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デュエル・マスターズ キング! 第31話「絆と呪いっ!?暴走ハイド!衝撃の企み!」感想

大事な想いが堕ちる時

絆っていうのは、呪いと同じなんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • その信頼は不信へと変わる

 いやぁ、今回のデュエマキング!はとんでもない展開でしたね・・・・・・狂い始めたハイドがジョーにリベンジしてきた時点で嫌な予感がしていましたが、まさか「使われなくなったカード」について言及してくるとは思っていませんでした。以前は活躍していたものの今はデッキに入れられなくなったジョーカーズについて調べ上げ、それをジョーに指摘して精神的に追い詰めていくハイドの精神攻撃には終始唖然となりましたね。

 カードとの絆を信じているジョーたちを肯定したうえで、その繋がりを「呪い」と言い放つ辺りがハイドの陰湿さをより強調しています。クリーチャーたちを想っているからこそ痛いところを突いてくるなぁ・・・・・・と感じますね。(同時に前回ジェンドルに突き放された自分と使われなくなったジョーカーズを「見捨てられた者」として重ね合わせているような描写から、彼が抱える心の闇の深さが伺えます)

 

 ハイドの言葉に打ちのめされるジョーも見ていて辛かったですね。ジョーカーズのことを大事に想っているのは間違いなくジョーの本心でしょう。しかし彼の優しさが災いしてか、ハイドの言ったように使われなくなったジョーカーズが悲しんでいるかもしれない、と考えてしまう様子が見て取れました。ジョーは良くも悪くも友達想いなだけに、相手のことですぐに傷ついてしまうのかもしれません。

 またジョーだけでなくジョーカーズたちもハイドの言葉に揺さぶられるシーンが印象的。特にモモキングは一瞬疑ってしまったことを告白して謝るなど、相変わらず自分を責めがちな性格を見せてきたのでこちらも心が痛みました。ジョーもモモキングも「自分が悪い」と考えているせいで見ていていたたまれない気持ちにさせられます。伝説のカードも一気に奪われてしまいましたし、前回に引き続き衝撃的な内容で最後までドキドキさせられましたね。

 

 

 上述のように今回ハイドは「使われなくなったカード」について言及してきましたが、個人的な感想としては「ヤロウ・・・・・・(ホビーアニメの)タブー中のタブーに触れやがった・・・・・・」といったところ。販促の都合上新しいカードをドンドン出さなくてはならないアニメで、その皺寄せを受けた古いカードの存在に触れていくのはかなり危険な禁句だと思いましたね。

 そもそも収集要素があるホビーやゲームはこの手のアニメとは本来相性が悪いとも言えます。カードなどに意思を持たせた設定にした場合、意思のある存在が使われなくなっていくことが問題になってきますし、新しいカードとの兼ね合いも考えなければいけません。(デュエマアニメでは近年だと「主人公の相棒が新しい姿になってパワーアップする」といった形で対処していますね)『ポケモン』などでも見られますが、どうしても原作のホビーやゲームとアニメの間で大きな乖離が起こりがちです。

 これまではそういった“都合の悪いこと”に触れてこなかっただけに、今回敢えてそこに目を付けた描写をしてみせたのはかなりとんでもない事態だと思います。これを「挑戦的」と取るか「無粋」と取るかは人それぞれですが、個人的には肯定しておきたいところ。クリーチャーと友達のような関係を築いているジョーだからこそ、この問題にどのような答えを出してくれるのか非常に気になってきましたね。

 

 

  • 雄々しき白龍の魂を受け継ぐ苛烈なる闘魂龍

ボルメテウス・モモキング 火文明 (7)
スター進化クリーチャー:ジョーカーズ/アーマード・ドラゴン/レクスターズ
パワー7000
▪️スター進化:レクスターズまたは火のクリーチャー1体の上に置く。(このクリーチャーが離れる時、かわりに一番上のカードが離れる)
▪️W・ブレイカ
▪️このクリーチャーが出た時、次のうちいずれか1つを選ぶ。
►相手のパワー3000以下のクリーチャーをすべて破壊する。
►相手のシールドを1つ選び、持ち主の墓地に置く。

 ジョーが今回繰り出してきた新たなスター進化クリーチャー。27話で勝舞より託された《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》の力と合体したモモキングの新形態です。モモキングがボルメテウスの装甲と合体しており、まさにアーマード・ドラゴンと言うべき無骨なデザインが非常にカッコいいカードです。

 スペックはコスト7、パワー7000のW・ブレイカーと進化クリーチャーとしては若干控えめ。さらに3000以下を対象にした全体火力除去とシールド除去のどちらかを発動する選択式(モード)cipを持っています。(この能力は明らかに《ボルメテウス・レジェンド・フレア》を意識していますね)

 前者は小型ブロッカーや踏み倒しメタを一掃することが出来、後続の踏み倒しや攻撃を助けてくれる働きをしてくれるので結構役に立つことでしょう。後者は言うまでもなくS・トリガーやG・ストライクを封じられることもあり強力。このクリーチャーの攻撃を含めて一気にシールドを3枚削れるほか、EXライフシールドを除去してディスペクターの耐性を剥がす芸当も可能にしてくれます。

