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ウルトラマンデッカー 第8話「光と闇、ふたたび」感想

いつか眩い光の中で

命に勇気を灯せ今 引き金は僕だ

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  • その笑顔のために手を伸ばす

 前回に引き続き、トリガーとの共演が展開されたデッカー第8話。今回は冒頭から謎の植物・ギジェランによる被害が発生していましたが、それ以上にケンゴが表情を曇らせていたのが印象的でしたね。前回の戦いでカルミラも復活していたことに関して悩んでいたら、さらに上述の植物がルルイエではないか?という疑惑を募らせていく様子が見ていて辛かったです。

 カルミラの件を引きずってただでさえ落ち込んでいたところに、自分が育てたルルイエが人々を困らせているかもしれない可能性が出てきたら苦悩してしまうのも無理はありません。人々の笑顔のためにと思って取った行動が裏目に出たかのような結果は、ケンゴにとってはさぞや酷だったことでしょう。


 しかしユナとの再会や彼女によるルルイエの説明を経て、再び立ち上がってからは視聴者がよく知る不屈のケンゴが戻ってきて嬉しかったです。メガロゾーアの中にいるカルミラを救うために何度倒れても立ち上がり、手を差し伸べるトリガーの姿は非常にカッコよかったです。「みんなを笑顔にしたい」という想いをどこまでも貫き続けるケンゴらしさは何だかんだで見ていて安心感を覚えましたね。

 そしてデッカーの助けもあってカルミラの救出に成功してからは、何と彼女も加わった3人での戦闘シーンに突入!これには本当に驚きました。カルミラが救い出されてから即力を貸してくれる流れは一見すると唐突のようにも思えますが、前作最終回のやり取りを考えると「光と闇双方の素晴らしさを知った」彼女の行動にも納得がいきます。何より長いことすれ違っていたケンゴとカルミラがこうして共に戦ってくれるだけで細かいことはいいんだよ!!とばかりに興奮させられますね。

 戦いを終え、ケンゴが火星にいったん戻るシーンでもカルミラの登場に驚かされました。しかも彼女がダーゴンとヒュドラムのことを忘れていなかったのが良かったです。2人ともカルミラが殺したようなものですが、彼女らにようやく安息の時が訪れるかと思うとホッとさせられますね。(このままカルミラに火星にまでついてきてもらってスフィア打倒に協力してほしいところですけど、まぁそこまではいかないんでしょうね……)トリガー本編で残された憂いが解消され、前作をしっかり見ていた身としても非常に満足のいく結末でした。

 

 

  • 本当の戦いはここからだ!

 ケンゴ関連の話がすっきり終わった一方で、また別のすっきりした展開を見せてくれたのがカナタ関連。前回に続き、目標がはっきりしている先輩ウルトラマンを前にして「自分は何をやるべきなのか?」と悩む様子が描かれていました。前回の感想でも書きましたが、カナタはウルトラマンの力を手にしてから戦う決意を固めたので、まだまだ自分の目的が漠然としているのかもしれません。ウルトラマンになる前から果敢に戦う雄姿は見せていましたが)

 面白かったのがギジェランの花粉によって夢の世界を見せられたシーンですね。実家の煎餅屋が繁盛している光景はまだわかるのですが、お客さんがGUTS-SELECTの仲間たちそっくりだったのが腹筋に悪かったです。(関西弁のソウマが地味にじわじわくる)ただカナタにとっての幸せが仲間たちとこうした素朴な日々を過ごすことだと思うと、彼の庶民的な感性にどこかほっこりさせられます。本当はウルトラマンや怪獣、スフィアなど関係のない日々を送りたいのかもしれません。
 しかしその夢に疑問を投げかけて脱出し、その後の戦闘でもカルミラ救出の手助けをするなど、ひた向きな意思で戦い抜いたカナタに思わず顔が綻びました。自分がやりたいことややるべきことについてはまだまだわからない、答えなんて見えないけど、目の前のケンゴの力になりたい……そんな姿が輝いて見えましたね。頑張る人の背中を押そうとする、カナタらしい真っ直ぐな善性が表れていたと思います。

