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デュエル・マスターズ WIN 第12話「ボウイの決意」感想

あの日の喜びを思い出して

「ガチ環境に疲れた中でやる何てことない対戦」の楽しさ、いいよね……

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  • 少年とカードの「原点回帰」

 カイザの粛清を受け、心身ともにボロボロになってしまったボウイ。そうして追い詰められた彼をウィンが自宅に招待するところが今回のデュエマWINが始まりましたが、前回の暗いラストから一転してほんわかするお泊り会の様子が描かれていたのが素敵でしたね。お金持ちキャラ特有のスケールがデカい感性でウィンの家に無自覚な嫌味を言ったり(メタレド家よりも凄いと思うぞこの家!)、焼うどんの食べ方に悩んだりと微笑ましい光景が次々と見られました。ボウイのぶしつけな態度全開ですが、ウィン相手だと気兼ねせずにいられるのだろう、と思うとほっこりさせられます。

 

 何より今回はウィンとのデュエマを通してボウイがかつての情熱や楽しさを思い出していく展開がポイント。前回までの見せていたD4としての重圧に加え、神童として持て囃されていた幼少期から井の中の蛙だと思い知らされた過去も明かされ、「勝たなければいけない」という気持ちでいっぱいいっぱいになっていた彼の様子がまず不憫に思いました。源さん相手に自分の本音を吐露するボウイに何とも切ない気持ちにさせられます。

 そこからウィンと共にデュエマをすることで久々にデュエマを楽しんでいくシーンが素晴らしかったです。勝利にこだわっていたボウイが、張りつめていた普段の自分を解放していく過程に感動させられます。彼にとっては何でもないデュエマが、夢中になっていたあの頃の気持ちを取り戻していくのに必要だったことがことが窺い知れます。そして劇中初めての勝利を収めたことで、ボウイは以前のデュエマへの情熱を取り戻す「原点回帰」を果たしたことに胸が熱くなりました。

 またデュエマ初めてのパックである「デュエル・マスターズ 第1弾(DM-01)」の収録カードのみを使用したドラフト戦*1をやっていたのも興味深いですね。カードの扱いなどが現実に近い本作ならではのデュエマと言えます。《混沌の獅子デスライガー》や《浄化の精霊ウルス》《天空の守護者グラン・ギューレ》といった懐かしのカードの数々にちょっと涙が出てきます。そして昔のカードで遊ぶという「原点回帰」が、上述のボウイの「原点回帰」に綺麗に繋がる話の流れにも感心させられました。デュエマパートではCGが全く使われなかったのは残念でしたが、ずっと心配して見ていたボウイの再起を描いたエピソードとして最高の回だったと思います。

 

 

  • 闇の支配者頂上決戦

 今回もう1つの見どころだったのが邪神くんたちの戦い。ウィンがボウイと楽しんでいた裏側で、アビスロイヤルたちがカードの中の世界で激闘を繰り広げていたことには衝撃を受けました。何気に本作の世界でアビスロイヤル以外の本物のクリーチャーが存在していることが判明した点でも、興味深い内容でしたね。

 個人的には侵攻してきた敵がアビスロイヤルたちと同じ闇文明だったことが気になりました。みんな大好き《暗黒の騎士ザガーン》が複数人でフォーク=フォックたちを追い詰めていた絵面も印象的ですが、それらを従える謎の盟主《死神覇王 XENERCH》の登場には非常に驚きました。*2彼らダークロードやデーモン・コマンド率いる闇の軍勢と、深淵のアビスロイヤルは全くの別派閥であるのでしょうか。何より闇文明同士による派閥争いのようなものが行われている描写に色々と妄想が膨らみます。(ただゼナークの口ぶりから、彼らはアビスロイヤルから世界を守ろうとしている可能性も考えられます)

 それはそれとして、ジャシン帝となった邪神くんとゼナークのド派手なバトルは見ごたえがありましたね。ウィンVSボウイのデュエマでCGが使われなかった分、こちらのクリーチャー同士のリアルファイトでハイクオリティな戦いを魅せるというのが良かったです。(楽しそうなウィンたちの様子と交互に描かれていた点もメリハリが効いていました)単純な肉弾戦や闇のパワーで圧倒的な力を見せつけたジャシン帝、そんな強敵に最後まで喰らいついたゼナーク。どちらも非常にカッコよかったです。最終的にはジャシン帝の勝利に終わり、邪神くんに戻ってからはパパリンが持ってきてくれたカップ麺を啜って終わるギャップにもどこかニヤリとさせられます。

 そしてウィンとボウイが楽しんでいた傍らで繰り広げていた激闘を、邪神くんが昼寝で誤魔化した点も面白かったです。彼らにとってあのような戦いは日常茶飯事なのか気になりますが、ひとまずは何てことない態度を見せる邪神くんにいじらしさを感じました。

 

 

 さて次回はパパリンこと斬札ガッツにスポットが当たる模様。何と今の仕事をクビにされるかもしれないという、ウィンにとってもかつてない危機が訪れるようです。何気にアニメではまだ明かされていないパパリンの職業がいきなりピンチになる展開にはギョッとさせられますね。

 しかもクビを宣告してくる相手がよりにもよってカイザというのですから恐ろしいです。パパリンはイチかバチかのデュエマでクビを取り消してもらおうとするようですが、相手が相手なので勝てる気がしません。というか今月のコロコロに載っていた漫画版みたいな結末になりそうでめっちゃ怖い……いよいよカイザの真の切り札もお披露目されるようですし、パパリンとウィンの今後が心配になってきます。果たしてどうなる次回。

 

 

 ではまた、次の機会に。

*1:TCGにおける対戦形式の1つ。その場で開封したパックから好きなカードをお互い選び、作ったデッキで対戦する。ちなみにデュエマでは自身が持ち寄ったパックを使う「シールド戦」が有名。

*2:XENERCH(ゼナーク)という名前からして《覇王ブラックモナーク》や《死神明王 XENOM》の関係者であることが伺える。