 以上のように能力そのものは決して弱くはないのですが、モードになっていてどちらかしか選べない点や、cipを使い終わったら実質的な準ファッティになってしまうなど寂しい点が目立っているのが大きな問題となっています。何より《ボルシャック・モモキングNEX》といった強力なスター進化クリーチャーと比べると見劣りしてしまうのが痛いです。単体では少々使いづらいかもしれません。

 幸いジョーカーズやドラゴンなど種族サポートは豊富なので、そちらを活かすといいでしょう。特にジョーカーズのcipを使える《ジョット・ガン・ジョラゴン》と《ジョギラゴン&ジョニー 〜Jの旅路〜》でシールド焼却を行うなど、使い方次第では大きく化ける可能性も秘めています。そういった将来性も含めて、今後のカードとの組み合わせに期待したいところです。

 

 

  • 黒月と獅子、終わる未来を縫合せし帝王

終末縫合王(しゅうまつほうごうおう) ミカドレオ 水/闇/自然文明 (10)
クリーチャー:ディスペクター/ゴッド/ゼニス
パワー19000
▪️EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
▪️ブロッカー
▪️Q・ブレイカ
▪️このクリーチャーが召喚によって出た時、自分の山札の上から4枚を表向きにする。その中から好きな数のクリーチャーを出し、残りをマナゾーンに置く。
▪️自分のターンのはじめに、バトルゾーンに自分の、コスト8以上のクリーチャーが4体以上あれば、自分はゲームに勝つ。

 ハイドが使用した新たなキングマスターカード。「神化編」で登場し劇場版の大ボスも務めた《神帝スヴァ》をはじめとした「神帝」と、「エピソード2」にてゼニスのカードパワーを知らしめた《「俺」の頂 ライオネル》が合成された姿となっています。背景ストーリーで存在が語られていた「邪帝縫合王」ではない点や、伝説のカード同士が合体しているなど、《禁断竜王 Vol-Val-8》と並んで異質な存在感を放っているディスペクターの王です。どうでもいいけどミカドレオって名前、ミカドとレオのCPっぽいですよね。

 クリーチャーとしては10マナにパワー19000のQ・ブレイカーとディスペクター史上最大級のサイズ。ブロッカーも持っておりとにかくデカくて除去するのが厄介という印象を受けます。

 その基礎スペックすら上回るインパクトを誇るのが2つの能力。まず1つ目がクリーチャーを踏み倒すcipで、召喚時限定とはいえ最大4体ものクリーチャーを展開することが出来ます。踏み倒しの制限がほぼ存在しないうえ任意と強力なもので、残りのカードもマナに行くなど無駄がない能力です。敢えて踏み倒しをせず4マナの大量ブーストを行って後続に繋げるといった芸当も可能と出来ることが中々に幅広いです。

 そしてその踏み倒しを活かせる最大の特徴がエクストラウィン能力で、条件がコスト8以上のクリーチャーを4体以上並べることと驚異的な緩さを誇ります。このクリーチャー自体がコスト8以上なのもあって3体並べればあっという間に条件を達成出来るでしょう。最低でも相手に1ターン渡さなければならず、次の自分のターンまでに如何にクリーチャーを維持し続けるかが鍵となりますが、EXライフを持ったディスペクターなどの耐性持ちクリーチャーなどを並べれば問題ありません。龍装者 ジスタジオ》で耐性を付与するのも面白そうです。

 もしくは相手の除去が追いつかないほどに展開する方法も考えられます。《轟破天九十九語》や《神歌の歌姫 アマテラス・キリコ》など相性のいいカードで展開していけばエクストラウィン達成もより容易くなりますし、《虚言の凶気サイコホラー》のG・ゼロを駆使するのもアリですね。

 唯一の難点は山札を大量に消費する点。EXライフとcipだけで山札を5枚も削ってしまうので、考えなしに使うとライブラリアウトしてしまう危険性を孕んでいます。《お清めシャラップ》のような山札回復の手段を用意しておくか、《黒智縫合 レディオブ・ローゼル》のような敗北回避カードとの組み合わせを検討しておくべきでしょう。ド派手な展開力とエクストラウィンのやりやすさはかなり魅力的なので、是非使いこなしてみたいですね。

 

 

 というわけで31話の感想でした。前回も意外なシリアス展開に注目しましたが、今回はそれを上回る衝撃を引っ提げてきて本当に驚きました。上述にも触れたようにカードを使ううえでの問題に、ジョーが如何にして反論していくのかが鍵になっていきそうでワクワクしてきます。ハイドはハイドでジェンドルを後ろから刺しそうな勢いなのもあってこちらも見逃せません。カード争奪戦も終盤に差し掛かり一気に盛り上がり面白くなってきましたね。

 そして次回は状況がさらに悪化していく模様。伝説のカードだけでなくキラたちまでジェンドルに囚われ、ジョーは孤立無援の状態でジェンドルに立ち向かわなければならないというかつてない大ピンチに陥ってしまいました。ドキンダンテなど過去のディスペクターの王も復活するようですし、この絶体絶命の危機にジョーは果たして戦えるのか、心配と不安で心がバクバクしてきました。マジでどうなる次回!?

 

 

 ではまた、次の機会に。