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仮面ライダーリバイス 第38話「父と子が紡ぐ!究極のリバイス!」感想

究極を以て

究極を制す

家族の“普通”を守るため、引き合う力今この手に掴む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 俺たちの“普通”の家族

 朱美さんを失い大二との関係に亀裂が入ったものの、ヒロミが来てくれるという意外なサプライズが見られた前回。そのからの再起を目指した今回のリバイスは、これまで何度も描いてきた家族の関係に大きな整理をつける内容になっていました。

 一輝ら五十嵐一家に関しては言うまでもなく元太父さんとのやり取りがメイン。ギフを倒すためのバイスタンプを制作する過程で必要なギフの細胞を、自分の中から取り出すことを提案してくる父に対し、一輝が複雑な胸中を見せるシーンに胸打たれます。元太父さんは自分のせいで家族を危険に巻き込んでしまったことを悔やんでいましたが、一輝は恨み言など一切持たずに自分たちを「普通の家族」だと言い切るのが素敵でしたね。彼らにとっての“普通”は、悪魔が存在していようがいないが関係ないということをここで感じ取れます。

 そして手術シーンで父が死にかけている中、それを止める一輝のシーンが印象に残りました。この辺りは元太父さんの決意を受け止めていたものの、家族を欠けることを良しとしない一輝の優しさを感じましたね。上述にもある一輝にとっての普通の家族は、父を含めたみんながいてこそ、ということでしょう。自分たちにとっての普通のために、戦いも家族も両方選ぶ一輝に感動させられます。

 そしてラストに本来の性格をさらけ出してくれた父さんとそれを受け入れる家族(そして後方理解者面をするぶーさん)のシーンで、一輝が守りたい「家族の日常」を改めて確認した気分です。最強フォームの登場回としてはパンチが弱かったものの、五十嵐家の在り方をしっかりと描いてくれた良回だったと思います。

 

 他にも狩崎親子の関係の方も、前回に引き続き描かれていました。父・真澄の前では感情的になりがちな狩崎が、一輝の説得を経て親子での協力を了承するシーンはこれまた特徴的でした。父親に対する不信感は拭えなくても、一輝たちのためなら力を合わせられるという妥協点を見つけたようで安心します。これをきっかけに、こちらの親子の仲も少しずつ修復していってほしいですね。

 

 

  • 究極の力を身に着けし悪魔の戦士コンビ

 

ギファードレックス!   

   ギファードレックス!

 

ビッグバンCome on!

ギファードレックス!

ビッグバンCome on!

ギファードレックス!

 

アルティメットアップ!

 

あふれ出す熱き情熱!

Overflowing Hot passion!

一体全体!

表裏一体!

宇宙の力無限大!

 

仮面ライダー

リバイ!!!

バイス!!!

Let's go! Come on!

 

ギファー! 

ギファー!!

 ギファードレックス

 

 父・元太が持つギフの細胞を合わせることで完成した「ギファードレックスバイスンタプを押印して変身した仮面ライダー仮面ライダーアルティメットリバイ仮面ライダーアルティメットバイス」。ついに登場したリバイスの最強フォームです。直近のフォームであるリバイスが一輝とバイスの一体化だったのに対し、いつもの2人1組のライダーに戻っているのが特徴的です。これは1つのバイスタンプを2つに分割して使うスタイルであることから、リバイとバイスのコンビとしての完成系に至ったという捉えるべきでしょうか。

 令和ライダーの最強フォームの恒例として、その見た目は非常にシンプル。基本フォームであるレックスゲノムをベースとし、その上に宇宙服テイストのスーツを纏ったかのようなデザインをしています。ピンクとブルーを基調としたカラーリングは派手ながら、装飾はほとんど見られないのでかなりスマートな印象を受けます。何よりリバイとバイスが着ているこの宇宙服スーツのデザインがほぼ同一である点が最大の特徴(胸部のカラーリングやバイスの尻尾は健在などといった違いは差異はありますが)で、この2人が完全なるコンビになったことを意識させてくれます。

 戦闘力に関しては純粋に強化されている模様。バトルスタイルはレックスゲノムの頃とほとんど変わらない徒手空拳ですが、その威力は段違いに向上しています。地面を殴るだけで衝撃で周囲の敵が吹っ飛ぶなどのシーンなどからもその強さが伺えます。さらに磁力の力を身に着けており、味方を引き寄せたり敵を吹っ飛ばすなどしたコンビネーションが見ものです。

 そしてそれらを上回る衝撃を与えてくれたのが分身能力バイスタンプを一度合体させてから地面に押印することで、そこから自身の分身を生み出すというとんでもない能力です。この手の分身は『オーズ』のガタキリバコンボを真っ先に思い出しますが、素のスペックの高さからしてこちらの方がより強力でしょう。(やっぱりガタキリバみたいな序盤のフォームが持っていい能力じゃないよなこれ……)メタ的な話ですが、予算云々の心配がされそうになる能力でもありますね。

 また過去の基本フォームたちの特色であるリミックス変身も備えていますが、このフォームのリミックスは何とバイスがボールになるというぶっ飛んだ変形を見せてくれました。リバイが相棒をオーバーヘッドキックで蹴り飛ばす絵面はとつてもなくシュールですが、一輝のサッカー少年としての面を戦闘に活かしたいい演出とも言えます。このようにすっきりとした見た目に反して驚きの要素が多い、リバイスらしいフォームの終着点だと思いましたね。

 

 

  • 正義を暴走させぬため

 そして今回もう1つの見どころだったのがヒロミのシーンですね。こちらは待ちに待った彼の帰還にそこしれない安心感を覚えました。その後記憶を失っていなかったといった情報*1をさらりと挟みながら、35話で墜落したスカイベースから事前に乗組員を避難させていたことも明かされるなど、重大な情報が次々と明かされて少々驚きを隠せません。「ヒロミっちじゃないみたい!」と失礼なことを言うバイスに同意してしまった……

 そして今回のヒロミは大二を説得しようと動いてくれたのが嬉しかったですね。大二の正義感のルーツ、その1人でもあるヒロミが悩める彼を助けてくれるシチュエーションにグッときます。

 そのシーンでは、ヒロミがこれまでの自分の行動を「正義が暴走していた」と反省している姿が目に焼き付きました。世界を守るために身を粉にして戦ってきたヒロミですが、自分が無茶をするせいで周囲の誰かが傷つくということに気付いたことにこちらも衝撃を受けます。掲げてきた正義は間違っていなくても、仲間たちを省みなければそれは暴走と言えるのかもしれません。ヒロミもようやくそのことを学んでくれたようでホッとしましたね。

 またそれを大二に聞かせる際に、彼の正義そのものを否定していないのがまたいいですね。世界を守るために戦ってきたヒロミだからこそ、大二の今の状況を深く理解しているのがよくわかります。そのうえで大二に、彼を心配している家族のことを思い出させようとするのが素晴らしいです。今回は大二の心に届き切らなかったようですが、ヒロミには今後も根気強く大二を引き留めてほしいところです。

 

 

 さて次回はウィークエンドが反撃に移る中、大二がとうとう一輝たちに牙を剥く模様。いよいよ本格的に兄弟対決が始まってしまうことに不安を抱いてしまいます。また戦力的にも、一輝側が負ける気がしないので返り討ちを受けそうなのが何とも言えません。本当に大二はこれからどうなってしまうのでしょうか。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:記憶喪失の件に関しては仮面ライダーバイス Blu-ray COLLECTIONの特典映像であるスピンオフ『DEAR GAGA』を参照とのこと。