 結局今回はカナタ自身の答えは出なかったのですが、その分とっかかりのようなものをが描かれていたのは大変良かったです。ケンゴとの出会いを経て、ほんの少しですが彼も一歩踏み出せたことが伝わってきます。ケンゴからウルトラデュアルソードを託されたことですし、この先カナタだけの答えが見つかることに期待したいですね。???「このウルトラデュアルソードをお前に預ける。いつかきっと返しに来い、立派なウルトラマンになってな」

 

 

  • 偽りの幸福をもたらす誘惑の花弁

 前回登場したメガロゾーアに加えて、今回カナタとケンゴたちを大いに困らせた「超古代植物 ギジェラン」。『ティガ』に登場したギジェラと『ウルトラQ』のジュランを掛け合わせたような名前をしていますが、実態は見た目は後者、その性質は前者のイメージさせる植物怪獣でした。花粉を吸った人間に幸福な夢を見させるという特徴を備えており、しかも夢に囚われた人間たちを操って自分を守らせることで成長していたことに驚かされましたね。ただ単に夢へと誘うだけでなく、人間を意のままにする辺り非常にタチの悪い相手と言えます。

 そんなギジェランですが、前回の時点でルルイエそっくりであることが示唆されていたのが印象的。しかしルルイエとギジェランは別、ケンゴは超古代のギジェランの記憶をもとにルルイエを作り出したことが説明されてホッとしました。前作でケンゴたちの「希望」であり続けたルルイエ自体は恐ろしい植物でも何でもなくて本当に良かったです。

 また超古代ではギジェランは薬として使われていた事実がユナによって説明されていたシーンも興味深かったです。なるほどこの能力事態は確かにリラックス効果がありそう、と思いましたね。ケンゴがルルイエのモデルとして無意識にギジェランを選んだのも、元は人々のために役に立っていた記憶からきているのだと思うと納得がいきます。今回ギジェランが復活したのはメガロゾーア(カルミラ)によって花粉の化石が飛び散り、それがスフィアの影響で成長させられたのではないかと考察されている点がまた面白いです。あくまでギジェランは、闇の巨人やスフィアに振り回されてしまっただけなのかもしれませんね。

 

 

 というわけでデッカー8話、もとい『ウルトラマントリガー』完結編の感想でした。前回の時点でトリガー要素が強めでしたが、今回はその上をいくものを見せてもらったような気がします。トリガー本編では哀しいままで終わった結末や肩透かし感のあった設定を回収しつつ、非常に燃える内容を見せてくれたことには感謝するほかありません。前作からしっかりと見続けて、本当に良かったと思います。

 戦闘シーンも例によって大迫力でしたね。スカイタイプの超高速戦闘とデュアルソードの圧倒的な破壊力を見せつけたトリガー、ミラクルタイプの念動力でメガロゾーアの中のカルミラを引っ張り出したデッカーと、それぞれの見せ場がしっかりと用意されていたのが素敵でした。極め付きは上述のカルミラを含めた3巨人の共闘!これに加えてグリッタートリガーまで見られて感無量の一言です。(上のデッカーの活躍中は「Wake up Decker!」、その後の3巨人の戦闘では「Trigger」と、活躍しているウルトラマンに合わせてそれぞれのOPを流す演出も最高でした

 主役であるデッカーの影が薄いように思えるところもありましたが、その分今後の活躍に期待出来る布石を張ってくれたので決して不遇とは感じませんでしたね。むしろ先輩の意思を次いで戦う現行ヒーローのその後が楽しみになってくる回でもありました。

 

 

 そして次回は謎のグレゴール人・グレースが登場!予告映像ではプロレス感溢れる様子でレッドキングと戦う様子が描かれており如何にも愉快そうなイメージを抱きますが、人間としての姿が素朴そうなおじさんというギャップに早速やられてしまいました。しかも同僚(?)の少女と一緒に特訓をしている様子もあって実に微笑ましいです。

 そんなグレースがデッカーに試合を申し込んでくるとのことですが、果たして彼の目的や如何に?さらに上のレッドキングが今度はスフィアの餌食になるようですし、次回もまた大変な展開が待っていそうな予感がしますね。

 

 

 ではまた、次の機会に。