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ウルトラマンデッカー 第7話「希望の光、赤き星より」感想

未来を築き、

輝く光と共に

???「久しぶりにアンタと一緒にテレビに出れて嬉しいよマナカケンゴオオオォォォ!!」

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  • 2作品の要素を結集

 昨年の主人公・マナカ・ケンゴを筆頭に前作『ウルトラマントリガー』の要素がこれでもかと登場した今回のデッカー。冒頭から火星の過酷な状況とスフィア相手に果敢に立ち向かうケンゴと仲間たちの様子から始まってテンションが上がりました。そして地球以上に切羽詰まっている火星で懸命に戦う人たちの姿にワクワクする一方で、割とあっという間に地球に突入する展開の速さに驚かされます。スフィアの地球への攻撃が少なかったのも火星側に戦力を集中させていたからなのかな……?といった考察をする暇がないくらい話が進んでいく辺りはどこか去年のトリガーで見られた展開のスピーディーさを彷彿としました。

 トリガーが地球に帰還してからもスルスルと話が進んでいきましたが、カナタらデッカーのメンバーたちとの交流もじっくり描かれていたのが好印象。特にカナタとは同じウルトラマンであることをすぐさま明かし合い、その後も何気ない会話を朗らかに繰り広げてくれるので見ていてとても心地が良かったです。まるで煩わしい要素をさっさと済ませて、楽しい部分をたくさん見せてくれるかのような構成で、視聴者としても見やすくて嬉しかったです。

 その後の戦闘シーンでも、様々なものを詰め込んだトリガーらしさと登場人物の関わりを詳細に描いていくデッカーらしさの両方が感じられました。元々この2作品は作風と言いますか、物語としてのスピードが大きく異なっていたのでどのように絡んでいくのか結構気になっていました。しかしいざ蓋を開けて見ればそれぞれの良さをわかりやすく共存させていたのが大変素晴らしかったです。7話でいきなり展開されたトリガーとのクロスを、見事に魅せてくれたと思います。

 

 

  • それぞれ戦う理由を求めて……

 上述の通りケンゴとカナタのやり取りが微笑ましい回でしたが(ケンゴが他のウルトラマンの話として真っ先に「リブットとのダンス」を挙げていたのがここすきポイント)、その一方でそれぞれのウルトラマンの力の出自、そして「何故戦うのか?」といった話題が上がっていたのも大きなポイントでした。まず序盤から視聴者の興味を引いていたデッカーがどこから来たのかといったことにようやく触れていくのが個人的に嬉しかったですね。ケンゴが出会った謎のユザレらしき女性の件など、デッカーが超古代のウルトラマンではないものの何かしらの関係があることが示唆されていたのが興味深かったです。

 そしてウルトラマンとして戦う理由の話も印象に残りました。「みんなを笑顔にしたい」という目的を初期から一貫して持ち続けているケンゴに対し、カナタは力を手に入れたから人々を守ろうとする、どこか漠然とした面が見られました。力があるなし関係なしに戦う目的を見つけるまではまだかかりそうに感じましたね。「自分に出来ること」を説いてくれるケンゴを見て、カナタにはさらに一歩を踏み出してほしいところです。

 そんなケンゴもカルミラの件を引きずっていたのがまた特徴的。未だに彼女を笑顔に出来なかったと後悔していることが明かされましたが、ケンゴはそれ故に今も戦い続けているのだろうとも感じましたね。救えなかった者の分まで人々を守ろうとする姿勢は良いものの、こちらはこちらで何とも危ういものを感じます。主人公それぞれの悩みがここにきて克明に描かれていたとして、今回のやり取りは今後重要になってきそうですね。

 

 

  • 侵食者をも喰らう復活の邪神

 今回登場した怪獣「邪神 スフィアメガロゾーア」はトリガーのラスボス怪獣・メガロゾーア(第二形態)がスフィアによって復活した姿。本編が始まる前まではてっきりスフィアがメガロゾーアの死体を乗っ取ったのかと思っていたのですが、実際は逆にメガロゾーアがスフィアを取り込んでいるという仮説が劇中で説明されて驚きました。(別名も「○○合成獣」ではない辺り、メインはスフィアではなくメガロゾーアであることが伺えます)元々生物感のないメガロゾーアでしたが、体にスフィア成分が鉱石のように映えたことでより異形の邪神としての雰囲気が増していたように感じましたね。

