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ウルトラマンデッカー 第2話「決意のカナタ」感想

やるべきことを共に

カナタ&イチカ&ソウマの関係に早くもニヤニヤが止まらない

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  • “モヤモヤ”の共有、使命の遂行

 今回のデッカーはカナタがTPUの訓練生になって1年経過した後からスタート。いきなり1年も話が飛んだことには驚きました(その間スフィアが何もしかけてこなかったというのも不気味です)が、同期の「キリノイチカ」と打ち解けている様子が見られたのは良かったですね。この1年間での出来事も是非知りたくなりました。

 そんな中、行軍訓練中にカナタが怪我をしたことで班長の「リュウモン・ソウマ」と険悪な雰囲気になってしまいますが、その様子を見てカナタとソウマそれぞれの焦りを感じ取りました。カナタは言うまでもなく火星に取り残された両親のことを心配しており、加えて自分がウルトラマンに変身出来る秘密を抱えていることで無茶をしているのが丸わかりでしたね。細かいことは気にしない性格かと思いきや、意外とナイーブなところもあったようです。不安を紛らわせるかのように怪我を押して歩きだそうとするカナタを見ていると、前回と同じ心配をしてしまいます。

 一方ソウマはカナタの怪我を見て早々にリタイアするなど一見諦めが早いように感じますが、その実「GUTS-SELECTに入りたい」という確固たる意志を見せてくれたのが印象的です。絶対にやり遂げねばならない目標があるからこそ、僅かなリスクも回避しようとする姿勢が感じられます。言い方はキツいですが、冷静で合理的な判断は何だかんだで間違っていないと思います。しかしカナタとは絶望的に相性が悪いですね。この2人がその身に秘めている情熱はほとんど同じはずなのに、それでもすれ違ってしまうというのはなんだかもどかしいです。

 

 そんな2人の間に立ってくれたイチカは実に素敵でした。それぞれの気持ちを推し量ったうえで仲裁するやり方は見事の一言。何よりスフィアに対する悔しさや歯がゆさを抱えているのはみんな同じであることを語りつつ、「やらなきゃいけないと思うからやる」という気持ちを伝えるシーンには感動しました。それぞれが抱え込んでいる“モヤモヤ”についてきちんと整理させてくれた彼女の気配り上手には舌を巻くほかありません。

 その後デッカーたちがデスドラゴを撃退した後、3人揃って人々を救助するシーンにさらにグッときました。命令以上にやるべきことをこなそうとする様子を見ていると、何だか胸が熱くなりますね。彼らの根っこにある情熱や使命感がこの協力の中で共有されていることを実感します。主役3人の心情を抱きつつ、共に力を合わせるまでになる過程の丁寧な描写に心動かされる回でした。

 

 

  • “何か”を見据える新たな暴虐竜

 今回登場した怪獣は「破壊暴竜 デスドラゴ」。ご存じの方も多い前作『トリガー』でも登場した怪獣ですね。本作の世界における土着の怪獣としてのポジションが強いので、スフィアが関わってこない怪獣代表として出てきたのは面白いところです。(約8年ぶりにあの世界で出現した地球怪獣がこいつというのもなんだか感慨深いです)

 今回の個体は頭の左右両方に角が生えており(途中でガッツファルコンとガッツホークにそれぞれの角を折られますが)、以前の個体と同じく角から電撃を放って大暴れしていました。カナタが足を怪我していたとはいえ、デッカー相手に圧倒するなど意外と強くて驚きましたね。デスドラゴ単体はいまいち強くないという印象があった身としては、そのイメージを覆す暴れっぷりを見せてくれたのは嬉しい限りです。

 またこのデスドラゴが突然地上に姿を現した理由についても気になるところ。劇中で「“何か”を警戒している」ように威嚇行動を取っていることが示唆されていましたが、こいつは果たして“何”の存在を察知したのか……十中八九スフィアのせいなのでしょうが、それ以外に関してもちょっと考えてしまいますね。

 

 

  • 健気な大牛参戦

 

MONS DIMENSION!

 

 MICLAS!!

 

 そして今回もう1つの見どころだったのがミクラスの登場ですね。『セブン』での初登場以降味方怪獣の代名詞となっているミクラスが「ディメンションカード怪獣」として令和のテレビに復活しました。(『メビウス』の時はマケット怪獣だったように、召喚ツールによって別名が変わるのが面白いです)デッカーと一緒にデスドラゴを押し出したり、そうして倒れたデスドラゴをお尻で踏みつけたりとパワー一辺倒とも言うべきファイトスタイルは相変わらずです。

 そして何といっても、劇中での愛嬌ある姿がキュートでした。ぴょんと飛び上がって両腕を叩きつけるなど、戦う気満々な態度に反して動きがとても可愛らしかったです。ヌボーっとした見た目と相まって、危機感溢れる戦闘時の貴重な癒しになってくれました。あっという間に登場時間が過ぎて帰ってしまいましたが、それでも十分に頼もしかったです。今後のミクラス、そして同じくカードとして登場が期待されているウインダムとアギラの活躍が俄然楽しみになってきましたね。

 

 

 今回は他にも有人飛行になった「ガッツファルコン」と新たなマシン「ガッツホーク」の活躍が印象に残りました。前者はムラホシさんがデスドラゴ相手に何とか善戦する姿が目に焼き付きましたし、颯爽と登場した後者の華麗な援護も光っていたと思います。何よりガッツホークはハネジローテイストのAI「HANE2(エイチエーエヌイーツー)」が遠隔操作していることに衝撃を受けましたね。可愛らしい見た目で声が結構渋いのも興味深いです。(声の担当は何とカクレンジャー』でニンジャブルーを演じた土田大さん!

 何はともあれ、カナタたち3人が無事GUTS-SELECTには入れたようで一安心。今回のラストの時点で、全体的に良好な関係が築けていけそうなことにも安心感を覚えますね。これから始動する新生GUTS-SELECTのメンバーとなった彼らの活躍が実に楽しみです。

 

 

 そして次回はカナタたちがHANE2との連携に苦労させられる様子が描かれる模様。今回のディメンションカード紹介コーナーでもカナタに「何だか固くない?」とツッコまれていましたし、AIとわかり合うのに様々な困難が待ち受けていそうですね。他にもスフィア合成獣となったゴモラの登場、そしてデッカーの新形態の登場と見どころが多そうで楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。