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仮面ライダーギーツ 第11話「謀略Ⅱ:ジャマトの迷宮」感想

願いを引き寄せるための戦い

植物園のシーンが怖すぎるんですけど!!

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  • 守る覚悟と生き抜く覚悟

 今回のギーツはデザイアグランプリ・新シーズン2回戦からスタート。「迷宮脱出ゲーム」と称された今回のゲームは、巻き込まれた一般人を連れていつもの洋館謎の洋館から脱出するというものとなっていました。一般人がごく普通の人たちだったことには安心したものの、ジャマトが近づくと絞まる首輪を強制的にはめられているのが何ともエゲつないと思いましたね。裏を返せば彼らの苦しみ様でジャマトが接近しているのかがわかるのですが、子どもたちが苦しむ様子は見ていて気分が良いものではありません。ただ本作の参加者はみんな善良なので、劇中ではそんなプレイングをする人は1人もいなかったのが幸いでした。

 それどころか今回は「仮面ライダーケイロウ」に変身する丹波お爺ちゃんが体を張ってみんなを守ってくれるシーンがあって感動しました。若返りたいという願いを抱えながら、「こんな年寄り先に若い子たちを死なすわけにはいかない」という理由で戦った点がまた涙を誘います。前回はほぼ怯えて見ていることしか出来なかったお爺ちゃんですが、誰かのために困難に立ち向かえる立派なヒーローになってくれたのだなぁ……と早くもこの人のことが好きになってしまいました。ジャマトにボコボコにされながらも、何とか生き延びて本当に良かったです。まぁもしかしたら次回で死んでしまうかもしれませんが。

 またそんなお爺ちゃんの行動が景和に響いていたのも印象的。後述の件から「平和を望む」心が失われていたことがわかった景和ですが、自分を守ってくれた人の姿に胸を打たれるようなことから元々のお人好し気質は抜けていないことがわかって嬉しかったです。また英寿が命を張ったお爺ちゃんに「必ず勝ち抜けると信じろ」と声をかけるシーンでも、景和も影響がありそうなのが興味深いですね。参加者たちの誰かを助ける心&生き抜く姿勢が、既視感を覚えつつある景和の復活に繋がりそうなことにワクワクさせられる回でした。

 

 

  • 理想と願いの抹消&不気味なジャマト植物園

 一方でデザイアグランプリに関することで、例によって不穏な要素たっぷりだったのもポイント。特に今回は色々ありすぎて何度も衝撃を受けましたね。

 まずは願いについての新情報。前回参加者たちのキャラに感じた違和感の正体が、「デザイアグランプリの脱落者は理想を願う心を失う」というリスクによるものだと判明した時は驚きましたね。景和が平和よりも自分の幸福を優先したのも、祢音が母に従っていたのもこういうことかと納得がいきました。一方で参加者の人格にも大きく作用してしまうのはさすがに酷いと感じてしまいます。(ただ4話で脱落した奏斗/ダパーンは世界を憎む心を忘れて高校生活をエンジョイしているかもしれない……?と思うと悪くはなさそうな気がしてきました)

 他にも英寿が母親を探す件について、「母に会いたい」という願いを書けなかったことにも驚愕しました。願いを書く段階で消されるのは本作でも初めての事例だったのでこれは意外でしたね。運営者と家族になる願いはOKなのに、ただ母との再会を願うことを拒否されるのは明らかに不自然です。なるほど英寿が何度もデザグラに参加して、運営に近づこうとしているわけです。運営がその願いを消し去るほどの不都合なこととは何なのか、色々と気になってきましたね。

 そして最も衝撃を受けたのがジャマト植物園。謎の老人「アルキメデル」が幼体のジャマトを愛でながら育てている不気味な様子には唖然となりました。本作特有のノイズが走ったかのような演出に加え、幼体ジャマトの生理的な気持ち悪さも相まって本当に怖かったです。(かつての参加者たちのものであろう壊れたIDコアとデザイアドライバーが無造作に置かれている点も恐怖を加速させます)運営とジャマトが繋がっていることはほぼ確定したものの、それどころではないほどビビらせられましたね。願いの件だけでなく、こんな恐ろしいものを育てている運営に対し、何度目になるかわからない疑いの目を向けてしまいそうになる内容でした。

 

 

  • 運命廻して勝利を掴む幸撃の力

 

SET FEVER.

