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サンダーバード ARE GO 簡易感想(第22~26話)

 

 

 約半年前にスタートしたサンダーバード ARE GO』の簡易感想シリーズ。なるべく月イチで続けてきたシリーズ(今回だけ2か月もかかってしまいましたが)も、一旦終わりを迎える時が来ました。ひとまずは、ここまで読んでくれた皆様に感謝の念を送りたいと思います。

 

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↑前回までの感想についてはこちらの記事を参照。

 

 というわけで今回は22話から26話までの、シーズン1終盤の感想を書いていきます。ようやくここまで来たか……と思うと同時に、ついに終わるのかと一抹の寂しさを覚えてしまいます。しかしそれを押し込め最後まで書いていこうと思いますので、最後まで読んでいただければ幸いです。

 

 

 というわけで以下、今回の簡易感想です。

 

 

 

 

 

第22話「シルビア大おば様とティーを」

 今までの内容と比べると平和に感じる、コメディ要素が多めのエピソード。そもそもがアランに自動車運転の教習を受けさせるという日常が描かれているのでそう感じるのは当然なのかもしれません。ペネロープ邸に侵入した泥棒もどこか抜けており、終始ぐだぐだな対決が繰り広げられていました。中でも安全運転を徹底したアランVSFAB-1の動かし方がわからない泥棒のぐるぐる回るだけのノロノロカーチェイスは見ていて腹が捩れそうなほど笑ってしまいましたよえぇ。

 またこの回最大の特徴として挙げられるのがサブタイにもある「シルビア」の存在ですね。ペネロープにとって大切なおば様である彼女を演じる日本語版の声優は、かつて原作『サンダーバード』(日本語版)にてペネロープを演じた黒柳徹子氏。新旧ペネロープが揃ったかのような構図にはテンションが上がります。シルビアのキャラクターもボケているようでいて、実は深く物事を見据えていることがわかる大物感があったのもグッド。シルビアがペネロープにエージェントの心得を教えていくシーンは、さながら新旧のバトンタッチを見ているような気分でした。

 アランが教習のために乗ったFAB-0(ファブゼロ)のデザインが原作のペネロープ号そっくりだったのもニクいです。若干古めのデザインにアランは苦手意識を持っていましたが、古いながらもしっかりとしたスペックを発揮してくれたのも最高でした。全体的にかつてのペネロープが好きだった視聴者に送る、ファンサービスみたいな回だったと言えます。

 

 

第23話「インターナショナル・レスキュー出動禁止!」

 早速巨大な橋の崩落から始まったこの回は、サブタイにもある通りインターナショナル・レスキューにとって最大の危機が描かれました。人命の救出には成功したものの、崩落を止められなかった責任を問われてGDF(世界防衛軍)の傘下に無理やり入れられる展開には衝撃を受けました。ケーシー」大佐が指揮していた頃のGDFとはあくまで協力関係にあったので、彼女が退任させられた後の展開にはかなり驚愕させられます。

 そんな状況下の中、スコットたちトレーシー兄弟の「人を救うための信念」が見られたのが素敵でしたね。出動許可を降ろさないGDFに対して、全力で命令拒否を敢行しようとした時には痺れました。助けを求める声に応えず後悔するくらいなら、救助をやり遂げた後に処罰を受けようとする姿勢を兄弟全員が見せていたのが最高にカッコよかったです。他メンバーもノリノリで協力してくれていた様子もあり、インターナショナル・レスキューはメンバー全員が救助者としてあるべき覚悟を持っていることが伝わってきます。

 最終的にペネロープたちの活躍によってGDFを元に戻すことに成功するのですが、今回の騒動を起こした「ジャナス」大佐がフッドの変装ではなかったのはちょっと意外でした。裏には結局フッドがいたという点は変わらなかったものの、割と現場主義な面があるあの男が自ら表舞台に出なかったことに不思議と感心を覚えます。逮捕されたジャナスを冷徹に切り捨てるシーンもあって、この回のフッドは闇の世界で暗躍する悪役らしさが感じられましたね。

 

 

第24話「サンダーバードS 発進!」

 ケーヨの専用機として本作のオリジナル機体であるサンダーバードS(シャドウ)号*1がついに参戦。(2話のラストに登場してから本格的なお披露目まで本当に長かったです)マクロス』シリーズなどのメカデザインを手掛けた河森正治氏のデザインだけあって、シャープな形状のボディが非常にクールです。あまりにもシュッとしているためサンダーバードのイメージとはだいぶかけ離れている気がしますが、軽やかな飛行とどんな壁にでも張り付いて着陸出来るといった機能はかなり“らしい”と思います。中でもコックピット部がそのまま分離してバイクとなるケレン味のある機能が個人的なお気に入り。

 そんなS号が冒頭から活躍していたこの回ですが、同時に操縦しているケーヨに関して様々な波乱を呼んだ内容でもありました。事件を起こした犯人を勝手に捕まえたケーヨと、あくまで人命救助のみに専念すべきだと主張するスコットが真っ向からぶつかり合う様子にはハラハラさせられました。この口論に関してはケーヨは周囲の制止を聞かず独断行動しがちなのはどうかと思いますし、スコットはスコットで救助に固執しすぎて頭が固くなっている印象を受けました。まぁどっちもどっちといったところですね。

 そんなケーヨの問題行動が、今回は意外な結末を迎えたのも特徴的でした。航空管制センターの機能停止で世界中の飛行機が動けなくなっている事故が発生している中、裏にフッドが関わっていると見抜いた彼女の行動は結構カッコよかったです。またフッドが盗んだ燃料(アルステリン)を奪い返したS号が墜落寸前する直前、フッドが飛行船で助けてくれる驚愕の展開まであって最後まで興奮しっぱなしでした。この時のフッドがケーヨを助けたことに関しては、どういう意図があったのか色々と考えさせれますね。(最終回を見ると敢えて生かしておいた、とも取れますが果たして……

