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マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 Final SEASON -浅き夢の暁- 感想

信じた今日へ

これは、残酷な運命に抗った魔法少女たちの物語

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今年の4月初めに放送された『マギアレコード』の最終章こと第3期をつい先日、ようやく視聴しました。一挙2時間放送だったことに加え、今季アニメのチェックもあってすぐに見ることが出来なかったのですが、こうして見ることが出来て一安心です。

 とはいえかなり衝撃的な展開の連続に情緒を思いっきり破壊されたため、見終わってからしばらくはかなり疲れましたね。1話1話の内容の濃さ、そして結末のことを考えると今でもぐったりしてしまいそうです。今回はそんなマギレコ最終章の感想を1話ずつまとめ、その後総評も兼ねて書いてきたいと思います。

 

 

 

 

 

第1話「僕たちは失敗した」

 1話目はねむの口から語られた過去編。長いこと不明瞭だった謎の全てが一気に明かされ、こちらの疑問を見事に解消してくれていました。ういと灯花、ねむが魔法少女になった理由や小さいキュゥべぇの正体にも納得いきましたし、ここまでスッキリした解答編も中々ないですね。

 そんな過去編ではういたち3人の純粋な想いが歪んでしまったことが印象的でした。妹のために魔法少女になったいろはを今度は自分たちが助けようとする姿にウルッとさせられます。しかも灯花とねむはこの時点から頭脳の高さを披露し、キュゥべぇの誘いにも安易に乗らなかった様子も良かったです。(願いを使ってキュゥべぇの力を奪うシーンには思わずスカッとしましたね・・・・・・一瞬だけ

 しかしういの暴走によって勝確だった空気が一変。描写からしソウルジェムの穢れが予想をはるかに上回ったのでしょうが、彼女たちがここまでの事態を予想出来ていなかった辺りに少女たちの浅はかさを感じずにはいられません。何よりいろはのために始めた戦いがいつの間にか目的を見失った挙句、いろはに危害を加えてしまったことにも皮肉めいたものを覚えます。この少女たちの頑張りを嘲笑うかのような展開に何とも言えないドロドロとした気持ちを抱えてしまう・・・・・・そんな内容の1話でした。

 

 

第2話「やがて消えゆく少女たちよ」

 続く2話ではそんな灯花とねむの悲壮な決意がいきなり目に飛び込みました。2人があくまでも計画を続行したことには最初驚きましたが、今になって思えば彼女たちなりのケジメなのだとも感じます。いろはとういのためというのもありますが、それと同じようにマギウスに救いを求めた魔法少女たちを救おうと必死になっていることは目に見えて明らかです。心の弱い少女たちのために、自分たちだけでも強くあろうとした彼女たちの暴走にこれまた切なくなりました。

 そして後半ではみふゆとももこの最期が・・・・・・みふゆたちが死んでしまったことにはショックを受けたものの、同時に彼女たちの決着も見られたことに安心感を覚えました。かなえとメルの件で負い目を抱き続けてきたもの同士が、同じように苦しむ魔法少女たちを共に救うことでようやく心に折り合いを付けたのだと思います。上述の灯花とねむに続いて、みふゆとももこのケジメが見られて良かったと思いますね。

 

 

第3話「いつまで魔法少女を続けなきゃいけないの?」

 辛い。姉妹の再会に感動していたのも束の間、黒江の物語の結末に心がバッキバキに折られてしまいました。かつて名前も知らない魔法少女を見捨てた過去、そしていろはに対する劣等感と彼女の抱えるネガティブな感情を一気に見せられて、本当に辛かったです。

 何と言っても黒江がどこまでも「普通の女の子」として描かれていたのが特徴的でしたね。願いも平凡なもので、魔法少女としても弱い自分を嫌っていることがこの回だけでこれでもかと伝わってきます。いろはのようなヒーローに憧れる一方でついていけないとわかっているのがまた可哀想で、魔法少女として強くあろうとする彼女に「魔法少女をやめたい」気持ちを吐露するシーンはもう見ていられませんでした。その結果魔女化が彼女が彼女にとって救いになってしまったこと、魔女になる瞬間の晴れやかな表情からは黒江が“正しさ”だけでは生きてはいけない普通の子どもだったということを思い知らされます。

