新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

仮面ライダーリバイス 第49話「戦いの果て…残ったのは悪魔だけ」感想

彼は悪魔か、

それとも家族か

残された記憶と想いの、最後の後始末

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

  • 最後の砦と、絆を守りたい青年

 今回のリバイスは、冒頭からぎこちない態度で家族と接する一輝の姿に早くも胸が痛みました。目の前の人たちが家族であることを頭では理解しているものの、記憶がない以上他人としてしか見れない一輝のいたたまれなさがこれでもかと伝わってきます。(家族みんな優しく気を使ってくれているのがなおさら辛い)それ故バイスと共に2人暮らしを始めてしまうのも仕方がないと思ってしまいました。

 買い物や料理などをバイスと共にこなし、就職もした一輝ですが、突然のバイスの暴走によって戦わざるを得なくなるという展開が彼視点だとさらに辛いものでしたね。ほんの十数分前までバカップルかのように仲良くしていたバイスが突然悪魔らしく振る舞っているのですから、動揺と困惑はかなりのものだったと思います。

 

 そして今回は一輝がどれだけバイスのことを頼りにしているかが読み取れるのが重要なポイントだったと思います。一輝のバイスとの契約が終わっていない理由として、彼がバイスも家族として認識している点が劇中で語られていましたが、上述の一輝の状況を考えるとそうなるのも無理はありません。現時点で一輝にとってはバイスしか残っていないので、バイスの存在が心を許せる最後の砦となっているのは当然と言えます。

 そんな砦が自分から暴れ出した以上、一輝がバイスを理解したうえで選べるかが重要となってきます。幸いバイスに関する記憶はあまり失われていないようですし、バイスがこんなことを突然してきたのはわけがあるというのは察せられそうです。ただ後述のバイスの真意を理解したうえで、どういった選択を取るのかが気になるところ。自分のために我が身を犠牲にしようとしているバイスを取るか、それとも今は記憶がない家族や仲間たちを取るか、ある意味で究極の選択に立たされた一輝への期待と不安が止まりません。

 

 

  • 契約の足枷と、自らを壊したい悪魔

 一輝とは別にバイスの視点も描かれたのが今回の特徴。特に冒頭、哀愁漂うバイスの語りから始まったのもあってすぐに彼に同情を寄せてしまいました。契約のせいで一輝を苦しめていることがわかっているうえ、最後の足枷となっているのが自分という二重苦に悩まされる様子が印象に残ります。(一輝にとってバイスは“砦”となっている一方で、バイス自身にとっては一輝への“足枷”という認識なのが面白いですね)

 それ故今回凶悪な悪魔を演じて一輝と敵対したわけですが、やはり痛々しさが目につきましたね。予告の時点でバイスは悪役を振る舞っているのが読み取れたうえ、いざ見てみたら全体的に自嘲的だったので見ていられなかったです。「全部オレのせいなんだよ!」という叫びなど、どこまでも自分を追い詰めている様子が見て取れたので非常に辛かったです。一輝の家族として認められていることが、かえって一輝を本来の家族と引きはがす原因になってしまっていることに耐えられなくなっている……そんなバイスの意地らしくも優しい部分が見え隠れするシーンでした。

  はたから見ると何とも杜撰な茶番とも言える光景ですが、バイスにとってはまさに必死なことが伝わってくる今回の戦い。ここでバイスが悪魔として一輝に討たれるか、それとも家族としての第3の道を模索するかが重要になってくると感じました。一輝とは別に選択を迫られているバイスが取る行動に目が離せません。

 

 

 というわけで49話の感想でした。最終回の前話としては盛り上がりに欠けていましたが、上述のように一輝とバイスの関係に整理をつけるためには必要な回だったとも思いました。そもそもの本筋の戦いはギフ戦やジュウガ戦で済んでおり、今回はその後始末も兼ねたエピローグとして捉えると丁度良いのかもしれません。五十嵐家を含めたこれまでの仲間たちが見守る中での戦いに爽快感はないものの、不思議と目が離せなかったです。(あと余談ですが、先行劇場版などで見せたバイスのアヒル変身が今回また見られたのがここすきポイント

 

 

 そして次回はいよいよ最終回!!一輝の記憶は戻ってくるのか?バイスとの関係はどうなるのか?残っている問題がシンプル故にその解決方法についてが気になって仕方がありません。何よりもう1人の自分でもある悪魔と向き合い続けてきた本作が、最後にどのような答えを示してくれるのかが最大の注目ポイント。1年間楽しんで見たいちファンとして、『リバイス』という物語の決着は絶対に見逃せないと感じますね。待て次回!!

 

 

 ではまた、次の機会に。