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仮面ライダーギーツ 第3話「邂逅Ⅱ:ゾンビ狩り」感想

生き残るか

破壊するか

最早誰が生き残るのかわからなくなってきたぜ

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  • 自分の幸せを手にするため

 景和のモノローグ、もといボイスメモから始まった今回のギーツ。前回脱落した平のことについて重く受け止めている景和の様子に早速エグいものを感じました。表向きは行方不明になっていることにやりきれなさに覚えましたし、消えた参加者たちの行方について聞かれたツムリの「それはジャマトしかわかりません」発言にはつい疑いの目を向けてしまいます。本当かー?本当に知らないのかー?

 

 それはともかく、第2回戦のゾンビサバイバルゲームでは他参加者の願いとゲームに関してのスタンスのようなものが描かれていました。何と言っても「仮面ライダーナーゴ」になった祢音の掘り下げが興味深かったですね。ここまではオチャらけた感じでゲームを楽しんでいるイメージが強かった彼女ですが、その実自分のための戦いにはかなりシビアであることが伺えました。デザイアグランプリにはかなり意欲的ですし、景和の励ましに「気持ちだけで何とかなると思ってるの」と返す一面などが印象に残ります。この発言からして、彼女なりに真剣にゲームに勝ち抜こうとしているのでしょう。

 それもこれも「自分の置かれている状況から逃げ出したい」という願望からきているのがわかります。厳しい家柄に生まれた故にやりたいこともまともに楽しめないことから「運命の相手と出会える世界」のために戦っているというのは割と納得がいきました。ただ願いに関しては疑わしいところで、後述の奏斗の願いの描写があっただけに、自己申告に過ぎない祢音の願いがどこまで本当なのかとつい考えてしまいます。

 勝ち上がるために貪欲でいることと家庭環境から考えるに、本当は「誰かに助けてほしい」と思っているのではないでしょうか。1人で戦うしかないことを知りつつも、彼女自身知らないうちに助けを求めているように見えてなりません。まだまだ憶測にすぎないのですが、祢音の抱えているものに関しては一気に気になってきましたね。

 

 

  • 他人の幸せを壊すため

  祢音の他にも各参加者のデザイアグランプリに対する意気込みが見られたのも特徴的。相変わらずゲームには懐疑的で人助けを優先する景和に口は悪いものの1番真面目に戦っている気がする「吾妻道長(あづま・みちなが)」、そして馴れ馴れしい態度とボーナス狙いの打算的ムーブを見せる「小金屋森魚(こがねや・もりお)」と、いずれも一癖も二癖もある面子ばかりで嫌でも目に焼き付きます。

 中でも英寿は今回、各々の戦いへの姿勢と願いに関して肯定している素振りを見せていたのが印象的でした。ゲームや個人そのものには善悪関係なしに受け入れてくれるスタンスなのでしょうか。(それでいて「最後には俺が勝つ」ムーブをかましてくるから実に厄介ですこの主人公)

 

 そんな中強烈なインパクトを残してくれたのが「仮面ライダーダパーン」こと「墨田奏斗(すみだ・かなと)」。祢音への嫌悪感を隠さなかったりする前半はまだ可愛かったのですが、第2ウェーブで彼女を罠に嵌めてきた時は驚きました。ゲームに勝ち残るために参加者を裏で狩る輩が出てくるだろうとは予想していたものの、気に入らない相手を葬るためにそれを行ってくるとは思いもしなかったです。相手プレイヤーへの直接攻撃でペナルティ(ポイント減少)があってもお構いなしな辺り、ゲームに勝ち残る気が全くないことがわかって恐ろしく感じましたね。

 それもこれも奏斗の事故でバスケが出来なくなった過去が関係していたことが明かされたことで色々と腑に落ちました。自分の全てだと思っていたものを突然奪われた絶望と、恵まれている他人への嫉妬で感情が爆発している様子はかなり痛々しかったです。その結果もう1度バスケが出来るようになる世界ではなく、「人類が滅亡した世界」を望むほどに歪んでしまったという過程にも何となくですが納得がいきます。自分の世界(バスケの道)は既に壊れてしまったからこそ、彼は他人の世界を侵害することでしか自分を満たせなくなっているというわけですね。

 これに関しては完全に逆恨みでしかないのですが、個人的には奏斗の若者らしい「狭き自分の世界」に対する浅慮さにはある程度の同情を寄せてしまいます。この歪みっぷりはかえって放って置けなくなりますね。(こういう「狭い視点と浅はかさを抱えながらも、自分なりに一生懸命考えた結果間違えてしまう若者キャラ」が好きなもので……)自分がゾンビに噛まれても関係ない、祢音たちを道連れに出来ればそれでいいとばかりに自暴自棄に陥っている奏斗の運命に関して目が離せません。

 

 

  • 狂った世界を切り裂く斬撃の力

 

SET.

 

ZOMBIE!

 

READY FIGHT!!

 

 大型の「ゾンビ」レイズバックルを装着して変身する「ゾンビフォーム」。デンジャラスゾンビィ……との関係はない。ギーツ及び道長が変身する「仮面ライダーバッファ」が主に変身していた形態です。紫をベースにオレンジ&ピンクの縁取りがなされており、かなり毒々しい見た目の装甲になっています。巨大なツメが生えた左腕に両肩のニードルなど、全体的に刺々しいシルエットに仕上がっているのも特徴的です。今回の前半まで使用していたバッファは同じ紫系統ということもあってかなり似合っていましたが、今回のギーツが使用した場合の白と紫の対比もまた悪くなかったですね。

 戦闘では左腕のツメや専用装備「ゾンビブレイカ」を使用した近接戦がメインとなる模様。中でもゾンビブレイカーはまんまチェーンソーの形状をしているため、敵ジャマトをバッタバッタと斬り倒したり必殺技で溶かしたりするシーンのエゲつなさが印象に残ります。他にもギーツがリボルブオンでゾンビの装甲を下半身に寄せた場合の必殺技が、周囲に墓のエネルギーを発生させて相手の身動きを封じてからのキックという絵面だったので思わず吹き出してしまいました。さながらゾンビ映画の主人公の如き荒々しい戦いぶりでしたね。

 

 

 そして次回は今回のゲームの続き、ゾンビサバイバルの第3ウェーブがいよいよ開始されるとのこと。何よりもゾンビ化の危険性がある祢音と奏斗の安否が気になって仕方がありません。予告を見る限りだとどちらも諦めかけているようですが、果たして誰が生き残ることになるのか……一方でバッファのマグナムフォームやナーゴのブーストフォームなど、既存のライダーとフォームの組み合わせがバンバン見られそうな点も結構楽しみですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。