 まぁ黒江に関して色々と鬱屈とした感情を抱いた一方で、上述でも触れたいろはとういのシーンは普通に感動しました。自分を犠牲にしてでも、いろはに手を貸すういの健気さには心打たれます。その理由も大切な友達、そして姉のためと、彼女もまた誰かのためにケジメをつけようとしたことが伝わってきましたね。

 

 

第4話「誰も知らない、私たちの記録」

 そしてやってきた最終話。初っ端からいろはの絶望顔と憎たらしいキュゥべぇの姿に胸を締め付けられましたが、やちよさんたちとの合流を経てすぐさま立ち上がるいろはに安心しました。仲間と一緒ならどこまでも頑張れる辺り、いろはは本当に強いですね。

 この最終話ではやはりいろはの「人と繋がることを恐れない」姿勢が最後まで輝いていたのが印象深いです。灯花とねむに対して本音でぶつかり、アリナの狂気的な計画をも打ち砕く展開にはスカッとさせられました。黒江の時のような失敗を繰り返したとしても、誰かに想いを伝えることを決して諦めないことこそいろはの強さなのだと再認識させられます。(それに応えるかのように魔法少女たちとコネクトする展開も良かったですね。ここまで見せてきたコネクトの要素がここで集約されていったことに興奮を覚えます

 そして決戦後は廃墟に佇むいろはたちの姿が目に焼き付きました。多くの犠牲を払ったものの魔法少女たちの宿命自体は解決されることなく、これからも彼女たちは苦しむことが予想されます。が、それでも立ち上がるいろはたちを見ているとそこまで悲壮感は覚えなかったですね。この先どのような未来があっても彼女たちなら強く生きていけるだろう、という予感がします。

 

 

 というわけでマギレコ最終章の感想でした。果たしてどうなってしまうのかという不安を抱えたまま視聴しましたが、終わってみればキチンと完結してホッとしましたね。メインキャラの死亡も多かったものの、絶望の中に希望を残すかのような終わり方も非常に良かったです。ネット上では本作のラストをバッドエンドと捉える声も多いようですが(というのも原作のアプリ版はすごいハッピーエンドだったそうで、それと比べれば救いがないと思うのも当然かもしれません)、個人的にはかなり真面目なビターエンドだと思います。少なくとも劇中の人物たちが納得したうえで辿り着いた結末ならば決してバッドエンドではない、と僕は考えます。

 

 

 さて簡単な総評ですが、本作は「普通の少女たちの物語」とも言うべき内容だったと思います。本家『まどか☆マギカ』と比べても登場する魔法少女たちの数が多く、その中でも黒江のような等身大の葛藤を抱えた少女たちが目立っていた点が強く目立っていたのが特徴的でした。

 思春期の子どもたちが抱える世界の狭さ、そして追い詰められていく中で「この方法しかない」と考えてしまう浅慮さが実に印象的。深く考えれば違った結末を迎えられたかもしれないのに、どん詰まりにハマっていく様子はどこまでも「普通の子どもたち」らしかったと言えます。(ここまで書くと彼女たち自身の問題だと捉えてしまいそうになりますが、彼女たちは自分なりに真剣に考えてきたのも同時に伝わってくるので、その選択を責めることは出来ません

 それ故本作は「誰かの手を取る」ことをテーマにしていたとも考えられます。みかづき荘のメンバーのように悩みを抱えながらそれを打ち明けられずにいる子の側に寄り添うことで、その哀しみや苦しみを共有していく展開が多く見られました。

 そして手を取る以上に大切なのは手を伸ばすことも同時に伝えていたとも取れます。自分の苦しみを抱えてしまう子どもたちが多く描かれた中、本音をぶつけられた少女たちが救われていく辺りにその重要性が見られます。間違いを回避する方法はとても簡単で、必要なのはすぐそばにいる人に助けを求める勇気だけ・・・・・・そういった若者たちへのメッセージが本作には感じられましたね。

 

 

 では以下、各キャラクターについての所感です。

 

 

環いろは

 本作の主人公。当初は魔法少女としても弱くて普通の女の子みたいだな、と思っていましたが、話が進むにつれ諦めない心と女たらしのスキルを持った強メンタル主人公だということがわかり戦慄しました。魔女やウワサとの戦闘でもどんどん強くなっていくのが目に見えてわかりましたね。

