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仮面ライダーリバイス 第44話「全身全霊をかけて、決断の行方」感想

孤独な翼が、影と共に羽ばたくとき

わかり合えた兄弟(大二)とわかり合えなかった親子(狩崎)の対比が地味にエグい

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  • 復活の光と影

 ついにやってきました、大二の本格的な復活回。前回のラストでギフと契約するという暴挙にまで出た時は本当に心配しましたが、全身全霊をかけて説得してくれたヒロミ、そして消滅したかと思われていたカゲロウとの再会のおかげでようやく自分らしさを取り戻していく大二にちょっとウルっときました。元の真面目な一方で、どこか緩くて愛嬌のある大二が戻ってきてくれて本当に良かったです。

 そんな大二の帰還にはやはり“寄り添う”ことが必要だったのが興味深かったです。これまでの感想でも散々書いてきましたが、自分の正義に固執してしまった大二を否定するのではなく、抱えている苦悩に対し真摯に向き合うことが肝要でした。それを今回、ヒロミが見事にやってのけたことに驚きつつも感動しましたね。後戻りは出来ないと語る大二に「変われる」ことを伝える様子は地味ながら良いシーンでした。

 そして大二の涙をきっかけにカゲロウが復活する展開も見事。自分を追い詰めがちな大二にとって、弱音を吐けるもう1人の自分の存在が如何に重要だったのかがよくわかります。カゲロウもそんな大二を弱さを知っているうえで付き合っていたことが散々描写されていたので、彼が色々言いつつも力を貸してくれた姿に違和感を覚えなかったのがまたグッド。もう1人の自分と共に変われる・やり直せることを知り、ようやく大二が羽ばたけたことに感激を覚えます。改めて、迷走に迷走を重ねてきた大二が戻ってきてくれて本当に嬉しい、の一言に尽きる回でした。

 

 

  • 清濁併せ呑む完璧に目覚めし、黒白の聖戦士

 

 

パーフェクトウイング!

 

Confirmed!

 

Wings for the Future!

Wings for the Future!

 

Fly High!

パーフェクトアップ!

 

仮面ライダー!!

エビリティ!!

ライブ!!

 

I'm Perfect!!

 

 大二とカゲロウがホーリーウイングバイスタンプが変化した「パーフェクトウイングバイスタンプを押印して変身した形態「仮面ライダーエビリテライブ」。まさかの登場を果たしたライブのさらなる強化フォームです。復活したカゲロウと一体化しており、実質的にはエビルとの合体形態と捉えることも出来ます。(名前も「EVILYTYLIVE」と、逆から読んでも同じ回文仕様になっているのが興味深いです)リバイスとはまた別の形で、人間と悪魔のコンビの完成系と言っていいかもしれませんね。

 見た目のシルエット自体はホーリーライブと同じですが、ところどころに黒いラインが入っているのが特徴的。アンダースーツの色合いも元のエビルとライブと同じものになった結果、全体的に引き締まったような印象を受けます。さらに背中に大きなマントが付いたことでヒロイック度がアップしている点も見逃せません。

 戦闘ではホーリーライブがさらにパワーアップしたような戦闘能力を発揮していました。アルティメットリバイと共に戦う様子からして、同レベルにまで戦闘力が上がっていることが何となくわかります。加えてエビルのシルエットが共に重なる演出もあり、カゲロウとの一心同体感が出て大二の成長が読み取れましたね。(何気にツーサイドウェポンの2つのモードを使い分けられるようになっているのがここすきポイント)ここまでの流れと個人的に大好物な“光と闇が両方そなわり最強に見える”テイストのおかげで、一気にお気に入りライダーになりましたね。

 

 

  • 傲慢なる魔王、非常なる審判

 今回もう1つ印象的だったのがバイスとギフの会話ですね。ギフと契約しようとした大二と止めたバイスが囚われた形で始まりましたが、会話と言ってもほぼほぼギフが一方的に喋っていたような感じでした。(何気にCV井上和彦さん(前回のドンブラザーズにも出ていましたね)だったのでやたらとイケボです)

 ここまで自分で言葉を出してこなかったので何を考えているのかわからなかったギフが、今回ようやく明確な意思を口にした点は大きな収穫です。前回赤石長官が代弁していた人類滅亡という目的も、「このまま人類が自滅するくらいなら自身で調整する」といった意味が隠されていたのも見逃せないですね。人間の生み出す悪魔(悪意)を食料としている以上、管理して絶滅を防ぐという理由にも納得がいきます。

 しかし五十嵐家の人間に自分の遺伝子が組み込まれていることを話題にしてからは様子が一変。「五十嵐家以外を生き残らせる」という決定を下した時には衝撃を受けました。それ以外の人類を絶滅させて自分の末裔だけを反映させる判断は上述の考え以上に狂っています。人間のことを憂いているといっても、結局のところ自分の思い通りになる存在の身を求めているだけことが何となく読み取れます。

 そのうえ五十嵐家を自分との「家族」と語り、上述のようにバイスの言葉すら聞かずに話を進める様子は相まってとにかく横暴に思えました。人類を愛していると言いながらも見下し、自分の思想のみを一方的に通そうとする姿はさながら傲慢な王です。今回の戦いでアルティメットリバイスが生成したブラックホールに飲み込まれて封印されたものの、決して安心出来ない「言いようのない恐怖」を残していったと思います。

 

 

 他に衝撃的な展開と言えば真澄の死亡があります。ここ最近ずっと死にそうだった彼がとうとう力尽きたこと、予想よりもあっさり逝ってしまった展開には開いた口が塞がらなかったですね。特に大二の帰還という暖かなシーンの合間に真澄の永眠シーンが挿入されたのもあって本当にギョッとしました。

 そして父親の死によって狩崎がまたもや可哀想なことになっていたのも印象的。前回の件もあって父と距離を置いた結果、死に目を見られずに終わってしまった展開は彼にとって実に気の毒でした。特に今回の狩崎はヒロミに「我が命をかけて」の禁じて背中を押す胸熱シーンを見せてくれたので、その後待っていたのがこの仕打ちというのはあまりにも不憫です。わかり合えた結果大二が戻ってきた五十嵐兄弟と、最後までわかり合えなかった父を失ったこの親子の対比とかもかなり残酷に思えます。最近狩崎に同情してしまいがちですが、本当に彼にはある程度の救いが用意されてほしいと思ってしまいますね。

 

 

 さて次回は封印されたはずのギフが復活(知ってた)!しかもバイスが闇堕ちしてしまうかもしれないことが予告映像に示唆されておりびっくり。やっと大二が帰ってきて嬉しいと思っていた矢先、今度はバイスが敵に回ってしまうのは結構ショッキングですね。話の流れからして、バイスがラスボスに回ってしまうのでしょうか?不安なことも多いですが、ひとまず次回を待っていたいと思います。

 

 

 ではまた、次の機会に。