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仮面ライダーギーツ 第2話「邂逅Ⅰ:宝さがしと盗賊」

己の戦う理由を探して

容赦なく襲い掛かる急展開と主人公の描写にいきなり情緒が乱される……!

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  • 理由を見つける臆病なタヌキ

 インパクト抜群の始まりとなった1話に続き、今回も中々に衝撃的だった仮面ライダーギーツ。「仮面ライダーギンペン」こと「平孝人(たいら・たかひと)」がさらなる脱落者として描かれたことには度肝を抜かれました。主題歌の映像にガッツリ映っていることからすぐには退場しないだろう……とタカをくくっていただけに意表を突かれた気分です。前回退場した豪徳寺や今回描写される暇もないまま脱落された参加者たちと比べても、「息子の病気を治す」目的といった人物の掘り下げがしっかりされていただけに、この容赦のない展開にはショックを受けましたね。この調子だと残り6人もあっさりと退場しそうで怖くなってきます……

 

 そんな慈悲なき戦いの中、「仮面ライダータイクーン」となって困惑と悲しみに包まれていた景和にスポットが当たっていたのが今回のポイント。わけもわからないままデザイアグランプリに駆り出され、戦う理由を見出せずにいる様子が描かれていました。そもそも明らかに命がけのゲームを前にして、いきなり戦えというのも酷な話なので景和の腰が引けた姿には同情を覚えましたね。加えて現状の生活(就活問題を除く)に満足している彼にとって、ゲームの商品もそこまで魅力的には映っていないのだと思います。

 それでも前回面接で出会った平とのやり取り、そして脱落を経て景和が明確な目的を手に入れていく流れは興味深かったです。他の参加者が少なからず叶えたい願いを持って戦いに臨んでいることを知り、自分も「脱落者を生き返す」という願いを目指すようになるラストは前向きで良かったと思います。世界平和など漠然とした願いのみを語っていた前回の景和には不安を覚えましたが、今回の少しだけ前に進んだ姿には期待が持てますね。(どこまでも他人のために奮い立とうとする点にも好感が持てます)今回のミッションでは後述の英寿に騙されるなど散々でしたが、これから奮闘していくであろう景和の今後の成長が楽しみです。

 

 

  • 真意を見せぬ名無しのキツネ

 今回の景和とは対照的だったのが主人公の英寿。冒頭から「スター・オブ・ザ・スターズ・オブ・ザ・スターズ」などという無駄に長ったらしい肩書きでチヤホヤされている光景を見せてきたので唖然となりました。前回のゲームの優勝者になって叶えた願いがこれだと思うと、何だか脱力してしまいそうになります。キザな態度も相変わらずです。

 しかも今回は景和に「恵まれない子どもたちのために戦っている」という嘘をついてブーストバックルを奪うというダーティプレイまでしてきたので余計に驚きました。当人曰く「狐は人を騙す動物って昔から相場が決まってる」とのことですが、もっともらしいことを言って善人を騙す、そんなおよそ主人公らしくないやり口にはちょっと引いてしまいます。

 かと思いきやゲーム終了後に平の息子の治療費を寄付する謎の行動を取ったので困惑が止まりません。露悪的に振る舞っているだけで、上の子どもたちのためという言葉は嘘ではないということでしょうか。そう考えると景和への態度もお人好しはこのゲームでは勝ち残れない、と忠告してくれているようにも見えます。英寿は案外面倒見のいい性格なのかもしれませんね。

 とはいえ英寿が何を考えているのか、その真意はまだまだ見えません。彼が何度もデザイアグランプリに出場している理由、そして今回の願いについてなど、気になることはとても多いです。願いは曖昧ながらも性格がわかりやすい景和に対し、明確な目的を持っていること以外何もかもが不明な英寿……第2話から早くもこちらの視点とは異なる存在になり始めたこの主人公に俄然興味が湧いてしましたね。

 

 

  • へっぽこ水鉄砲でも、それ以外でも使い方次第?

