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仮面ライダーリバイス 第4話「足りない愛情!アブナイ悪魔誕生!」感想

その目で“見る”べきものは

幸実母さんマジ賢母

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 愛情を以て“見る”べし

 前回起こった事件についてのもやもやを抱えたまま始まった今回のリバイス。何と言っても序盤から展開された一輝と大二の口論が見どころでした。フェニックスに入ろうと勧誘し続けるものの大丈夫の一点張りの一輝に苛立つ大二、そんな大二に困惑しながらも突っぱね続ける一輝と、互いに自分の意見を相手に押しつけようとする様子が見ていて辛かったです。

 中でもデッドマンと一体化してしまった彩夏の件でぶつかり合うシーンは印象に残りましたね。大二は一輝の必死さを知らずに彼の行為を能天気となじった点で非がありますし、一輝は一輝で大二の「変身出来ない」コンプレックスを指摘してことはいただけません。どちらも相手の事情を考慮せず自分の都合ばかり言ってしまっているので、劇中でバイスが「愛情が足りない」と呟いたのも納得です。(バイスは毎回言うことが妙に的を射ていますね

 

 それ故に「幸実(ゆきみ)」母さんの言葉が響く内容でもありました。人はみんな弱さを抱えていることを知って、それを寄り添える人間になりなさいと一輝を諭すシーンは実に感動的でした。一輝と大二それぞれの性格を見てしっかり把握しているからこそそれぞれを叱咤出来る立場にある辺り、本当に素晴らしい母親だと思います。妻の方は人間が出来ているのに何で夫はああなんだろうか・・・・・・

 母の言葉を理解してからの一輝と大二のそれぞれの行動がまた良かったです。大二は彩夏の母親を連れてきた一輝をしっかりフォローし、一輝はついにフェニックスと契約するなど目に見えて関係が進展しているのがわかりました。互いのことを尊重したうえで、自分のわがままを通そうとするようになったのは立派な成長だと言えますね。最初は危うかったものの、相手のことをきちんと“見る”ようになったことで修復された兄弟の仲にほっこりしました。一方で銭湯に飾ってある写真から一輝だけが消えたラストが不穏で怖いですね・・・・・・

 

 

  • 愛することと憎み合うこと Dilemmaは終わらない

 

プテラ

 

Come on!プ!プ!プテラ

Come on!プ!プ!プテラ

 

バディアップ!

 

上昇気流!

一流!

翼竜

 

プテラ!!

 

Flying by! Complete!!

 

 大二より託された「プテラバイスタンプを押印して変身した派生形態「プテラゲノム」。白亜紀に生息していたとされる翼竜プテラノドンと『仮面ライダー555(ファイズ)』がモチーフとなっています。プテラノドンの尖ったイメージとファイズの流麗なフォルムが上手いこと融合したような姿が非常にカッコいいです。さらにこのファイズはアクセルフォームのイメージが含まれているのもポイントで、胸部の装甲が展開されコアが露出しているかのようなデザインに惚れ惚れします。

 そしてそれ以上のインパクトを誇るのがバイスの姿。何とこれまでの人型から大きく変わりエアバイクと化しています。本作のバイク要素をここで使うというのは中々に予想外でした。(余談ですが映画で先行登場した際、バイスはこのエアバイク形態になったこともありこちらのみ知っていたのですが、まさかフォームチェンジの1種であるとは思っていませんでした)前面に設置されたバイスの頭部の意匠や全体のシルエットはプテラノドンらしく飛行能力も高いのが魅力的です。

 戦闘ではリバイ単体は空中でも自在に動き回る高速戦闘が基本。中でも空中を走るように動く様子は印象的で、赤い光の軌跡を描く演出などはアクセルフォームを彷彿とさせます。エアバイクのバイスに乗って縦横無尽に飛び回る姿も面白いです。

 個人的に同じ飛行形態として既に登場しているイーグルゲノムと明確に差別化出来ているのは好印象。また今回の戦闘シーンはCGを多用した大迫力戦闘だった他、一度レックスゲノムにチェンジすることで敵が投げつけてきた車の間をすり抜けるなど見栄えの良いシーンが目白押しで非常に興奮しましたね。

 

 

  • 上級契約の恐怖、愛すべき家族

 一輝たち兄弟以外にも前回から登場した彩夏の物語も今回の見どころ。前回の感想にも書いた懸念通り、妹ばかりを気にする母親に対する鬱屈とした感情を燃やす彩夏が描かれるなど、序盤からクライマックスです。前回登場した「コング・デッドマン」を再び生み出し、さらに「上級契約」して一体化するシーンは衝撃的でした。

 デッドマンズを束ねる「アギレラ」によると上級契約することでフェーズ2もとい「ギフテクス」になるとのことでしたが、これまでのデッドマンとは異なりより人型に近づいた姿が特徴的。顔もリアルな人間のシルエットになっている分、より不気味で目に焼き付けられます。(また一度上級契約してしまうと元の姿に戻れなくなると言われていましたが、ライダーキックで分離させられると早めに提示されて良かったです

 

 そんな怪物となり果ててしまった彩夏を如何にして救うのか、という問題を彼女の母親を連れてきて説得する展開で魅せてくれたのが興味深いです。自分を見てくれないことに対する娘の疎外感は母親が解決すべきことなので、その辺りをきっちりやってくれたのは素晴らしいです。

 さっきまで彩夏に見向きもしなかった母がいきなり「愛している」と言うシーンは一見すると急すぎて首を傾げそうになりますが、今回一輝や大二が見せてくれたように「表に出している感情が全てではない」ことが示されているのでこの本音も納得がいきます。何より「母が私のことを見てくれない」と言っていた彩夏も母のことを見ていなかったのは確実なので、この説得によって彼女が母の愛にしっかりと目を向けるようになったのは見事な展開だと思いました。

 今回の件で母も娘も互いに相手を尊重出来るようになったと思うとちょっと涙ぐんでしまいますね。一輝や大二と同じように、相手のことをきちんと”見る”ようになった親子の絆がそこに描かれていたと言えます。

 

 

 というわけでバイス4話の感想でした。ここまで書いた通り、今回は「愛情」即ち「相手の想いを“見る”こと」こそがテーマだと感じました。自分の想いを一方的に通すだけでは他者との不和を起こしてしまうからこそ、相手が何を考えているのかをしっかりと考慮したうえで自分の考えをぶつける「相互理解」のメッセージが込められていたかと思います。上述にもあるように、家族のことをよく知る幸実母さんの言葉が一輝に、さらに大二や彩夏の母へと伝播していく流れが見事だったと感動しましたね。個人的にかなりの良回でした。

 

 さて次回は問題の父親によるお悩み相談、そして動画投稿者が巻き起こす波乱が中心となる模様。これまた問題を起こしそうな父はともかく、動画投稿のエピソードはネット社会の闇の一部を描くことになりそうでドキドキします。

 リバイ&バイスの新フォームラッシュは引き続き行われる一方、次回登場する新ライダーに注目してしまいます。前回大二が見つけたベルトで変身したライダーなのでしょうが、果たして誰が変身しているのでしょうか。大二は今回コンプレックスを乗り越えたようなのでないとして、個人的には「変身失敗おじさん」こと門田ヒロミではないかと予想しています。はてさて正解がどうか、次回明らかになる時が楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。