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仮面ライダーリバイス 第14話「司令官は…デッドマン!?」感想

残酷な真実

全体的に役者さんの表現力の高さが印象的

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 真実に打ちのめされる者たち

 今回のリバイス“衝撃の真実”が次々と襲いかかってくるかのような内容でした。主にデッドマンズ側が明かしていく事実を前に敵側味方側、果ては視聴者側も唖然とさせられたような印象を受けます。

 最大の衝撃は何と言っても司令官の正体。前回のラストで若林司令官がカメレオン・デッドマンである可能性が示唆されましたが、1話の終盤に本物の司令官と入れ替わっていた事実には驚愕しました。カメレオンの擬態能力からして本物になり替わったことはある程度予想していたものの、2話の時点では既に偽物だったというのは想像以上です。何より本物の司令官はとっくの昔に消されていたことに背筋が凍りましたね・・・・・・

 この辺りのシーンは本性を表したカメレオン、そして泣き叫ぶヒロミの姿もあって悲壮感が強かったです。わずかながらも司令官のことを慕っていたヒロミにとって受け入れがたい事実であることが強く強調されていた分、彼の絶望が痛いほどに伝わってきます。そんな彼らを嘲笑うカメレオンの姿もショッキングで、これまで冷静な態度を貫いていた司令官の表情が狂気的な笑みで崩れていく様子に戦慄しました。

 

 さらにギフスタンプも奪っていったカメレオン1人によって大打撃を受けたフェニックスだけでなく、デッドマンズの内部でも衝撃的な真実が明かされたのもポイントですね。こちらはギフに捧げる最後の生け贄がアギレラだったというもの。オルテカはどうやら最初からこのつもりでアギレラに従っていたようですね。(フリオは知らなかったようですがどうなんでしょう)アギレラがトップのように見せかけて、実質オルテカがデッドマンズを動かしていたのだと思われます。

 こちらに関してはある意味予想通りで上述のカメレオンの件と比べると驚きは少なかったものの、それまで享楽的な態度を取っていたアギレラが初めて呆気に取られる姿もあって見入りました。これまでギフが復活した際の花嫁として育てられていた少女が、自分がギフ復活のための人身御供に過ぎなかったことを知ってしまう様子が目に焼き付きます。今回の中盤で花嫁になることを教えられる回想に浸り、そのことを疑わずに楽しみにしているアギレラが描かれたのもあって彼女のショックもかなり大きそうです。敵ながら不憫に思えてきたアギレラの今後がどうなるのか、非常に気になるところです。

 

 

  • 己の“正しさ”を貫いて

 今回もう1つ触れておきたいのが一輝VS工藤の戦い。初登場の6話でも話題になっていた工藤が一輝に復讐(ほぼほぼ逆恨みですが)するために姿を現すシーンには興奮しました。途中銭湯で靴を脱げ!と怒る一輝にズッコケてしまいましたが、因縁の相手との戦いはテンションが上がります。

 そうして「サーベルタイガー・デッドマン」に変身した工藤との戦闘はやはり一輝に向けたエゴイスト発言が印象深いです。「他人の心に共感出来ない」「自分の“正しさ”を他人に押し付けてくるエゴイスト」といった耳の痛い言葉の数々が一輝に突き刺さる様子には正直唸らされました。

 というのもこれまでの一輝の行動を考えると、工藤の言葉が核心をついていることが思えてくるからですね。思い返せば一輝は良くも悪くも「真面目なお節介」というイメージが強く、相手の事情も知らないまま自分の信じる家族の在り方を語って説教し続けてきました。そしてその発言が大二やさくらたちの問題を引き起こしたと思われる面も少なくありません。それ故に工藤の指摘に納得を覚えてしまいます。世間一般の“正しさ”が、必ずしも人のためになるとは限らないことがよくわかる一場面です。

 

 その言葉に一輝が落ち込む中、彼に「好きなようにやればいい」と励ますバイスにこれまた感動しました。上述の通り一輝は真面目なのでこういった言葉にすぐ打ちのめされるのですが、それに負けず自分を肯定してくれる言葉が彼にとってどれだけの救いになっているかは個人的にとても理解出来ます。

 実際一輝のやり方で人を救ったのもまた事実なので、そのことにもしっかり触れてくれるバイスなりの優しさが身に染みてきますね。“正しさ”が人のためになるとは限らないものの、裏を返せば時として人を救うことだってある・・・・・・そんな物事の表裏を描いた良い主人公パートだったと思います。

 

 

 というわけで14話の感想でした。全体的にハードな空気が作品全体に漂ってきて終始ドキドキしながら見ていました。敵味方双方に衝撃が走り、主人公に残酷な本質が告げられる様子がいよいよ悪魔モチーフのライダーが本領発揮してきた、といった感じにニヤリとしてしまいます。各キャラを演じている役者さんの演技や表現力が高いことが感じられる場面が多かったのも素晴らしかったです。

 一方でさくらVS灰谷のシーンは一貫してコミカルで、シリアスな今回の貴重な清涼剤になっていました。特に灰谷がさくらのストーカーと化していて愉快なキャラクターとしてのインパクトが凄まじかったです。11・12話での悪質カウンセラーの姿は影も形もなくなってきましたが、これはこれで面白くていいですね。

 ジャンヌが高校の同級生の間で話題になったことでまともに変身出来なくなったさくらでしたが、最終的にはジャンヌであったことを明かしてあっさり友達に受け入れられる流れも微笑ましいです。まぁこの先何か事件があったら友達に糾弾されそうだな、と身構えていますがシリアス要素もいいですが、こういった見ていて癒されるシーンを今後も忘れずに入れていってほしいですね。

 

 

 そして次回は奪われたギフスタンプを取り戻すため、フェニックスVSデッドマンズの総力戦がいよいよ開幕。まだまだ序盤なのにデッドマンズのアジトで決戦が繰り広げられることに最初驚きましたが、『ゼロワン』もこの時期に滅亡迅雷.netとの戦いが一旦決着していたことを考えると割と普通なのかもしれません。それよりも自分の末路を知らされたアギレラがどんな行動を取るのかが気になってしようがありませんね。年末の戦いは果たしてどうなる!?

 

 

 ではまた、次の機会に。