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2022年秋アニメ簡易感想 その8

 

 

 

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 『ルパン三世』シリーズの新たな1作LUPIN ZERO(ルパンゼロ)の情報が先日発表されました。来年配信予定の『ルパン三世VSキャッツ・アイ』から間髪入れずに、さらなる新作を発表してきたのは中々に衝撃的です。何と本作はルパンの少年時代を描くというもので、なるほど創作者なら1度はやってみたいタイプの作品だなぁ……と驚きつつも納得しましたね。あのルパン三世の前日譚という響きだけでワクワクしますし、制作側がノリノリで作品を作っていることが上の映像からも読み取れます。

 以前『PART6』の感想でも書きましたが、ルパン三世という作品は作品や世代によって人が抱くイメージが大きく異なっています。ひょうきんで優しい泥棒を思い浮かべる人もいれば、冷酷なダークヒーローだと考えている人もいるでしょう。(そもそも原作者のモンキー・パンチ氏の描いた原作漫画版のルパンとアニメPART1のルパンの時点で大分異なっていますし)書き手や受け手によって様々な見せようにもなる、ルパン三世シリーズの懐の広さを改めて感じ取った気分です。そのためルパンゼロではどのようなルパンを見せてくれるのか、それが楽しみになってきましたね。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

SPY×FAMILY

第16話「ヨル's キッチン」「情報屋の恋愛大作戦」

 一旦平和になったということで今回は日常のエピソードの2本立てが展開。前半はヨルが家族のために料理の勉強をするという内容でしたが、以前の料理描写から感じた不安がそのまま的中したかのような怒涛のギャグに笑い転げてしまいました。さしものユーリも味見でどんどんボロボロになっていく辺り、ヨルの料理は相変わらず恐ろしいです。(それでも姉の全肯定マシーンであり続けるのはすごい)それでも頑張る彼女に付き合う「カミラ」の気立ての良さ、そしてボンドが見た予知が嬉し泣きだったというオチにはほっこりしました。亡き母との思い出の味が、新しい家族を笑顔にする流れも素敵だったと思います。

 そして後半はあのフランキーが恋をするというエピソード。始まりはフランキーの浮かれようには劇中のロイドのようにちょっと呆れてしまいましたが、フラれてからの彼のトボトボとした姿には一転して同情を覚えました。また彼らが裏の世界で生きる以上、人並みの幸せを手にすることが難しいことを示す終わり方がこれまた苦々しかったですね。上述のエピソードが「家族のありふれた幸せ」について触れているだけに、それすらまともに手に出来ないスパイの世界の無情さがありありと現れていました。

 

 

風都探偵

第12話(最終話)「超人r/終焉、そして……」

 ついに始まった二階堂とのリベンジマッチ。前半は何といってもときめの活躍が素晴らしかったです。まさか自力で裏風都から脱出するとは思ってなかったので意表を突かれました。何より翔太郎から受け継いだ探偵としての信条を胸に、しっかりと依頼人の家族を守り切った彼女の根性には敬意を払いたいです。

 彼女の頑張りに応えるようにいきなりエクストリームになった翔太郎&フィリップの活躍に関しては、やはりダブルプリズムエクストリームの炸裂が印象的。原作特撮のユートピア戦で披露したあの技が、また見られるとは思ってもいなかったので嬉しかったです。加えてアニメ版OPをバックに、囚われたときめを助けつつ必殺技を与えるシーンのカッコよさたるや……言葉に出来ないほど感動しましたね。(あと照井の「ガンナーA」が出てきた時の「こんなメカもあったなぁ」感は異常

 二階堂との決着も付けて一旦事件は収束したところで、ときめが「ビギンズナイト」を教えられる形で終わったのは意外でした。(2期への布石とはまた別に、原作特撮の始まりを新規視聴者に知ってもらう同線として描いたのでしょうね)みんなのことを知って力になりたいと前向きになったときめと、心の奥底では今でも後悔の念を抱えている翔太郎の対比がどこか切なかったです。ここからこの2人の関係がどうなっていくのか、実に気になります。

 

総評

 あの『仮面ライダーW』の正統続編にして仮面ライダーの本格的なアニメ化ということで気になっていた本作ですが、期待以上の内容で本当に最高でした。Wの雰囲気はそのままにエログロやアウトロー的要素を積極的に取り入れ、三条陸氏が本当にやりたかったであろう「Wの物語」をこれでもかと堪能した気分です。翔太郎やフィリップたちのキャラクターに関しても、声優さんたちの演技の違和感のなさがこれまた素晴らしかったです。

 また本作はやはりときめの存在が大きかったように感じます。彼女という新キャラを主人公チームに入れることで、視聴者がその視点で物語を追体験していけるような構成は何とも秀逸でした。特に照井がバイクになったりする時の反応など、視聴者の代弁をしてくれたのがグッド。昔からのファンは懐かしさを覚え、新規ファンは絵面的にも衝撃的な要素をすんなりと受け入れられたのでないかと思います。

 そしてライダーに変身してからの戦闘シーンは毎回凄かったですね。Wやアクセルのあの複雑なデザインでここまで動かしてみせたことに驚愕を隠せません。中で9話で初登場したエクストリームは特撮時代よりも動いているようだったので舌を巻きました。ドーパント実写の枷から解き放たれたからかユニークな姿が多く、毎回見ていて飽きなかったですね。

 

 