 

 

第25話「さらわれたエージェント」

 GDFと協力して闇の商売人「バニーノ」を捕まえることになった回。この回は何と囮作戦に参加していたパーカーがバニーノにさらわれるという急展開が見ものでした。そうなった原因があのネッド(まさかの3度目の登場)にある点には苦笑いしてしまいましたが、身内の危機にかつてないほど勇み足になるケーヨやスコットの活躍が見れたのは良かったですね。まぁ前回の救助に専念すべきかの論争がまだ続いていた件にはちょっと辟易しましたが。

 個人的にはバニーノの曲者っぷりが目に焼き付きました。上述の通りネッドのせいで危機に陥ったものの、全体を見返すとこの男のしたたかさがこの回を盛り上げてくれたことが読み取れます。盗んだ電磁リパルサーをこれでもかと活用しており、それをパーカーに取られた後もフッドの写真でケーヨに見逃してもらうよう交渉するなど、終始抜け目がない敵という印象を受けましたね。

 ケーヨがフッドの関係をバラされるのを恐れてバニーノを取り逃がしてしまったオチはどうかと思いましたが、次のエピソードを思うと彼女の躊躇いが感じられて仕方ないとも感じられます。しかしこの失態はどうにかして、ケーヨがバニーノを再び捕まえるシーンで挽回してほしいところです。

 

 

第26話(最終話)「トレーシー・アイランドの危機」

 ついに最終回。この回の注目ポイントとして最初に上げられるのはやはりサンダーバード全機の発進シーンでしょう。世界各地で発生した救助要請にそれぞれ当たるため、各機が同時に発進する様子にはかつてないほどワクワクしました。ジョンがエレベーターで5号に戻るシークエンスまで発進と捉えるならば、1号~5号&S号までの6機の出撃をまとめて展開したことになります。(何気にシリーズ初となる「4号単独の発進シーン」が見られた点も見逃せません)

 しかしその要請自体がフッドの罠だったということで、その際にこの回がフッドとの決着をつけるためのものだと理解しました。トレーシー・アイランドに侵入していたフッドといち早く罠だと見抜いて舞い戻ってきたケーヨ、この2人の心理戦にはかなりハラハラさせられました。ケーヨの家族関係もフッドによって堂々とバラされ、兄弟たちの彼女に対する信頼が揺らぎ始めていく様子も興味深かったですね。

 しかしその危機をフッドに果敢に立ち向かうケーヨと、彼女を信じて行動する仲間たちによって打破していく展開の爽快感は凄まじかったです。特にケーヨはワスププロトコルなるものでフッドが奪ったサンダーバードの操縦権を取り戻すなど、最後の最後で大活躍してくれたのが良かったですね。特にトレーシー・アイランドの隣にある「マテオ・アイランド」に誘導する作戦にも膝を打ちました。そしてフッドの飛行船を1号と2号が引っ張って破壊するシーンにもスカッとさせられます。(また5号がエレベーターで飛行船を殴りつけるシーンにはビビりましたね)最終的にフッドを逮捕し、トレーシー兄弟とケーヨの信頼関係も守られたという大団円を迎えて本当に良かったです。しかしラストのフッドの怪しい笑みで最終回は終わり、物語はシーズン2へと続くことに……

 

 

 というわけでサンダーバード ARE GO・シーズン1の全ての感想を書き終えました。ひとまず完走したことに安堵の念を覚えますね。ここまで続けることを目標としたものの同時に続けられるかという不安もあったので、終わらせられて今ホッとしています。「ちりも積もれば山となる」という言葉の意味を改めて実感している気分です。

 

 そして全体の簡単な総評ですが、一言でまとめると「見やすくて面白い」といったところでしょうか。専門用語や明らかな劇中のみのワードが飛び交う中、説明なしでもある程度理解出来るようになっている構成には改めて舌を巻きます。災害のバリエーションも幅広く、時には5号が救助したり4号を地上で使うといった意外な救助方法が描かれたのも魅力的。おかげで毎回新鮮な気持ちで見ることが出来ましたね。

 一方でケーヨとS号の扱いに関しては首を傾げることが多かったです。まず上にも触れている通り、S号の登場が遅すぎるうえに活躍の頻度が少ないのが不満に感じましたね。せっかくのオリジナル機体なのですから、もっと押し出してほしかったです。ケーヨに関しても上述のスコットとの対立を有耶無耶にされた様子が気になりました。(この辺りは「問題を引っ張りすぎない」イギリス作品の作風らしきものを感じましたが)これらの問題はシーズン2ではある程度解決されているのですが、シーズン1の時点でどうにかしてほしかったのが正直な気持ちですね。

 

 何だかんだ言いましたが、作品そのものは大いに楽しめました。こういったレスキュー主体の作品は主人公たちの行動そのものが疑いようもなく正しいので、安心して見れますね。閉塞感のある世の中になりつつある昨今だからこそ、このような人命救助をテーマとした作品をもっと見てみたくなります。(次は『トミカヒーロー レスキューフォース』辺りを見返してみたいところ)

 さて重ねて申しますが、サンダーバード ARE GOの感想はこれで一旦終了。シーズン2も配信されていますが、そちらの感想を書くかどうかは今のところ未定です(もしかしたら来年よりもっと後になるかも……)ので、ご了承ください。

 改めまして皆様に感謝を。ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:劇中では単に「サンダーバードシャドウ」と呼ばれている。