 その強さも基本彼女が他人に対して結構グイグイくる姿勢にあったのかもと、今になって思います。誰かの悩みに負けじと寄り添い、みんなのために戦うからこそここまで強くあれたのかもしれません。コネクトの回数もダントツで多く、本作の「繋がる」要素を象徴する存在だったとも言えますね。

 

 

七海やちよ

 みかづき荘のリーダー格。最早魔法少女と呼ぶにはギリギリの年長者ということもあって頼もしかった反面、脆い要素も抱えていたキャラでした。過去の事件からくる負い目や後悔、そして自分を責めがちな内面は明かされるたびに胸を締め付けられました。いろはを失ってからの荒れ具合からして、仲間への依存度は誰よりも高いのかもしれません。

 だからこそ終盤で救われたことにはホッとしましたね。特に自分だけ生き残るための力だと思っていたものが「仲間の想いを受け継ぐ力」と判明したシーンには感動しました。彼女もまた、いろはとは別の形で「繋ぐ」要素を引き受けていたのでしょう。

 

 

由比鶴乃

 自称「最強の魔法少女」。明るいキャラクターがとにかく印象的で、序盤のいろはとやちよの関係を取り持ってくれる名アシストぶりが良かったです。一方で登場当初からその異様なハイテンションの裏側に何か仄暗いものを抱えているに違いない、とも予想しましたが。

 その予想は見事的中し、2期ではウワサ化してとんでもないことになっていたことにはドン引きしました。最強の肩書きも「自分が強くなければ」という強迫観念からきていてこれまた実にエグかったですね。最終的にはウワサから解放され、弱さを抱えた自分を受け入れられて本当に良かったです。

 

 

深月フェリシア

 オレッ娘魔法少女(そして個人的な推しその1)。メインキャラの中でもかなりの年少ということもあってか、彼女は誰よりも「子ども」として描かれていたのが印象的でした。良くも悪くも直情的で、自分が思ったことに素直な姿は年相応の幼さを感じさせます。

 同時に自分の望みと現実のギャップに苦しむ様子もまた子どもらしかったです。思い通りにいかない出来事に翻弄され、自分でもわからない感情にぐちゃぐちゃになりながら泣きじゃくるシーンは何とも言えない切なさを覚えました。その一件をいろはと共に乗り越えてからは、鶴乃への一喝など一転して頼もしくなったのがまた良かったですね。

 

 

二葉さな

 みかづき荘最後のメンバー。メインキャラでは家庭環境が濃く描かれていたのが特徴的で、そうして願った「透明人間の願い」にも後々苦しめられる浅はかさは何ともエグかったですね。彼女もまた弱い自分に振り回されてきたのかもしれません。

 その後のアイとの友情やみかづき荘の仲間たちに救われるシーンもあってホッとしましたが、その後はどこか影の薄いと感じてしまったところがあります。2期以降共に行動していたフェリシアの押しの強さに隠れてしまったようにも思えますね。それ故メイン回を経てからの扱いには少々不満が残る結果となってしまいました。

 

 

黒江

 アニメオリジナルの魔法少女(そして個人的な推しその2)。上述でも触れましたが、普通で平凡な少女という面で最後に大きな印象を残していったキャラでした。願いであった「好きな人と結ばれる」もとっくの昔に彼と別れて無駄になってしまう辺りが何とも言えません。

 みかづき荘の仲間たちがいろはの手を取った者たちならば、さしずめ彼女は手を振り払ってしまった者。いろはの放つ光に惹かれたものの、その光に焼かれて堕ちてしまった普通の女の子だったと言えます。誰もがいろはたちのように強くはないことを印象付ける・・・・・・そういう意味ではかなり重要な存在でしたね。

 

 

 さて、2020年に始まったアニメマギレコもこれで完結。1期から2期までの長すぎる期間など不安なことも多かったですが、無事に最後までやってくれて何よりです。本家まどマギとはまた違った魅力を引き出してくれたとも思います。

 そしてまどマギのシリーズで次に待っているのが『〈ワルプルギスの廻天』。本家の『叛逆の物語』の正統続編ということもあって期待が高鳴ります。まどマギの世界観でまだまだ楽しませてくれるかと思うと、ワクワクが止まりませんね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

 

↓以下、過去の感想が書かれた記事一覧です。

 

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