の苦労人ぶりに早くも同情してしまう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • “家族への想い”に追い詰められる

 今回のリバイス主人公の一輝の苦労人ぶりがこれでもかと強調されていました。以前から家族のことばかり考えていて大変だな、と思っていましたが、今回はそれに輪をかけて大変な目に遭ってばかりで本当に可哀想でした。

 まず序盤、銭湯の立ち退きを要求してくる業者(映画にも出てきましたね)を突っぱねる時点で大変だった中、父親の「元太(げんた)」が書類にハンコを押しそうになる光景に目を疑いました。一輝も常連客も銭湯を守りたい一心で行動しているのに、それを見ているはずの父が何てことなく了承しようとする姿はかなり衝撃的です。動画投稿ばかりしていて店の手伝いをしないダメ親父、というイメージは前々からありましたが、ここまでひどいとは思っていませんでした。母に任された店を父に潰されそうになる、というだけで一輝の苦悩が伝わってきます。

 また本作の主軸である妹の「さくら」が捕らえられる事件に頭を悩ませる展開がこれまた可哀想でした。幼馴染の「桶谷彩夏(おけたに・あやか)」と久しぶりに再会したのも束の間、2人揃って誘拐犯に拉致され人質にされる構図はあまりにも悲惨でした。バイスタンプを要求してくる相手方に対し出し渋りながらも渡すしかない、と追い詰められていく構図はヒーロー作品あるあるですが、一輝のことを考えると余計辛くなってきます。

 

 そしてこの展開で一輝の歪さがより明確になってきたとも思いました。「5人もいるし1人くらい・・・・・・」と囁くバイス(この発言、バイスが人間を“人数”ではなく“個数”として認識しているように思えて中々に怖いです)に対し、「家族は1人も欠けちゃダメなんだ!」と必死に反論する様子が印象的です。家族想いの発言とも取れると同時に、「家族をみんな俺が守らなければならない」という強迫観念に駆られているように見えてなりません。父親の駄目っぷりを見たこともあり、長男としてしっかりしないといけない気持ちが先行しているのではないかと思いますね。

 今回はそんな、ひたすら他人のため家族のためと戦い続ける一輝の問題が露わになった回だったと言えます。守りたい一心で行動するあまり心に余裕がなく追い詰められている一輝には、もっと自分を大切にしてほしい、と思ってしまいます。ただそれを彼に気付かせられそうなのが現状バイスしかいないという問題はありますが、果たして彼らがどのようになっていくのか気になるばかりです。

 

 

 

  • いーじゃん!いーじゃん!ヤベーじゃん!?

 

マンモス!

 

Come on!マ!マ!マ!マンモス!

Come on!マ!マ!マ!マンモス!

 

バディアップ!

 

巨大なキバ持つ!

陸のボス!

 

マンモス!!

 

はなっからクライマックスだぜ!

 

 大二を通じて渡された「マンモスバイスタンプを押印して変身した派生形態「マンモスゲノム」。名前の通りマンモスと、仮面ライダー電王』のソードフォームをモチーフにした形態です。マンモスというと見た目そのままのパワー系をイメージしがちですが、このフォームはどちらかというと電王のスラッとしたイメージ寄りの細いシルエットであるのが特徴的です。変身シークエンスにて仮面が頭部のレールに沿って移動・変形する過程があるなど、電王のリスペクトがかなり高いですね。

 戦闘でもマンモスの力強さはあまり感じられず、逆にテクニカルなスタイルが目立ちました。武器の「マンモスガッシャー」もブーメランであり(見た目はソードフォームなのに武器はウイングフォームとはこれ如何に)、投擲することで相手を翻弄しつつ追い詰めていく様子はかなり新鮮でした。必殺技を含め攻撃が飛び回るトリッキーぶりは「俺の必殺技」っぽいですね。

 一方リミックス変身の「バイスマンモス」になってからはマンモスのイメージ通りのパワフルな突進主体戦法になって見応えがありました。またデンライナーを思わせるレールを展開し、それに乗って暴れまわる絵面も面白かったですね。何よりリバイとバイスが向かい合って肩を組む体勢で変形するため、リバイの背中とお尻がそのままマンモスの顔になるシチュエーションには笑ってしまいました。

 

 

  • “家族への想い”は闇に堕ちる

 また今回は一輝以外にも仄暗い要素満載で非常に不穏でしたね。何と言っても変身したくても出来ない状況に歯痒い思いをしている大二が目に焼き付きました。「フェニックスに入隊しているのは自分なのに、何故一般人の兄が変身出来るのか」もしくは「兄は戦える力を持っているのに何故フェニックスに入ろうとしないのか」といったような感情が見え隠れしていました。兄のことを慕っているのがわかっている分、彼へのコンプレックスも感じてしまいますね。

 何よりフェニックス本部に置かれていた謎の新型ベルトを目撃してしまうくだりには仰天しました。如何にも2号ライダーのものですよとでも言いたげなベルトを前にして変身することを許可してもらえない大二は今回の一輝とは別ベクトルで可哀想でした。この時の感情が暴走してしまわないかワクワクします心配してしまいます。

 

 彼以外にも上述でも触れた彩夏も家族のことで仄暗い感情を感じさせてきました。人質にされたものの自分に人質の価値はない、と暗に母親から愛されていないことを仄めかしてくる描写にドキッとします。実際初登場シーンでも彩夏の母親は彼女の妹にばかり構っていたので家族関係に問題があることは一目瞭然。ラストに出てきたデッドマンを生み出した「黒幕」も明らかに彩夏のようですし、彼女の家族への感情が暴走していると見て間違いなさそうです。大二といい彩夏といい、今回は家族について追い詰められていく内容だったと言えますね。

 

 

 さて次回は今回の事件の続きが描かれる模様。しかも大二の一輝への感情の爆発する様子が見られるようでドキドキしてきます。またバイスが愛情を要求してくる点も興味深いですね。ここまでバイスを従わせてばかりだった一輝がどのように彼に折れるのか注目したいです。

 

 

 ではまた、次の機会に。