新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

仮面ライダーリバイス 第34話「悪魔が悪魔を呼んでいる」感想

悪魔は暗き未来を知る

未来を勝手に決めるとは、某小説家がブチギレる案件ですねこれは・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 絶望に曇る未来

 今回のリバイス「赤石長官無双」とも言うべき、長官側がやりたい放題な内容でした。長官に関しては前回の風林火山の時点でかなり衝撃的でしたが、それに負けないくらいのインパクトを見せてくれましたね。楽しそうに高笑いをする様子などは、これまでの長官の中でも特に悪役染みていたと思います。

 何と言っても朱美さんを「ギフデモス」に変貌させるラストがとてつもなくショッキングでした。何を見せられたのか「人類に未来が見えない」と朱美さんを絶望させたうえ、彼女自身の意志で死なせるよう誘導するかのような所業はかなりエゲつないです。これらを大二を絶望させるために行ったというのですから、実に人が悪いです。まるで「こうなることが人類にとって幸せである」と見せつけてくるかのようです。(ギフデモスがパッと見仮面ライダーみたいなデザインでちょっとカッコいいのがタチが悪いですね)

 

 それはそれとして、前回明かされた赤石長官とギフの契約関係について新たな掘り下げがあったのは大きな収穫でしたね。数千年前の文明の王だった長官は突如現れたギフによって人類の選択を任されたという話は結構印象的でした。(かなり突飛だった分、見入ることが出来ましたね)そのうえで人類は「戦略的退化」をしてギフのしもべになるべきという決断を決めたシーンがとんでもなかったです。ギフに任されたとはいえ、人類の裁定者を気取る長官の傲慢さがここで垣間見えた気分です。というか『ビヨンド・ジェネレーションズ』の50年後の狩崎の様子を見ていると、決断を下すのが50年早い気がしなくもない。人類の未来を勝手に見限った長官には未来の可能性を示す五十嵐兄弟の手によって痛い目を見てほしいところですが、果たしてどうなるのでしょうか・・・・・・

 他にもやはりギフについても気になることが多めです。長官に人類の未来の選定を任せたことといい、その目的がどこにあるのかまだまだ不明瞭ですね。その気になれば人類を力で支配出来ることが今回示唆されただけに、敢えてそうせずに人類側に判断を委ねるやり方に疑問を覚えます。それどころか力を与えてでも自分に抗わせようとするなど、まるで人類の進化を促しているかのようにも思えます。それ以外にも長官の選択とのズレなども見られ、何を考えているのかわからない“超然的”なものをギフから感じ取った気分です。その辺りの謎もその内明かされるのでしょうか。

 

 

  • 寂しがり屋な悪魔の不安

 そして今回もう1つの見どころだったのがバイスの不安や心配が描かれた点ですね。襲いかかってきたベイルから幸実母さんを守るために単身戦う中、ベイルに「悪魔はいずれ人間に捨てられる」と動揺させられるシーンが目に焼き付きました。自分と一輝の関係が終わるかもしれないことにかつてない不安を覚えるバイスの姿がどこか哀れに思えましたね。

 一輝の性格を考えると決して今のバイスを無下にはしないことはわかっているだろうに、ベイルの言葉に揺さぶられる辺りに彼が抱えている孤独のような者を感じ取りました。自分は悪魔だから一輝たちとは最終的には相容れることが出来ない・・・・・・そのようなことを薄々考えていたのかもしれません。その戦いの直後の一輝に縋るような態度も、そんな彼の心配を反映させているように思えます。

 

 上述の件については痛々しく思いましたが、一方でバイスの執着に関してはちょっと微笑ましいと思ってしまいましたね。何と言いますか、以前から一輝に対して「かまってほしい犬」のようなイメージがあると思っていたのですが、今回はその面がより強く表出していました。最初は得体のしれない悪魔としての印象が強かったバイスですが、蓋を開けてみれば案外可愛いところがあると思うとちょっとニヤリとしてしまいます。

 しかしこのバイスの状況自体は何とかしないといけないとも感じました。今回のように一輝に捨てられることに怯えビクビクしたままでは、彼と相棒になったとは言い難いです。戦闘でも力を発揮しきれなかったことからも、2人が対等の関係ではいられなくなっていることも一目瞭然です。バイスには一輝の後ろについていくのではなく、彼の隣で立てる相棒としての自信を持ってほしいところです。

 

 

 今回は主に「何かを諦めている」人たちの姿が見られました。人類はギフに勝てないことを悟った赤石長官は言わずもがな、絶望する朱美さんや不安を感じるバイスなど、人間・悪魔問わず勝手に見切りをつけてネガティブな未来を見てばかりいる印象が強かったです。前作の主人公なら「物語の結末を勝手に決めるな!」と怒るところです。

 全体的に敵サイドによる蹂躙の場面が多く、主人公たちがあまり活躍していなかった点も引っかかります。特に大二に関してはずっとひどい目に遭っているせいで、見ているこちらもフラストレーションが溜まる一方です。ここまで来たからには次回何かしらスカッとする展開を用意してほしいところですが、どうなるのでしょうかね。

 

 

 しかし次回は大二の受難がまだまだ続く模様。それどころかフェニックスの正義に憑かれて暴走してしまいそうな危険性を感じます。五十嵐家にまたもや波乱が起きそうでハラハラしてしまう気持ちが止まりません。

 また新しい仮面ライダーが次回登場する点も気になります。見るからにデモンズとベイルを組み合わせたようなデザインが目を引くライダーですが、誰がこのライダーに変身するのでしょうか。今回の様子や予告の映像からして光くんの可能性が高いですが、果たして・・・・・・

 

 

 ではまた、次の機会に。