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気まぐれ漫画簡易感想 その7

 

 超久々となる漫画感想。去年の3月に前回の漫画感想を投稿してから約11か月、長いこと漫画感想を書かないままでした。このままではいけないと思いつつここまでかかってしまったことをこの場で謝罪したいと思います。

 さてこれ以上漫画感想を書かないままでいるのもどうかと思いましたし、僕自身書きたい感想も溜まってきているので、ここで漫画感想を再開して少しずつ書いていきたいと思います。相変わらずいい加減なやり方ですが、読んでいただければ幸いです。

 

 

 

 

というわけで以下、漫画の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

デッドプール:SAMURAI 第2巻(完)

 ジャンプ+で短期集中連載していたデップーの漫画2巻目。前巻の時点で大分やりたい放題だったデップーの活躍ぶりがより加速したかのような内容と化していました。

 サクラスパイダーとねいろちゃんといったオリジナルキャラとチームを組んでからロキとの決着までを描いた完結編となっていましたが、最も濃かったのはやはりVSサノスのエピソード。ハルクすらも圧倒するサノス相手にあらゆる手を使っては返り討ちに遭うを繰り返していく天丼芸には大いに笑わせてもらいました。(クロちゃんとデップーの合体という胸熱展開をやっておいて次話で即ワンパンはひどい)その閉塞した状況を僕のヒーローアカデミア』のオールマイト出演で全てをひっくり返した時はもう唖然となりましたね。堀越耕平先生ノリノリだったろうな・・・・・・

 その後のロキとの最終決戦ではロキが連れてきたウェポンXI・・・・・・ではなくもう1人のデッドプールとすぐに意気投合する流れが印象的。デップーのノリだけでなく、やることなすこと裏目に出て不憫なロキもまた『ディスク・ウォーズ』らしさがあります。(ソーがオタク文化に染まったことでキレるとかこいつお兄ちゃん大好きかよ)ラストの「漫画じゃなくてジャンプ持ってきて」ネタ*1まで出してくるなど、とことん日本ファンがイメージするデップーを引き出してくれていたと思います。

 ただ一点、サクラちゃんとねいろちゃんの2人の活躍が見れなかったことは不満に感じました。せっかく漫画オリジナルのキャラを登場させながら、大した見せ場もなく決戦前に退場させてしまったのは非常に残念です。倫理的にぶっ飛んだデップー&ねいろちゃんにサクラちゃんがツッコむ、という構図が気に入っていただけに余計に惜しいと感じてしまいます。(原作キャラの格を落とさずにオリキャラも活躍させるバランス感覚が難しかったのだろう、と個人的には考えています)この2人は何かしらの形でまた見てみたいところです。

 あとは単行本のおまけの方ですが、こちらは例によってスパイダーマン視点の内容でこれまた面白かったです。前巻のやり取りもあってデップーのことを信頼しかけていた中、ラストのどんでん返しに裏切られる流れには不憫ながら実に愉快でした。日本の漫画らしいオチをスパイディにやらせるのがまた新鮮でしたね。

 

 

ガンダムビルドダイバーリゼ 第3巻(完)

 『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』の外伝漫画の3巻目ですが、思っていたよりもあっさりとした結末となっていました。自身のアイデンティティを少しずつですが獲得していくリゼの物語も、あっという間に終わった印象を受けます。

 最終巻でのストーリーはやはりリゼとテツとの「親子」としての激突が最大の見どころをなっていましたね。自分が他の誰でもない自分自身であることを知っていったリゼが、最後に他人との関係を考えていく内容には一気に見入りました。最初に出会った相手であり、自分を育ててくれたテツを「父親」として認識し、それを超えようとする彼の成長ぶりにはちょっと感動してしまいます。そのきっかけをくれたのがヒロトの父、という展開もまたグッド。

 そしてラストにヒロトに会い、「僕は生まれてきてよかった」というリゼのセリフで終わった時は爽やかな読後感がありました。劇中でヒロトが語ったように、イヴが遺したものが巡り巡ってリゼを生み出した点にもウルッときます。リゼという命の存在をどこまでも丁寧に描き切ったと感じましたね。

 テツの方は「チャンピオンになるかもしれなかった」という過去にまず驚かされました。キョウヤ(チャンプ)やガリュウといった相手の強さに臆して逃げてしまう(チャンプは本編で圧倒的な強さを見せていたので、その強さに恐れた点に納得してしまいますね・・・・・・)というトラウマを抱えながら、それをどう乗り越えていくかがメインで描かれていました。自分よりも強くなりつつある相手に失せかけた情熱を取り戻し、同じように立ちはだかるリゼを迎え撃つまでになっていく彼の激進ぶりも素晴らしかったですね。最後の最後までSDガンダム使いでいた点も好感が持てます。

 一方でその他のキャラの扱い方には消化不良に思えました。ガリュウはリゼとのライバル関係をしっかり描いてみせたのは良かったものの、全体的に各キャラ間の関係が良いせいで問題も起きずサラッと流される場面が多かったように感じます。みんな仲良しすぎるとかえって退屈なので、もうちょっと毒のあるキャラを入れて波乱を起こしてほしかったものです。(「ラクラン」には期待していたんですけど、彼女の問題もあっさり解決してしまったので肩透かしを喰らってしまった気分です)」

