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仮面ライダーギーツ 第4話「邂逅Ⅲ:勝利条件」感想

諦めない人間には希望がある

Q.「仮面ライダー失格」とはどういうことですか?

A.「調整中」です。

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  • 諦めない無垢な戦士、諦めた失格者

 前回のラストでゾンビに噛まれてしまったことが判明した祢音と奏斗。今回のギーツはそんな2人の対比を引き続き描いていました。と言っても基本は祢音をメインに描いており、彼女の本当の願いである「本当の愛が欲しい」について触れられていたのが印象的でしたね。前回から苛烈なまでに自分を保護しようとする母親との反発が展開されていたうえ、ゾンビ化による衰弱で心身ともに弱っていく祢音の姿は見ていて何とも辛かったです。子どもが誘拐された過去のトラウマを抱えている母親の気持ちもわかる一方で、間違った方向に向かってしまった母の愛情に娘が長年苦しめられていたのが伝わってきます。

 それ故彼女が奮い立つ過程は中々に燃えました。英寿や景和たちからの激励、本当に求めているもののために諦めない姿勢などを得て着実に強くなったことがわかる様子は見ていて素直にテンションが上がります。「諦めずに戦うことの大切さ」という、シンプルながらとても重要なことをわかりやすく魅せてくれていたと言えます。ミッションをクリアしたことでゾンビ化もリセットされ、母親に対して逃亡ではなく真っ向からの対立で向き合っていくことを決意した祢音の成長が詰まった回でしたね。

 

 対して奏斗は完全に自暴自棄になって敗退することに……祢音と同じように頑張っていれば勝ち残れたかもしれないのに、全てを諦めて他人の邪魔をすることしか考えなかった報いを受けてしまったかのような末路が何とも悲しかったです。同情出来る一面もあるだけに、どうにか出来たかもしれない可能性すら手放した救いようのなさには何とも言えない後味の悪さを覚えます。

 また彼が「仮面ライダー失格」の烙印を押されて脱落したのが興味深いですね。これまでの脱落者とは異なり、ベルトの音声が「RETIRE」だった点も気になります。敵の攻撃を受けた豪徳寺や平が「MISSION FAILED」の音声と共に消えたのとは明らかに別物である脱落方法、そして景和の質問を明らかに無視したツムリの対応に、このデザイアゲームの闇の深さを感じ取った気分です。

 

 

  • 爆炎を纏いし打撃を振るう猫戦士

 

SET.    

    SET.

 

DUAL ON!

 

BOOST!

ARMED HAMMER!

 

READY FIGHT!!

 

 祢音が元々手に入れていたハンマーと景和から貰ったブースト、2つのレイズバックルを装着して変身したナーゴの強化形態「アームドハンマーブースト」。赤とピンク、同系統の色の組み合わせなので妙に似合っているのが特徴的な形態です。何気にこの形態はギーツ以外のライダー初めてのデュアルオン&リボルブオン披露だったりします。元々小型バックルの中では攻撃的だったハンマーにブーストの推進力が加わることで、さらに攻撃力が上がっていることがわかります。実際劇中の戦闘シーンでは、ブーストの圧倒的なパワーとスピードで縦横無尽に戦っていました。

 そしてリボルブオンでブーストを上半身にした「ブーストアームドハンマー」では、ハンマーが通常より巨大化していたのが印象的。そのうえ必殺技発動時にはハンマーが炎に包まれ、後ろが変形してエンジン噴射口が露出するド派手な演出を見せてくれました。ギーツのアシストがあったものの、単独でも非常にパワフルだと感じさせてくれる活躍ぶりでしたね。

 

 

  • 自分以外の参加者は

 前回と同じように他参加者のスタンスが垣間見えた今回ですが、特に英寿と道長の対比が面白かったですね。厳しくアドバイスしつつ、時にはさりげない手助けもしてくれる英寿と、他人を利用してでも自分だけ勝ち残ろうとする道長ここにきて2人の違いが大きく表れたように感じます。

 英寿に関しては景和や祢音たちひた向きな者たちを好ましく思っているのがわかります。最後に勝つのは自分であるという自身とはまた別に、他の参加者を肯定しつつ頑張っている仲間に手を貸すこともある姿勢が感じられました。英寿にとっては自分以外の参加者は、共に肩を並べて競い合うライバルのような存在なのかもしれません。

 対して道長は奏斗と裏で協力をしつつ、彼の脱落を促していたように見えました。前回のデザイアグランプリの参加者として「1つのゲームが終わればそれまでのダメージがリセットされる」という情報を知っていてもおかしくない立場だったのに、それを奏斗に教えた描写がなかったことからも道長の悪意が読み取れます。自分が勝ち上がるためなら他人を平気で利用する、自分以外の参加者は蹴落とすべき敵という考えが感じられましたね。(全体的にせこい森魚おじさんがまだマシに見える……)

 同じ経験者でありながらまるで正反対のこの2人、それ故に道長が英寿に敵愾心を燃やしているのも何となく納得がいきますね。今後のゲームでは英寿と道長の対立が大きな見どころとなるであろうことを予感しつつ、その戦いが繰り広げられる瞬間を楽しみに待っていたいと思います。

 

 

 そんな期待が早速叶いそうな次回は何とタッグ戦。2人1組のチームで戦っていくというルールに道長がやっていけるのかで早くも不安になってしまいます。しかもパートナーが景和という時点で上手くやっていけそうな気がしません。英寿に対しての宣戦布告のようなものをしているシーンも見られますが、それ以前に道長が今回のゲームで勝ち残れるかどうか……

 また残っている参加者は5人なのにどうやって3組に分けるのかと思っていたら、新たなライダー「仮面ライダーパンクジャック」が登場するとのこと。(モチーフはジャックオーランタンでしょうか)ここにきて追加でライダーを出すのかアリなのか、そもそもこいつは誰なのか、気になることが多すぎてこのパンクジャックにも目が離せなくなりそうです。

 

 

 ではまた、次の機会に。