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ウルトラマンデッカー 第18話「異次元からのいざない」感想

悪魔が囁く時、闇へと誘われる

ヤプールとかいう荒らし・嫌がらせ・混乱の元

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  • 救うために拳を解いて

 今回のデッカーは本筋のアガムスに関する話でしたが、例によってカナタの悩む様子が映し出されていたのがポイントでした。また頭を抱えているのかとつい思ってしまうものの、今度はアガムスを救うことについて悩んでいたのである意味では仕方ない、とも感じましたね。以前の感想でも書きましたが、自分を騙していた相手を許すどころか救えるのか?という問題にカナタ自身が深く切り込んでいたのが良かったです。ケンゴのようにすごい人間ではない、あくまで一般人としての感性を持ったカナタだからこその悩みだと言えます。

 そんな悩みを抱えながらも、姿を見せたアガムスにズバズバ質問してくるカナタがこれまた気持ち良かったです。アガムスがどんな苦悩を抱えているのか視聴者としても知らない情報なので、それをはっきりと聞いてくれるだけでどこかスカッとさせられます。結局アガムスはヘイトを向けてくるだけで答えてくれなかったものの、「アガムスの凶行を止めることこそが彼を救うことに繋がる」といったような答えを、カナタ自身で得たような結論がまた素敵です。(一方的に殴ってくるアガムスに対し、カナタは振り上げた拳をハッとなって下げるシーンがここすきポイント

 相変わらずわからないことだらけだけど、何をするべきか、誰を助けるべきかだけははっきりしている。ならそのために突き進むしかない……!1話からずっと描かれているカナタのひた向きさが、ストレートに描かれた回でしたね。見ている側としても、後半の反撃含めて爽快感を覚えました。

 

 

  • 超獣と魔神の凶悪コンビネーション

 今回登場した怪獣……もとい超獣は「大蟻超獣 アリブンタ」。ヤプールが造り出した怪獣兵器の中でもニュージェネ常連と化している存在ですが、超獣としての強さは相変わらずでした。特に今回はデッカーを力で押し通すのはもちろんこと、酸攻撃や氷の息吹といった様々な技を次々と披露していく手数の広さも印象的です。個人的にはデッカーがストロングタイプになった瞬間パワーで押し通すのを止め、即座に光線での攻撃に切り替える賢さに驚かされますね。

 そのうえアガムスが乗り込んだテラフェイザーとのコンビでデッカーを追い詰めていく展開がこれまた凄まじかったです。アリブンタがデッカーを羽交い絞めにしてからテラフェイザーが連続で腹パンする……といった絵面的にかなりエゲツない連携が目に焼き付いてしまいました。この辺りからはアガムスの殺意の高さが伺い知れますね。

 

 ただ、カナタが決意を新たに固めてからのデッカーの逆転劇にはスカッとしましたね。ラクルタイプでの瞬間移動&分身攻撃で、それぞれのデッカーがアリブンタとテラフェイザーを圧倒していく様子は見ていてテンションが上がります。極めつけは分身たちがプロレス技のように、アリブンタとテラフェイザーを正面衝突させる技を披露したシーン。アリブンタが初登場した『A』を彷彿とさせる撃退方法*1のおかげで、ここまでの鬱憤を一気に晴らすことが出来て大満足です。

 

 

  • 心に付け込む悪魔の罠

 そしてアガムスに協力を持ち掛け、アリブンタを放ったのはご存じ「異次元人 ヤプール」『A』で登場して以降、様々なウルトラマンを苦しめてきた恐ろしい敵キャラです。本作では巨大ヤプールの姿ではなく、異次元人としての姿で単独で登場していたのが興味深かったです。体が不安定にユラユラと揺れる映像からは、この存在が別の次元から来たものだと強く印象付けられます。他にもお馴染み異次元の壁が割れる演出が相変わらず印象に残りますね。映像の進歩と共に、ヤプールの不気味さが表現しやすくなったのだろうと思いました。

 そんなヤプールの劇中での暗躍ぶりがこれまた相変わらず陰湿でしたね。最初カナタの姿で本物のカナタを拉致&イチカたちを罠に嵌める技すら序の口、アガムスに化けてデッカーに自分を庇ってもらう作戦を披露した時は愕然となりました。ウルトラマンならこの場面で絶対に見捨てるような真似はしないだろうという、彼らの善良さを利用したやり口は流石といったところ。そのうえで傷ついたデッカーを異次元に放り込む点も徹底しています。人間やウルトラマンの心を理解しているからこそ、それに付け込んで追い詰める悪辣さはまさに悪魔に相応しかったです。協力関係にあるアガムスも、いずれは切り捨ててしまうのではないかと心配になってしまうほどでした。

 

 

 というわけでデッカーがヤプールの罠に嵌ってしまうまさかのラストとなってしまいましたが、次回はそこからデッカーが月面に上陸する模様。普通ならウルトラマンの力で余裕で地球に帰れるのですが、スフィアのバリアのせいで締め出されているのがまたヤプールの策通りといった感じで憎たらしいですね。ここからどうやってカナタは帰還するのでしょうか。

 また次回はケンゴ/トリガーが再び登場!!という点も見逃せません。この困った状況では間違いなく頼りになってくれることでしょう。加えてカナタの「アガムスを救う」ことへの悩みに対し、ケンゴがどのように諭してくれるのかも気になるところ。そしてグリッタートリガーエタニティ&デッカーダイナミックタイプという最強形態タッグのバトルも楽しみで仕方ありません。次回は間違いなく見逃せないことになりますね!

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:A本編でのアリブンタは協力者のギロン人共々、エースとゾフィーによる正面衝突技によって倒されている。