兵器の危険性、希望への奮闘
【速報】カナタ青年、人間サイズの変身には慣れていない模様
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- 希望と信じて戦い続ける
前々回から言及されていたGD001もとい「テラフェイザー」の輸送シーンから始まった今回のデッカー。どこかで見たような本格的な輸送の描写と、そこに突如襲来するガゾートと、初っ端からこちらの度肝を抜いてくるような映像に一気に惹かれました。これらの異常事態とも取れる光景から、テラフェイザーがただのロボットではないことを否が応でも印象付けられます。
その後もライバッサーが襲撃するなどとにかく怪獣を呼び寄せるテラフェイザーへの疑惑も立ち込めてきた中、劇中でムラホシ隊長とカイザキ副隊長がそれらをしっかり言及してくれたのが良かったですね。スフィアの存在を感知して暴れたゴモラたちを例に挙げて「自分たちにとっての脅威を狙っているのではないか?」という考察をする様子は中々に興味深かったです。前々作のD4レイの件もありますし、人間が行き過ぎた力を手にしてしまう危険性をどう描くのかに注目が集まります。
それはそれとして、今回は予想よりもコミカルな描写が多く見られたのが最大の特徴でした。視聴者の不安をよそに、演習現場でテラフェイザーに期待のまなざしを寄せるカナタたちが印象に残ります。特にロボットだからと熱くなるカナタ&ソウマの男子2人には思わず顔が綻んでしまいます。それ故テラフェイザーの危機にも果敢と立ち向かい、必死に頑張る彼らの姿が目に焼き付きました。ただハネジローをラグビーが如くパスしまくるのシーンとかはちょっと変な笑いが出てしまいます。
何よりハネジローに並んで今回のMVPとなったアサカゲ博士が素晴らしかったです。テラフェイザー再起動のため、必死にハネジローを運ぶ姿に感銘を受けます。運動が明らかに苦手そうなのに走り回ったり、コックピットへの衝撃を省みない辺りもまたこの人なりの賢明さが感じられました。初登場から醸し出している不穏なオーラはまだ残っているものの、自身の「希望」であるテラフェイザーへの情熱、そしてカナタたちへのポジティブな評価のおかげでいくらか払拭出来たのではないかと思います。今後の展開次第で何かとんでもない行動に出てしまう可能性もありますが、ひとまずはアサカゲ博士の善性を信じてみたいところです。
- 起動するクロガネの機神
というわけで今回活躍した「電脳魔人 テラフェイザー」について。TPUが対スフィア用に開発した人型ロボット兵器ですが、その黒いボディとゴテゴテとした見た目はカッコよさと不気味さの両方が感じられます。無機質さも相まって、元ネタであろうデスフェイザーに対する不安のようなものを抱いてしまいますね。
しかしハネジローが搭載されてからの本格的な戦闘では見事に活躍してくれたのがグッド。肉弾戦やビーム兵器、右腕のクローアームといった武装と能力がいずれも強力だということが一目でわかりました。中でも最大の特徴である「TR粒子」の散布が特徴的で、この粒子で敵の電撃を防いだり自身のビームを曲げたりするシーンには衝撃を受けました。特撮でここまで強い粒子というのも珍しい気がするので、余計に興奮させられますね。今回はオーバーヒートで使えなかった「TRメガバスター」にも期待させられます。
登場前から何かと不穏だったテラフェイザーですが、ひとまず今回は人類の新たな希望として活躍してくれたので一安心。まだまだ油断は出来ませんが、今後の活躍にも注目していきたいですね。
- 雷鳴轟かせ、舞い上がる翼
ガゾートの次に姿を現した怪獣「稲妻怪鳥 ライバッサー」。その見た目からして、『オーブ』に登場したマガバッサー及び『R/B』に登場したグエバッサーの亜種と思われる鳥怪獣です。金色の体表がこれまでのバッサー系怪獣とは大きく異なる印象を抱きますね。また角に巨大なツノが4本も生えているのが面白いです。
戦闘では名前の通り電撃を操る模様。しかも雷雲付きの小型台風まで引き起こすのだから驚きです。これほどの規模の災害を引き起こせる辺り、かなり強力な怪獣なのでしょうね。突風を起こしたりそのまま打撃にも使える巨大な翼も中々に厄介そうです。
加えて「ヒナバッサー」という小型の個体まで出てきたことがちょっと衝撃的。名前からして、こちらはライバッサーの雛であることがわかります。いくら小さいとはいえ、これほどの怪獣なら人間大のサイズでも十分に怖そうだと感じました。実際劇中では数の利を活かしたことも含め、ライバッサー自身よりも難敵になっていた気がします。
- なんか小さくてウルトラなやつ
今回もう1つの見どころとして挙げられるのが等身大のデッカー。ヒナバッサーに捕らえられたカナタがカッコよく変身したと思ったら、まさかの人間サイズでの変身だったことには思わず吹き出してしまいました。ウルトラマンデッカーならぬ「ウルトラマンチッサー」ですねこれは……変身した当人の反応からして、このサイズは予想外だったっぽいのがまた笑いを誘います。
イチカたちにジェスチャーで説明するシーンもコミカルでしたが、協力に入ってからは一転して彼らの連携に惚れ惚れさせられました。ソウマが倒れたデッカーに手を差し伸べるシーンにはテンションが上がりましたし、イチカの「たまには私たちもデッカーの力にならなくちゃね」という言葉にもウルっとさせられます。ウルトラマンに頼りすぎず、むしろ助けようとする気概を見せてくれる展開は個人的には大好物です。ウルトラマンと人間が文字通り肩を並べて戦う様子は底知れない喜びを覚えます。
その後デッカーが巨大化してからの戦闘も短いながら最高でした。ウルトラデュアルソードで繰り出した新技「トリプルデッカースクラム」は、デッカーの3形態に高速で入れ替わるような演出も相まって非常にカッコよかったです。最初は等身大デッカーの面白おかしさを押し出しつつ、最後にはいつものデッカーのクールな活躍で締める今回の戦闘シーンはかなり良かったと思います。
今回は他にも『トリガー』の闇の巨人や『Z』のキングジョー ストレイジカスタムなど、前作の要素もしっかりと拾ってくれたのが嬉しかったです。これらの事件や技術の経験があったからこそ、このテラフェイザーは完成したのだと実感しますね。そういった意味で、11話は趣き深い回でもあったと思います。
次回は何と前回登場したネオメガスがスフィアによって復活!?再登場自体は予測していたものの、こんなに早く叶うとは思ってもみませんでした。ともかく「スフィアネオメガス」の驚異を前に、デッカーとGUTS-SELECTがどのように立ち向かうのか気になるところ。本格的に稼働を開始するテラフェイザーとデッカーの共闘も楽しみです。
ではまた、次の機会に。