 

GOLDEN FEVER.

 

JACK POT HIT!

GOLDEN FEVER!!

 

 ゲームマスターが送ってきた「フィーバースロット」レイズバックルをブーストバックルと共に装填・デュアルオンして変身した形態「フィーバーブーストフォーム」。本作初となる強化フォームです。まず通常の大型バックル以上に大きなフィーバースロットの形状、何といっても金ぴかで煌びやかな光沢が豪勢な印象を与えてくれます。色合いからハイパームテキを彷彿としてしまうのはご愛敬バックル展開方法もスロットを回すという、どこか射幸心を煽ってくるようなギミックも特徴的です。

 そんなフィーバースロットをブーストと併用して変身した姿は、上半身・下半身共にブーストの装甲を纏ったというもの。どうやら下半身用に装填したバックルを全身に展開し、通常以上の力を発揮させる仕組みのようです。実質ブーストブーストフォームと言って良さそうな見た目ですが、複眼が金色になっている点、そして金色のマフラーを首に巻いていることから一応別物であることがわかります。

 そして強化フォームだけあって、戦闘能力の高さはかなりのもの。ブーストの時点で強力だった出力の高さがより上がったかのようなパワフルなバトルが展開されていました。手足のマフラーを同時に噴出させて、壁を走るなどして相手を撃破する戦い方もカッコよかったです。(6話の時を同じ止め絵演出をさらにテンポがよくなった形で見せてくれていたのもグッド)

 極めつけはブーストライカーを駆使した必殺技。最初はバイクらしく走り回って敵ジャマトを轢き倒していき、残ったジャマトライダー相手にはバイクをぶん回して叩きつけたことに驚きつつも興奮しました。巨大なバイクを武器のように扱う絵面には笑ったしまいましたが、それほどのパワーを有していることが端的にわかる演出として、何より新鮮かつド派手なカッコいい新必殺技として絶大なインパクトを残してくれたかと思います。

 

 

  • 黒き体に緑が蠢く謎多き兵士

 

SET.

 

JAMATO.

 

 突如として出現した「ジャマトライダー」。ジャマトがデザイアドライバーに「ディスコアID」と「ジャマト」レイズバックルを装填して変身した姿ですが、突然の登場にはかなり驚かされました。1本の木にツルやツタが全身に絡まったような見た目をしており、植物のトゲらしき意匠も相まって中々に不気味です。ただ丸っこいヒョウタンのようだった通常ジャマトとは正反対の刺々しさのギャップ、そして黒いアンダースーツにマッチしたデザインのカッコよさには惹かれるものがありますね。(あとドライバーの右側にバックルを装填している(=下半身に装甲が着けられる)のに、上半身に装甲が寄っている本作のライダーの逆のシステムも興味深いです)

 変身しただけあって、その強さは通常のジャマトよりも上になっています。が油断しなければ大型バックルを装着したギーツたちで問題なく倒せる程度と、ラスボスジャマトほどの強さはありません。このライダーの恐ろしさは倒してもすぐに復活する点で、すぐさま襲い掛かってくるのはとても厄介と言えます。そのうえ変身しているジャマトごと撃破しても、残ったドライバーとバックルでまた別のジャマトが変身してくるのでキリがありません。ヘタをしたらラスボス以上の脅威になりうるこの敵ライダーが、早くも2回戦で出てきたことが何よりの驚きですね。

 

 

 さて次回は迷宮脱出ゲーム後半戦。一般人を避難させるためにも必要な迷宮の脱出には暗号が必要になるようです。各所に設置されている謎の文字が関わっているようですが、既に出ているヒントからどういう意味を含んでいるのかをついつい考察してしまいそうになります。他にも今回英寿脱落のために暗躍しているウィンが、道長に共闘を持ち掛けている様子も目に留まりますね。(道長はそういう陰湿な手が嫌いなのに、誘って大丈夫なんでしょうか)

 また既に復活の予兆を見せている景和の動向も気になるところ。予告映像ではニンジャバックルを握っており、いよいよ復活か!?と期待してしまいます。ただドライバーをどこで調達するかが問題なのですが、まさか……ちょっと嫌な予感がしてきますね……

 

 

 ではまた、次の機会に。