 

ARMED HAMMER!

ARMED SHIELD!    

ARMED ARROW!   

 

 今回ナーゴたちが使用した「ハンマー」「シールド」アロー」レイズバックルは名前の通り、それぞれハンマーと盾、そして弓矢を武器にして戦う形態。しかし前回ギーツが使用したマグナムとは違い、劇中で「ハズレ」呼ばわりされるという、ちょっと不遇な扱いでした。*1

 確かに装着後の見た目もエントリーフォームに胸と肩のプロテクターを加えただけとなっており、マグナムの外装と比べてもいささか頼りないイメージが強いです。とはいえ上位アイテムに劣るだけで武装としては十分に使える部類なのではないかと思います。前回登場した豪徳寺もアローのみで半年間戦い抜いてきたようですし、このゲームはアイテムの質よりも当人の技量が大切なのかもしれません。(僕自身この手の低レアユニットにある程度価値を見出したい派なのでついついそういうことを考えてしまいます)

 

SET.    

    SET.

 

DUAL ON!

 

BOOST!

ARMED WATER!

 

READY FIGHT!!

 

 そして今回ギーツが「ウォーター」レイズバックルとブーストバックルをデュアルオンして変身した派生形態「アームドウォーターブースト」。こちらも他のアームド系と同じく軽装ですが、ブーストのおかげでいくらかゴツくなっています。リボルブオンした「ブーストアームドウォーター」がこれまたカッコいいですね。

 戦闘に関してはウォーターの水圧がまず印象的ですね。高圧水流を発射して戦うタイプかと思いきや、水の勢いが弱すぎて鉄砲の柄の部分で殴った方が早いという有様には笑ってしまいました。(それでもある程度戦えていたのは英寿の戦闘技術の賜物でしょうか)

 しかし水源を確保さえすれば上述の予想通りの威力を発揮していたので、本来は水辺で防衛戦を行うための武器なのかもしれません。ブーストとの組み合わせでも水流とブーストが合わさった威力で「ルークジャマト」を撃破していましたし、どのバックルも使い方次第、といった言葉が頭に浮かんできました。いずれにせよ、他バックルの活躍にも期待がかかりますね。

 

 

 本編の濃い内容に気を取られそうになりますが、今回本格的にお披露目された主題歌の方も素敵なポイント。「Trust・Last(トラスト・ラスト)」と銘打たれた本曲は、倖田來未×湘南乃風という異色のタッグによるK-POP感溢れるテンポがたまらない曲でした。倖田氏と湘南乃風の皆さんのパートがそれぞれはっきりしていて聞きやすいのもグッドです。

 あとはやはり映像に関しても意味深で気になる要素が多かったですね。映像の冒頭からずっと有刺鉄線が絡みついている英寿やツムリが英寿に銃を向けているカットと、主人公を中心とした映像が目を引きます。曲のクライマックスで彼が鉄線を引きちぎる瞬間は何を意味しているのかなど、例によって思い付きで入れた映像なんだろうなぁと思いつつ早くも深読みしてしまいますね。ひとまずは何ともワクワクさせられる主題歌、といった感想です。

 

 

 そして次回は第2のゲームが開催。ゾンビがテーマのようですが、そもそもジャマトがまた別の装いになっただけだと思うとあまり変わり映えしないなぁ、とつい考えてしまいます。それともゾンビらしく、噛まれると感染してしまうといった要素とかがあるのでしょうか。

  また祢音の願いなど、他参加者の掘り下げも為されていく模様。特に今回のゲームで他よりも一歩リードした牛とパンダが手を組むという展開にワクワクさせられます。絶対に上手くいかないであろうことを予感させるこの同盟関係、果たしてどうなっていくのか注目が止まりませんね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:最もハズレと呼ばれたのは英寿が手に入れたウォーターとシールドのみであるが。