 戦闘では触手攻撃を筆頭に、元のメガロゾーアが持っていた技や能力を当然のように完備。前作で中々攻撃が通らなかった装甲も、カナタ曰く「ウチの煎餅より硬てぇ!」レベルで健在のようです。他にもスフィア合成獣由来の電波障害を発生させる衝撃波は物理的にナースデッセイ号を落とすまでにパワーアップしていたのが地味に恐ろしいです。トリガーとデッカー相手に若干押されていたので元よりも弱体化している可能性もありますが、それでも十分に脅威として描かれていたと思います。

 何より終盤、トリガーによって付けられた傷口からカルミラが見えたのが衝撃的でした。カルミラの意識がまだ残っていて、今もなおケンゴに対しての愛憎を巡らせていると思うとゾッとしますね。開口一番「マナカケンゴォォォ!!」と叫んでいたのは面白かったのですが。ただ前作最終回で光の暖かさに触れたカルミラがまた闇に堕ちたとは考えたくないですね。今回確認されたカルミラは、あくまでメガロゾーアの死体に残っていた本物のカルミラの残留思念だろうと予想しておきます。

 

 

  • 光の聖剣を携え、今並び立つ2人の巨人

 

ULTRAMAN TRIGGER MULTI TYPE!

ULTRA DIMENSION!

BOOT UP! ZEPERION!

 

「未来を築く、希望の光!!ウルトラマン……」

「輝け……フラッシュ!!」

「デッカーッ!!」

「トリガーッ!!」

 

ULTRAMAN DECKER!!

FLASH TYPE!!

ULTRAMAN TRIGGER!!

MULTI TYPE!!

 

 ついに実現したトリガーとデッカーの同時変身。前作のウルトラマンとの共演は過去作でも見られましたが、同じ世界観を共有している2作のウルトラマンという点では今の時代かなり珍しいです。割と早い段階でそれが見られて、僕個人としてもとても嬉しいですね。

 そんな2大ウルトラマンの戦闘シーンはある意味で予想通り。パワータイプ&ストロングタイプの怪力形態同士の共闘など、ファンが見たかったものをストレートに見せてくれたことに喜びを覚えます。他にもメガロゾーアに攻撃しつつ触手攻撃からデッカーを助けるなど、トリガーが先輩戦士らしい活躍を見せてくれたのも素晴らしかったです。触手に巻き付かれてピンチの後輩ウルトラマンを先輩ウルトラマンが助ける構図はまるでウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』のオマージュだと感じましたし、短いながらも素敵な共演が見れたとつくづく感動しました。そして…………

 

DUAL! STAND BY!

BOOT UP! DUAL SWORD!

 

DUAL SWORD!!

 

 ケンゴがユザレ(?)から受け取った新たな武器「ウルトラデュアルソード」。赤と金を基調とした剣で、トリガーが使う剣型武器としてはサークルアームズ、グリッターブレードに続き3本目。それらの武器が剣としては独特の形状をしていたのに対し、こちらは如何にも剣らしい細長い見た目に仕上がっているのが特徴的です。

 そんなデュアルソードですが、いざトリガーが使ってみたらスフィアメガロゾーアに傷をつける強さを発揮していて驚愕しました。剣を使い慣れているトリガーの実力もありそうですが、新武器として申し分ない破壊力です。そのうえさらにもう1つ、デッカーが使った場合も控えているので、次回もこの剣の活躍に期待がかかります。

 

 

 さて次回は謎の植物が突如として出現する模様。夢の世界に引きずり込むという特性から『ティガ』に登場したギジェラっぽいのですが、予告でルルイエである可能性が語られていてびっくりしました。前作では如何にも怪しい植物だったものの最後まで害のないケンゴの「希望」であり続けたルルイエが、今になって人類の驚異になってしまうのでしょうか。長いこと張り続けていた伏線回収としては中々にエゲつないです。

 その他は予告映像にユナが映っていたのも気になりますね。今回のアキトのセリフからユナが地球に残っているのはわかっていたので、早くも再登場してくれるのは嬉しいです。実質トリガー2期になりつつある展開に、次はどうなるのかというワクワクドキドキが一気に押し寄せてきたように思えます。

 

 

 ではまた、次の機会に。