新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

様々な作品について語ったり語らなかったりするサイト

ウルトラマンデッカー 第17話「過去よりの調べ」感想

勇気の印を胸に抱いて

カルミラさん、ヒュドラムを復活させるのだけはやめませんか?

.

.

.

.

.

.

.

.

.

.

  • “あの日のヒーロー”に応える時

 今回のデッカーは最高の一言!でした。ムラホシ隊長にアガムス協力の嫌疑がかかるという緊張感のある序盤から、まさかまさかの伏線回収が待っていたことに驚愕を隠せません。予想外の方向から殴られた気分ですが、同時に確かな満足感を得た気分です。

 何といってもソウマがかつて6話で話した「過去に自分を救ってくれたTPU隊員」がムラホシ隊長だったという事実が衝撃的でした。憧れの人物はすぐ近くにいた、というのは定番の展開ですが、ソウマの過去についてはさらりと語られた話だっただけに余計に驚かされました。確信を持ったソウマが隊長に話すシーンで視聴者にもしや……?と思わせつつ気付かせる流れも上手かったです。

 何といってもソウマが隊長に万感の想いを込めた表情と声色で話しかける様子が感動的です。自分が入隊するきっかけになったヒーローに対する感謝を伝えようとする彼の姿にウルっときてしまいます。そうして助けられた証拠である「勇気の印」を持って、隊長の嫌疑を晴らす展開がまた爽快感に溢れていましたね。かつてムラホシ・タイジという青年が取った行動が、リュウモン・ソウマという若者を形作ったことが良くわかる回でした。

 

 

  • 事実を重んじる厳格な星人

 今回は2人の男の話に感動させられた一方で、内部調査局に所属しているメトロン星人の「ナイゲル」局長も大きなインパクトを残していきました。マルゥルと同じメトロン星人がTPUの職員として所属していたことにちょっとびっくりさせられます。劇中ではカナタがマルゥルと間違えていましたが、地球人にはメトロン星人の見分けは付きにくいということでしょうか。

 ともかくナイゲル局長のキャラクターを一言で説明すると「生真面目」といったところでしょうか。アガムスのような存在がGUTS-SELECTに紛れ込んでいたことに対して、ムラホシ隊長を厳しく取り調べている様子がまず目につきました。その後ゴメスが出現した際も隊長不在によってGUTS-SELECTの出動を禁止するなど、融通の利かない点が目立っていたように思います。感情を排してデータとルールという“事実”を元に厳しく接するという、ある種宇宙人らしい「無機質さ」を感じましたね。*1

 そんな局長ですが、ただの嫌味な頭でっかちで終わらなかったのが良かったです。隊長の嫌疑が晴れるや否や、即座に出動を許可してくれる柔軟性も見せてくれていました。事実を重んじる姿勢を自分にもかける、「自他ともに厳しい」人物であることが伺えます。他にもクラシック音楽を好んだり、カナタやイチカの命令違反の自白に素で驚くといった可愛げがあったのも素敵でしたね。(あとは局長の後ろにいたお供(?)の人のリアクションにも楽しませてもらいました。彼のおかげで局長の描写もある程度マイルドになっていたと思います)厳格さと同時に間違った時は素直に謝罪する潔さも持ち合わせたナイゲル局長は、最終的に魅力的なキャラになったかと思います。

 

 

  • 通常を超える古代の力

 今回登場した怪獣は「古代怪獣 ゴメス(S)」。リトラと共に『ウルトラQ』の第1話で姿を見せたウルトラ怪獣第1号です。怪獣らしいゴジラスタイルの体型と、特殊能力を持たず持ち前の怪力のみで戦うスタンダードな怪獣としてデッカーでも大暴れしてくれました。しかも今回のゴメスは通常よりも巨大な個体*2として扱われており、大きさに見合った強さを発揮していたのが面白かったです。怪獣災害モデル都市とされるコモエシティの迎撃システムを潜り抜け、デッカー含めたGUTS-SELECTの戦力相手に善戦していたのが凄まじかったです。隊長たちの人間ドラマが主軸だったため影が薄いところもありましたが、十分に強敵という印象を残してくれたかと思います。

 あとはやはりデッカーたちのアクションシーンもカッコよかったですね。本作では珍しい夜間戦闘というだけでも素晴らしかったのですが、月をバックにデッカーがぐんぐんカット&すかさずキックする構図には痺れました。その後の戦闘でもデッカーとGUTS-SELECTのコンビネーションが光っていましたし、ダイナミックタイプになったデッカーがサポートをして、ナースデッセイ号がトドメを刺すシーンがこれまたクールでした。怪獣との戦闘が短かった分、アクションの濃さで補ってくれた内容だったので大満足です。

 

 

 本編に加えて、前作『トリガー』との繋がりにも感心させられた今回のデッカー。ムラホシ隊長が関わった10年前の事件というのがメツオロチが登場したトリガー17話だと判明した時には驚かされましたね。(どちらも17話というのは偶然でしょうか、それとも狙ったのでしょうか

 

metared19.hatenablog.com

↑その『トリガー』17話についてはこちらを参照。

 

 何といっても若かりし頃の隊長とソウマがヒュドラムに遭遇していた事実に仰天しました。確かにこれの前の16話を含め、ヒュドラムは途中からフェードアウトしていたので何をしていたのか気になっていましたが、こうして回収されるとは思いもなかったです。カルミラとダーゴンが前線でトリガーたちと戦っていた中、ヒュドラムが何をしていたのかをしっかり補完してみせたことには舌を巻くばかりです。

 一方でヒュドラムが誰も知らないところで隊長たちを襲っていたことを知った時はドン引きしてしまいましたね。アイツならそういうことやりそう……という負の信頼がある故の納得感は得られましたが、退場した後に余罪が判明する展開には変な笑いが出てしまいます。以前復活したカルミラがダーゴンとヒュドラムの魂も連れて宇宙に旅立ちましたが、ヒュドラムだけは肉体を与えて復活させてはならないな!と改めて思いましたよえぇ。

 

 

 そして次回は再び特別総集編をやる模様。ここにきてまたもや本編が一旦お休みなのは辛いですが、まぁ仕方ないと思って飲み込んでいきたいです。代わりにTPU技術部特務3課のマルゥル&ホッタコンビのやり取りが見られるという点は嬉しいですね。来週はこの2人の和むやり取りを見て、大いに癒されるとしましょう。(感想の方は例によって個別でなくなる可能性が高いです。ご了承ください

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:そもそもTPUは本作のアガムスの件の他にも、『エピソードZ』のザビルという前例もあるので厳しく対処する存在が必要なのも理解出来る。

*2:ウルトラQ』に登場したゴメスは10m級だったが、本作世界で今まで確認されたゴメスもそれくらいだったのかもしれない。