 あとは劇中に登場したガンプラですが、個人的に好きだったのがドージの「ドージ刃-X」。リライズ本編にも登場した機体で、兄・オーガの想いをしっかり受け継いでくれて活躍したドージが印象深いです。他にも「パウパド」老師のノーマルハイモックも面白かったですね。テツやチャンプすら尊敬する老師のキャラと相まって素敵なガンプラでした。

 

 

暁のヨナ 第34巻

 こちらも大分久しぶりなヨナの感想。コミックスもいつの間にか37巻まで出ていたことにビビりますが、まずは続きから書いていきたいと思います。

 前巻に引き続きユホンとイルの親世代の過去編が綴られましたが、これがもう辛いこと辛いこと・・・・・・前巻から一転して暴君としての一面を見せてきたユホンと、それに不信感を募らせていくイルのすれ違いは本当に見ていられませんでした。ユホンは家族想いで常に自分の周囲を守るために戦っているのはわかるものの、そのために外敵を容赦なく処する傍若無人は家族から恐れられることにも納得です。イルもそんな兄の真意を理解しているものの、妻を手にかけたことへの疑いを捨てきれなかったというのがあまりにも悲しすぎます。どちらかが相手に歩み寄れれば回避出来たであろう悲劇だっただけに、過去編を読み終えた時は何ともやりきれない気持ちに包まれました。

 一方でイル王が即位してからのやり方には未だに疑問が残ります。彼が戦争に消極的だったのは上述の兄の過激さに対する反動だとも読めますが、それでも不自然な点が多いです。元国の領土が四龍の加護が届かない範囲だった辺り、やはり緋龍王の伝説に関して何かしら重大な秘密を知っていたような気がしてなりません。その謎も早いこと解明してほしいものです。

 そして現代に戻ってからはヨナがスウォンに代わって外交に務める展開に驚愕しました。スウォンの母が遺した手紙を読んで上述の過去を知ったうえで、彼女がどのような感情で彼を助けているのかは正直推し量れていないところがあります。しかし親たちが残してしまったわだかまりを解消するため、託された子世代としてどうにかしていこうという彼女の決意は読み取れますね。どんどん王としての覚悟を決めていくヨナですが、ハクたちと再会を果たせるのはいつになるのか・・・・・・

 

 

デュエル・マスターズ キング 第3~5巻

 こちらも大分溜まっていた漫画版デュエマキングの感想。現在6巻まで出ていますが、とりあえずは3巻から5巻までの感想を書いていきます。

 ストーリーの全体の流れとしてはキング・オブ・デュエマッチ終盤突入、アバクとの決着からジェンドルとの決戦までを扱いましたが、何と言ってもジョーの激動の戦いがメインとなっていますね。仲間を洗脳されてから救い出し、アバクと戦い勝利したかと思ったら、そのアバクが新しい敵に殺される怒涛の展開はまとめて読むと一気に引き込まれます。(月刊連載故の詰め込み具合とも言いますか)特に父・勝太と久しぶりにデュエマ出来たと思ったら、直後に父を殺されるラストは何度読んでも唖然となってしまいます。物語を面白くするためなら人気キャラすら平気で殺す松本大先生のやり方を改めて味わった気分です。

 そしてアバクも本作の衝撃展開に巻き込まれていたのが特徴的でした。何と言っても5巻ラストに掲載された、彼の過去を描いた番外編はショッキングな内容の連続です。信頼していた者に全て裏切られ、周囲が押し付ける「鬼」として生きることを選んでしまった少年の過去は何とも悲しかったです。誰も信じられなくなったからこそ、キング・オブ・デュエマッチで全てを力で支配しようとしていたのだろう、という彼の心情もここにきて理解出来ます。(あとハイドとの関係が漫画とアニメで真逆っぽいのが興味深いところ)力しか信じられなくなったアバクのその後や如何に。

 そんな暗い話のウエイトが大きかった内容でしたが、熱い展開もキチンと用意していたのも良かった点。特にアバクとの最終決戦時は印象深いです。ここぞという場面で助けてくれた旧ジョーカーズに加え、すぐ近くにあった「本当のお宝」を見つけたモモキングの覚醒シーンは何度読んでもテンションが上がります。主君と家臣以上の「ジョーの友達」としての関係に気付いたモモキングは、ここでようやくジョーカーズとして認められたように思えます。他にも1話限りのネタキャラだと思っていたシャルロットのまさかの活躍にも驚かされましたし、最後まで燃える決戦で読みごたえがありましたね。

 

 

 今更ですが、まだまだ読んでいる漫画・読みたい漫画はたくさんあるので、如何にしてそれを消費していくかという課題も見えてきました。娯楽が飽和状態にある現代で、それを追っていく側に体力が求められているのは明らかだと感じます。中々難しい課題だと感じますが、ひとまずは手元の『ちはやふる』を読んでいこうかな、と思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:元ネタは進撃の巨人』の作者・諫山創氏が同作をジャンプ編集部に持ち込んだ際、編集者に言われた言葉とされている。