BLEACH 千年血戦篇

第3話「MARCH OF THE STARCROSS」

 一護とキルゲの戦いと同時に、護廷十三隊VS星十字騎士団(シュテルンリッター)の戦争の火蓋が切って落とされた今回。1話の時とは比べ物にならない規模の滅却師たちが瀞霊廷に襲撃してきた時の絶望感はかなりのものでした。先手を取らせないようにしていたつもりがまたもや虚を突かれた死神側にオイオイと思うところもありますが、それ以上に大規模な警戒態勢をいとも容易く潜り抜けてくる敵の恐ろしさが印象に残りますね。
 また虚圏でのキルゲ戦は彼の真っ当な強さに驚かされましたね。戦闘力の高さもそうですが、「滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)言いにくいによる“霊子の隷属”の規模の大きさにはちょっとビビってしまいます。上の件も含め、序盤から敵の強さがこれでもかと強調されていました。

 あとは死神と滅却師が対立関係にある理由をわかりやすく説明してくれるパートがあったのが個人的には嬉しかったです。新規で見てくれる人が、それぞれの戦う理由が把握出来る配慮が為されていることに好感を覚えます。説明してくれてありがとう誰だったかよく覚えていない可城丸六席!

 

 

チェンソーマン

第3話「ニャーコの行方」

 やりたい放題かつ嘘も平気でつくパワーちゃん。しかしデンジをコウモリの悪魔に売るところまでは悪魔らしい利己的な面が出てきたかと思ったところで、猫の「ニャーコ」を救うための行動と知ってからは彼女に対する印象が変わりました。最初は食べようとして育てたはずの猫に情を覚え、その子のためにどんなことでもしようとする人間臭さは何とも魅力的です。また前回デンジが呟いた「悪魔と友達になれるなら」を、異なる形でパワーちゃんが実現していたことが面白かったです。

 それ故最初はパワーちゃんに辟易していたデンジが、彼女とニャーコに自分とポチタの関係を重ねていくシーンが目に焼き付きます。大切な友達を失った悲しみを味わったパワーちゃんを見た時の、デンジの唖然とした表情には何とも言えない情緒が感じられました。それでいて最後まで「胸を揉む」という目的のために戦うのがデンジらしいですね。パワーちゃんへのシンパシーはそれとして、自分の欲望に忠実な辺りは一周回って清々しさを覚えました。

 

 

ヤマノススメ Next Summit

第4話「夢にまでみた?フジ /3rd season秋」

 富士急ハイランドのアトラクションには乗りたくねぇなぁ……とつくづく思った今回の冒頭。富士山が見たいだけだったのに絶叫マシーンに乗せられるあおいの気持ちは察するに余りあります。お目当ての富士山は曇り空の中から顔を覗かせる憎い演出で見られたものの、コースターの垂直落下に全てを持っていかれたような気がした新規エピソードでした。

 そして本編パートでは、3期で描かれたあおいとひなたのすれ違いを再び味わうことになりました。ほのかといった新しい友達との付き合いを得たあおいと、そこに馴染めずにいるひなた。それぞれの感情の出力が上手くいかず、段々とギクシャクしていく様子は富士山回とはまた違った辛さがありました。ひなたが遅刻したあおいたちを避難したりムキになってしまうなど、普段の彼女からは考えられない不器用な姿には妙生々しさが感じられます。

 しかし無理をしたひなたが足を痛めてからは、彼女を支えてあげるあおいの献身ぶりに癒されました。荷物を持ってあげたり羊羹を分け合ったりしている内に、互いの本音を語り合う流れは何度見ても心が暖かくなります。些細なことで始まってしまった喧嘩が、些細なことで解決していくことに安心感を覚えますね。

 

 

転生したら剣でした

第4話 「ゴブリンスタンピードはオオゴトでした」

 もう全部あいつ(フラン)一人でいいんじゃないかな。前回説明が入ったゴブリンスタンピードとは別に「ダンジョン」の存在も確認された今回は、成長したフランと師匠の強さがこれでもかと炸裂していました。冒頭から師匠に頼りきりにならない「本当の強さ」を求めるフランが描かれたこともあり、後半からのゴブリンたちとの乱戦の暴れっぷりが実に気持ち良かったです。1日で強くなりすぎじゃない?とか他チームを差し置いて敵の首を横取りしようとするのはどうなの?などとツッコみたく気持ちもありますが、この勇猛さを見ていると何だかんだでテンションが上がりますね。
 他には(ほんの少しの入浴シーンを披露してくれた)ネルによる解説が印象的。ダンジョンが何者かの意思によって存在していること、そして邪神となった「混沌の女神」の肉体がゴブリンたちを生み出している情報は中々に興味深かったです。実際に神が存在していて、それらが人間たちに試練を与えていくのはどういう意図があるのか……バラバラにされた混沌の神の肉体についても後々の伏線になりそうでワクワクしますね。

 

 

 上述の通りルパンゼロでは幼い頃のルパンを描くようですが、個人的には『PART5』以降に出てきたアルベールやトモエといった、ルパンのルーツに関わる人物が出てくるのかが気になっています。どちらもルパンを知る者として視聴者に大きな衝撃を与えてくれたキャラクターなだけに、1ファンとしては是非とも登場してほしいと考えてしまいますね。無論テレビシリーズとは全くの別物になることが予想されるので彼らの存在そのものがない可能性もありますが、チラッとでも姿が見えたらテンションが爆上がりするかもしれません……!

 

 

 ではまた、次の機会に。